香川県境トレイル 5泊6日の旅    平成29年3月17日〜3月22日

スタート:余木崎 (愛媛県と香川県の西部県境)
ゴール :県境岬 (徳島県と香川県の東部県境)


カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図   余木崎(西県境)〜引田県境岬(東県境)


縦走2日目:雲辺寺山〜六地蔵越〜中蓮寺峰〜若狭峰〜猪ノ鼻峠〜二軒茶屋〜登尾山〜野営地

香川県境トレイル  
第二日目 平成29318日(土)天気 晴れ
雲辺寺〜東山峠手前のビバーク地( 北緯34度06分05.8秒 、東経133度51分57.6秒 )
歩行距離:約20.7km 歩行時間:0620分〜1740分 約11時間20



カシミールソフトを利用したGPSトラックログ加工図 雲辺寺山〜東山峠手前のビバーク地


△点(8) 二等三角点「雲辺寺山」910.7m

朝起きて通夜堂の荷物一式を片付け朝日を見る為に一旦お寺の東側へ出る。06時20分通夜堂にお辞儀をして縦走二日目をスタート。
身が引き締まる肌寒さだが良い天気で気合が入る。昨夜少し不気味に見えた五百羅漢像の前を通るが今朝は滑稽な表情に戻っていた。


舗装道路を電波塔まで進んで06時36分裏手のカヤ藪にある二等三角点「雲辺寺山」を踏む。ここは意識的に訪れないとまず来ない場
所だ。さて、ここからどう進むか事前勉強不足で分からない。電波塔へのガードレール付近は縦走路がある様には見えない。取り敢えず
黄色い杭がある藪の中に突っ込んで様子を見る事にする。



    雲辺寺の東側へ出て朝日を眺める

  
06時20分通夜堂に帰って出発する                   五百羅漢に見送られる  行ってくるど〜〜

  
  あの電波塔付近に三角点がある                   電波塔の敷地の奥へ進む


    06時36分 二等三角点「雲辺寺山」を見つける  二等三角点としては少し小さく見えるし不遇の存在だ



県境尾根へのつなぎ目が分からない (三角点から遍路道に引き返せば良かった)

と言うのも電波塔手前にへんろ道の分岐がるのだが、それは財田町の逆瀬に向かって下るルートだと思っており、県境尾根縦走路は別に
有ると勘違いしていた。以前高松市民登山学校で雲辺寺山へ行ったのだが、その時の下山GPS軌跡が県境尾根とズレていたのが勘違い
の元だった。


境界杭に沿って進むが踏み跡も無いし何かおかしい。コンパスを出して確認すると、どうもこの尾根は東北東部へ向かって伸びる支尾根
の様だ。左手に尾根の高みが見えるので北側に進路変更しながら進むと遍路道に出た。


07時00分チベットの様な旗が沢山並んだ分岐で地図を出して確認すると、先ず遍路道を歩いて途中から尾根縦走路に分岐する事が分か
った。結局一旦三角点を踏んでから遍路道に引き返せば良かったのである。思い込みって恐ろしく時間を浪費するものだ。


頭を?きながら5分ほど遍路道を進むと右手に阿讃縦走路の分岐がちゃんとある。四国のみち=遍路道は全て「大興寺・逆瀬池」とな
っている。


  
 藪を入ると黄色い杭がある                        う〜〜ん この杭は縦走尾根では無さそうだ

  
 06時47分軌道修正して北に進むと遍路道に出た          ロープウェイ駅方面(左)と遍路道(右)分岐


  06時52分 チベット寺院の様な旗が掛けられている分岐に出た。 地図を出して再度位置を確認する

   
古い石標には「小松尾寺道」と刻まれている              植林の遍路道を少し進む

  
   07時05分遍路道と縦走路の分岐に出る              阿讃縦走コースの標識に出合う


△点(9) 四等三角点「河西」 809.07m

分岐を右の県境縦走路に入ると右に植林、左が自然林の少しワイルドな道だ。しかし進むにつれて道幅が広くなり快適な縦走尾根の
水平道となる。 やがて縦走路には松が増えて自然林の様相となる。縦走路分岐から県境尾根は中蓮寺峰まで不思議な程北東方向へ
一直線だ。

0730分地図とGPSで確認すると縦走路の左手、藪の中に三角点がありそうなので気を付けながら歩く。すると藪の中に三角点の
標柱がありその傍に礎石を見つける。


  
 右に植林、左に自然林の少しワイルド気味かな            進むにつれてちゃんとした尾根道だ

  
   やがて自然林の尾根道になる                    う〜〜ん  この辺りのヤブに三角点があるんだけど・・・


  07時30分四等三角点「河西」 809.07mを発見〜

 

