香川県境トレイル 5泊6日の旅    平成29年3月17日〜3月22日

スタート:余木崎 (愛媛県と香川県の西部県境)
ゴール :県境岬 (徳島県と香川県の東部県境)


カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図   余木崎(西県境)〜引田県境岬(東県境)


縦走4日目
立石峠ビバーク地〜三頭峠〜寒風越〜阿波竜王山〜讃岐竜王山〜相栗峠〜大滝山〜中山峠



香川県境トレイル
第四日目 平成29320日(月)天気 晴れ後雨
立石峠(二双越)付近のビバーク地〜中山峠(国道193号線)
歩行距離:約26.3km 歩行時間:0610分〜1820分 約12時間10


カシミールソフトを利用したGPSトラックログ加工図  立石峠付近ビバーク地〜中山峠(清水峠)


05時前に起床してツェルト内で散らかした物を片付け出発の準備をする。面倒だが膝痛を防ぐ為に今日も窮屈なスパッツを履いて水の
残りを再確認する。気温は相変わらず低いのでペットボトル3本
で何とか国道193号線まで下山出来るだろう。

朝は何も欲しくないので水にポカリスウェットの粉末を流し込んでそれを飲む。昨日見つからなかった三角点の丘に未練を残しながら
06時10分
出発する。

  
 三角点「勝浦」の丘に別れを告げて06時10分ビバーク地を出発   三頭越まで2,800mも残っているよ〜


△点(33) 四等三角点「柾木」 852.9m

前方から朝日が昇るので場所を移動して眺める。右下斜面にはモトクロス場の様な道路が走っているのが見える。06時25分柾木」と
書かれた大きな標識があり立石峠から700m来て、三頭越までが2,150mと記されている。標識によると北側に「影三角」方面
への分岐となっているが国土地理院の地図にはその道は載ってはいない。

すると5
分後に分岐石標の奥側に少し低めの四等三角点「柾木」に出合う。柾木は北側、香川県側の明神川(土器川支流)沿いにある地
名である。尾根道はここで直角に東へ曲がるので標識が立っており三頭越まであと2kmとある。


  
  06時13分 朝日が山際から昇る                    06時26分 征木(まさき)の標識 影三角へ1,800mとなっている


          久保谷・奈良の木周辺案内図の説明板が立っている


  06時30分 四等三角点「征木」(まさき)を通過  手前は境界礎石で奥が三角点



  
    三角点「征木」で県境尾根が北から東にターンする       しばらくは植林地帯を歩く


三頭越

この辺りは県立自然公園として良く整備されているので尾根歩きでの心配は無い。三頭越までの標識距離が減って行くのを見ながら進
むと07時05分
お馴染みの像が立つ三頭越に着いた。昔から金毘羅参拝者を見つめて来たであろう女神「天宇受売命(あめのうずめ
のみこと)」と 男神「猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)」にご挨拶をする。

三頭越の由来は徳島県側の三頭山にある「三頭神社」から来ている。山頂の神社には剣霊・山王・清竜(青竜とも)の三社が祀られて
いる事から「三頭神社」と名付けられたらしい。

なお、三頭神社は古来金毘羅宮の奥の院として、阿波の人々が金毘羅参りの後にこの「三頭神社」にもお参りしたらしくちょっとした
門前町もあったと言う。これは丁度「箸蔵寺」と同じ立ち位置である。 従って三頭峠の鳥居には徳島側から見ると「金毘羅大権現」
の表札が、一方香川県側には「三頭大権現」の表札が掛けられている。



「三頭峠」は江戸時代から昭和の初期まで讃岐の塩やコメ、海産物、阿波の薪炭、藍、木製品などの交流が盛んで阿讃の峠としては群
を抜いて交通量が多い場所だったらしい。又、借耕牛の往来も同様で仲多度郡や綾歌郡の稲作を支えて来た。

この峠道は標高が795mと高い為に状態が悪くて難渋していた所、江戸時代末期に大麻村の僧「智典(ちてん)」達の努力によって
阿波街道として整備され交通量も増えたらしい。しかしその後、昭和4年に池田〜琴平間に土讃線の開通、平成9年三頭トンネルの開
通等により現在は通る人は一部の峠マニア、街道マニア、登山者だけになった様だ。

君たちは誰? (芸能の神と道案内の神)

この峠に立っている男女の像はと言えば
女神「アメ(マ)ノウズメノミコト」(天宇受売命、天鈿女命)は天照大神が岩戸隠れをした際に、オッパイをさらけ出しその前で踊
り周りの神々を笑わせて、何じゃろな?と思わせて天照大神を岩戸から出して世界がぱ〜〜っと明るくなったという日本で一番古い踊
り子なのよ。どうりで乳地蔵と言われている筈だ。

