香川県境トレイル 5泊6日の旅    平成29年3月17日〜3月22日

スタート:余木崎 (愛媛県と香川県の西部県境)
ゴール :県境岬 (徳島県と香川県の東部県境)


カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図   余木崎(西県境)〜引田県境岬(東県境)


縦走3日目
ビバーク地〜東山峠〜樫ノ休場〜大川山〜真鈴峠〜滝の奥〜立石峠(二双越)ビバーク地



香川県境トレイル
第三日目 平成29319日(日)天気 晴れ
東山峠手前のビバーク地〜立石峠(二双越)付近のビバーク地
歩行距離:約19.3km 歩行時間:0620分〜1750分 約11時間30



カシミールソフトを利用したGPSトラックログ加工図  東山峠手前ビバーク地〜立石峠付近ビバーク地



05時前に目が覚めてゆっくりとツェルトの中で身支度を整える。今回膝のお皿がカクカク音がして調子が悪いのでタイツ式のスパッツ
を初めて履いて来た。これを履くときや脱ぐときにキツくて踵に張ったリバテープが剥がれ落ちる。その為にリバテープの在庫が無く
なってしまった。これが縦走後半で想定外の足マメのトラブル原因となった。


06時20分ツェルトを片づけて「行くぞ〜」と自分に声をかけて縦走を再開する。すぐに廃車バスなどが置かれたログハウスの脇を抜
ける。以前来た時に近くまで寄って見たが誰も使っていない様子だった。右手から朝日が昇ってくるが、木々に遮られて良く見えない
ので少し右手に登山道を外れて山際から昇る朝日を眺める。今日も相変わらず肌寒い朝だが、太陽が昇ると気分的にも温かくなる。


  
05時に起きると月が明るく輝いていた ワオ〜〜ン         少しツェルトがヘタっているが快適なビバーク場所だった

  
  気合を入れて06時10分スタートする                 06時25分 ログハウスと廃車が右手に見える


   06時27分 朝日が山際から昇り始める  縦走路を右に外れて暫く見つめる

  
  尾根が東に振って太陽が正面になる                 やがて東山峠に向かう下りとなる


東山峠

道が大きく掘れこんだ急坂を下ると舗装道路が見えて0645分東山峠に下り立った。この道路は香川県側・塩入温泉から財田川に沿っ
てここまで延びて来て、徳島県側は東みよし町、小川谷川に沿って真南に下り箸蔵寺の東側へ続いている。道路名は県道4号「丸亀・
三好線」で明治時代中頃に整備されたらしい。

東山は徳島県側の地名だが、同じく徳島県側の地名から「男山峠」、又香川県側の地名を取って「塩入峠」とも呼ばれていた。東隣の
樫ノ休場」同様、古来讃岐のお米、海産物、塩と阿波の木炭、煙草、藍などの物流に使われ、「塩入」の地名は瀬戸内海の塩がこの
地を経由して入ってきた事に由来するみたい。当然この峠も「仮耕牛」の通り道でもあった。

道路が主要地方道として整備されたが、土讃線の開通や猪ノ鼻トンネルの利用などで現在は静かな峠となっている。水場は香川県側へ

15
分程下った道路沿いの沢から取れるのだが今回は未だ余裕があるのでそのまま先へと進む。

  
       下側に道路が見える                       06時45分 東山峠に下り立つ  向かいに縦走路が続く


    06時45分   主要地方道・県道4号丸亀・三好線 「東山峠」を通過する

 

△点(21) 四等三角点「八丁」 677.09m (縦走路を外した藪尾根ピークにある)

この辺りは水源林造成事業が国立研究開発法人・森林総合研究所の費用で行われている場所らしいが一見雑木の藪っぽい。ここにある
三角点「八丁」は縦走路が尾根をトラバースしているので藪を掻き分けてピークまで寄り道する必要がある。


0700分藪の中に四等三角点「八丁」を見つける。キティ山岳会の標識と○米さんの私設目印らしきテープだけが残っていた。ヤブ尾
根を下って縦走路に合流しコルからは次の三角点「坂本」ピーク(標高800m)まで上り一辺倒となる。植林も姿を見せるが大まかに
は雑木林然としている。


