香川県境トレイル 5泊6日の旅    平成29年3月17日〜3月22日

スタート:余木崎 (愛媛県と香川県の西部県境)
ゴール :県境岬 (徳島県と香川県の東部県境)


カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図   余木崎(西県境)〜引田県境岬(東県境)


縦走5日目
中山峠〜力石分岐〜竹屋敷・御所野尾根〜長野・境目〜大楢・県境尾根取りつき〜上畑ビバーク地


香川県境トレイル
第五日目 平成29321日(火)天気 雨〜曇り〜晴れ
中山峠〜上畑(鵜峠手前4.5km)ビバーク地(N34-10-13.9  ,  E134-18-16.3 ) 
歩行距離:約22.0km 歩行時間:0700分〜1810分 約11時間10


第5日目の行程図

カシミールソフトを使ったGPSトラックログ加工図  中山峠〜上畑ビバーク地


川沿い県境部 : 最も手を抜きやすく又忠実に県境を辿るのが難しいとも言える縦走ルートだ


 カシミールソフトを使ったGPSトラックログ加工図  シャバの県境部

県道377線と曽江谷川

朝目が覚めても雨が降りつづけている。先は長いのだけどこんな日は気合が入らない。グズグズしていると出発が07時になってし
まった。神社に丁寧な挨拶をして国道193号線に下りる。平日なので沢山の車が行きかって道路の向こう側に渡るのに気を使う。


中山峠(徳島側は清水峠)からの県境は吉野川の支流、曽江谷川の流れに沿って東に進む。この川は当然水量が少なくカヌーも
浮かべる事が出来ない。従ってここはしばらく香川県三木町の
県道377号線を大窪寺へ向かって歩く。県道に入ってすぐ右側に
第2自販機が立っている。(第1自販機は昨夜の商店前)


傘が無いので地図やGPSを濡らさない様にビニール袋の中に仕舞いこんで、以前ここを事前調査に来た記憶を頼りに歩く。

  
07時10分 大窪寺への県道377号線へ入る              直ぐに右側に第2有料命の水配給所があった

  
最初は県境川(曽江谷川)が畑の向こうに流れている           暫くすると県境川(曽江谷川)が道路と接近する

  
 前方からトラックが水しぶきを上げて走ってくる            ここは遍路道にもなっているのでお地蔵さんが祀られている


力石分岐から竹屋敷〜御所野付近の県境ルート図


カシミールソフトを使ったGPSトラックログ加工図

力石(ちからいし)分岐と槇川  (最初のターニングポイント)

07時40分道路右手に大きな丸い石を飾った碑がある。この重さ800kgの大石は源平合戦の時に武蔵坊弁慶が味方の士気を鼓舞
する為に持ちあげた言い伝えが残っている。従ってこの辺りの地名も「多和力石」通称「力石」と呼ばれている。

県道377号線と曽江谷川はここから北上するので、力石橋を渡って左側を橋の下に回り込み、最終的には県道から右手に曲がる道路
に出なければならない。


県境はこの場所から道路の直ぐ右手に流れる川の支流「槇川」となる。道路の横は護柵に覆われた田んぼや畑となっている。この道
路は県境川沿いをほぼ一本道で続くのでわかり易い。
0800分民家の横を通り過ぎる。昨夜調達したアンパンを食べながら歩く。

  
07時40分 力石 モニュメントか?                   弁慶が800kgの石を持ち上げたって言い伝えが書かれてある

  
県道377号線から右手の道に変更する  お遍路さんが雨具で歩いている  偵察時の天気が良い時の写真 ダイハツの車屋さんから左折する

  
左回りのロータリー式に県道377号線の下をくぐる            曽江谷川にかかる「力石橋」を渡る 後はほぼ一本道だ

  

右に流れる県境川は「槇川」となる                         槇川沿いを進む

  
08時10分 朝食のアンパン(昨夜調達)を食べながら歩く       道端には民家が点在する奇妙な県境歩きである


多和・竹屋敷で県境尾根に入る キーワードは川向こうの廃屋

08時13分道路から右下に別な道が延びるのでここを右に曲がって一段下側の道を進む。直ぐに右手に大きめの祠がある。ここに川の
向こう側に渡る橋があり道路が延びている。しかし事前調査で橋を渡ってこの道路に入り歩き回ったが県境部に出る手段は見つから
なかった。