一方男神「サルタヒコノカミ」(猿田彦神)はニニギノミコトの天孫降臨の折、最初は邪魔をしたが、天鈿女命が躍る色気に騙されて
自分の名前を明かした上に高千穂まで道案内をしたというどこか憎めない神様だ。

三頭トンネルが出来てからはこの峠を歩く人が居なくなるのは当然の事だが、二つの男神、女神はお互い向き合っていても飽きて来る
し少々寂しげな表情にも見える。


時間に余裕があれば事前にチェックした久保谷の水でも少し補給したい所だが全体の縦走予定より1時間弱遅れているのでそのまま先へ
急ぐことにする。
阿讃山脈では大川山付近とこの三頭越〜竜王山〜大滝山付近が最もメジャーな場所で良く歩かれている場所で標識や
道の整備も良くされている。


  
自然林の尾根に変わり峠へ向かって下って行く             07時05分 峠に鳥居と対の像が見える


徳島県側から見た金毘羅参詣道としての三頭峠 女神と男神が対に並ぶ 鳥居には金毘羅大権現の表札が掛かっている

  
 ダンサー 「天宇受売命(あめのうずめのみこと)」   ガイド「猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)」


△点(34) 四等三角点「久保谷」 913.13m

三頭塔峠から暫くは自然林の上りとなる。朝っぱらから上り坂はキツい。0733分前方ピークに標識が見えてそこに着くと道が直角に
曲がっている。丁度真下に三頭トンネルが抜けている場所だ。


ここの三角点は以前にも確認済みなので登山道を外れて北側の尾根筋へ踏み込んで行く。最初に図根点の標石があるので間違いそうな
のだが、三角点は堀れこんだ溝を越えて更に奥に入った所にある。
0735分四等三角点「久保谷」を踏む。久保谷(くぼたに)は土器
川の支流明神川から三等越に別れた谷筋の名前で、ここにユキワリイチゲやコバイモが咲くので春先は花好きな愛好家で賑わう場所に
なる。


  
  三頭峠から結構キツい登り坂になる                    07時30分ターニングピークに上がり着く

  
ターニングポイントから縦走路を左へ入ると図根点がある       そこから更に支尾根の窪みを越えて進むと

  
      07時45分 四等三角点「久保谷」がある   縦走路から15〜20m奥にある

寒風越

すこし休憩の後竜王山へ向かう。08時10分それまでの明るかった自然林が植林地帯となり登山道が暗くなる。アップダウンを繰り
返しながら
08時35分横畑」分岐の標識群に出合う。標識には「寒風越」と記されている。この辺りは標高900mを越える尾根が続
いているが、この寒風越は896
で徳島県側も香川県側も開けた地形の為冬に寒風が吹きぬけた所から名付けられたらしい。
随分前に大川山〜竜王山日帰り縦走をした時にここから自転車を置いてある横畑へ下った懐かしい場所だ。

この分岐には「竜王奈良の木」周辺案内図が立っている。「奈良の木」は三頭峠より西側にある地名だ。合わせて香川県の地図も載せ
られており、それを見ると竜王山辺りが香川県境の真ん中になっている。


  
   こんな自然林だと明るくていいんだけどねえ           すぐに植林帯で暗くなる   08時34分横畑分岐に到着


   現在地が地図上であるのでイメージが湧く   ふむふむ こんな場所に居るんか〜


            この地図を見ると 竜王山辺りが県境縦走の丁度半分の場所だ

   
     懐かしい横畑への分岐標識                   08時37分「寒風越」に着く  朝食は羊羹(ようかん)を齧る


△(35) 一等三角点「竜王山」 1,012.7m

あまり手入れのされていない植林の中を上っていくと09時02分一等三角点「竜王山」に着いた。縦走2日目の一等三角点「登尾山」
に次ぐ
個目の一等三角点である。やはり一等三角点は他のそれよりデカくて立派だ。但しこの場所はいわゆる竜王山(阿波竜王山や
讃岐竜王山)から余りにも離れているのでその存在感は薄い。確かにピークとは言い辛い冴えない場所に立っているので三角点マニア
しか興味は無いだろう。


  
 標識の次の目的地は竜王峠になっている                        どんどん登って行く


   09時02分 一等三角点「竜王山」に到着  三角点の嘆き「竜王山の山頂から遠い所に置かれてワタシ不本意だわ」


竜王峠

一等三角点「竜王山」から5分ほど縦走路を進むといきなり明るい舗装道路に出た。デカい石碑が立っており「竜王峠」と彫られてい
る。三頭トンネルが開通するまではこの峠越えで車が往来してたのだろう。冬場は結構雪が深いので難所になった筈だ。