この三角点を過ぎると縦走尾根は次第に荒れて来る。0740分分岐があり右手に「」と記された矢印標識があったのでそれに従う。
近くに阿讃縦走コースの標識も掛かっている。地図を見るとここから北側に逆瀬池へ向かって破線道があった。

この分岐を過ぎて雑木林の縦走路になるとカヤが多く見られる様になる。境界割出し作業で刈られたのだろうか、枯れたカヤがびっし
りと縦走路に敷き詰められている。
0755分縦走路がピークの左側をトラバースして先の細尾根に続く。

  
三角点河西を過ぎると道が荒れてくるが不明という事もない     07時40分分岐を右に進む (右に「辻」と「阿讃縦走コース」標識あり
                                           左は逆瀬池へと下るルートだろう

  
     この辺りはカヤが多くなる                      前方に次のピークが見える 674mP △「山本」か

  
 07時55分 小高いピークを右にトラバースして道が延びる         直ぐに細尾根に合流


△点(10) 四等三角点「山本」673.72m


再び赤松が生えた広くて快適な尾根道を進む。左手には山本町が木々を通して見えるのだが開けた場所が一つもない。すると「辻財産区
の表札が木に掛けられており、
0815分カヤが散在する尾根道に四等三角点「山本」があった。点名は三豊市山本町から取られているの
だろう。「」も67番札所「大興寺」付近にある地名だ。

ちなみに「財産区」とは市町村合併する際、旧市町村が所有、管理していた土地や財産(この場合は森林)を新しい市町村に引き継がずに
旧市町村の地域で管理、処分する為に設置された地方行政組織の事らしい。

三角点から5分程下ると
大木の下にお地蔵さんの道しるべが立っており「左うんぺんじ 右こんぴら」と彫られているのが読める。ここも
昔はこんぴら街道の一つだったのだろうか。地図にある破線道は先程の三角点「山本」から北に逆瀬池へ、南に野呂内へ下る様に記されて
いるだけで、このコル付近に道の記載は無い。


  
     快適な尾根道                             「辻財産区」の標識が掛けられている


         08時15分 カヤの縦走路、ど真ん中に四等三角点「山本」があった

  
  大きな杉の大木の横に何か石標があるぞ              「左うんぺんじ 右こんぴら」と彫られている



△点(11) 三等三角点「蜂ヶ谷」 642.65m

みちしるべ地蔵さんから雑木の開けた広めのなだらかな縦走路が続く。立木が低く少し周りが藪っぽくなった0840分、端が少し欠け
た三等三角点「蜂ヶ谷」を踏む。以前六地蔵越の水場チェックに来た時、この三角点まで歩いて引き返した事がある。その時の記憶が
余り無いが最近歩いた事があるという実績が安心感を呼ぶ。


少し進むと視界が開ける。枯れたカヤが多く見られて木々も低いので香川県側の展望が見られる数少ない場所だ。前方には中蓮寺峰の
山塊と、左手には少し霞んでいるが善通寺五岳が見えている。


  
  尚も快適な尾根道が続く 前方のピークが次の△点峰か            自然林の尾根道


               08時40分 頭が少し欠けている三等三角点「蜂ヶ谷」を通過

  
  前方が開けて中蓮寺峰が見える                    左手前方には七宝山や善通寺五岳が霞んでいる


六地蔵越 

掘れこんで落ち葉で埋まった急な下りを慎重に歩く。地元河内小学校の記念植樹のポールが幾つか立っている。眼下に六地蔵のお堂が
見えて
0900分幅の狭い舗装道路に下り立った。この道路は香川県側・薬師峠を経て山本町河内、長野地区〜観音寺と徳島県側・野呂
内を結ぶ道路だ。主要地方道「6号線」(込野・観音寺線峠)と言うらしい。徳島県側は吉野川の支流「鮎苦谷川」(あゆくるしだにか
わ)と言う奇妙な名前の川沿いを東は坪尻駅を経由して箸蔵へ、西は白地を経由して雲辺寺へと続く。でもトンネルの抜けていない道
路はドライバーから敬遠されてこの道も行きかう車は少なそうだ。

峠に祀られてある六地蔵は昭和45年旧六地蔵越にあったのを道路開通に伴いここに移設された。石仏は2体あるが相当古くて傷んで
いる。左が6体の地蔵菩薩レリーフで右は不動明王らしい。