  
東山峠から雑木の生えた縦走路を上がる 水源林造成事業の看板あり  トラバース縦走路から左手の尾根筋へ藪を分けて這い上がる


  07時00分 四等三角点「八丁」は藪に隠れていたのでナイフを出して見えるようにしてあげよう

  
   キティさんの標識は状態が良い                    一方 〇米さんのマークは落ちている

  
07時15分分岐あり 尾根筋の左へ進む                     コルに下りてからは上り一辺倒になる

  
     阿讃縦走コースの標識もある                  右手に植林が現れるがまばらで、ほぼ自然林っぽい尾根だ


△点(22) 四等三角点「坂本」 800.0m

07時45分県境尾根を縦断して電線が敷設されている「四電・吉野川線」の28番鉄塔に出る。ここからなだらかな上り坂を進むと07時
55分懐かしい点「坂本」に着いた。キティ山岳会の標識も近くの木に傷みなしに掛けられていた。以前東山峠の水場チェックに来た
時にここまで歩き、この殺風景な三角点に近くから大き目の石を運んで囲った場所なのだ。中々近くに石が落ちていなくて苦労した覚え
がある。

その三角点は境界見出し作業の為か何故か頭が赤いペンキで塗られていた。恐らく境界見出し作業の人はこれが三角点とは知らずに単な
る境界石標と思ってペンキを塗ったのだろう。
すぐ近くには「市界 成願」と彫られた境界石標があるんだけどこれと間違ったのかな?

さて、ここから樫ノ休場まで進路が南東へ向かう。香川県境尾根は大まかには西から東へ進んでいるのだがギザギザしているので北に振
ったり南に下がったりと方角が忙しい。
コンパスを南東に合わせて出発する。

  
鉄塔保線路が左から延びてくると鉄塔は近い              07時45分 四電・吉野川線28番鉄塔を通過


              07時55分 四等三角点「坂本」は赤いペンキが塗られていた

  
     「市堺 成願」の石標が近くにある                      コンパスを南東へ合わせる

赤松などの自然林の間をしっかりした尾根道が付いている。すると0810分荒れた林道が左右から現れ尾根と合流した。林道はほぼ尾根
伝いに延びているし、右手に僅かに残る尾根部は荒れているのでここは道路を歩く事になる。


06時20分しっかりした尾根部が現れ林道が右手に別れるので尾根道に入る。先の高みで道路と合流するのでこんな尾根道は誰も歩かず凄
く荒れている。五分程で又広い林道のガードレールを越えて広い道路に合流する。この道路は地図で確認すると東山峠の南側からここま
で延びて来て、更に大平地区を経由して大川山まで続いている。

すると道路の後方から丸亀の宮脇さんご夫婦が歩いて来られるのに出会った。
3日ぶりに出会った人類と会話をする。このご夫婦も静かな
場所を歩いておられるとの事で東山峠から適当な場所まで歩いて引き返すそうだ。


  
     赤松の多い尾根道を下る                     08時10分尾根が道に合流する

  
道に合流した場所から振り返る 尾根の左右から道が合流している   左の道路沿いを歩く  右の道は下っていく別の道だ

  
正面に樫ノ休場付近の尾根が見える                   08時20分 左の一応県境尾根に進む事に

  
  どうせ上側で道路と合流するんだけど・・・               それにしてもヒドい尾根じゃのうし

  
   08時25分上側で道路と合流                   右側の植林尾根は樫ノ休場から南西に派生する物で県境尾根では無い


   

樫ノ休場

林道沿いでは久々に北側が開けて讃岐ののどかな景色が霞んで見える。この辺りが往古から讃岐と阿波を結んだ交易の峠「樫ノ休場
と言われる三好町、三野町、仲南町(合併前)にまたがる峠で、吉野川沿いの山口〜中屋〜笠栂を経由してこの峠に至り、塩入と結ん
だ「さぬき街道」の一つだ。だが現在は広い道路が横断しているのでそんな峠の面影は全く無い。

北側にある「国立まんのう公園」から南側を向くとこの辺りが眺められる。


道路があると視界が開け樫ノ休場から北側に満濃の池 右奥に城山〜猫山〜大高見峰の青山連山が見える

△点(23)  四等三角点「樫ノ休場」864.65m


08時38分今度は本格的な尾根道に入る様で、林道が大きく右に逸れて行く。笹が生えた植林の縦走路を宮脇さんと話をしながら進
んでいると小ピークで「ここでお茶でも飲みませんか?」と言われたので「先が長いのでお先に失礼します」と二人と別れて坂道を上
る。

この辺りに三角点がある筈なのでGPSと地図を出して確認すると何と先程お二人と別れた場所に三角点が有った事が分かり急いで引
き返す。途中でご夫婦とすれ違い事の次第を説明して先程の場所まで下る。