道路の向こう側に縦走路の標識があり暫く右植林、左自然林の尾根道が続く。09時20分辺りが又開けて電波塔の立つ尾根に出てコ
ンクリートの道路を歩く。突き当りにある2
基の電波塔のフェンス右手が縦走路となっており金網越しに先に進む。自然林の明るい尾
根道になってしばらく進むと右手に道路が現れるが直ぐに右下に別れて行く。葉が生い茂る前の自然林は見通しが利き前方に明らかな
竜王山のピークが見える。


  
 09時08分 道路と交差する峠に出る                  道路の向かいに縦走路が続く
  

       09時08分 竜王峠のモニュメントを眺める


△点(36) 四等三角点「阿波竜王」1,059.79m

自然林の尾根道を進むと09時42分又道路の尾根カーブ場所に下り付いた。向こう側の尾根道入り口に「阿波竜王200m、讃岐竜
王900m」の標識が立っている。5
分程急な坂を上ると阿波竜王「香川県ルート」と「徳島県ルート」の分岐標識がある。香川県ル
ートは直登で厳しそうだが、徳島県ルートは右に迂回気味に比較的緩やかな道となっている。当然香川県の住民は香川県ルートでしょ。
分程急登を喘ぐとなだらかな尾根道になり前方に見覚えのある展望所が現れた。

09時55分展望所の下にある四等三角点「阿波竜王」を踏む。雑木が高く生えて香川県方面の景色は良く見えない。徳島県側も霞んで
良く見えない。でも屋根がある展望台は快適でこんな場所でビバーク出来れば最高なんだけど、夕方に通過するタイミングが合わない
んだなあ。


  
   右=植林、左=自然林のパターン                  09時20分 電波塔へ進む道路に出る

  
  無線中継所のフェンス横が縦走路ですと?               道なりに進む

  
  09時30分  え〜〜 又道路と接近?                          正面に竜王山のピークが見える

  
  むむっ 道路のコーナーに出たよ                   道路を回り込んだ所に阿波竜王山への尾根道標識有り

  
少し上ると香川県ルート=直登、徳島県ルート=右迂回路の標識   まあ香川県の住人だから急な直登道を喘ぐ

    
  阿波竜王山の展望所が見える                   立派な展望所の横なのでショボく見える四等三角点「阿波竜王」


讃岐竜王山

阿讃山脈の最高点「阿波竜王山」を後にする。最高点からは下るだけのイメージなんだけど実際の山の地形はへそ曲がりでそうはいか
ない。アップダウンの繰り返しとグルグル遠回りを余儀なくされるのだ。気温が低いのだがその証拠に雪の塊が2
か所ここには残って
いた。

10時07分
浅木原分岐を左に見る。この峠部には北西に延びる分水嶺尾根があって西に土器川水系、明神川の源流地に「浅木原集落」
がある。一方分水嶺尾根の東側は香東川水系、内場川の源流部貝ノ股川の源流部となりここにも浅木原集落がある。この分岐で言う浅
木原とは明神川方面の集落へ下る道だ。

浅木原分岐を過ぎると大変な木造階段の急登が現れる。銀河鉄道と名付けたこの階段は天に向かって延びる鉄道線路の様だ。それを一
段一段休みながら上がると竜王山キャンプ場への分岐がある。奥の湯温泉へ通じる登山道だが、残念ながら奥の湯温泉は最近、耐震構
造の改修費が嵩むために閉鎖になった。


10時23分讃岐竜王山のピークに着く。名だたる名峰を数多く持つ徳島県にとってこの竜王山なんて取るに足らない存在だろう。とこ
ろが香川県にとっては大川山と並んで1000m峰として貴重な存在なのだ。だからこの阿讃県境にある大川山〜竜王山〜大滝山にか
けては主に香川県の山として山渓分県ガイドにも紹介されている。


それならあの展望所がある竜王山をもって「讃岐竜王山」の名前をサービスしてくれてもいいんじゃないの? まあ諸悪の根源は国土
地理院にあって、展望所にある三角点の点名を「阿波竜王」とした事にある。山が少ない香川県への配慮に欠けた国土地理院の命名責
任である。そんな事を考えながらショボイ讃岐竜王山を後にする。



 
 左が急な崖の尾根道を進む                       10時07分 浅木原分岐を通過

  
   一旦コルに向かって下る                        10時17分竜王山キャンプ場への分岐を通過

  
    うへ〜〜〜  知ってはいるものの、何度見てもため息が出る銀河鉄道だ

  
数日前の寒波で降った雪が残っている 皆がストックで突いている   おっ このショボさは讃岐竜王山?