08時20分その先にある大きな農家の裏側から丸木橋を渡り、川縁から見える廃屋に進む。事前調査ではこの廃屋の裏手から県境尾根
に取り付くのが一番わかり易い方法だったのだ。下流の大きな橋から土手沿いはスズタケの大藪で直接ここに来るのは厳しい。

恐怖の丸木橋


誤算はこの丸木を二本並べた橋は雨で滑り易くなっていた事である。恐る恐る丸木橋を渡り08時30分この廃屋まで到着する。この丸
木橋渡が今回の県境尾根縦走で最大且つ唯一の危険個所だった。雨が激しく降ってビショビショで地図もGPSも出せない。折り畳み
傘を持って来なかった事をム〜チョ悔やむ。


  
   08時11分 右下の農道に入る                    08時16分 槇川を渡って道が延びるがこれは徳島県なので左折する
                                         (橋を渡って左岸を進めば良いが道が無くスズタケの大藪である)
  
下に見える民家の裏側から回り込んで槇川へ下りる(小道有り)  スズタケ藪の対岸奥に廃屋が見える 川に丸木橋が架かっている

  
  08時20分  そうそう あれを渡るのよ               きゃい〜〜ん 雨でスベスベじゃん 落ちるかも・・・

  
廃屋まで少し藪だけど周りのスズタケよりマシや            この廃屋が県境縦走尾根のスタート地点だ

ここで曽江谷川(吉野川水系)の支流「槇川」と別れて山へ入り、東側の御所野で「東俣谷川」(これも吉野川水系)と別の県境川へ
と繋ぐ訳である。



土砂採集場で道ロストし痛恨の彷徨

廃屋の中で雨を避けて前回のログ地図を確認して頭に入れビニール袋に仕舞う。ここから県境尾根伝いに一山越えると一旦神社のある
コルに下り、そこから大規模な土砂採集場の中を進んで次の尾根に乗らなければならない。従ってこの部分は土砂採集場を挟んで前半
と後半の尾根歩きとなる。


当日の縦走ログ図


カシミールソフトを使ったGPSトラックログ加工図  土砂採集場で県境復帰場所を誤る

前半の尾根

08時40分雨を避けて廃屋近くで身支度を整えて出発する。5分程斜面を上がると右手からの尾根に合流し県境尾根に乗る事が出来
た。県境尾根には踏み跡やテープがあるが木々が密集してザックに引っかかりすんなり歩けない。
自然林の特徴が無い尾根を所々に現れるテープを見ながら注意深く歩く。

09時15分バームクーヘン型の縦走路標識がある。これは前回のリハーサル歩きで確認済みだった。地形が少し平らになりわかり辛
いが東に向かえば道路に下りつくので心配は無い。。最後は相当急な傾斜を下り09時40分
予定より遅れて神社のコルに下り着く。
鳥居には「阿岐武神社」(あきたけじんじゃ?)とある。お参りして採石場の泥だらけの道路に出た。

  
 廃屋倉庫の中 農業用だったと思われる         廃屋裏から尾根に上がる (スペース有り)

  
尾根筋に出るとテープが現れる             特徴の無い自然林の尾根を拾う

  
 尾根筋が明確なのでここは問題ないだろう    09時12分南側の448ピークへ行かない様に2テープ段がある

  
09時15分香川の里山縦走路に良く見かけるバームクーヘン型標識   何となく尾根を進む

  
     次第に下りになる               最後は急な傾斜で木々を掴みながら下る

  
  下に神社の鳥居が見えた               09時40分阿岐武神社にお参りをする


縦走尾根が途切れる土砂採取工場

09時40分神社に下りた後、左手の広い道路に出る。既に閉鎖された工場跡だと思っていたのだがいきなりダンプカーが水しぶきを
上げて走ってくる。この広大な敷地は恐らく土砂採集の為に山を削って出来た広場と思われるが、県境部を道路が走っているのだ。
右手の池は恐らく土砂を掘って採取した後に水が溜まったのではなかろうか? しかし県境部を跨いでこんな工場って不思議な気がす
る。(県によって条例が変わる訳だし・・・)

見覚えのあるベルトコンベアー設備(これは現在稼働していない様だ)が左右に現れその横を通って先へ進む。古いベルトコンベアが
そのまま残っているから、上から砂利をベルトコンベアでダンプカーに落とし込んでいたのだろう。うる覚えで広い道路の坂を上がっ
て目印の小屋を探す。

