関東日本百名山5座の旅 第五座は富士山大展望所 「丹沢山」
2022年10月関東近辺日本百名山の旅 5座の位置図
丹沢位置図
丹沢(たんざわ)は神奈川県北西部にある山地で、秩父山地と合わせて「関東山地」に含まれる。
古くからお山参りで大山(おおやま)が有名だが日本百名山としては「丹沢山」(たんざわやま)が選定されえいる。丹沢の最高峰は「蛭ヶ岳」
(ひるがたけ)なのでここを含む「塔ノ岳」、「丹沢山」を登る登山者が多い。
四国に住む私にとっては丹沢と言うとテレビのサスペンスドラマで都会の人が山登りに行って事件に遭遇するって筋書で良く聞いた事があった
ので山深い危険な場所のイメージがあった。ルートにもよるが登山道を歩く限りはそんなに危険な山域では無く、何より富士山の大展望を楽し
める山との印象だった。
丹沢山は1,700万年前に太平洋の海底火山として誕生し、フィリピン海プレートに乗ってズルズルと北上してきた。そして約500万年前に
本州に衝突したという。その後約100万年前に近くの伊豆半島の衝突によって丹沢付近が押されて隆起した。そして長い間の浸食作用で
丹沢山塊の原型が作られたらしい。
古くは塔ノ岳や蛭ヶ岳が山岳宗教の修験の場となっていたが、昭和30年国体山岳競技会の会場になって登山道の整備が行われて、小田急
小田原線の開通などで一気に人気の山となった。
ただ、難点は大都会に近い山だけに野営地が山中で禁止されているので山小屋に泊まるしか無い事だ。でもここは蛭ヶ岳まで歩きたかったので
山小屋泊まりにした。実際、丹沢で景色が最高だったのは丹沢山から奥の蛭ヶ岳までだったので小屋泊まりにして良かった。
丹沢山地の位置図 (ネットより拝借)
2022年10月21日〜22日(金〜土)
丹沢山(たんざわやま) 一等三角点「丹沢山」 1,567.01m
登山口 : 大倉登山口 有料駐車場 近くのバスターミナルにトイレ有り
アクセス: 東名高速道路、秦野中井ICから県道71〜62〜706号線を経て秦野戸川公園を目指す。公園の駐車場は時間制限があるので
バス停の向かいに有る民営駐車場に停める(1日千円)
登山コース:1日目:大倉〜大倉尾根〜塔ノ岳〜丹沢山〜蛭ヶ岳 (蛭ヶ岳山荘泊)
2日目:蛭ヶ岳〜丹沢山〜塔ノ岳〜鍋割山〜二俣〜大倉
行動時間: 1日目:大倉〜塔ノ岳〜蛭ヶ岳 約 9時間40分
2日目:蛭ヶ岳〜塔ノ岳〜大倉 約 9時間00分
カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図 上りは大倉尾根コースで蛭ヶ岳(宿泊)、 下りは鍋割山コース
行程1)大倉登山口〜塔ノ岳 約5時間15分
雲取山から木曜日に下山して天気予報をチェックすると翌日の天気が良いのと、山小屋が混む前の金曜日に丹沢山へいく事にした。
明るい内にカーナビで登山口の秦野戸川公園の「大倉」に着き駐車場を探す。公園の公営駐車場は時間制限があり一泊は出来ない。
暗くなって民家の駐車場へ行くと受付は明るい内しか出来ないと言う。
すると大倉バスターミナルの真ん前に駐車場のバーが見えたので説明書きを見ると1泊千円で駐車可能だった。ここで翌朝まで車中泊
をして朝06時明るくなって出発する。
大倉尾根
丹沢山系は複雑な尾根や谷が入り組んでいる。その中で一番人気の高い登山道が「大倉尾根コース」で、交通の便も良いので私もこの
ルートで登る事にした。 西側の酒匂川(さかわがわ(水系の四十八瀬川(しじゅうはっせがわ)と東側の金目川水系の「水無川」の分水嶺
となっている細い尾根だ。両側の川は共に塔ノ岳付近を水源として流れ出し東西に分かれる。
情報ではこの大倉尾根は標高差もあり長いので厳しいとされていたが、歩いた印象としては北アルプスの早月尾根等と比べるとそんなに
厳しい高低差とは思えない。恐らく山歩きを始めた都会の初心者が多いのでキツいとの噂が広がったのだろう。
駐車場から山手に向かう舗装道路を10分程歩くと道が二手に分かれて「塔ノ岳6.4km」の標識がある。この「塔ノ岳」が丹沢の山として
は一番手前のピークで日帰り登山者はここをピストンするケースが多い。植林が目立つ道を進むと直ぐに杉の巨木などが見られる山道と
なり整備されてはいるが雰囲気が良い登山道が現われる。近くに大倉高原テントサイトの標識があるが登山には登山口に近すぎて使え
ない。ここには「神奈川県・水源の森林」の標柱が立っている。
07時20分「見晴茶屋」の山小屋が左手にある。相模湾沿いの街並みが見えるが見晴らしと胸を張って言える場所では無かった。
右手の植林帯に沿って鹿防護ネットが張られている。ここも鹿の食害が多いのだろう。登山道が次第に広くなり土留めの角材で緩い階段
状に整備されたいる。又、足場が悪い所では木道で整備されておりさすが人気の山だと感じる。
07時48分塔ノ岳まで4.0km標識には「一本松」と記されている。恐らく以前に大きな松の木があったのだろうが今は見当たらなかった。
登山道の周りはブナなどの自然林が並び登山者に良い日陰を提供していた。気温はさほど低くはないのだが、日差しと緩斜面の上りで
日陰を歩く方が気持ちが良い。
08時17分左手に緑色のトタン張りをされた「駒止茶屋」(905m)を通過する。この山小屋は週末だけ営業されており宿泊料金は1泊2食
で4500円から、素泊まりは3000円と比較的中途半端な場所にあるので安い。(モンベル情報)