最も近い水場は徳島県側に少し下った杉林の谷にある。でも今回は水に余裕があるのでそのまま六地蔵さんに手を合わせて向かいの急
斜面へ続く縦走路へ取りついて行く。


徳島県三好市の道路標識の根元に六地蔵越の標識が掛けられており、そこに二軒茶屋方面への矢印標識が立てられている。最初は急な
傾斜を上り詰めると一旦平らな植林帯に出るが、更に進むと又細い急坂の道となる。ここでは「中蓮寺峰」への矢印指標が置かれてい
た。


  
掘れ込んだ下り坂となる                            地元小学校の植樹記念碑が沢山立っている

  
      道路が眼下に見えた                      09時10分 六地蔵峠に下り立つ 徳島県三好市の道路標識

 
                旧六地蔵越から昭和45年に移設された六地蔵

  
 道路標識の場所から縦走路が続く「二軒茶屋」への標識がある   植林の急な上り坂を過ぎると一旦平坦な地形になる


△点(12) 四等三角点「六地蔵」 631.75m

0928分横掛け道が右直角に曲がって掘れこんだ急傾斜の尾根道に変わるターニングポイントを通過する。この掘れ込んだ道がかつて
阿波の炭と讃岐のコメや海産物の交流に使われた峠道だろう。以前、アンジーパパさんからこの辺りに「猿ヶ額」という小さなピーク
がありそこに六地蔵が置かれていた事を聞いて水場チェックを兼ねてこの辺りを探索した事がある。その時はこの交差部から左へ下が
って小高い場所の手前コルに大きな岩が2つあり、恐らくその辺りが昔「六地蔵」が置かれていた猿ヶ額と思われた。

阿讃縦走路はターニングポイントを右折して掘れ込んだ道を上がって行く。やがて道は尾根の右側を回り込み上部で尾根部と合流する。
従って尾根稜線上にある三角点「六地蔵」を踏むには縦走路から左上に逸れて尾根筋に上がらなければならない。
0940分荒れた尾根
上で四等三角点「六地蔵」を踏む。


  
前方の標識は「中蓮寺峰」方向となっている                09時28分 三叉路ターニングポイントを右折する

  
縦走路は三角点のある尾根の右側をトラバースする         荒れた尾根に這い上がって三角点を探す


09時40分 四等三角点「六地蔵」を踏む  但しこの場所が昔の六地蔵越であった訳ではない


三角点「六地蔵」から自然林の縦走路に戻ってなだらかな道を進むとデカいイノシシのヌタ場が2つ現れる。イノシシはヌタ場で体に付
いた虫などを泥と一緒に地面に擦り付けるのでヌタ場の周りは泥が乾いて灰色になっている。人間はお風呂に浸かって「いい湯だな♪」
とサッパリするのだがイノシシはヌタ場で泥まみれになって「いい泥だな♪」とブヒブヒ言いながらサッパリするのか?

この辺りから植林が増え始めるが細い尾根道なると赤松などの自然林も交互に出てくる。1005分真っ二つに裂けた大岩が道の傍らに横
たわっている。ここを過ぎると尾根が北側に張り出して県境尾根は一旦南に振る。

直ぐ又東へと方向を変えると
前方にピークを持つ山塊が木々の間から見えるので中蓮寺峰が近づいて来たのだろう。ピークを右に巻いた
トラバース道を抜けると
1035見覚えのある幾つかの道が合流した広場に着いた。

  
三角点から縦走路へ出て平坦な尾根が続く               09時50分 大きいヌタ場が二つ現れた

  
   09時55分 細尾根となる                        10時04分 パックリ岩を抜ける

  
     尾根が右(南)へ振る                       自然林となり前方に中蓮寺峰が見える

  
    トラバース道を進む                          10時35分 ジャンクション・コルに到着〜


△点(13) 中蓮寺(ちゅうれんじ)峰  四等三角点「中蓮寺峰」755.90m


幾つかの道路が交差するジャンクションコルから東側への尾根道を選択して傾斜を5分程上がると東屋がある広い中蓮寺峰展望所へ着
いた。困った時のウィキペディア解説によると山名は徳島側の下野呂内(しものろうち)へ少し下った場所に中蓮寺に由来するらしい。
このお寺は平安時代に雲辺寺の隠居寺として建てられたが、長宗我部元親の四国平定時に戦火で焼失したと言う。