前回は逆方向から歩いて来たので県境尾根からこの敷地に下りるルートは単純だった。尾根が途切れる直前の左手に小屋があったのだ。

しかし北側へ進まなければならない道路を間違って東や南へ進んでしまい県境尾根に取り付く小屋が見つからない。傘が無い為、地図
やGPSを出さずに記憶を頼りに広い道路が錯綜する場所を辿るには実に曖昧なもんやった。ウロウロして小屋が2つあったので庇の
下で地図とGPSで位置を確認する。あちゃ〜〜 とんでもない場所へ迷い込んでいた事に気が付く。


方角を修正して10時15分分県境尾根に乗る。ここで20分程時間をロスしてしまった。

  
  左手のベルトコンベアの土砂落し場ぞいに進む           上り坂の右手にも同じような施設跡がある

  
なるべく広い道路を左側に沿って進む                    小屋が見当たらない

  
 左の小尾根が県境尾根だと勘違いしてそのまま進む          おかしいので引き返して広場へ進む

  
  小屋が2つ並ぶが尾根と小屋との位置関係がおかしい      奥の小屋で庇(ひさし)の下に入ってGPSと地図を見る  違った〜〜


実際の目印小屋はコレだ〜〜〜 (前回のリハーサル時の写真)

  
尾根の逆方向から来て左手にこの小屋があり、ここを下りた    小屋の正面  金網の柵があった (火薬庫)

  
  広場から北にコンパス頼りに進む                   10時15分県境尾根に乗った様だ


相変わらずの雨で地図を出さず注意力散漫となり10時30分尾根が東へ90度曲がらなければならない分岐をそのまま進んでしまい引き返す。
心の中にも雨がシトシト降って来る。ここで又10分
のロス・・・私の人生ロスばかり・・・

尾根道を修正して東へ進み、適当にシダの藪を下がる。11時05分
見覚えのある多和菅谷(香川)と御所野(徳島)を結ぶ道路に下
り着く。少し県境より北側に下りてしまった様だ。 川を渡って県境部に入ってシャバに出るまで2時間40分を要した。(まあ 前
回リハーサルで歩いたこの区間はメモを取りながら2時何15分程だったので、雨の条件ではこんなロス時間は仕方ないのかもしれな
い。)

  
  県境の細尾根                   尾根のターンを失敗し元に帰ってトボトボ歩く

  
 後半の県境尾根は一か所だけ気を付ければ問題ない    シダが現れると終盤に近い

  
  むむっ  このシダ藪 思い出したぞ         シダ藪を避けて左手を下がる

  
 道路脇の廃屋裏に下りつく              11時05分多和〜御所野の県道三号線に下りつく 



単三電池の托鉢に三連敗 きゃい〜〜ん

道路脇の木陰でレインスーツの下が少し濡れて来たので着替えをする。するとGPSがピ〜と音を立てて電池切れを知らせる。あれ?
消耗が早すぎる。連日の寒波で電池の持ちが相当短くなり予備の単三電池があと
2本(GPS一回分)しか残っていない。う〜〜ん 
最終日の後半は未知の世界なのでどうしてもGPSを稼働しなくちゃならない。


香川県側へ道路を進んだ所にリッチそうな大きな家がある。ダメ元で乾電池を分けてもらおうと寄り道をする。道から3m程上がった
庭にお爺さんが座っており「すみませ〜ん」と声をかける。すると私を見るなり玄関の中に逃げ込んでしまった。どうみても悪徳セー
ルスマンには見えないんだけど・・・犬がワンワン吠えるので仕方なく諦めて県境へ引き返す。



もしも単三電池が切れたなら・・・・  (単三電池を単四電池として使えるアダプター)
今回の単三電池切れトラブルを解消する為に単四電池をアダプターに入れると単三電池として使えるアダプターを購入しました (値段は数百円)



11時30分県境分岐の三叉路を東に向かい暫くは「東俣谷川」に沿ってのどかな道を進む。11時37分道が左右に別れる分岐に出合う。
二又の中央部に「徳島県 市場町」の標識が立っている。ここは右に曲がらなければならない。事前調査では左に進むとやがて道路は
行き止まりとなるのだ。右手の道路を歩くとすぐに小高い山の間を抜ける。ここがちょっとした分水嶺になっており、その先で右手に
県境川が現れる。この川も吉野川水系の「日開谷川(ひがいだに)」で最終的な県境河川となっている。