08時55分笹薮の中に四等三角点「樫ノ休場」を発見してホッとする。やはり人と話をしながら歩くと集中力が途切れる様だ。

少し荒れ気味に開けた尾根を上がっていると宮崎さん達が引き返して来たので別れを告げて先に進む。ピークを過ぎると右手が手入れを
された植林地帯、左が雑木林となる。
下げた袋からバラバラになった「ウェアハウスパン」をだして朝食として食べながら歩く。縦走時
の行動食は甘めの菓子パンがお手軽だ。


  
  8時38分 林道から山道(県境尾根)へ入る             丸亀の宮脇さんご夫婦とお別れする


   08時55分 四等三角点「樫ノ休場」に引き返して確認する

  
   背丈の低い雑木林地帯を上る                     やがて右手に綺麗に枝打ちされた植林が現れる

  
 09時10分 ここで朝食の菓子パンを食べながら歩く         こんな石が並ぶと標石があるんだけど何も無い


△点(24) 四等三角点「大平山」976.6m

09時25分それまで単調だった縦走路がピークに向かって岩が出てくる。そのピークを越えると雑木林の間から前方に二つより高いピーク
が並んで大川山が近づいた匂いがする。


又右が植林、左が自然林の広い尾根道になり少し上がると09時35分四等三角点「大平山」があった。この三角点「大平山」は以前水場
チェックに大川山〜中寺廃寺付近を歩いた時に立ち寄っている。従ってここから大川山〜竜王山の既に歩いたコースに入るので安心感が
ある。 大平は次の三角点名にも使われる南側、徳島県の地名で近くに大平谷川が大川山に向かって谷を刻む。

09時50分縦走路に又岩が現れる。そこを過ぎると植林の右手が透けて何やら建物が立っている様だ。そして結構大きなビニールハウスも
現れる。笹交じりの縦走路を進むと農業用の貯水池やビニールハウスがあり軽トラックがハウス作業の為に止っている。


  
  右が植林、左が自然林のパターン                   尾根に岩が現れる少し荒れた縦走路

  
 やはり自然林が明るくていいんだが、長続きしない 前方が大平山か   又 植林で暗くなる この辺りから標高が900mを超える


   09時35分 四等三角点「大平山」

  
   お馴染みの阿讃縦走コースの標識                   節理に割れた岩が出ている

  
やはり久保谷で見たような斜めに傾いた節理の岩だ          09時57分右手に現役のビニールハウスが現れる


△点(25) 四等三角点「大平」 948.32m

10時00分中寺廃寺への駐車場とされている平地に着く。北側に道を下って行くと中寺廃寺や大川山・杵野(くぬぎの)登山口へと至る。
ビニールハウスの前を通ると急に大きなラジオのスイッチが入り演歌が流れて来た。おそらく防犯用に設定しているのだろうか、ビニー
ルハウスの中から男の人が様子を見に出て来たのが見えた。


雑木の中に讃岐山脈縦走路の白い立札が掛かっている。朴ノ木の落ち葉で白くなった雑木林の縦走路を東に進む。 平凡な縦走路に退屈
した
10時15分四等三角点「大平」を踏む。県境尾根の南側に大平集落があり先の三角点「大平山」もこの「大平」も徳島県側の地名から
取った物だろう。


樫ノ休場から大川山に至る尾根筋の南北には道路が縦横に走っており比較的人の匂いがする開けた場所となっている。土に埋もれた三角
点を少し掘り出して次に進む。


三角点から10分程東に進むと右手から舗装道路が尾根をニアミスする。一旦雑木林の尾根を歩くと直ぐに又先程の道路が寄ってくる。無
理に尾根道を歩く必要も無いのだがなるべく歩ける場所は尾根を歩く事にする。


  
  水場〜 いや農業用水のため池だった                      舗装道路とニアミス

  
中寺廃寺への道が北側へ延びる ここが駐車場になっている    道路には出ず、そのまま讃岐山脈縦走路に入る

  
この辺りは朴木(ほうのき) の葉っぱが沢山落ちている        こんな並木道もええわ


10時15分 四等三角点「大平」に到着  ザックはオスプレー エクソス58 1140g フロントポケットにグランドシートと室内用銀マットを押し込める

  
 大川山へ向かう                               舗装道路が右手から尾根に合流する


△(26) 二等三角点「大川山」(だいせんざん) 1,042.78m

10時37分いよいよ大川山への直登尾根に入る。なにせ標高差100m程をここで一気に詰める訳だから老体には堪える。縦走路には名物
の急登が結構有るが、ここもまぎれもない名物急登の一つでロープなども置かれている。一歩一歩休みながらジグザグを切ってヨロヨロ
と這い上がって行く。