右手に水無川沿いの戸沢林道を挟んで尾根が見えるが、三ノ塔尾根、鳥尾尾根、政次郎尾根等が「表尾根」に向かって並ぶのでどの尾根
なのかは分からない。快適な尾根を進むと道端にテンアンショウが赤と緑のまんだら色の実を付けている。登山口から結構この実が見られ
た。すると08時50分色々飾り物が置かれた「堀山の家」を通過する。後から知ったのだが、この小屋の辺りに「堀山」と言うピークがあった
らしい。ちなみにこの山小屋も週末のみ営業で1泊2食6000円、素泊まり4,000円と標高が上がるにつれて少し高くなっていた。
05時45分山小屋一泊の準備完了〜 丹沢はテン場は無い 丹沢登山口 大倉の私設駐車場 向かいはバスターミナル
今日は片道だけ歩けば良いので明るくなってから出発する 舗装道路を10分進むと丹沢入口
左手の塔ノ岳6.4kmへ進む 駐車場から25分で山道に入る
杉林の広い道が続く 07時20分 見晴茶屋を通過
見晴らしって相模湾の眺めだろうか 整備された広い山道が続く
人気の山だけに整備が行き届いている 自然林の大木も残されている
塔ノ岳まで4km、バス停から3km歩いて来た 大倉尾根は歩き易い
08時17分 駒止茶屋を通過 少し粗末なトタン葺き 相変わらず快適な登山道が続く
08時50分「堀山の家」を通過 おっ トリカブトが咲いている う〜〜ん やっぱりボケた
丹沢山へのほぼ中間点付近にある「堀山の家」を通過して直ぐにトリカブトを見つけて少し嬉しくなる。今回の山旅は秋口になり花に乏しい
歩きだったので秋の花が見られる丹沢に来て良かった。 09時丁度に左手、西側の山向こうに富士山が初めてこの尾根で現れた。
この辺りから急に岩がゴロゴロする尾根に変わる。蛇籠で斜面を補強したり、木で階段状に登山道を整備している。鉄道の線路の様な階段
を上がっているとアザミやテンナンショウが道端に見える。09時23分分岐標識が有り、右手に戸沢林道へ苦dる「天神尾根」ルートを分ける。
分岐標識には塔ノ岳1.8kmとある。
辺りにカヤ(ススキ)が多く見られる様になり急な傾斜を登ると一旦平な地形になる。ここが「茅場平」(かやばたいら)と呼ばれる標高1128m
付近の平坦地だろう。この尾根の肩部に当たる茅場平を越すと又岩の多い荒れ気味の急登になる。でもこの荒れた登山道はほぼ木道で整備
されているので問題は無い。
この辺りの岩道にはリュウノウギクやノコンギクなどキク科の花やリンドウが咲いて心を和ましてくれる。ススキの向こうに顔を覗かせる富士山
を眺めながら急な木道の階段を上がると10時10分展望の良い肩部に着きそこに白い壁と赤い屋根の「花立山荘」があった。ここも週末だけ
営業で料金は素泊まり3、500円、1泊2食で6,000円らしい。まあここまで登ってくれば塔ノ岳にも近いので泊まる価値はある。
やはり大都会を控えた人気の山だけに野営地の無い丹沢は週末登山者で溢れる為多くの宿泊施設がある様だ。「花立」はもう少し登った場所
にある約1,370mピークの名前らしい。 広い立花山荘で少し休憩し下界を眺めるが、霞んでいるので良く見えない。ここからも富士山の左半分
を眺める事が出来た。
09時00分 初めて富士山が見えた 道に岩が現れて傾斜が急になった 登山道は整備されている
アザミが咲いている テンナンショウが実になっていた
09時23分 天神尾根分岐を通過 (天神尾根は右へ) カヤの間に急登が続く
足元にはリンドウが咲いていた 急登を上り切ると一旦平坦な場所になる ここが茅場平だろう
平坦地を抜けるとワイルドな急登になる この辺りでは結構岩場が目につく
柔らかいリュウノウギクが沢山見られる様になった ノコンギクだろう 実物はもう少し紫がかっている
2度目の富士山を眺める 急な階段が続く
振り返ると神奈川の町と海が見える どの辺りかは分からない リンドウの花が開いていた
10時10分 週末だけ営業している「花立山荘」に着いた 富士山の全体は見えないがまあそこそこの展望だ
立花展望所
立花山荘からブナの生えた岩っぽい登山道を少し上がると立花小屋よりもっと眺めが良い肩部に出る。ここが標高1,370mの「立花」
ピークだろう。フジアザミが咲き残っており、富士山も手前の尾根上に全体が見える。その上に進行方向には塔ノ岳や蛭ヶ岳も見える。
立花ピークから標高を上げると塔ノ岳から蛭ヶ岳の稜線や富士山が海に浮かぶ島の様に見える。正面に蛭ヶ岳を見ながらブナの尾根を
進むと少しザレた場所に鉄パイプで補強した木道があり両側がリョウノウギクのお花畑になっていた。
金冷し(分岐)
そのザレ場を抜けて進むと10時50分「金冷し」分岐標識に着いた。修験者は男の世界だったので手前のザレ場か左手に下る細尾根が
余程危険な場所だったのだろう。翌日、帰りはおこから鍋割山へ向かって下山する事にしている。
南側から登って来た「大倉尾根」と西側の鍋割山から続く尾根がここで一本に合流して塔ノ岳へと向かう。少し西側へ回り込んで木製の階段
を上がり肩部へ出ると更に富士山への眺望が良くなる。
岩とブナ、自然度一杯の登山道が続く 前方のピークが「立花」だろう
肩部に上がるとフジアザミが咲き残っていた ここが標高約1,370mの「立花」ピークだろう
一番左が最終目的地「蛭ヶ岳」 まだまだ遠い〜 一番右側が「丹沢山」
ここまで登ると富士山が綺麗に見えだした 前にピークが見える あれが丹沢山かな?