     10時23分 「讃岐竜王山」に到着   「なあ お前、もそっといい景色の山頂でありたかったよなあ」



鷹山園地

讃岐竜王山から相栗峠までほぼ下り一辺倒となる。右手徳島県側にある植林は「入倉郡里県行造林」となっている。「入倉」は真南に
ある美馬町の地名だが色んな行政の援助で植林を行っている様だ。


讃岐竜王山からドンドン下ると10時48分鷹山公園」に下り立った。道路や東屋がある広々とした休憩所になっている。ここに見え
る道路は県道美馬・塩江線に双方繋がっているので車で鷹山園地まで来ることが出来る。


ここでは案内板が「大滝竜王周辺案内図」となっているが南北逆転の地図なので非常に見づらい。ここから相栗峠まで2,100m、
大滝山まで8,100mもある。う〜〜ん まだ遠いなあ・・・


  
   入倉郡里(こうざと)県行造林の標識が立っている       10時47分 鷹山公園に下りつく 相栗峠から道路が延びてきている
 

  う〜〜んっと  あれ?  この地図は南北逆転になってるわ  う〜〜ん 何か見ずらい


△(37) 四等三角点「美女」 776.34m

縦走路に入ってすぐ小ピークがあり一応「鷹山」と呼ばれているらしい。境界石や境界杭はあるが山名板は無いので当然見過ごす場所
だ。そこから快適な登山道が続くが、暫くするとピークに向かって例の階段道の上りが続く。この上り階段を喘ぎながらうつむき加減
に歩いていると後ろからトレランの若者が近づいて来た。この若者から見ればトボトボと歩く私を見て体力の無い気の毒な老人に見え
たに違いない。挨拶を交わして甘んじて抜いて貰う。


11時15分ピークに四等三角点「美女」があった。先日高松市民登山学校で竜王山へ来た時にこの三角点をあっと言う間に過ぎてしまっ
たので山名板に気付かなかった。今日はじっくりと美女を拝見する。するとキティ山岳会と○米さんの私標がちゃんと有るではないか
!やはり大勢の山行はゆっくりと立ち止まれない難点がある。それにしても点名「美女」などというシャレた名はどこから持って来た
のだろう? 点名を付ける時には恐らく上司に相談する筈なのでどんないきさつがあったのやら・・・


  
鷹山公園から道路を渡って向かいの尾根に進む              ちょっとしたピークが「鷹山」らしい  山名板は無い

  
          下りの階段                         上りの階段でトレランの若者に抜かれる 当然じゃよね


    11時15分 四等三角点「美女」を掃き清めてじっくり拝見する

  
    キティさんの山名板もあったわ                        それに〇米さんの痕跡も・・・


相栗峠 (あいぐりとうげ)

三角点「美女」から下りに下った11時27分一旦縦走路はコルで舗装道路と横並びになる。この左側には内場川の谷筋で水が音を立
てて流れており、少しこの道路を遡れば谷と交差するので給水場所の候補にしていた所だ。縦走路は小高いピークを一つ越して相栗峠
へと進む。少し藪っぽい竹林を抜けると11時37分
セメント階段を通り「相栗峠」に下り立った。

相栗峠は昔から塩江・仏生山と美馬との交易道として栄えた需要な交通路だった。藩政時代は徳島県側の郡里(こうざと)村の名前か
ら「郡里越」(こうざとごえ)と呼ばれていたようだ。相栗峠の名称に関しては江戸時代中期、高松藩の菊池助三郎武矩(たけのり)
という儒学者が徳島に旅行した「祖谷紀行」の中でこの峠辺りには栗の木が多くあって「両国の人、相共にその栗を拾う」事がら名付
けられたらしいんだけど・・・そんな単純な起源かどうかようわからん。

ともかくこの峠は古来重要な讃岐と阿波(美馬地方)を結ぶ要所だった事は間違いない。それはこの峠を抜けて讃岐に入る安原地区に
関所を設けて税の徴収を行っていた。(安原街道と呼ばれる)その為にこの関所のあった安原に「関」という地名が残っている。

又、街道マニアにとってたまらないのが猪鼻峠や三頭峠と違ってここにはトンネルが建設されず、旧街道沿いに県道7号線が建設され
たので昔のルートにほぼ沿ってバイクや自転車で走れる場所となっている事に価値があるみたいだ。


  
  三角点「美女」からは結構急な下りが続く               11時27分 左から道路が接近するが山道を進む

  
    細いヒメシャラの様な樹木が多くみられる              コンクリートの階段を下りる


    11時30分「相栗峠」に下り立つ  ここも讃岐と阿波の交易ゆや借耕牛の往来があった場所だ

さていよいよここから大滝山の山域に入る。

笑える急登

11時40分相栗峠の反対側コンクリート階段を上がる。そのまま619mピークへ進むと左手に東屋があるのでここも公園になっている
らしい。大滝山まで6,100mと記された標識が立っている。う〜〜ん お昼近くで大滝山までまだそんな距離が残っているのか〜