不動明王の石碑が現れると右手の川沿いに杉が植林されている。12時00分左手に養鶏場跡の様な廃屋がある山間部を抜ける。この辺
りは「番所」という地名になっており、県境川(日開谷川)は右手に流れている。


民家のある開けた山間の道を進むと12時12分「白鳥農場 村川卵ファクトリー」の施設が右手にあり、祠を見ながら道なりに橋を
渡る。橋の名前は何と書いてあるのか行書体が古びて読めなかった。


  
御所野手前の三叉路を東に進む 県境川(東俣谷川)は右側を流れる   13時37分 分岐を右に進む (左は行き止まり)

  
小高い峠部を進む (東俣谷川と日開谷川の分水嶺になっている)   右手に不動明王の石碑が建つが像は見えない

  
右手に日開谷川が流れ少し植林が見られる                12時00分家畜舎跡を通過する

  
12時10分 村川卵ファクトリー(白鳥農場)を右手に見ながら通過すると続けて 祠と橋を通る

  
 イノシシ防護柵の張られた道を進む                   12時15分 大窪寺から続いて来た県道377号線と合流する


県道377号線に合流  最後の水場は五名トンネル手前だ


  カシミールソフトを使ったGPSトラックログ加工図    事前調査時のものです

又県境川を右手に見ながらイノシシ防護柵の畑道を進む。すると12時15分県道377号線の広い道路と合流した。結局、中山峠から暫
く歩いて別れた県道377
号線とここで再会した訳である。と言う事は中山峠から377号線を歩けば大窪寺を経由してここに来れるのだ
が、遠回りだし県境歩きには程遠い物になってしまう。


右下に日開谷川を見ながら舗装道路を歩く。田んぼ後に生えた草が青々としている。

12時38分道路の左手に野菜と木材の無人直売所があり、その向こうに最後の水場、自動販売機があるのだ。この辺りは「長野」と呼ば
れる地名で
377号線道路は「五名(ごみょう)トンネル」に向かうので、ここから右に遍路道を通って小山を一つ越える。

  
  広い県道377号線を東に進む                       小さい祠と鳥居がある (地図には記載なし)

  
  五名(ごみょう)トンネルへ続く県道377号線           12時38分左手に無人販売所がある 野菜や木材が置かれている

 
   前方に見える五名(ごみょう)トンネルの手前を右に遍路道があり八丁越えに向かう  左手の赤い自販機が最終水場だ


八丁坂から境目へ

水は昨夜、中山峠の商店自販機で補給したので最終自販機ではホットコーヒー缶を飲むだけにした。雨は幾分小降りになってきたがまだ
止んではいない。
13時00分ショートカットで県境部への道路に出て、「徳島県 市場町」の標識から山に向かう。山際には農家があり
畑に出ているご夫婦に「電池の余分があったら分けて貰えませんか?」と尋ねると「私らは遠くからここに来ているので仮住まいの家に
は電池は置いていないんですよ すぐ上側の家には人が住んでおられるので聞いて見なさい」と言われる。


上側の門構えが立派な家にお邪魔すると犬が吠える。食べ残しのアンパンをやると一発で大人しくなって尻尾を振り出した。感じの良い
奥さんに電池の事を尋ねるとビニール袋に入った単三電池を出して「これ ひょっとしたら使い古しかも知れません」と言われるのでG
PSに入れ替えてスイッチを入れるが反応しない。「ちょっと待って下さい もう少し探してみます」と言って家の中に入られた。

犬が尻尾を振っているので残ったパンを投げてやる。暫くして「やっぱり無かったです すみません」と気の毒がってくれたがこちらが
返って恐縮し、お礼を述べて門を出る。犬がキュ〜〜ンとパンを要求したがもう無いんじゃ すまんのう。



気を取り直して13時15分イノシシ柵を開けて「八丁坂」の遍路道に入る。少し荒れ気味ではあるが往年の古道を偲ばせる峠越えだった。
四国のみち標識には「白鳥温泉・三宝寺」方面となっている。13時33分
境目」の道路に下りる。樹齢600年の大イチョウの木が
目印だ。香川県側は「東かがわ市」で徳島県側は「市場町」である。近くに立つ神社の鳥居には「熊埜(くまの?)大権現」とある。