隠居寺(部屋)? 雲辺寺で活躍したお坊さんが老後をこの中蓮寺でゆっくりと過ごしたのだろうか?。

現在は香川用水記念公園から四国のみちが整備されて中蓮寺峰〜若狭峰〜猪ノ鼻峠へと延びている。ここの三角点は突き当りの小高い
藪の中にある。
1042分藪ピークに這い上がり四等三角点「中蓮寺峰」を踏む。

  
左上に向かって尾根道が中蓮寺へ延びる                10時40分 中蓮寺峰の広い展望所へ到着する 
                                           奥の小高い繁みの中に三角点がある


     10時42分 四等三角点「中蓮寺峰」を踏む  下に東屋が見える


 中蓮寺峰の「金の鶏」伝説  要は早起きは三文の徳・・・シンプルで説得力のある話だ


中蓮寺峰からはほぼ水平の「四国の道」が次の若狭峰まで1.5km程続く。左手が開けた場所では善通寺五岳や琴平山が霞んで見える。
11時03分中蓮寺峰と若狭峰の中間部にある「中蓮寺越」を通過。その昔、讃岐からお米やイリコ、阿波からは下野呂内を経由して葉タバ
コをこの辺りで交易して博打場もあったとの案内板が立っている。


四国のみちは電波塔の整備などで大型車も通っており2〜3あるヌタ場が轍でわやくちゃである。イノシシにも人間の人権の様な猪権が
あると訴訟問題になるだろう。
11時14分広い道が右手に下って行く分岐がある。恐らくこれが猪ノ鼻峠へ向かう道だろうが案内板標識が
見当たらない。


  
  若狭峰へと続く広い道                          琴平山(象頭山)と善通寺五岳が霞んでいる


                  中蓮寺越えの道 案内板

   
右に徳島側・下野呂内への道   左が縦走路              ありゃ〜 ヌタ場が人間によって散々な事に

   
11時15分 又右へ下がる分岐があるが標識は見当たらない          11時20分野鳥看板広場に着く 


△点(14) 若狭峰 三等三角点「湿保谷」 786.84m

11時20分野鳥の説明が書いてある案内板広場に着いた。先で又道路が二又に別れている。地図とGPSを出して位置を確認すると三角点
はこの南側ピークにあり県境部もそちらになっている。以前は若狭峰の電波塔まで進んだ事があるが、今回は県境尾根縦走が目的なので
直接三角点を目指す。三角点の有る県境部に向かう道は無いので適当に這い上がる事にした。

南側の三角点ピークに向かって進むと5分程で三等三角点「湿保谷」に着くと傍らに鳴門岳友会の「若狭峰」山頂標柱が立てられていた。
湿保谷は徳島側にある谷の名前らしいが、国土地理院の点の記を開いてもその読み方が書かれていない。しっぽだに?

さて、ここからが問題だ。この三角点までも、またこの三角点からも県境尾根の踏み跡は無いのだ。近くに道路や遍路道が整備された場所
の県境尾根は忘れ去られた存在になる。GPSと地図を見ながら県境部を辿る事にした。

 
広場からも又広い道が二手に分かれる          野鳥の説明板から裏手のピークへ進む


   11時25分 三等三角点「湿保谷」ピークに上がる ここから明確な県境尾根道は見当たらない


若狭峰から猪ノ鼻峠までの県境尾根ルート解説




少し藪を抜けて尾根に入り南西方角に下る。尾根伝いにある程度下りGPSと地図で確認すると、どうも県境尾根より南側への支尾根に
乗っている様なので下の林道部で修正する事にした。植林の尾根部はスペースがあるのでそれに沿って下る。11時40分
県境尾根より
少し南側の道に下り付いた。

  
   むむっ 尾根には道が無い             これかなあ? 取り敢えず下りてみよう

  
ちょっと南側の支尾根に乗ってしまった          11時40分下の林道(遍路道?)に下りる

地図を見るとこの実線で記された道は猪ノ鼻峠まで続いているのだが、それでは県境尾根にある三角点「猪ノ鼻」は踏めなくなってしまう。
そこで少し上り返して峠部から県境尾根に乗る。尾根はほぼ植林地帯で踏み跡は有る様だ。
少し尾根を進むと赤松等の自然林となり道が掘
れ込んでいるから昔は人の往来があった場所なのだろう。頭が赤くペンキで塗られた境界杭が所々に見られる。