細尾根も登山道が整備されている 野菊が美しい 10時50分「金冷し」という鍋割山への分岐点に着く
美しいブナ林を歩く 塔ノ岳へ向かって最後の急登を喘ぐ
塔ノ岳直下から眺める富士山は味が有る
塔ノ岳 (とうのだけ) 三等三角点「塔ノ岳」1,491m (三角点は亡失)
塔ノ岳は元々北側に尊仏岩と言う 高さ8メートル程の大岩があり、尊仏山と呼ばれていたらしい。この岩を「お塔」と呼んで雨乞いの祈祷
などが行われていた所から「お塔の山」、御塔(みとう)そしてそれから転化して「塔ノ岳」と次第に呼ばれる様になったと言われている。しかし
この尊仏岩は関東大震災の余震、丹沢地震で谷へ転落して今は残っていない。又、この山に置かれた石塔を近隣の山伏が護摩法要を行
ったり、祭礼日に賭場を開帳して多くの人が集まったとも言われている。
石鎚山の天柱石(てんちゅうせき)も御塔石(みとういし)と呼ばれて、仏像の様に細長い岩を御塔(みとう)と宗教的に呼び祈祷儀式が行わ
れていた様だ。
11時15分長い木道を上がると視界が開けて「塔ノ岳」の大きな山頂標識が立って、その奥に茶色い山小屋が建っている。ここにある山
小屋は古い山名「尊仏山」にちなんで「尊仏山荘」という名前だ。ここは今までの山小屋とは違い通年開業しているとの事で賑わっていた。
私も中でコーヒーを注文してTシャツをお土産に買った。ここは1泊2食で8千円、素泊まり5千円とやはり少し高めの設定になっていた。
ここは表丹沢の最高峰として他の丹沢山塊、相模湾や関東平野、富士山、南アルプスも眺められる展望所だから大人気の山になる筈で、
メインの登山道「大倉尾根ルート」の保全が問題になっているだろう事は容易に想像出来る。沢山の石仏のバックに立派な富士山がデンと
構えていた。
フジアザミらしき花が咲キノコっている 相模湾への展望を楽しむ登山者
11時15分 「塔ノ岳」山頂(1,491m)に着く ここは富士山の眺めがとても良い 三等三角点「塔ヶ岳」は見当たらない (亡失)
一応この塔ノ岳を丹沢とする場合もあるので一応ここで記念写真を撮って貰う 石仏が沢山立っていた 奥は丹沢山と蛭ヶ岳
尊仏山荘は賑わっていた 素泊まり5,000円 1泊2食8,000円 次の丹沢山まで2.6km でも標高差は少ない様だ
行程2) 塔ノ岳〜丹沢山 約 1時間50分
さて、日本百名山「丹沢」は一体どの山頂を踏めば達成されるのか良く分からない。やはり表丹沢の最高点「塔ノ岳」を踏むだけでは頼りない。
最低、丹沢山を踏まない事には納得出来ないし、そこまで行くからには丹沢山塊の最高峰「蛭ヶ岳」まで行っておけば後から後悔する事も
ないだろう。
標識を見ると次の丹沢山までは2.6kmと記されており標高差もそんなに無さそうだ。しかし、丹沢山への登山道に入ると登山者の姿は急に
減る。最初は北方向へ一旦コルに向かって標高差70m程を木道道の下りになる。この尾根になると俄然カエデの紅葉が美しく尾根を飾る。
日高
基本、尾根は笹とブナ、カエデの自然林が続く。先の1,461mピーク(日高)に向かい上りの木道が整備されている。左手には紅葉の谷間
に富士山が美しいシルエットを見せてお度々足を止めてしの須賀らしい取り合わせに見入る。やはり塔ノ岳を越えて間違いなかったと確信し
た。足元にはホソエノアザミやリンドウが木道から顔を覗かせている。
稜線から西側を眺めると箒杉沢の砂地が線になり、その谷の向こうに富士山が聳えている。尾根筋を歩く間中、富士山が付いて来てくれる
素晴らしい縦走路だ。
竜ヶ馬場 1,504m
笹の間から登山道にはみ出して咲くホソエノアザミ(細柄野薊)に気を付けながら尾根を歩いていると右手に関東平野らしき広い平地が霞ん
でいる。工場地帯も見えるし低い山も見えるので神奈川県から東京都への眺めだろう。12時31分竜ヶ馬場展望所に着いて少し休憩する。
大都会から来られた登山者にはたまらない景色だろうとスケールは違うが西赤石から新居浜の街を見た時の心境になる。
何度も富士山を眺めながら歩く 11時25分 丹沢山へ向かう 塔ノ岳からも木道が整備されている
カエデの紅葉がとても美しい 正面に今日の目的地、蛭ヶ岳が見える
標識は適所にあり不安は無い この山は歩くのがとても楽しい
丹沢山への稜線も整備が行き届いており歩き易い 塔ノ岳を振り返る
丹沢の素晴らし秋色の向こうに富士山が構える
リンドウが咲いている 秋らしい赤い実のメギは棘が沢山あるので別名「コトリトマラズ」
12時 日高ピークを通過 前方に丹沢山と蛭ヶ岳 大都会の匂いがする 神奈川県の街
丹沢は富士山の大展望所だ