縦走尾根なりに進むと大川神社境内の裏手からお邪魔する事になるのだが、こちらにも鳥居がある。10時53分
高松軽登山同好会の標
識が立つ二等三角点「大川山」を踏む。神社の境内に三角点があるのは少々面食らうが、まあよくよく考えてみると町の真ん中とか畑の
中にもある訳だからむしろここにある三角点にしてみれば有り難い、めでたいと思ってるのかも知れない。

大川神社(だいせんじんじゃ)は木花之佐久夜毘売(古事記)=木花開耶姫(日本書紀)木花咲耶姫(このはなさくやひめ)とその
親父、大山津見命=大山積神=大山祇神(おおやまつみ(づみ))を祀っている。
前者は炎の中で子供を産んだ事から安産の神に、後者
は言わずとしれた山の神である。
又、奈良時代に干ばつの折にここで雨乞いをすると雨が降った事から雨乞いに霊験がある神社らしい。


香川県にある標高千メートルを超える山はここ大川山竜王山の二座である。一日目の雲辺寺山からマイナーな尾根ピークを繋いでや
っと三日目にメジャーな大川山に至った。日曜日だと言うのに大川山には大声で無線交信をしている人以外には誰も居ない。香川県のメ
ジャーな山ってこんな寂しいもんかのう。


  
 いよいよ林道から別れて大川山への最後の急登となる       写真から感じるより相当急な傾斜である あ〜しんど

  
神社の裏手から入って行く                         裏手にも大川神社の鳥居がある


   10時53分 二等三角点「大川山」に到着   大川神社は雨乞いと安産にご利益があるらしい  

大川山から南へ向かう

さて、先がうんと長いボクちゃんはここでメジャーだとか人が居ないとか感想を言ってる場合じゃない。気分を引き締めてコンパスを南
に合わす。大川山から真鈴峠までひたすら南へ向かって歩くのだ。もう随分昔に大川山から竜王山を縦走した事があるが、既に記憶がほ
ぼ脳から飛んでいる。随分遠かった事と途中で水が切れて苦しかった思い出がある位だ。


15分程南に下がるとキャンプ場に出る。以前この辺りに水場が無い物かと調べに来た事があるが、水道からは水が出ないし水場も近くに
見当たらなかった。その時に歩いた通りキャンプ場広場右端から尾根に取り付きピークにある図根点を踏む。でもすぐ下で道路に出る。暫
くは道路と交差するので尾根道を辿るのが少々ややこしい。

11時20分
分車道に出ると登山道の標識は車道を指している。しばらくこれを歩く。11時26分分車道と別れて左手の尾根道に入る。入
り口には「ニッセイ まんのうの森」の大きめの看板が立てられている。ここから少し藪っぽい尾根に入ると「讃岐山脈縦走路」標識が
掛かっていた。この辺りの縦走路は車道がある為、最近では歩く人が極端に少ないので相当荒れている。

11時43分分先程の道路が右手から近づくが、ここはあくまで尾根道を進む。この辺りから縦走者が車道から尾根に入って来るのか尾根道
は藪が減ってくる。


11時50分尾根道が道路と交差し、又山道に入ると竜王山への指標杭が現れる。この交差した道路は上白井三角点ピークを東側に迂回して
南側で又県境尾根と合流する事になる。


  
大川神社から南へ下がる  登山者以外はあまり歩かない方角だ  左手にコッテージや休憩所がある

  
  大川山野外活動施設場  ここにツェルトを張りたかったなあ   でも水道からは水は出ない

  
 広場の右手の山に入るとピークに図根三角点がある         すぐに道路に出る  道路沿いが縦走路となっている

  
 11時25分 左手に尾根が現れてここから山道に入る      ススキの藪に隠れて見えにくいが「讃岐山脈縦走路」の標識が掛かっている

  
 この山道は相当藪いて歩きにくい                     10分程我慢すると下りになる

  
  すると道がマシな状態になってホッとする               11時43分右手に舗装道路がニアミスして右に外れていく

  
   高い立木の縦走路を進む                    11時50分 先ほどの舗装道路が尾根と交差するので手を上げて横断する


△点(27) 四等三角点「上白井」 870.95m

そこそこ藪っぽくなった尾根を歩いているとヌタ場の水がが光っている。結構荒れた土地にイノシシが多い様だ。すると12時00分四等
三角点「上白井」に着いた。点名の上白井は西側(徳島)、河内谷川(吉野川水系)の支流「白井谷川」沿いにある集落名「白井」から取
っているのだろう。次の三角点「白井」も同様だ。その後もあまり綺麗でなない尾根道を下ると12時20分
又道路と合流した。