  
  11時46分 峠部までバックする                     これが県境尾根の続きだ

  
 心配していたが立派な県境尾根でござった               道が掘れ込んで良く歩かれていたみたい


△点(15) 四等三角点「猪ノ鼻」


細尾根を過ぎて12時15分道が尾根を外して左下へ向かう。少し悩んでここは踏み跡の薄い尾根を進む事にするしかし5分程尾根を
進むと次第に尾根が南側へ落ちていく。地図とGPSを出して位置を確認するとやはり南へ派生する尾根に乗っていたので先程の分岐
に引き返す。

12時25分先ほどの分岐に戻り左へ下ると直ぐに下側で主尾根に合流し赤ペンキや黄色ペンキの境界杭が現れて安心する。
すると
12時33分
白い標柱が立つ四等三角点「猪ノ鼻」に到着した。近くの木には○米さんの私設標識も残っていた。

  
    細尾根もある                              赤や黄色のペンキで塗られて境界杭が立っている


12時15分 尾根から左へ道が下る  最初、尾根を進んで失敗した  ここは道なりに左へ下がらなければならない

  
  少し荒れているが道のスペースは有る                自然林の尾根が続く


       12時33分 四等三角点「猪ノ鼻」を踏む   県境尾根を歩いて正解だった

  
         〇米さんのマークも残っていた               掘れ込んだ道を下る


12時40分中蓮寺峰から延びて来た道が右手から尾根道に合流する。やはり整備された道は歩き易い。県境尾根の南側には四国電力・
四国中央東線が通っているので鉄塔の保線道が所々に南へ延びており、鉄柵で管理されている様だ。四電・四国中央東幹線
47番鉄塔
への鉄柵がある分岐二箇所を過ぎて暫く進むと12時
57分綺麗な道が尾根を右へ外して下って行く。この綺麗な道は300m程下る
と猪ノ鼻峠で二軒茶屋へ行く別の遍路道に合流する。

  
 12時40分県境尾根に右から道が合流した      快適な尾根道を下る

  
  鉄塔保線道を振り返る (右が下ってきた尾根道)   すこし進むと右手に又鉄塔保線道の鉄柵がある


 12時57分 左が県境尾根のヤブ、 右が綺麗な道が下っていく  う〜〜ん どうしよう?

  
   藪が続く                    尾根が少し左へ旋回するがやはり藪

  
  少しスペースが現れた                植林と竹が混在する尾根を下る

  
    笹藪〜                       竹藪を下る

竹藪の中に祠があった

しかし左の県境尾根筋は笹薮だ。う〜〜ん む〜ちょ困った選択だ。え〜〜い!と意を決して笹薮へと突入する。尾根筋はヒドイ藪とな
り先で少し左へ曲がると急な下りになり最後は竹藪に突入する。すると竹藪の中に狛犬
2匹に守られた小さな祠があるではないか。ひょ
っとしたら昔はここを遍路さんが通っていたのかも知れない。



                何と立派な祠じゃござんせんか

  
    崖下に道路が見えた                         左手に回り込んで道路へ下りる


猪ノ鼻峠

竹藪の祠から急な崖を下ると13時20分下の道路に出る。ここは猪ノ鼻トンネルが抜けるまでの主要道路だった場所だ。この猪ノ鼻峠の
切り通し部で東側の尾根には厳しい崖で上がれそうに無い。地図を見ると丁度この下には猪ノ鼻トンネルが通っている様だ。

北側に出ると広場になっており「四国のみち」標識と「猪ノ鼻峠・阿讃縦走ルート」の標識が立っていた。尾根の北側に若狭峰から続いて
来たと思われる四国のみちがここで合流している。この道が若狭峰の三角点から下った時に下り立った道だろう。

どうも私が歩いた県境尾根部は阿讃縦走路としては使われていなかった様だ。結局、若狭峰から猪ノ鼻峠までは県境尾根を挟んで南北サン
ドイッチで道が通じている訳だから県境尾根が交通路として廃れる訳だ。


猪ノ鼻峠からは素直に阿讃縦走路を歩く事にし、尾根の北側を巻いて四国のみちを進み途中から二軒茶屋に向かって尾根への分岐を辿る。
猪ノ鼻峠から5〜6分東に歩くと四国のみち「二軒茶屋」方面への道しるべがあるのでここから右手に階段状の遍路道を上る。