  
  12時50分 自販機から近道で遍路道「八丁坂」へ向かう     遍路道の行き先は「切幡寺」の様だ


  
   右手に県境川「日開谷川」が流れる                 遍路道の曲がり角に「徳島県 市場町」の標識が立つ

  
  標識から左折して山へ向かう                      13時05分お地蔵さんが立つ「八丁坂」分岐 これを右折する

  
  四国のみち 行き先は「白鳥温泉・三宝寺」方面である      ちょっと荒れ気味の遍路道

  
   13時25分 八丁坂の峠に着く                    竹林などもある八丁坂の下り

  
        13時32分 境目に下る                 樹齢600年と言われる大イチョウが境目のシンボルだ バス停もある

  
八丁坂から下りた遍路道(左側)を振り返る 標識は香川県・東かがわ市だ   熊埜(くまの?)大権現


ここから暫く八丁坂の小山で二つに分断された東側の日開谷川に沿って三叉路を東に向かう。この三叉路に民家がありお爺さんが庭でちょ
っとした大工仕事をしているので三度目の正直「あの〜 単三電池があったら分けて貰えないでしょうか?」と言うと家の中へ探しに行っ
てくれた。しばらくしてビニールに包まれた新品の単二電池と単四電池を手に庭に出て来られて「うちにはこんなのしか無かったわ」と済
まなさそうに言ってくれた。「御親切にお時間を取らせて申し訳ありませんでした」とお礼を何度も述べて不運な県境縦走者はその場を去
る。

もう電池の事はキッパリと諦めた。13時35分
三叉路に入り、すぐ白鳥のレリーフをあしらった「両国橋」を渡る。なるほど、白鳥は香
川県側の白鳥(しろとり)町から、そしてここは讃岐と阿波の境目にあるから両国橋なのか。暇だからそんな事にもいちいち感心しないと
身が持たない。


  
  13時35分 境目の三叉路から東へ進む                  両国橋って立派な名前の橋を渡る


いよいよ最終県境主尾根へ

13時43分最後の道路分岐に差し掛かる。左は三宝寺・白鳥温泉への遍路道で、ここは右の道路に進まなければならない。分岐の中央は笹が
生えているのが特徴だ。この頃になると雨もやっと止み日差しも時々差すようになって来た。


13時52分(二又分岐から約10分後)左手に目印の赤い橋があった。何か周りの風景が前回と少し違う様な気がしたが橋を渡ってイノシシ柵
を越えて山際に向かう。5分
程田んぼ道を歩き山際から低い尾根に取り付く。前回は植林地帯に出た記憶があったので何かヘン?と尾根に
上がってGPSと地図で位置を確認すると事前調査の時に渡った赤い橋より一つ手前の赤い橋を渡った様だ。

正解の赤い橋を渡ると右手に池があり手前から回り込んで尾根へ取りつく。この辺りの県境部は畑となっており県境部に沿って歩く事は出来
ないのでまあどこから県尾根へ取りついても大勢に影響はない。


  
  遍路道を兼用した道路を東に進む                    13時43分 分岐を右に曲がる (直進=左は遍路道)

  
 ガードレールが左右交互に続く道路を進む                左手に見える尾根はやがて先で県境尾根となる

  
 13時52分 赤い橋があったので思わず渡ってしまった       尾根筋の付け根に見えた廃屋へと進む

   
こちらの赤い橋が事前調査時に渡った1つ先にある正解橋      前回の事前調査では右手に池があった (2つ目の池)

  
  前方に三角点へ続く県境尾根が見える               自然林の斜面を尾根に上がる (前回は植林だった)

  
 尾根を少し進むと左手後方から道が合流した              14時20分 植林が現れ、前回歩いた尾根に着いた

最終県境尾根部からビバーク地点まで





△点(51) 四等三角点「北市場」564.13m

この県境尾根からはもう引田までシャバに下りる事は無い。しかし時刻は既に14時を回っている。計画では昼ごろにはここに到達する予定
だったけど、ここまで雨の為集中力が低下して道を間違ったり、電池の托鉢などと随分無駄な時間を費やしたものだった。

14時20分直ぐに見覚えのある植林地帯を過ぎると広い自然林の尾根道となり次第に傾斜が急になる。川沿いの県境尾根付近は標高250m
程なのでここから三角点「北市場」までの標高差は300m余りを這い上がっていくのである。
前回軽いザックで登った時もキツかったが
今回は水も大目に補給してるから猶更だ。そして雨後の濡れた落ち葉で足元は悪く滑って歩きにくい。