丹沢湖へ注ぐ谷沿いから富士山を眺める ホソエノアザミが賑やかに咲いている
12時30分過ぎ、標恋1,504m竜ヶ馬場の展望所に着く 関東平野のビルが見える
竜ヶ馬場を越えても笹とブナの美しい稜線が続く トゲが無いからソヨゴかアズキナシ? 赤い実が多いので良く分からない
丹沢山(たんざわさん) 一等三角点「丹沢山」 1,567.01m
丹沢山を地形図で見ると尾根が複雑に入り混じっている。元々この山は3郡境(津久井郡、足柄上郡、愛甲郡)だった事から「三境」(さん
ざかい)とか「三境ノ峰」とか呼ばれていたという。明治時代に一等三角点が置かれた時に点名が「丹沢山」とされたのをきっかけに以来
点名が山名になったと。まあ、丹沢山地なんだから一つは丹沢山ってのは必要だ。 丹は深い谷、沢は水の流れを意味する場所とされ
る朝鮮半島の古い言葉がらきているらしい。よう知らんけど・・・
竜ヶ馬場から笹とブナなどの樹林帯に続く階段状に整備された傾斜を登ると13時05分平坦な丹沢山に着いた。登山者は少なく大変静か
で周りに樹木が生えた良い雰囲気だ。まず笹に覆われていた一等三角点を整地して靴と一緒に記念写真を撮る。富士山が見える西側が
開けておりそこにお地蔵さんが一体立っている。塔ノ岳みたいに石仏だらけの山頂よりよっぽど風情がある。
山頂標識の前でミニ三脚で記念写真を撮る。傍らに「丹沢大山国定公園(1,965年)丹沢山 1,567.1M」の御影石モニュメントが有る。
形は丹沢の山と谷を表しているのだろうか。奥に目をやると茶色い山小屋「みやま山荘」が建って数人の登山者が見えた。
通年営業で 1泊2色9千円、素泊まり6千円らしい
丹沢山のピークに向かう 13時05分 平らな丹沢山に着いた 意外に静かな場所だ
06時登山口を出発し7時間かけて 13時05分 丹沢山へ着いた 山頂のお地蔵様の向こうに富士山
丹沢大山国定公園「丹沢山」の山頂モニュメント 一等三角点「丹沢山」 1,567.01m
日本百名山「丹沢山」 これから丹沢山地で一番標高が高い蛭ヶ岳まで進む
行程3) 丹沢山=不動ノ峰〜棚沢ノ頭〜蛭ヶ岳 約2時間30分
13時18分 みやま山荘の前を抜けて北西に延びる主稜線へと進む。ここは地形が複雑で北にも東にも別な尾根が延びておりそれ
ぞれに登山道がある。しっかりした標識が要所に立っているので迷うことは無いが視界が悪い時は注意が必要だ。
蛭ヶ岳まではほぼ西に向かっての尾根歩きで丹沢山との標高差は100m程の上りだが途中にピークが幾つかありクネクネ曲がった
尾根をアップダウンを繰り返す。先ずは早戸川乗越までを下って、そこから不動ノ峰へと上り返す事になる。早戸川は縦走尾根の北
側にある沢で宮ヶ瀬湖へと注ぎ混む。この辺りの尾根筋も木道でよく整備されており歩き易い。カエデは美しい紅葉だが、ブナが枯れ
ているのも目につく。
13時43分頃早戸川乗越の鞍部を過ぎ最初の1,550mピークに上がると丹沢山から塔ノ岳の歩いて来た尾根が見える。風が強い
のでうろこ雲が空に広がって美しい。 そこから次の1,614mピーク「不動ノ峰」までブナが濃いなだらかな上り尾根が続く。
丹沢山頂にある「みやま山荘」の横を抜けて進む さあ、今日の目的地 蛭ヶ岳へ向かおう
正面に見える蛭ヶ岳へ向かう 一旦コル部へ下がる様だ 木道が整備されていた
蛭ヶ岳へのなだらかな尾根が続く 右下の早戸川乗越へ向かって下る 正面は不動ノ峰だろう
1,550mピークの上空にはうろこ雲が広がる ここまで来ると丹沢山から塔ノ岳の稜線が見えて、その上に秋空が広がる
不動ノ峰(1,614m)の東斜面はブナの森だ なだらかに不動ン峰へ上がって行く
不動ノ峰
14時10分右手に不動ノ峰休憩所があり小さな雨避けの小屋と休憩する縁台が置いてある。関東平野の夜景が見渡せる絶好の野営
地なのだが、大都会からキャンパーが押しかけたら相当問題が起こるので丹沢山域では野営は禁止されているのは当然だろう。
鹿の食害を匂わせる荒れた森を上がると不動ノ峰に着いてここからも更に関東平野や塔ノ岳〜丹沢山の稜線が見渡せられる。更に
ピークを進むと縦走路が北に向かうターニングポイントになっており、西側が開けて富士山が正面から姿を現す。暫くは富士山見物で
写真などを撮って休憩する。
不動ノ峰の西側肩部に出ると崖っぽいコル部へ一旦下がる様だ。その向こう側に上り返す「棚沢ノ頭」ピークが有り、尾根は北側に
延びてコーナー部の「鬼ヶ岩」(1,608mピーク)が見える。 更にその向こうに最終目的地の蛭ヶ岳が顔を出している。う〜〜ん 随分