天気も崩れていくので今日中には中山峠まで何としても進みたいのだ。

一旦コル部まで下がると11時50分いよいよ「笑える急登」(笑うっきゃない急登?)と名付けた名物の這い上がり箇所のスタートラ
インに着いた。ここから20分
余り細いロープを手繰りながら悪戦苦闘が続く。気を抜くと重たいザックでそっくり返りそうになるし、
落ち葉でズルズル滑るし・・・


一回も笑う余裕もなく眉間に皺を寄せて歯を食いしばったまま12時12分天辺まで上り詰める。 あ〜〜しんどかった〜〜ここにロ
ープが無かったら右手の灌木帯を進まなければならない所だった。


  
   こちら側にも少し階段りがあり上る                   こんな場所でビバークしたいものだ  東屋もある

  
ロープを頼りに体を引き上げる                        やはり重いザックを背負ってこの坂はキツ〜〜い

  
 12時12分「笑える坂」を笑わないで上がりきる            ここから又標識が沢山出てくる 


△点(38) 三等三角点「平帽子」 778.57m (登山道から藪へ15m程入った植林帯との接点近く)

暫く進むと標識があり大滝山まで6km徒歩2時間半と記されている。え〜これから時間半って事は大滝山到着は15時って事か・・・
それから中山峠まで・・・しゃ〜ない なるようにしかならんのよ ケセラセラ


12時22分奥の湯分岐のコーナーを曲がる。ここから北に鉄塔保線路が奥の湯温泉付近まで延びている様だ。そこから5〜6分程歩くと
四電・阿波幹線89
番鉄塔に着いた。さてこの右手に入ったどこかに次の三角点がある。藪の中で地図とGPSを睨んで三角点を探し
て10分
弱彷徨う。思ったより奥の杉林前で三等三角点「平帽子」を発見して喜ぶ。実際、この県境尾根縦走はこんな事で喜ぶしか他
に楽しみが無いのだから。 平帽子とは面白い名前だが真南の徳島県側にある地名から来ている。


藪から縦走路に復帰して暫く歩くと地図が手元に無い事に気が付く。あちゃ〜 藪の中で落とした様だ。この忙しい時に何てこった。
不注意な自分を嫌になりながらも予備の地図を持たないので今度は藪の中で地図を探す羽目に。何とか見つけて縦走を再開する。


  
12時22分 奥の湯温泉に下る鉄塔尾根分岐を右折する       四電・阿波幹線 89番鉄塔を右手に見る


    12時37分 右手のヤブに入り、15m程植林地帯まで進んで三等三角点「平帽子」を発見する

  
落した地図を拾いに又藪を歩き三角点を再度訪問する         縦走路に帰って足早に歩く

山女子に逢う

12時50分細尾根を下り「国地蔵峠」のコルを通過する。ここにも大滝山周辺案内図があるが北が上になるまともな図になっており見易
かった。そこから杉林の中に整備された道を次のピークに向かって上がる。大滝山(城ヶ丸)まで3.5km標識があり、整備された階
段状の道を下っていると今回
2組目の単独女性が向こうから歩いて来られた。ブログのHNがKirichan57 と言う方で結構山にハマってい
るさわやかな山好き女子だった。


  
  細尾根を下るとコルに出る                        12時50分「国地蔵峠」からお地蔵さんを振る帰る


       ここの地図は上が北だったので見易く心が安らぐ   北側にも南側にも道が延びている

  
  少し荒れた地質に整備された道が続く                 ダラダラと階段状の道を上る

  
この縦走中初めてまともな登山者=同志に逢って嬉しくなる     13時18分 苫尾へ林道経由下る分岐がある


△点(39) 四等三角点「苫尾」(とまお) 818.94m

それから又孤独な歩きが続き13時18分苫尾分岐を過ぎる。県境尾根を歩いているとわからないのだが、地図を見るとこの尾根の南側
には苫尾集落を中心に道路が平行に走っている。植林と自然林が混在する細尾根が続くと13時37分
細尾峠」の標識に出合う。ここ
から北側へ中腹道を経てキャンプ場への道を別ける。すると又13時44分
「苫尾峠」の標識がありここからも中腹線をへてキャンプ場
へ道が北側にある様だ。


この標識から整備された階段状の上り坂を詰めると13時52分苫尾山」標識に着き、四等三角点「苫尾」を踏む。

赤松が多く生えた細尾根を歩き、坂道を下ると「三本松」の標識があった。以前ここには大きな松が3本立っていたのだろう。この辺り
の尾根には南側の苫尾、北側の中部線歩道・キャンプ場への分岐が沢山あり標識も忙しい。相栗峠から大滝山まで続く尾根の北側には香
東川水系の小出川が平行に流れており、キャンプ場はこの小出川沿いにある。