14時50分赤松が生えた見通しの効くピークに到達する。足元は風化した石が砂となって滑り易い。ここから女体山付近のギザギザ尾根が眺
められる。滑り易い丸尾根を渡ると又急登になる。藪椿の花に慰められながら又急登を喘ぐと15時33分
四等三角点「北市場」に着いた。
「北ぁ〜の♪ 市場通りには〜♪ 髪の長い女が似合う〜♪」と唄を歌いながら三角点を踏む。以前近くて拾ってきた石が周りに並んでい
る。

  
 植林帯もすぐに終わり自然林の広い尾根道になる  急登になるとシダも現れ濡れた落ち葉が滑ってヘロヘロだワン

  
  う〜〜ん あれが北市場かいな?            ウバメガシの美しい道だ


 14時50分 大窪寺の裏手に聳える矢筈山から女体山のギザギザ尾根が見える

  
  マサ土で滑る〜〜〜                 マサ土の細尾根を渡ると次の上り坂が待っている

 
椿咲く〜♪ 春なのに〜 ♪ 急登は続くのよ〜♪     ワタシ もうヘロヘロざんず


          15時33分 四等三角点「北市場」を踏む


△点(52) 四等三角点「定久」 578.08m

さてここからは初めて歩く尾根となる。あと日没まで2時間半でどこまで行けるのだろうか?地図を見ると次の三角点まではほぼ東に向かっ
てアップダウンを繰り返す。


三角点北市場から20分程進むと植林地帯となり尾根に古い道の様な窪地が横断する。植林も整備されていないので細くて弱々しいくそ
の分自然木の方が目立つ。16時22分
尾根の左手に未舗装林道が延びているのが確認出来る。しかし地図を見るとこれは鵜峠(うのたお)
から尾根を少し南側に外して延びている林道とは規模が違う様だ。この林道を気にしながら歩いていると、16時30分
四等三角点「定久
に着いた。点名は北側、香川県の入野山近くにある地名「定久」から取られている。


  
 さあ 次の三角点へ向けて行こう!                      雨が止むと霧が出て来た

  
 16時00分 尾根が掘れ込んでいる場所に出た 右には道の様な気配が   時代劇の参勤交代の行列が似合う様な尾根道

  
  ん? 左手に林道(作業道)が並走する                ちょっと荒れ気味の自然林尾根


  16時30分 四等三角点「定久」本日2個目の三角点に到着する  この辺りは又植林帯となっている


林道に下りてしまい垂直(に近い)のガレ沢を這い上がる羽目に

三角点「定久」から県境尾根は真南へ下がって行く。自然林の尾根になると少々荒れ気味だが道はしっかりしている。17時02分
左手から広い林道が尾根に並ぶ。すると北側の展望が開けて瀬戸内海が見える。あ〜やっと終点が近づきつつある。ここで又判断ミス
を冒す。

前方の尾根が相当荒れている様に見えたので道路に下りてしまったのだ。地図を見るとこの林道は次第に尾根と遠ざかって行くのだが、
良く地図を見る事無くすぐ先で尾根近くに合流すると勝手に思い込んでしまった。右手に崖が続き尾根が次第に高くなって来る。
10分
程林道を歩いてこりゃダメだわと荒れ沢に取り付いて尾根に復帰する事に決める。これがまるで垂直に近くて尾根に這い上がる
20分
間は体力と神経を相当使う事になる。 

苦労してやっと県境尾根に這い上がると、下から幅の広い尾根が続いており、その後方には女体山が見える。今日は数々の判断ミスを冒
したが、最後の失敗はコレだった。


  
三角点「定久」から尾根は南に向けて下って行く              この辺りは少々ワイルドな県境尾根となる

  
17時00分 左前方に東へ延びる県境尾根が見える      17時02分 尾根と林道が並ぶ  前方の尾根が頼りないので林道へ下りた
                                           地図を読まずに林道に下りたのが失敗だった


         お〜〜〜  瀬戸内海が見えるやんけ   

  
いくら歩いても尾根に復帰する場所もなく益々絶壁となる      仕方なく17時20分林道が左に離れる場所から沢に取り付く

  
 ほぼ垂直に近い場所もあり全身の筋肉を使う             枝が張り出しザックがひっかる  素直に引き返すべきやったね

  
  何だ〜 キツイ傾斜だけど立派な尾根道があるじゃん       まだ急傾斜が先のターニングピークまで続く


強風を避けるビバーク地を探して最後の夜を迎える

17時25分尾根に復帰して急登を引き続いて上がる。今回は数々の急登を喘いで来たが、この坂もその一つに数えられるべき急登だった。
17時40分
やっと上部のピークに到達する。そしてこのピークから尾根ルートは東へ方向を変える。