長い尾根歩きだ。私には日帰りは不可能jだから山小屋泊まりしかここに来る方法は無い。
コル部付近じゃら棚沢ノ頭へ至る両斜面はザレ落ちており崩壊が進んでいる様だ。でも稜線部はしっかりしており、木道や階段で良く
整備されており歩行に問題は無かった。地形図や山地図を見ても「棚沢」の表記が無いのでこの沢が北側か南側か分からなかった。
棚沢ノ頭ぴーくから暫くなだらかな稜線が北の鬼ヶ岩へと延びるが、稜線上には鹿防護柵がずっと張られていた。笹原尾根の先には
蛭ヶ岳が頭を出している。
相変わらずカエデが美しい でもこの山域にも鹿が増えている様だ
14時10分 不動ノ峰休憩所に着く 小さな小屋と展望縁台がある ここは関東平野が展望出来るが少し霞んでいるのが残念
不動ノ峰展望所の更に上側から関東平野を眺める 霞んでいるのが残念だ
右端の塔ノ岳から丹沢山まで歩いて来た主稜線が見える
14時20分不動ノ峰を過ぎると尾根が北へ振り富士山が見えだす 富士山をアップで
雲と富士山と丹沢の山
蛭ヶ岳へ向かって一旦はコルに下り、その向こうに「棚沢ノ頭」ピークがあり右手に「鬼ヶ岩」ピーク、その奥が蛭ヶ岳だ
富士山を眺めながら「棚沢ノ頭」小ピークに向かう 棚沢ノ頭もうろこ雲に包まれている
14時35分「棚沢ノ頭」に上がり稜線を進む 鹿防護根と有り カエデと笹の色が良くマッチしている
カエデとアセビ
鬼ヶ岩と鎖場
棚沢ノ頭から北に向かって上がって来たなだらかな尾根は先の鬼ヶ岩(1,608mピーク)で少し北西に方角を変えて蛭ヶ岳へと至る
このピーク手前で左手が切れ落ちて崩壊地となっている。その下には東谷〜熊木沢〜玄倉川となって丹沢湖へ流れ込む。
何か不思議な雲が蛭ヶ岳の上に被さっている
左手の斜面崩壊が進んでいる 右手の斜面は安定している
1,608mピークを越えると北の肩部「鬼ヶ岩」へと進む尾根が美しい紅葉に飾られて蛭ヶ岳を飾る
この時期に丁度この山に来れて良かった グラデュエーションも美しい
おそらくこれが「鬼ヶ岩」だろう コルの前方に蛭ヶ岳が構える
最後のコルに向かって岩場を下る 丹沢を歩いて初めての岩場だ
鬼ヶ岩のピークを振り返る 岩と紅葉が美しい
一つ肩部があって、更にその下に鎖が置かれた岩場が続く コルをやり過ごすと急に霧が出てきた
リンドウは天気が崩れて花を閉じている 蛭ヶ岳が近づくが相変わらず霧が消えない
蛭ヶ岳 三等三角点「蛭ヶ岳」 1,672.7m (三角点は亡失)
鬼ヶ岩のコルを越えて蛭ヶ岳へと稜線を上がって行くと急に霧が出てきた。両側に杭を打ってロープが張られた登山道を進むと前方に大木
が見えてその奥に小屋の陰が有った。やっと蛭ヶ岳に着いた様だ。
小屋には入らず先ず山頂へ向かうと、山小屋の横に木曽御嶽大神の分霊祠があったので挨拶をする。そして15時40分霧の山頂部へ出る
と僅かにす〜〜っと霧が晴れる兆候があった。大倉登山口を06時に出発して9時間40分歩き続けてやっとここまで到達した。
ここまでやってきて霧で何も見えなくなったらシャレにもならないが、青空が現れてホッとする。風が物凄く強いので上空には綿雲が飛んでい
て美しい。 一旦蛭ヶ岳山荘にチェックインをして荷物を部屋に運んでからもう一度夕陽を眺めに展望所へ出る。
するとどうだろう! 蛭ヶ岳と」富士山の間に雲海が広がって二度と拝められない様な日没光景が眼前に広がった。このタイミングでこの地に
来られた事に感謝する。夕食まで寒いのも忘れてず〜と富士山の右肩に日が沈んで行くのを眺める
蛭ヶ岳山荘
通年営業で宿泊定員45名、1泊2食8千円、素泊まり6千円の丹沢最高峰、蛭ヶ岳にある山小屋で、私が行った時には男性の管理人さん
一人で料理も全て切り盛りされていた。(金曜日の平日だったので週末は混むので応援が来るのかも知れない)
夕食前に全員食堂に集合し、管理人さんの挨拶があり一斉に食事が始められる。コロナ禍の時なので五月雨式にバラバラ食事で良いと
思うのだが、管理人さんが一人なので段取りがある様だ。
最近ヘリにて荷揚げが行われて食材が豊富ですとの挨拶があったが、食事はカレーがメインでそんなに大したおかずも無かった。(個人の
印象) 枕は使い捨てが用意されており、布団も有ったがマイシュラフとマイ枕で寝る。当然色んなイビキがあちこちから聞こえて来る。
兎に角、丹沢では山小屋を頼りにするしか方法が無いのだから全てを受け入れる。
山小屋泊は消灯時間が決められており、夜中にゴソゴソ出ていく訳にも行かず、テント泊の様な自由さが無いのが最大の難点となる。夜空や
街の夜景を見たかったが疲れもあって我慢して眠りにつく。
!