分程松葉が落ちた尾根の舗装道路を歩くと又左手の尾根道が現れ、道路と別れる。例の「阿讃縦走コース」の標識も掛かっている。ほぼ自
然林の尾根道を上がると植林や赤松に囲まれた幅の広い快適な道となる。


  
    快適な尾根道だ                             おっと ヌタ場があるぜ 


     12時00分 少し荒れ気味の縦走路で四等三角点「上白井」を通過する

 
  この辺りの縦走路は小木が生えて荒れている           12時20分 舗装道路と合流し少し道路を歩く

  
  3分後に又左手の縦走路に入る                      広い県境尾根部  阿讃縦走路はこんな場所も多い


△点(28) 三等三角点「白井」840.96m

落ち葉でフカフカした縦走路を歩いていると後からいきなりトレランの若者が音も無く後ろから近付いて人の気配に驚く。久しぶりの
人類の登場に挨拶を交わす。身軽で羨ましいが山では年寄りはあんなに走れない。若さを羨みながらトボトボ歩いていると
13時05分
縦走路の片隅に松葉や枯葉に埋もれた三等三角点「白井」を見つけ被さった落ち葉を払って写真を撮る。一つ前の三角点「上白井」や
この「白井」は尾根の西側、徳島県にある地名から来ている。

この辺りの県境尾根は徳島県側が吉野川の支流、白井谷川、大平谷川〜河内谷川、香川県側が土器川の支流、野田小屋川、下福家川の
「分水嶺」になっている。


尾根道は荒れ気味で藪の中に「香川の山 健脚大会、大川山⇔真鈴峠」の古びた標識が立っている。

  
  トレランの若者が大川山〜真鈴峠を走っている             綺麗な松林が太陽を求めて上へ上へと伸びている


    13時05分 三等三角点「白井」を通過   少し落ち葉を払って撮影した

  
この辺りはイノシシが掘り返して荒れている          「香川の山 健脚大会、大川山⇔真鈴峠」の古い標識が残っていた

  
  道路が右手から合流してくる                            13時20分  道路に出る


△点(29) 四等三角点「下福家」 774.32m  (縦走路を外した藪尾根に発見)

13時20分県境尾根を舗装道路が横切る。一旦右手の尾根に入るが直ぐに又道路に出る。すると又縦走尾根が道路から右手に外れ「竜王
山」への指標杭がある。こう言った道路と尾根を繰り返す縦走路は大峯奥駈道の玉置山付近にもあったが興ざめして疲れる。


13時30分道路と別れて右手の県境尾根へと進むが、地図を見ると縦走尾根を左に外した尾根上に次の三角点下福家があるので注意深
く歩く。点名の下福家は北東部、香川県側にある地名で近くを流れる川「下福家川」は土器川水系、明神川の支流である。


左手の藪の中に入ってGPSと地図を出して念入りに三角点を探すと13時37分四等三角点「下福家」石標の頭を発見する。周りの
土を掘り返して三角点を出してやる。単調な尾根縦走ではこんな小さな発見に喜ぶって楽しみもなければ退屈なのだ。


マニアックな三角点近くには○米さんの私設標の残骸があった。但し、この三角点のある尾根は南東へと支尾根が導くので尾根沿いに
進むと県境には復帰出来ない。意識的に右手=南へ進路を変えながら縦走尾根に復帰する。


  
 道路を3分歩くと右手に縦走尾根がありそちらに上がる       山道を3分歩くと又道路に出る  オラこんな道イヤだ〜

  
  道路に出て2分後の13時30分 竜王山への指標があり山道へ入る    この縦走路は荒れている

  
  左手の尾根筋に三角点があるので藪を分けて尾根へ出る   13時37分 四等三角点「下福家」を発見し掘り出す

  
   不憫な三角点「下福家」を踏む                           〇米さんの私標の痕跡あり

  
    藪尾根を右手に向かって下る                     右手に縦走路があり合流する


真鈴峠

鈴峠〜滝の奥 解説図

カシミールソルトを使ったGPSトラックログ図  真鈴峠〜滝の奥

倒木に遮られた尾根道を進むと14時00分広い舗装道路に合流した。ここは尾根筋を道路が通っているので舗装道路を歩く。左手にある
尾根の入り口には「立ち入り禁止」のチェーンがあった。道路の右手に「天久国有林」と記された白いポールが立っている。


前方が開けて次に進むべき南へ下る尾根が見えるが、その手前の山肌をこの道路が刻んでいるのが見える。一体この先はどうなっているん
だろう。一昔前に歩いた記憶が全く蘇らない。
右手に竹林があり笹の枝が風に揺れる。道路の右端に「まんのう町」の看板が立てられてお
りその左手にはお墓がある。景色の良い場所で眠りたい一家の素朴な願望なのだろう。