  
県境尾根から切通しへ下りる 両サイドとも崖だった          北側の広場に出る 四国のみちと阿讃縦走路の標識があった

  
北側には若狭峰からここまで四国のみちが延びていた     猪ノ鼻峠の標識  阿讃縦走コースもこの四国のみちを歩く事になっているみたい

  
国道32号線方面へ四国のみちを進む                13時28分「二軒屋」方面へ遍路道を上がって県境尾根へ向かう


△点(16) 三等三角点「増川」 718.37m

「四国のみち」猪ノ鼻分岐から尾根への上りは途中少しザレた場所もあるが概ね良く整備されている。キツい坂道に息を切らせると
13時48分
県境尾根に合流した。猪ノ鼻峠から30分程で県境尾根筋に出た事になる。

尾根に辿りついても「四国のみち」は少し県境尾根を左手に外して延びているので三角点のある尾根筋へ意識的に這い上がらなけれ
ばならない。以前東京の修一兄と箸蔵街道を歩いた時も街道は尾根の東側を大きくトラバースするので南側にある鉄塔から道の無い
県境尾根を進んでこの三角点を確認したものだった。


13時58分懐かしい三等三角点「増川」を踏む。増川の点名は南東側、東みよし町の地名から取られており、箸蔵の少し東側、吉野川
の支流「増川谷川」沿いにある集落である。今まで東に向かっていた県境尾根はこの三角点からしばらく北へ向かう事になる。


この三角点から県境尾根伝いに北へ向かうと直ぐに遍路道と合流する。そこには四国のみち道標が立っており「二軒茶屋まで0.7
km」とある。この辺りの西側、国道32号線沿いに大きな砕石場があり遍路道の左手は立ち入り禁止の看板が数か所立てられている。
恐らく赤松が沢山あるのでマツタケ目当てにウロウロする人がいるのだろう。


  
  「四国のみち」は県境尾根をトラバースして上がる上がる     ザレた場所には道が整備されている

  
    一部崩れている場所もある  滑り易いので注意        尾根部へ近づく

  
   13時45分 県境尾根に合流して四国のみちが続く                 植林が多い

  
縦走路を外して右手の県境尾根へ入る                  少しワイルドだがスペースは十分


   14時00分 三等三角点「増川」を踏む 

  
  北に進むとすぐに縦走ルートと合流                   合流部に四国のみち標識「二軒茶屋 0.7km」とある

  
尾根の西側が採石場の土地らしい                  左手は崖なので松茸狙いの目的以外では踏み込む人はおらんやろ


二軒茶屋

14時10分樫の木尾根にある「いぼ地蔵」に何となくお参りする。今はイボコロリが有るんだけど昔はこんなお地蔵さんの霊験に頼
ってたんだなあ。
いぼ地蔵」を過ぎると直ぐに箸蔵街道と猪ノ鼻峠からの遍路道が合流する。この交差点には反対側から来た人の
為に「雲辺寺」方面と阿讃縦走路の標識が立てられている。


杉林の平地になり放置畑を過ぎると14時16分道の両側に廃屋が建つ「二軒茶屋」に着いた。昭和3年に猪ノ鼻トンネルが開通す
るまでは人通りがあり、先ほど歩いてきた分岐手前に福島屋と大黒屋という2軒の旅館があったそうである。街道沿いに二軒の廃屋
が対峙しているが、これは茶屋跡ではない。


  
この辺りは樫の木が多く「かしの木地蔵」と呼ばれていたらしいが、いぼに霊験があるので「いぼ地蔵」と呼ばれる様になったらしい

  
 14時13分 箸蔵街道と合流 二軒茶屋まで150m      合流地点を振り返る 左が箸蔵街道、右が今まで歩いてきた猪ノ鼻峠への道


14時16分 「二軒茶屋」に到着  2つの建物は茶屋ではないがちょうど2軒が残っておりピッタシの雰囲気である


                                二軒茶屋解説板


△点(17) 四等三角点「二軒茶屋」 789.85m

二軒茶屋からは暫く道の両側は赤松などの自然林が並ぶ快適な街道道が続く。四国のみち道標には「讃岐財田駅」方面へと書かれた
方向に歩く。
14時38分林道の様な未舗装道路が右手に現れて傍らに五十七丁石が斜めに立っている。

15時00分箸蔵街道と県境尾根の分岐に到着する。ここで箸蔵街道は左下に向かって下り「財田駅」の小さな標識が立っている。
近くに六十五丁石と四国のみち道標が立っておりこの場所が「石仏」と記されている。道標には石仏30mとあるので前回同様にご
挨拶に寄る。