15時37分 山小屋が見えた 木曽御嶽大神の分霊祠が有った
15時40分 一旦蛭ヶ岳の山頂を踏む 霧で展望は無い 暫く待つと少し霧が晴れてきた
霧が晴れて来ると左手から雲海が湧きだした 取り敢えず一旦山小屋でチェックイン手続きを澄ませる事にする
一旦「蛭ヶ岳山荘」にチェックインする グループごとに区分けされていた まあ少しの混雑は覚悟の上だ
16時45分 山頂へ向かうと霧が晴れて雲海となっていた 太陽が富士山の右側へ沈んで行っている
日が沈むのをず〜〜っと眺める
17時02分 富士山の右裾に太陽が沈みかけた 雲海が凄い
17時30分夕食の時間になった 管理人と料理人は一人でやっている カレーの匂いがしないカレーが出された
10月22日(土)
蛭ヶ岳〜丹沢山〜塔ノ岳〜金冷し分岐〜鍋割山〜後沢乗越〜二俣〜西山林道〜大倉
(約9時間40分)
行程4) 蛭ヶ岳〜丹沢山〜塔ノ岳〜金冷し分岐 約 4時間15分
朝食は05時30分と決められているので早めに起きて外に出るが、冴えない雲行きで美しい日の出は見られなかった。小屋に帰って朝食
の後、出発準備をして小屋番に挨拶をしてもう一度富士山展望所へ寄るが昨夕の様な感動的な場面は無く写真も殆ど撮らなかった。
丹沢山への下山口へ廻ると昨日登山中や山小屋で会った無線交信が趣味の男性がアンテナを広げて準備中だった。世の中には色んな
趣味を楽しむ人が居てわざわざ重いアンテナや装置を抱えて山奥までやって来て見知らぬ人と交信する。趣味と言う者はその人にとって
かけがえの無い楽しみで他人がどうこう言える物ではない。山登りだってこの楽しさや感動を知らない人にとっては「何でしんどい思いをして
まで重たい荷物を背負って山へ行くの?」ってなもんである。この酔狂な人に一合一会の挨拶をして06時45分下山を開始する。
曇り空の景色はススキが風に揺れたりするのもあって一抹の寂しさを感じッ。尾根から眼下に白い筋をつける沢を眺めながら丹沢を歩いて
いる感慨に浸る。富士山の上には傘雲がかかり天気が崩れそうな様子を見せる。
崩壊地の手前ではソヨゴらしき赤い実が沢山見られた。アズキナシの葉とは明らかに葉脈が違う。又、棘が沢山あるメギもう少し下の方で
良く見かけた。07時05分岩場の鎖場を上がる。10分程で前方の稜線部に出ると富士山がキセルのタバコから煙を出している様な雲が
かかっていた。
曇り空の下ではあるがまるでツツジが咲いているかの様なカエデの紅葉が笹の薄緑とマッチして美しい。08時前になると相模湾から三浦
半島、そしてその向こうの東京湾が見える。こんな高曇りの方が遠くを見渡せる様だ。あれが加山雄三の若大将映画に出た江の島か〜と
妙に感心したりする。しかに陸地部の様子はボ〜〜として良く見えなかった。
平らな笹の大地を抜けると前方にやっと丹沢山が眼前に現れる。一旦コルへ下がり階段状の木道を上がる。ステップにしている丸太には
湛山と文字が彫られていた。08時40小さな石仏を過ぎると丹沢山の「みやま山荘」に着いた。土曜日だがこの時間は登山者がまだ来て
いないのでゆっくりと富士山の展望を楽しむ・
06時過ぎに小屋の外に出るが天気は曇りで朝焼けは見られず 蛭ヶ岳山荘 20人程の宿泊者が居た
生バナナが無いのでバナナパンで記念撮影 秋の風情 昨夕の様なドラマチックな風景は無かった
大倉尾根からアンテナを背負って来た登山者とお別れ 06時45分 蛭ヶ岳を出発 丹沢山まで3.3km
整備されて木道を丹沢山へ向かう 秋の風景や風を感じながら稜線を歩く
南側には熊木沢が丹沢湖へ延びる 左奥が鍋割山だろう 奥は伊豆半島を挟んで相模湾と駿河湾がある
富士山の上には天気が崩れそうな雲が留まる 帰りにも赤い実(ソヨゴ)に見送られる 奥は崩壊気味の尾根
07時05分この岩場にある1つ目の鎖場を登る 笹や灌木が山の崩壊を必死で支えていた
昨日散々眺めた紅葉越しの蛭ヶ岳とと富士山だが、いくら眺めても名残惜しい 富士山には三重の雲がかかっていた
2つ目の鎖場を伝って肩部へ上がる 立派なブナも沢山有る
まるでツツジの様な紅葉も蛭ヶ岳まで歩かなければお目にかかれなかった 07時50分 不動ノ峰を通過
南東方向が開けて相模湾、江の島と三浦半島、その向こうに東京湾が見えた
じっくりと丹沢の秋風景を楽しみながら歩く 剣山の縦走路によく似た尾根だと思う
丹沢山へ向かう登山道が続いている 木道で整備された斜面に着いた