14時15分この場に及んで右手に山道が延びている。悩んだ末にこの山道に突入する。2分程進むと祠の中にお地蔵さんがある。地図
上にある峠の位置に近いので恐らくここが古(いにしえ)の「真鈴峠」でこれが「峠の地蔵」なのだろう。峠の名前はすぐ東側にある真
鈴(ますず)集落から来ている。語源は枡水、増水(ますみず)で何でも弘法大師がこの付近に来た時にのどが渇き村人に水を所望すると、
水の便が悪い土地柄にも関わらず村人はお坊さんに水を差しだした。この功徳に応えて土を杖でつついて水を出したという言い伝えがある
らしい。弘法大師や行基によるこの類の話はとても多い。北側には真鈴川が土器川水系の明神川へと流れ込む。

所がこのお地蔵さんから尾根筋には道が無く荒れて進めない。右往左往して左手の藪を下ると遍路道と出合った。この道は尾根筋に出る
と縦走路の標識がある。しかし最後は道路の切通しで尾根が途絶える。右手の踏み跡に引き返し無理に進むと真新しい舗装道路に下り立
った。


後から調べると、無理して県境尾根に入らないで左手の道路沿いを歩くか、最後の切通し部で左へ下るのが阿讃縦走ルートの様だ。


14時25分舗装道路脇に立つ「真鈴峠」の看板に出合う。標高が637mと記されているので地図上にある「真鈴峠」635mはやはりあ
のお地蔵さんの辺りだろうと確信する。
標識には真鈴峠は讃岐山脈の三大峠「大坂・清水・猪ノ鼻」に次ぐ難所と言われていた峠でやはり
ここでも借耕牛が行き来していた事が書かれていた。


さて、縦走尾根は道路の上に見えるのだが擁壁が続く。しばらく道路を進むと擁壁の補修道が上に向かっていたのでそこから尾根へ復帰す
る。尾根の取り付き部まで帰ると何と道路の反対側からまともな縦走路がここに上がっていた。
少しワイルドな自然林の県境尾根を進む。
境界割出し作業の赤テープが沢山見られる。14時40分
左へ下る分岐があったが真っ直ぐに尾根を進む。

  
   縦走路に倒木が転がっている                     14時00分 舗装道路に出た

  
  「天久保国有林」と書かれた標識が立っている          前方に真鈴峠から右手に延びる尾根筋とそれを刻む道路が見える

  
  右手に竹林が暫く続く                             14時12分「まんのう町」の標識が立つ

  
右手に県境尾根に沿って山道があるのでそこへ向かう   14時15分 祠に祀られたお地蔵さんがあり昔の「真鈴峠」の雰囲気がする

  
   尾根筋へはとてもじゃないが進めない                    左側に回り込むと道があった

  
    右下から道路が延びて来る                     この道路に下りるまともな切れて無理して下る


  14時25分 真鈴峠の看板が立つ道路に下りる  恐らくこの場所は道路が建設後に真鈴峠とされた場所だろう

  
尾根の右手に続く道路を進んで様子を見る               ラチがあかないので擁壁補修道を使って尾根に上がる

  
  先ほどの峠、道路切通し付近へ逆に戻る               稜線部に着くと、反対方向から道があった

  
 少しワイルド気味な縦走路を歩く                     14時40分分岐を左の尾根に進む (この道は合流していた)

  
   細尾根はルートの悩みが無いので気楽だ             直ぐに又分岐がありこれは細尾根をそのまま歩く


△点(30) 三等三角点「天窪」 733.40m

さてこの先で縦走尾根はややこしいターンが待っている。真鈴峠から南に進んだ県境尾根が一旦東へ進み、直ぐに北東へと切れ上がるの
だ。テープのあるコル部から右手が細い植林の尾根道を上ると
14時52分頭を赤いペンキで塗られた境界杭があり左へ道が曲がる。コンパ
スを見て東へ進む事を確認する。

次の縦走尾根のチェックポイントは三角点「天窪」だ。そこを通れば県境を歩いている事が確証される。少し下り坂になり一旦コルに出
ると左手に「健脚大会 真鈴峠⇔滝の奥」の古い標識が見られた。ここには左右に踏み跡がある。

そのコルから今度はなだらかなピークに上り返して三角点を探す。ピークの最後辺りから三角点には縦走路を右に外してヤブの中に踏み
込まなければならない。地図とGPSを睨みながら辺りをウロつくと、
15時15分三等三角点「天窪」を見つけてホッとする。