   
 やはり右手の徳島県側に植林が多い                   細尾峠 中腹線歩道、キャンプ場への分岐

  
   文字通り細尾峠付近は細尾根だ                  13時45分「苫尾峠」 ここも中腹線歩道、キャンプ場への分岐になっている


  13時52分 四等三角点「苫尾」を通過  「苫尾山」の山頂標識が立つ


△点(40)二等三角点「大滝山」(城ヶ丸) 943.24m

自然林主体の細尾根のアップダウンを繰り返すと14時33分「大生峠」(おおばえとうげ)に着く。やはりここにも北側に中部線歩道
・大生口の分岐となっており城ヶ丸まで460mと記されている。
尾根の北側には中腹道が通っており、小出川沿いには沢山の登山口が
ある。やがて縦走路は整備された階段状の道に落ち葉が降り積もった上りとなる。


県境部は厳しい崖もあるので縦走路(遊歩道)はトラバースしながら14時50分東屋のある「城ヶ丸」(じょうがまる)に回り込んだ。
東屋の向かい側にお地蔵さんが置かれており、その前に二等三角点「大滝山」がある。三角点の後ろにお地蔵さんがあるのは県境縦走で
ここだけだった。

  
13時58分苫尾分岐(大規模農道経由) 香川県側は崖だ   分かり易い縦走路 赤松が多い

  
  14時07分 三本松通過           ここにも香川県側に中部線歩道、キャンプ場方面への分岐が

  
  正面に大滝山が見える               左手、香川県側は急な崖になっている

  
  14時33分 大生(おおばえ)峠         小出川の上流部「大生」(おおばえ)への分岐

  
 左手が崩れかけているので整備されている       ジグザグ道を上ると大滝山(城ヶ丸)の標識に出合う


  14時50分 2等三角点「大滝山」に到着  正確にはここは「城ヶ丸」と呼ばれる肩だ

実際の「大滝山」はここからブナ峠を進んだピークにあるのでそちらに急ぐ。香川県の山でブナ林があるのは恐らくここだけだろう。尾
根には香川県と徳島県の間に点線で分けられた大きな標識が立てられており、徳島県の場所には大瀧寺所有地と記されている。


ブナ峠を過ぎると大瀧寺分岐があり、そこから小高い森へ進むと15時10分大滝山」山頂に着いた。この山頂はどうもマイナーな取り
扱いで山頂標識も薄汚れている。

大滝寺は奈良時代に行基によって開かれたという古い歴史を持ったお寺さんであるが、弘法大師がここで修行中に西照大権現を彫ったと
言われる位だから神仏混交の寺だった。それが明治政府の神仏分離令によって西照神社と大滝寺となったらしい。金毘羅神宮もそうであ
った様に明治維新後に神社が大手を降ったケースが多い。



  
 あまりこんな県境を強調する場所も少ない               まあ ブナがあると山にハクが付く


  
休憩所も城ヶ丸とこの中間点にもある 野営には最高なんだけど・・・    大滝山へ向かう


               ブナやミズナラの林

  
    大滝寺分岐  今回はお寺には寄らず山頂へ向かう      15時10分 大滝山山頂 946m 陰気な山頂だ

  
        裏手から西照神社へ回り込む               西照神社にお参りして駐車場上側から県境尾根の繋ぎがある


大滝山から中山峠への大下り   ( 日没は大丈夫か?  )

さて、ここ大滝山から北に向かい中山峠まで下るのだが大相山分岐までは未知の尾根である。県境尾根の縦走路は西照神社に回り込み、
その駐車場付近から続く。この縦走路の繋ぎ目を良く知らなかったのでウロウロする。よく見ると阿讃縦走路の標識が立っているのだが
、古びて見逃しそうである。


  
    大滝山から中山峠へ向かう県境尾根の入り口           縦走路から西照神社の入り口を振り返る

大滝山〜大相山分岐 (約 1時間40分)

一旦県境縦走路に入れば明瞭な尾根道があり安心するが時刻は既に15時20分だ。あと
3時間で中山峠まで下らなければならない。
漠然と大滝山まで13
時頃と考えていたのだが、いままで少しずつスケジュールに遅れが出たツケがここに回ってきた。三角点は県境
尾根部にはもう無いので後は歩く事に集中するだけである。


右手にアンテナ塔がありそれをやり過ごして尾根道を下る。ここで水は残りペットボトル1本となった。緊急用に西照神社で出所不明
の水を300ml程入手したが、出来ればこれは飲みたくはない。


快適な自然林の尾根道が続き15時40分図根点を通過すると急な下りとなりここにもブナが数本見られる。左手には香東川の支流、
椛川(かばかわ)を挟んで木綿織(もめおり)地区の集落とその裏には植林伐採地の山塊と作業道が見える。