三角点「二軒茶屋」は県境尾根にあるので、ここから箸蔵街道と別れを告げて真っ直ぐ尾根道に入る。尾根の立木には「阿讃縦走コ
ース」の標識が掛けられているので間違って箸蔵街道を下る人は居ないと信じる。


15時08分 四等三角点「二軒茶屋」を踏む。さてここからは未知の世界に入るので地図を出してルートを再確認する。大ざっぱ
に言えば猪ノ鼻峠から北に向かった縦走尾根はここから大川山まで東へ向かう事になる。


  
  要所に「四国のみち」標識が立っているので安心だ      14時38分(二軒茶屋から20分) 林道交差部に五十七丁石がある

  
  箸蔵街道 五十七丁石                          自転車で走りたい様な道じゃんか


 15時00分 箸蔵街道(左へ財田駅方面)との分岐点に着く  ここは尾根を直進する


              この分岐左に峠の石地蔵案内板が立っている

  
少し寄り道して狸伝説がある石仏さんにお参りする 化かさないでね    再び箸蔵街道・財田駅方面分岐へ戻って直進する

  
 尾根道には阿讃縦走コースの標識が掛かっている          15時08分 四等三角点「二軒茶屋」を踏む


  四等三角点「二軒茶屋」付近の尾根の様子  ここで地図を出してこの後のルートを確認する


△点(18) 四等三角点「指出」  807.64m

さて初めて歩く自然林の縦走尾根は予想以上にしっかりしており迷ったり悩んだりする様な不安な場所は無かった。

15時30分頃から右手=徳島県側に植林が現れて「組合林」と読める刻印のある礎石が所々に土から顔を出している。キツい登り坂
を喘いでピークを一つ越えて更に高度を上げて15時50分大きなピークに出ると四等三角点「指出」があった。
ここは北に尾根が張
り出した三叉路になっている為、県境尾根の乗り継ぎは複雑に斜面を下る事になる。その為縦走路には東に向かって大川山方面の指標
が置かれていた。


この指標通りに植林の急傾斜を下る。すると右手から小規模な林道が並走している。地図を見ると池田町増川から実線がここまで延び
てきているので組合林の林道だろう。その後、細尾根となり16時03分右へ下る道がある分岐に出る。ここは左側の尾根道を選択し
て進む。


  
尾根の北側が切れ落ちているので縦走路が分かり易い       15時30分右手に植林が現れる

  
  「組合林」と刻まれた境界杭                       阿讃縦走コース標識は縦走者の精神安定剤となる


    15時50分 四等三角点「指出」 に到着  ここはピークが北に張り出して県境尾根のターニングポイントとなっている

  
 東へ下る方角に「大川山」方面への標識が立っている        標識に従って急傾斜を下る

  
 三角点峰から下ると右手に林道が接近する               16時03分 右手に下る道があるがここは左の尾根を進む


△点(19) 一等三角点「登尾山」 887.28m

16時10分荒れ気味の自然林尾根に「地籍図根(ずこん)三角点三好」と記された標柱と図根点標石に出合う。更に自然林の尾根を
進むと16時20分立派な三角点に到着。この一等三角点「登尾山」は阿讃県境尾根で3つしかない一等三角点の一つである。敬意を
払ってザックを下して記念撮影をする。


さて、今日の目標は東山峠付近であったがどうも届きそうにない。次の三角点までは到達しておこうと5分程地図を見た後出発する。
20分程なだらかな自然林の尾根を進み右手に若い植林杉が現れると四電の鉄塔指標杭が立っている。先程地図を見た時に南側から電
線が延びて尾根と交わるのを確認している。



  
16時10分 尾根道の左に白いポールと古びた標石がある     地籍図根三角点 三好と書かれている

  
   自然林の尾根を進む                          次第に一つのピークに向かって上っていく


        16時20分 一等三角点「登尾山」に到着した  今回の縦走で3基ある一等三角点の最初」である

  
  この辺りは自然林が続く                          小さなピークは少しトラバースして尾根道が延びる

   
16時45分 四国電力の鉄塔指標杭が現れた                 四電・四国中央東幹線34番鉄塔


△点(20) 四等三角点「常重」 779.32m

16時45分右手にデカい四電「四国中央東幹線34番鉄塔」と出くわす。この電線は前日雲辺寺の南側に有った鉄塔から若狭峰の南
を通ってここまで延びて来ているのだ。以前、東山峠の水場チェックでこの鉄塔まで歩いて来ているのでおぼろげに道も記憶にある。