これで滝の奥へのルートの不安を払拭する。白い三角点標柱が綺麗に残っており、標石にはチップを埋め込まれた跡があるので最近新しい
標柱が立てられたのだろう。先程道路に立っていた「天久保国有林」の天久保とこの「天窪」はなにか関連があるのだろうか? 南の徳島
県側には鎌窪という集落がある。


  
  久々に赤ペンキの境界杭を見る                      痩せた植林が右手に並ぶ上り坂を進む

  
14時52分ターニングポイントを迎える 左(東)に方角が変わる 14時58分荒れ気味の縦走路コルに「健脚大会 真鈴峠⇔滝の奥」標識が立つ

  
  多少荒れ気味だがルートに迷う程では無い              ビミョ〜な縦走路だ


           15時15分 縦走路から藪へ踏み込み三等三角点「天窪」を確認する  


土器川源流 (北緯3404分27.5秒 東経1335905.5秒)

そ三角点のあるなだらかなピークを過ぎると一旦コル部に下がるが県境部は少し藪ってややこしい地形と場所になる。テープや縦走標識を
確認しながら前方の尾根部へと這い上がって左へ細尾根を進む。やがて尾根が広がって来て、道が尾根から右に逸れて下って行くと15時
40分
滝の奥」の畑や民家が並ぶ場所に出た。地図には土器川源流の場所が明記されていないので畑のオバサンに聞くと「ここを下り
て道を左手に進むと大きな道路に出ますからそこを右に上がると源流碑があります」と教えてくれた。

広い県道108
号線「琴南三間線」に出て右手の峠部へ向かうと「土器川源流」の道路標識が掛かっていた。 ここに来ると何となく10年
以上前の歩いた記憶が少し蘇った。


周りの地形からして、この土器川源流から水はギリギリ県道沿いに真鈴川(土器川支流)へと流れ込んで行くのだろう。国土交通省四国整備
局のHPによるとこの土器川源流の地は「平成15年11月に国土交通省、香川県、流域市町、地元小学校の協力で決められ」たと言う。そ
して「山肌のわき水が源流で絶え間なく清らかな水が流れております」と記されている。


15時52分やっと水場「土器川源流碑」に着いた。ザックを下してコンクリートと金網に囲まれた源流の水を確認する。ん? 水が流れて
ないぞ・・・それに濁っているし・・・


でもまあ仕方がない。こんな時の為に浄水器を持って来ているのだ。出来れば谷水のせせらぎの中で給水したかったのだが。不本意な気持
ちで給水バッグに近くに転がっていたデカい柄杓で上戸から水を落とす。これだと使う時に浄水器にかけて尚且つ沸騰させなければ気持ち
が悪い。


  
   ビミョーな縦走路だが阿讃縦走コースの標識あり         植林が出てくると道がはっきりしている

  
   自然林になるとビミョーな尾根道だ                  15時40分 滝の奥分岐を右に下がる (これを左が良かった)

  
      滝の奥集落に向かって下る                   滝の奥集落の上部に出る 向こうに吉野川が見える

  
   農家のおばさんからの指示通り道を下る                       一旦折り返して尚も下る

  
  県道108号線「琴南・三間線」を峠に向かって歩く        道路標識に「土器川源流 ←」の大きな標識がかかっている
  


     15時52分 土器川源流碑に到着   さて水場は・・・・・・

  
キャイ〜〜ン 濁っているじゃん よどんでいるじゃん         まあ仕方が無い 取り敢えず給水袋に備え付きの柄杓で採水する

少しブルーな気持ちになって県境部の道路を山道に向かって進んでいると、道沿いの農家で小さな子供が二人水遊びをしている。一緒にい
るお婆ちゃんに「あのぅ・・・そのぅ・・・そこの源流で水を取ったのですがあまり綺麗じゃなくて・・・水を少し分けて貰えますか?」
と聞くと「谷水ですからいくらでもどうぞどうぞ」と言ってくれた。 ラッキー〜〜
早速先程取った土器川源流の水を捨ててバックを洗い
ホースから流れ出る谷水を頂く。


ストックを見て「おじちゃん これ何?」と子供が聞くので「これはね 山でお家を立てる時に使う棒で普段は杖で使ってるんやで〜」
「ふ〜〜ん おじちゃん いつでもお水沢山あげるから来てね」と言ってくれた。「坊はいい子やなあ」と言ってお婆ちゃんと母親にお礼
を言って別れる。