前方に小高い山が見えるので縦走路は下り一辺倒ではなくて一度大きく標高を上げねばならない様だ。県境尾根道は次第に細くなり
多少荒れ気味ではあるが明瞭である。
16時17分伐採された自然木が並ぶ道を上がる。

  
    大きな電波塔を右に見ながら縦走路が延びる           意外と分かり易い県境尾根でホッとする

  
   15時40分 図根点を通過する                     急な下りにブナがありロープも置かれている

  
   この辺りも右が植林、左が自然林のパターンだ            正面に大相山らしき山塊が見える

  
  少し荒れ気味だが雰囲気は良い縦走路だ              大滝山を振り返る   電波塔が見える

  
  伐採木が散乱して荒れている                       左前方に伐採地が見える あれが大相山か?

大相山分岐〜中山峠  ( 約 1時間30分 )  

16時30分ピーク付近に近づき地形が平坦になると「阿讃縦走コース」の標識が現れる。イノシシの掘った穴がセメントの様な色となっ
て幾つも続く。20分程進むと
左手の伐採山と高さが並び加減になると左手から作業道が並ぶ。

そこから又荒れ気味の尾根道を上がると17時03分「大相山分岐」にやっと到着した。この付近は横長い大きなピークになっており
三角点のある大相山は阿讃県境から外れて西へ10分程で行ける。
分岐には「大相山方面」と「阿讃縦走コース」のそれぞれの方向に
標識が木に掛けられている。ここは県境尾根縦走の下見として既に中山峠から歩いて来たことがあるが大相山はそんなに魅力的な山では
無かった。今回は中山峠の商店が閉まるので時間的な余裕が無くスキップする。


自然林の県境尾根を下る。最初の内は北に延びる支尾根のピークが幾つも現れるが県境尾根は少し荒れ気味であるがはっきりして不安
はない。
植林が右側に並んで来る様になり17時20分稜線のピーク近くに岩が現れる。このピークを右に曲がり下りになると稜線は
背丈の低い笹で覆われた。


  
16時30分 ピークに向かって上っていく                  久々に阿讃縦走コースの標識に出合う

  
  大規模な伐採地とその為に付けられて道路             イノシシがそこら辺りを掘り返している

  
 16時50分 大きな林道と接近                              なだらかな上り坂


  17時03分  大相山分岐に到着   う〜〜ん  大相山へお邪魔する時間的、精神的な余裕は無いわ

  
  大相山へはほぼ水平道                            県境尾根縦走路は下り坂


夕暮れ迫る県境縦走路を中山峠へ一目散  お店閉まらないでね〜

17時30分自然林の間を下っていると前方の北に延びる尾根に通せんぼの木が横たわっており、ここも右手に向かってコースを変え
る。上りでは問題にならない場所も下りになると支尾根に踏み込まない様に注意が必要だ。この下りは大変急で長いトラロープが敷設
されている。下りの途中に「阿讃縦走コース」の標識も掛かっていて安心感を与えてくれる。


天気は崩れかけて薄暗くなった尾根道をどんどん下って行く。自然林帯だからまだ薄明るいが植林地帯だったら相当暗い筈だ。17時
40分又前方の尾根に道が消えて右手に尾根を乗り換えるコーナーを右折する。するとここの下り坂にもトラロープが置かれていた。


17時55分雑木の左下に土砂採集場の様な大きな空き地が見えてダンプカーがライトを点けて走っているのが見える。地図を見ると
国道193号線の北側に池を中心にした空き地がある。トラロープの急坂を下ると縦走路は県境尾根を少し右手に外して支尾根沿いを
金毘羅神社のある中山峠に向かって下る事になる。


18時03分細尾根にシダが現れ、前方に見えていたダンプカーの灯りが左横並びに見える様になる。トラバース道を下りトタンを張
られた倉庫の横を抜けると神社近くに出て「中山峠・阿讃縦走コース」の標識に出合う。
18時20分国道沿いには沢山の車がライト
を点けて往来している。あ〜〜 シャバに下りた〜〜〜