更に良く枝打ちされた植林をトラバース気味に進むと同じく「33番鉄塔」に出た。さて次の四国中央東幹線32番鉄塔の左藪の中に
あるのだ。これは東山峠の水場確認に来た時にチェック済みだった。17時00分鉄塔32番に着いてイノシシの掘り返した左側の藪
に入って四等三角点「常重」を踏む。


  
34番鉄塔を過ぎると綺麗に枝打ちされた植林帯に入る              次に33番鉄塔がある

  
  徳島側は綺麗に枝打ちの植林、香川側は自然林          阿讃縦走コースの標識に従って丘を越える

  
  17時00分 鉄塔32番に着いた  この左手の藪の中に三角点がある   左手の藪に入り込んで三角点にタッチ


  四電・四国中央東幹線32番鉄塔の左手ヤブの中に四等三角点「常重」がある  今回の縦走で丁度20番目の三角点だ

さて、ここからはこの縦走最初のビバークとなるので場所を探しながら尾根道を歩く。何処から延びてきているのか細い林道が右手に
現われて遠のいて行く。同時に鉄塔も電線と共に縦走路から離れて行った。
前回ここに来た時に往生したススキの藪は境界見出し作業
の為か綺麗に刈り払われている。ラッキー 
一つ藪尾根をトラバースして前方の小高いピークへと進む。前回はこの藪尾根へ入って手
こずった。


  
17時08分 右手から林道が近づき、又右へ遠ざかる         鉄塔尾根を振り返る  34番と33番鉄塔


  
前回はススキのヤブだったが刈り払われていた 奥の尾根がターニングピーク    ピークに向かって上がる


 
ジャンクションピークを過ぎてビバーク地を探す

次のピークへの上りは前回もしんどかったが、ザックを背負う今回はもっとキツい。この辺りには何故かお地蔵さんが沢山置かれてい
る。
17時23分ジャンクションピークに上がり付く。

ここは直角に縦走尾根が右に曲がっているので「東山峠」と「二軒茶屋」方面の矢印指標杭が置かれている。更に小ピークを上って、
そこを下ると又右手から道路が現れる。左手にも別な道が平行に続いているのが確認出来る。少し進むと平らな地形で落ち葉がフカフカ
の場所があったので今夜のビバーク地と決める。(北緯
340605.8秒 東経1335157.7秒)

  
32番禅師峰寺と書かれた標識 右にトラバース道もある     ピークに上がると東山峠への標識がある

  
      少しの間快適な尾根道となる                 先ほどの続き 33番 雪蹊寺の標識と薬師如来像が置かれている

  
17時27分尾根は東に延びるが、県境部は南へ下がるのでここは右に下る   若い植林が多い

  
県境尾根が南に回り込むので先ほど歩いて来た鉄塔尾根が見える      又右手の道路と並んだが、すぐ離れる  

1740分ザックを下してツェルトを張る準備を開始する。風もそう無いのでツェルトを張る作業は結構スムーズに行った。

もう少し東山峠方面に進めば良かったかな?とか欲を言えばきりがない。お湯を沸かしてスープを作ったり、窮屈なスパッツを脱いで
寒さに震えながらアルコール消毒ウェットシートで全身を拭いてズボン下を履く。踵にリバテープを貼ったり水の残量をチェックし翌
日の地図を準備したりと結構する事は沢山ある。その後気持ちよくシュラフに潜りこみ眠りにつく。


ツェルトはファイントラックのツェルトIIロング
グランドシートはデュポン社の壁建材「タイベックシート」シルバー (kazashi さんに貰った)
室内シートはホームセンターで買った銀マット
ベグは柔らかい土にでも差せるアルミ製の長い物 8本 とチタン製 4本
ポールはモンベル ULフォールディングのストックを使用

  
先ずグランドシートを敷いてツェルトの4隅をペグで止めて立ち上げる  床部は紐を結ぶ その上から銀マットを敷く これで床部は万全だ

  
  荷物を中に放り込んで中で整理する                 サイドの紐を引っ張りペグで止めてツェルトの中を広げる


香川県境トレイル 概要編は                     ここ     

  第1日目 余木崎〜雲辺寺山は                 ここ     

  第3日目 東山峠手前野営地〜立石峠付近の野営地は  ここ     

  第4日目 立石峠付近野営地〜中山峠(清水峠)は     ここ     

  第5日目 中山峠〜上畑(鵜峠手前)野営地は        ここ     

  第6日目 上畑野営地〜引田県境岬は             ここ     




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