予定では最終日の事を考えて今日中に鵜峠(うのたお)まで進みたかったのだがどう見ても不可能である。木々の間から白鳥、三本松辺
りの海岸線が見えるが結構遠い。
西に陽が傾き強風が音を立てて木々を激しく揺らす。気温も急激に低くなり尾根を右手に外した斜面に
ビバーク適地を探しながら歩く。右手が植林地帯になり18時10分
次のピークへの途中でビバークする事に決めた。

  
ターニングピークに向かって急な上りが続く        その先がターニングピークだ

  
17時45分 ターニングピークで東へ方向を変える     白鳥・三本松辺りだろうか?

  
  17時50分 パックリ岩を通過          女体山方面に夕日が沈む

  
 右が植林 左の自然林斜面から猛烈な風が吹く      18時10分 右斜面に入りビバークを決める

右手(南側)に風を避けて傾斜のある植林の中に入りツェルトを出す。ここでも風が強くてとてもじゃないがペグを打てない。ツェルト
の屋根部両端を杉の木に結び付けて飛ばない様に固定し、四隅をペグで固定する。いびつな形になったがまあこんな状況の場所では文句
は言えない。


雨で濡れたウィンドブレーカー、レインパンツ、サコッシュなどをツェルトの張り綱に洗濯バサミで吊るす。今回ツェルトの隙間用に洗
濯バサミ10個
を持って来たのがここで役に立った。強風と寒さで山の斜面に張ったツェルトに荷物を放り込んで中に入って一息つく。
ザックの中身を全部出して食糧、水、衣類、薬、電池などを総点検する。

ホッカイロは一個しか持って来てないので今まで寒くても使わなかった。ここでホッカイロを出しポケットに入れて使用済みの単四電池
を全て入れて温める。風が強くてお湯を沸かす気分にもならず余った行動食(イカ揚げスナック)や洋酒入りのバッカス・チョコレート
を食べる。すると急に酔っ払って動悸、息切れがし出した。


ズボンは雨用スパッツとレインズボンのお蔭で綺麗な状態で良かった。ペットボトルは3本残ったので1本は翌日引田まで到達出来ず緊
急ビバーク用にザックの底に仕舞う。最終日はペットボトル2本
だが寒いので大丈夫だろう。

寒さに震えながら全身アルコール消毒を行い溜まったゴミを整理してモンベルのガルベージ袋にまとめる。使用済みの地図はうっかりし
て1枚
サコッシュに入れたまま濡れてダメになっていた。携帯消臭スプレーをあらゆる物に吹き付ける。今まで使わなかった半袖のメッ
シュ下着とシャツを下に着る。足のマメは両カカトと両小指に出来て最悪の状態だが探してもリバテープの在庫は見当たらなかった。


最終日の地図を出して眺める。マットとシュラフが傾斜で滑って足がツェルトから出てしまいそうだ。、芋虫の様に又這い上がらなけれ
ばならない。ザックを足元に置いて滑り止めとする。


引田まで行程の地図はまだ5枚も残っている。今日は雨やポカで大ブレーキとなったが悔やんでも仕方がない。ヒザの調子も今一つで、
モンベルのリール式登山靴のリールが緩んで足が靴の中で動きマメが出来た。上りはカカトのマメが痛くて、下りは小指のマメが痛む。
こんな状態でもここまで来れた事で良しとしよう。バッカス・チョコレートで酔っ払いながら就寝する。


  
 強風の中、取り敢えず手早くツェルトを張る              足元に向かって下り傾斜があるので銀マットを裏返す


   濡れた物を強風で飛ばされない様にして干す   外は強風でもツェルトの中は天国だ




  香川県境トレイル 概要編は                      ここ    

  第1日目 余木崎〜雲辺寺山は                    ここ    

  第2日目 雲辺寺山〜東山峠手前の野営地は           ここ     

  第3日目 東山峠手前の野営地〜立石峠付近の野営地は    ここ     

  第4日目 立石峠ビバーク地〜中山峠                 ここ     

  第6日目 上畑野営地〜引田県境岬は                ここ     








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