  
   下りなのに前方にまだピークがあるよ〜                 ちょっと雰囲気が違う尾根道だ


   17時20分 久しぶりに変化のある岩尾根がピークに現れる

  
  このピークから右にターン                        するとこれも珍しく笹の尾根となる  笹が低いので歓迎だ

  
     平凡な尾根になる                               ガンガン下る

  
  17時32分 2度目の右ターンで尾根を乗り換える          ターン後の斜面は急傾斜でロープが敷設されている

  
  お世話になった阿讃縦走コースの標識                    滑り易い下り斜面

  
   境界杭にもお世話になった                      17時41分 またまた右に尾根替えターン

  
  写真写りより急傾斜でロープも敷設されている             こんな枯れ木があればアクセントになる

  
    急な傾斜にはロープが置かれている 遍路道の所以か      18時03分 縦走路が狭まってシダが現れる

  
 左手には作業場がありトラックがライトを点けて動き回っている    次第に縦走路が尾根の右へトラバース気味になる

  
  18時17分 倉庫の様な小屋がある                  倉庫を回り込むと「阿讃縦走路 中山峠」の標識があった


縦走4日目でシャバに下り中山峠で行動食と水を補給

車の通るタイミングを見計らって道路の反対側へ渡り恐らくこの辺りでは唯一の商店と思われる店を目指す。水は自動販売機があるの
で24時間営業であるが、田舎は店じまいが早いのだ。


実は今回の縦走準備で重量を減らす為に折り畳み傘を直前でザックから出してしまったのだ。所が天気予報によると今晩遅くから激し
い雨が降るらしい。食料は後2日間は残っているのだが、ひょっとして傘を売ってたら買おうと思ったのだ。
案の定お店の前に着くと
孫を抱いたおじいさんが店じまいにかかっている。


「すみません 何か食料を買わせて下さい」と中に入ると私の登山ルックを見てお孫さんが爺さんに掻きついて怖がっている。雑貨も
多少陳列しているので「傘は売ってませんか?」と聞くと「あ〜それは置いてません」と言う。更に「余分な傘があれば売って頂けま
せんか?」と聞くとそれは無いと言う。残念!


品数が少なくあまり食べたい物も目につかない。取り敢えずラーメンとカッパエビセンとイカの皮付き揚げスナックを買う。すると店
主さんが「ラーメンのお湯を入れましょか?」と言ってくれたのでそれに甘える。出来上がったので外に出て自販機の前に座ってラー
メンをすすっていると店主が気の毒がって店の前にあるコンテナに座って食べて下さいと言う。ついでにお茶まで出してくれた。

「これからどうされるのですか?」と聞かれたので「適当に県道筋を歩いてテントを張って休みます」と言うと「いつか女子大生が近
くの神社で野宿するって店を出て行った事がありますよ」と言う。 なるほど・・その手もあるか・・・食べ終わってお礼を何度も言
いながらお茶碗を返すと店じまいとなった。


又、自販機の前に移動して水の調達作業にかかる。本来なら水の調達は白鳥トンネル近くにある最終自販機で行う予定だったが、お店
の親切に応えてここでする気持ちになった。


  
18時20分 国道193号線を手を上げて渡る             19時00分 縦走3回目の水場で補水する


四日目は野宿〜〜

時間は19時になったが県道歩きは夜でも出来るので次の県境尾根が始まる場所近くまで歩こうと分岐まで進むと急に大粒の雨が降っ
て来た。予報では夜半過ぎから雨ってラジオで言ってたんだけど・・・あちゃ〜〜 こりゃイカン!


お店のおじいさんから以前女子大生が近くの神社で野宿をしたって話を聞いたので取り敢えず神社へ向かってビバーク場所を決める事
にした。神社の奥にツェルトを張ろうと思うが雨風が激しくなって少し庇(ひさし)が出ている場所に逃げ込んで思案する。
恐らく例
の女子大生もここで野宿をしたんだろう。 え〜〜い 女子大生に続け〜 ここで野宿や〜〜


雨があまりかからないように窮屈な場所に入り込んでシートを敷いて寝袋とシュラフカバーを出し、その上にツェルトを被せて巻き付
ける。お〜〜 以外に快適じゃん


物は考えようで、フツーこの歳になってこんな場所で野宿って聞けば哀れな話なのだが、山の中でツェルトで寝ているのとそんなに大
差は無い。色んな不便を体験しなければ実感出来ないが、水があり食料があり雨露をしのげる場所がある事が何よりの贅沢なのだ。
衣服関係が雨に濡れない様に防水袋に入れてイカスナックを齧りながらスパッツを脱いだり全身をアルコール消毒したり目薬を入れた
りの儀式を終えて就寝する。
雨風が激しく何度も目が覚めるが寒くは無かった。


  庇(ひさし)の下で野宿の図   多少雨は吹き込むがツェルトを巻いているので内側は濡れない



香川県境トレイル 概要編は                   ここ    

  第1日目 余木崎〜雲辺寺山は                ここ    

  第2日目 雲辺寺山〜東山峠手前の野営地は          ここ     

  第3日目 東山峠手前の野営地〜立石峠付近の野営地は     ここ     

  第5日目 中山峠〜上畑(鵜峠手前)野営地は         ここ     

  第6日目 上畑野営地〜引田県境岬は             ここ     




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