粋な丸太が置かれている 08時40分 丹沢山の「みやま山荘」に着いた
ここにもお洒落な丸太」(富士山)が置かれている 何度も富士山を眺めながら歩く
「蛭ヶ岳」や「丹沢山」は静かに富士山を眺める事が出来る山だった
丹沢山から塔ノ岳へはほぼ南へ一直線の標高差が余り無い尾根となる。相変わらずブナとカエデの美しい尾根が続く。 昨日は上りなので
あまり振り返る事が無かった景色、つまり相模湾や関東平野をンが目ながら尾根を下って行く。登山道は木道で整備されている場所が
多く快適に歩く事が出来る。
09時50分、塔ノ岳が正面に見える場所まで来た。丹沢山も塔ノ岳も修験の山にしては平凡で似通った形をしている。それでも緑が豊かで
ブナが多く自然がたっぷりで大都会に住む人達にとっては「とっておき」の場所だろう。最後にロープが張られた岩場を過ぎて、木製階段
を上ると10時40分「塔ノ岳」に着いた。平日金曜日の昨日も登山者が結構居たが、土曜日の今日は又大勢の登山差が居た。
この山はトレラン姿の若者が多い。彼らにとっては登山というよりは「ハイキング」の範疇だろう。週末は各所の山小屋が営業しているので
水や食料の心配も無く安心して軽装で駆け廻る事が出来る。
しばらく多くの都会育ち登山者を見物した後10時32分鍋割山分岐の「金冷し」に向かう。標識を見ると鍋割山まで2.6kmとなっている。
長い木道階段を下り、丸太で整備された広い階段状の登山道を下ると10時58分「金冷し」に着いた。
美しいブナ林が続く 前方に塔ノ岳が見える
こう言う尾根の景色が稜線歩きの理想だ
塔ノ岳が近づく ちょっとした岩場を越える
10時40分「塔ノ岳」につくとさすがに登山者が急に増える
塔ノ岳も富士山の展望所だ ここの山小屋は「尊仏山荘」と言う名前で賑わっていた
丹沢山と同じ山頂標石 日帰りでここまでトレランで登ってくる若者が結構見られた
鍋割山まで2.6kmとある 長くて急な木道階段も下りは楽だく
小学生の子供と親子登山はほほえましい 10時58分鍋割山への分岐「金冷し」分岐に着く
行程5) 金冷し分岐〜鍋割山〜後沢乗越〜二俣〜大倉 約5時間
「大丸ピーク」「小丸ピーク」
11時前、金冷し分岐に着き右手の鍋割山への登山道に入ると塔ノ岳の喧噪が?のように静かになる。金〇が冷える程険しい場所って
イメージは全く無く美しいブナ林の細尾根が続く。尾根が西を向いて下って行くので左手には真鶴岬や伊豆方面の海が見える。
この西向きの尾根は鍋割山を経て雨山峠から玄倉(くろくら)川へと落ちていく。でも途中で色んな方向に尾根が分岐して丹沢の複雑な
地形を代表している様だ。11時11分「大丸」と言う1,386mピーク標識を通過し。更に11時30分「小丸尾根」が南に向かって延びる
分岐を通過する。ちなみにこの小丸尾根を下っても二俣に出て大倉登山口へ帰る事も出来るのだが、そうなると鍋割山は通過しない。
11時43分先程通過した小丸尾根の頭になる「小丸」ピーク標識(1,341m)を通過する。この尾根はほぼ平坦なので大丸も小丸もさし
たるピークとは思えぬ場所で標識が立っていなければ分からない。
11時50分になると前方が開けて尾根が鍋割山へ向かって下って行く。勿論ここにも木道が整備されえおり富士山が正面に見える。丹沢
では富士山三昧だったが、もうこれが最後の眺めになるかも知れない。
丸木で整備された道を下っていると上から今朝、不動ノ峰展望所で会った東京の若者二人組に再会した。展望所で東京方面を教えて貰っ
たりしたのだ。赤い服の若者が山経験者で黒い登山服の友人に山歩きを勧めて最初に高尾山へ登り、今回2度目の山だと言う。「鍋割山
でうどんを食べますから又お会いしましょう」と言われたがその時はバーナーでお湯を沸かしてカップうどんでも食べるのかと思っていた。
鍋割山へ向かい尾根を右に変えて細尾根を下る この山域はブナ林となる
南側に見えるのは真鶴岬と相模湾から伊豆半島だろう 遠くに三原山が霞んでいる
登山道整備の資材がヘリで下ろされている 11時11分「大丸」ピークを通過
素晴らしいブナ林だ 11時30分「小丸尾根分岐」を通過
トレランの若者が多い 相模湾が見える
11時43分 「小丸」ピーク(1,341m)を通過 蛭ヶ岳の不動ノ峰展望所で会った二人組に再会する
このルートからも富士山が見える
鍋割山へ向かって上りとなる カラマツソウかな?