  
  県道の峠部から左手前に県境尾根への登山口がある        手前の広域農道へのフェンスに「滝の奥峠」右に「竜王山」とある
  右へ下る県道は三野町紅葉温泉へ
  左下が滝奥へ   手前左が広域農道となっている      

  
  県境尾根は前方の尾根から右側に続く尾根になる       水を頂いたこの家は香川県だと言われるのでこの道路がまだ県境部だろう 
                                         綺麗な水をありがとうございました〜


△点(31) 四等三角点「境」 807.21m

水場の農家からすぐ先に「竜王山」の指標が立った登山道があり16時20分県境尾根へと向かう。掘れこんだ狭い道が尾根へと続き、例
の阿讃健脚大会の古い標識「滝の奥⇔三頭越」が道の横に置かれている。
20分程で県境尾根に上がり縦走路を進む。16時55分藪っぽい尾根
で四等三角点「」に出合う。この三角点も新しいチップを埋め込んだ跡があり三角点支柱も真新しい。


植林の中に差し込む夕日が物悲しくなり、本日予定していた三頭越まで到底行きつけない。水を補給出来たので無理して三等越まで行く必
要が無くなったので少し気楽になる。
少し荒れ気味の植林尾根ではあるが道ははっきりしており歩くのには十分だ。

  
  のどかな滝の奥地区と吉野川                16時22分 倉庫のような白い建物の横に「竜王山」への登山口がある

  
  登山道はあるが道は倒木で荒れている               阿讃健脚大会「滝の奥?三頭越」の古い標識が倒れている


  16時55分 四等三角点「境」(さかい)を通過する  随分陽が西に傾いて来た〜

  
  
  植林帯の縦走路を進む  阿讃縦走コース標識有り                17時13分 分岐を左へ進む


△点(32) 三等三角点「勝浦」 880.64m (捜索するも不明)

17時25分倒木が散乱している場所を過ぎると左手が伐採地の丘になっている場所に着いた。縦走路は植林帯に沿って進むが、ここにある三
角点「勝浦」は左手に見える荒れた丘の上にある。一見枯れすすきの台地に見えた丘へ進むと伐採した雑木が乱雑に積まれている。イバラ
に悩まされながら三角点のある場所を地図とGPSを片手に何度も行ったり来たりする。んがっ 見つからない。

17時20分GPSで三角点の有る場所を突き止めるとそこには伐採された木がうず高く積まれていた。 ガッカリしながらイバラの丘からモ
トクロス場の様な建物の方向に下山する。


  
   むむっ  障害物あり〜                         植林伐採地の丘に出る 縦走路は右の植林沿いだ

  
 三角点「勝浦」のある左手の丘に上がる                GPSと地図を頼りに三角点を探して彷徨う

  
  結論!! 三角点はこの下に埋まっている              失意に暮れてトボトボと立石峠へヤブ尾根を下る

17時50分道路に下りつくと、そこに「立石峠」(二双越)の立札があった。三頭越まで2,850mとある。三角点が見つからなかったシ
ョックでこれ以上進む気持ちになれずに立石峠を上がったススキの生えた平地でビバークする事にした。
西側が開けて三角点のある丘の向
こうに夕日が沈んで行く。まあこんな眺めの場所でビバークするのもいいもんだ。


  
  17時50分 立石峠を上がる                       少し上がると「竜王山」への標識がある


   ツェルトを張りながら見つからなかった三角点「勝浦」の丘に夕日が沈む  やけに物悲しいぜ



            イバラに刺されながらツェルトを張り終える  


先程補給した谷水の入った給水袋から浄水器を通してペットボトルに水を移し替える。地図で翌日の長い行程を眺めたりアルコール殺菌ウ
ェットシートで体を拭きながら色々あった出来事を思い浮かべる。小さな失敗や詰めの甘さは色々あったが、まあ無事でここまで来れたの
で良しとしよう。


  
  気分を変えて銀マットを裏返して使う                綺麗な谷水だが念のために浄水器を通して飲み水を確保する


ちょっとダブルベッド風にシュラフカバー(ファイントラック ポリゴンシールド)とシュラフ(イスカ180)を並べてみる・・・・・ 余計に虚しくなる・・・

香川県境トレイル 概要編は                     ここ     

  第1日目 余木崎〜雲辺寺山は                 ここ     

  第2日目 雲辺寺山〜東山峠手前の野営地は        ここ     

  第4日目 立石峠付近野営地〜中山峠(清水峠)は     ここ     

  第5日目 中山峠〜上畑(鵜峠手前)野営地は        ここ     

  第6日目 上畑野営地〜引田県境岬は             ここ     





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