鍋割山近くから今朝出発した蛭ヶ岳から不動ノ峰が見える
鍋割山 三等三角点「三之萱(かや)」 1,272.35m
秋を感じさせるススキが揺れる向こうに霞んだ相模湾を見ながら少しアップダウンを繰り返すと12時17分分岐標識があり雨山(西)峠2km
後沢乗越(南)1.7km、二俣(南)3.0kmと記されており、中心が「鍋割山」となっていた。左手を見ると何と黒山の人だかりになっている。
いくら何度も丹沢ではマイナーと思われた「鍋割山」のこの賑わいは何だ? 山頂標識へ近づくが人込みで写真も取れない状態だ。見ると
登山者は手に手にお盆の上に鍋焼きうどんを置いて席取りをしている。どうもこの鍋割山で鍋焼きうどんを食べるのが都会っ子のトレンドに
なっている様だ。大都会を控える山だけに鍋割山荘の鍋焼きうどん作戦が功を奏している様だ。
まあそれにしてもこの山まで来るにもそこそこの時間と体力が必要だから山小屋が若者で賑わうのは良い事だと思う。ここで昼食を食べる
予定にしていたが、山小屋に並ぶ行列を眺めながら下山することにした
富士山が見えるのもここが最後となる 12時17分 鍋槍山標識に着いた 雨山峠分岐となっている
鍋割山に着いてびっくり 若者で溢れている 成程! 鍋割山で鍋焼きうどんか〜〜
美味しそうな鍋焼きうどん 少し待って山頂記念写真を撮る
鍋割山荘の前では1,500円もする鍋焼きうどんに行列が出来ていた
12時25分小屋前から結構な下りになるが、子供を引率したグループが上ってくる。又、この時間になっても登ってくる若い女性グループ
等にも会うのでどこから来るのだろうか気になって地図をみると3km程下った二俣の南側に「表丹沢県民の森」駐車場が記されている
からそこまで車で来られているのだろう。
後沢乗越
暫くすると細尾根の下りが続き若者がどんどん上から下りて来る。13時47分大きな松の木に「左=二俣 大倉」「正面 栗ノ木洞」の
表示がある。するとそのすぐ下側に分岐標識が立っており「後沢乗越」と記されていた。ここを二俣・大倉方面に左折する。このルートは
少し沢筋を抜けたりするので多少荒れている。ザレ場を抜けると一旦植林帯に入るがすぐ大きめの沢筋に出る。地図を見ると「四十八
瀬川」の上流部「ミズヒ沢」の様である。
沢部や沢横の登山道を進むと沢が広がった場所に出て小橋を渡ると林道があり車が数台置かれている。更に進むと14時20分沢の合
流点となる。この合流した沢が「四十八瀬川」と呼ばれて曲がりクネって「酒匂川」(さかわがわ)に注がれる様だ。しかしこの辺りの林道
は非常に荒れており4WD車とは言え良く終点部まで来れたもんだ。
二俣
14時40分小丸尾根ルートへの分岐標識が立っている。そして荒れた林道には通行止めの鉄線が張られていた。登山者用の木橋を渡る
と14時44分「二俣」標識に出合う。二俣は「四十八瀬川」が小丸尾根と大倉尾根の間から流れ出る「勘七ノ沢」との合流点になる。標識
を見るとここから大倉登山口までまだ4.0kmもある。う〜ん 長い〜
12時25分鍋割山を後にする どんどん登山者が登ってくる ここの尾根も美しい
大倉まで6kmもある・・・ 遠い 若い女性グループも多い 鍋焼きうどんを食べた登山者がどんどん下山していく
13時48分 後沢分岐に着く 分岐を大倉方面へ左折する
少し下ると一旦小さなザレ場を抜ける 植林帯に入る
14時10分 沢に出る 沢沿いの右岸登山道を下る
14時15分 沢の広場に出た 奥に林道が見える 地形図をみると「ヒズミ沢出合」の様だ ここまで許可された車が入っている
こんな荒れた林道を4WDで車が入っている 登山者は少し上側の木橋を渡る
広い林道を下る 14時40分「小丸尾根」分岐 ここから小丸尾根を上がっ鍋割山への道がある
この林道ゲートは地形図にも載っている 又広い川原に出た
14時43分 「二俣」に架かる橋を渡る 今まで歩いて来た西側の四十八瀬川と東側の勘七ノ沢との合流点になる
二俣標識を見ると大倉までまだ4kmもある 広々とした「西山林道」をどんどん歩く
二俣を過ぎて広い西山林道をどんどん歩いて行く。右手には四十八瀬川が流れて気持ちの良い自然林が続く。15時05分林道の左手から
小さな沢水が林道を横後る。特に溝も無く大水が出た場合は車は通れないだろう。そこに標識が立っており大倉まで2.7kmとある。
するとその向こうで枝打ちされた植林帯に入り、そこを抜けると舗装道路になった。15時40分色んな標識が増えて開閉式のゲートに着いた。
ここには丹沢大山国定公園の大きな看板が置かれている。この辺りから大倉登山口へは直角に東側へ曲がらなければならない。「大倉バス
停」の標識に従って左へ進む。すると前方が開けて大倉尾根とその東側にある三ノ塔尾根が見える。
分岐にある「大倉バス停」の標識に従い道を進むと畑の南側に秦野の街が見える。この辺りは地図を見ると「秦野盆地」とされていた。おそら
く海側にそって山が壁の様に着いているので盆地の地形になってるのだろう。15時55分見覚えのある秦野戸川公園の西端にある「大倉
バス停」の前に出た。ここには丹沢から下山してきた多くの都会登山者がバスを待っていた。すぐ横の有料駐車場に置いていたカローラ
フェールダーに帰り着く。
いや〜 富士山三昧の充実した丹沢の山旅だった。
小沢部は少し水が林道に流れ出ている 大倉まで2.7km 細い植林帯を歩く
いつの間にか舗装道路になっている 15時40分 西山林道のゲートに着く
大倉バス停の標識に従って進む 開けた場所に出てきた
昨日、正面に見える尾根から取り付いた様だ 畑の向こうに神奈川県秦野市の街も見える
大倉バスターミナルの真ん前に出た様だ 多くの登山者が居る 15時55分 車を停めた駐車場に帰り着く
浜松サービスエリアでシャワー休憩や仮眠を撮りながら四国に帰る
目の悪い私は見知らぬ土地の夜間運転は危険なので早めに最寄りの大井松田ICから新東名高速道路に乗って静岡県の浜松サービス
エリアにて24時間営業のコインシャワー「ドライバーズスポット」で汗を流して休憩の後仮眠を取りながら四国へ帰る。
暗くなる前に東名高速道路に入り21時54分 浜松SAで休憩 おでん屋は22時閉店だがシャワーブースは24時間営業だ
10分300円 まあ10分もあれば十分だ シャワールームは4〜5部屋有った
今回の山旅は夏に北海道の日本百名山へ行った後だったので関東周辺の5座にした
1座目 浅間山登山記〜はここ
2座目 両神山登山記〜はここ
3座目 大菩薩嶺登山記〜はここ
4座目 雲取山〜はここ
と最後にここ丹沢山と廻った。未だ行ったことの無い土地や山を旅する喜びを大いに感じた