日本百名山の旅 関東周辺 5座遠征


  2022年10月関東付近の日本百名山5座の旅

その1)黄金色に輝く「浅間山」 (活火山)  2022年10月15日

登山可能最高点 前掛山 2,524m (活火山の為山頂は通行禁止区域) 
登山口:車坂峠 (駐車場は峠から200m程下った高峰高原ビジターセンターP(トイレ有り)
アクセス:名神〜東名〜中央〜    上信越道・小諸ICで下りて、県道79〜80号線からチェリーパークラインを
     北に13km程進むと高峰高原の車坂峠に着く

登山コース:車坂登山口〜表コース〜トミーの頭〜黒班山〜蛇骨岳〜仙人岳〜鋸岳〜Jバンド〜賽の河原〜前掛山〜賽の河原〜
      湯の平分岐〜トミーの頭〜中コース〜車坂登山口



 カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図   車坂峠〜浅間山周回ログ図

浅間山と言えば我々時代の人間には赤軍派が立てこもった浅間山荘事件が思い起こされる。
浅間山は直近では2015年6月に噴火した活火山で、去年四阿山へ登った時に噴煙を上げる姿を見たのだが、8座も百名山を歩いた
ので四国に帰ってしまった

今回は関東近郊の百名山からは少し遠かったがセットで考えていた「皇海山」の林道が今年も不通なので諦めて「浅間山」に登ること
にした。群馬県には5つの活火山があり榛名山、赤城山、日光白根山、草津白根山とこの浅間山である。

高校時代の修学旅行で浅間山へ来たことがあるので
観光地的な山だと勝手に想像していたが、実際に歩いてみると外輪山や浅間ゴー
ルドを言われるカラマツの黄葉が美しくこの時期に来て良かったとつくづく思った。(どうも高校の修学旅行で来た浅間山は北麓の
溶岩奇岩地帯の「鬼押出し」付近だった様な気がする)


行程1) 車坂峠登山口〜表コース〜トミーの頭   約1時間40分

高峰高原ビジターセンターの広い駐車場から10分程歩いて車坂峠登山口へ歩く。途中路上駐車やホテルの駐車場に停める人も多くいた。車中泊
する場合は少し遠いがビジターセンターの駐車場がトイレも有るし良いと思う。

車坂峠に山の神神社の祠があったのでお参りをする。コースは峠登山口から中コースと表コースに分かれるが先ず表コースを歩き、帰りに中コース
で下る事にする。登山道は人気の山らしく整備されており明瞭だった。樹林帯や岩っぽい登りを北アルプスや八ヶ岳、富士山等を眺めながら進むと
浅間山外輪山の縁に位置する「トミーの頭(あたま)」に着いた。(登山口から1時間40分程)

「トミーの頭」とは「遠見(とおみ)の頭」で遠くまで見渡せるピークという意味らしい。何か外国人の名前みたいで変な名付けだ。確かにトミーの頭から
は富士山や八ヶ岳、奥秩父の山々が眺められる。当然浅間山がデンと正面に構えている姿を拝めるのは言うまでもない。

  
 05時50分 前泊した駐車場を出発                  06時03分車坂峠登山口まで歩く

  
左が帰りに使う中コース、往路は右手の面コースを進む      秋の風情が漂う登山道

  
 おおっ  右手に富士山が早速見えた                 笹と唐松の登山道

  
団体さんが岩の多い斜面を登って行った               シャクナゲなどもある岩斜面の登山道


 西側には高峰の向こうに北アルプスが並ぶ 中央部が槍ヶ岳と大キレットのランドマークだ

  
  草紅葉も美しく足元に広がる                      急で石ころも多いが登山道は整備されている

  
 07時26分 カマボコ型の避難施設を通過             07時32分 槍ヶ鞘の標識があった


  外輪山の縁は切れ落ちて崩壊している様だ  この先に草滑りと言う下り登山道がある


                    真南に富士山が見える  手前は奥秩父山塊かな   右手は八ヶ岳の赤岳だろう


  南南西方角には八ヶ岳連峰が見える  (赤岳から更科山)


07時47分 トミーの頭に到着  ここは表コースと中コースの分岐点でもあり、浅間山への近道草滑りルートへの分岐でもある


第2行程:トミーの頭〜黒斑(くろふ)山〜蛇骨岳〜仙人岳〜鋸岳〜Jバンド〜賽の河原 (約3時間10分)

07時50分トミーの頭(遠見の頭)を出発して外輪山を鋸岳までの行程が浅間山登山の最も景色の良い場所だと思う。トミーの頭から20分程シラビソ
の樹林帯を上がると「黒班山」(くろふやま)2,404mに着く。外輪山の最高峰なので車坂峠からの登山道の表コースや中コースはこの黒班山登山
を一応の目的地としている。火山活動が激しい時期は浅間山の登山は黒班山までとされる場合があるらしい。

トミーの頭から外輪山を黒班山から蛇骨岳までほぼ北に進むと樹林帯を抜けて見晴らしの良い岩場の出る。この岩場を這い上がると09時02分
蛇骨岳」2,366mに着いた。

ここから外輪山は緩やかに東へ鋸岳まで続く。蛇骨岳の左手(西側)には樹林帯へ向かって裏コースが車坂峠まで延びている様だ。樹木が少な
い外輪山からは浅間山との間に広がる火山盆地のカラマツ林が黄葉まっさかりで「浅間ゴールド」と呼ばれる通りまさに黄金の輝きを放っている。
本当に良い時期に来たものだ。

09時23分「仙人岳」2,320mに着く。ここには三等三角点「三尾山」(2,319.73m)が岩場に露出して傾いていた。さて、ここからJバンドという
火山盆地へ下るルートがあるのだが、ちょっと見垂直の崖の様である。取り敢えず外輪山の東端まで進んで10時00分「鋸岳」山頂(2,254m)
を踏む。

10分程外輪山を引き返し10時10分」いよいよ「Jバンド」を下る。すると下側から男性が上がって来ているので安心した。「Jバンド」は昭和26年
に開拓された外輪山から下る岩崖の安全ルートで浅間山側から見るとこの岩バンドルートがJの形に見えることから名付けられたらしい。確かに
岩の弱点を利用してジグザグに付けられた道はそこそこ幅もあり危険と思われる場所は無かった。

浅間山の裾野に下りると眼前にカラマツの黄葉が迫り、それを透して見る黒班山や浅間山の風景を盛り上げる。カラマツ帯の中に付けられた
登山道を賽の河原分岐へと進み、11時00分小高い樹林帯の中にある「賽の河原」分岐に出合う。数組の登山者が休憩をされていた。


  
 07時50分トミーの頭を出発する            外輪山と浅間山との間の盆地は笹と紅葉の模様が美しい

 
 登山コースは外輪山に沿って一番端の鋸岳まで行き、そこから少し引き返してJバンドを盆地に下りて行く

  
 モミ類(shirabiso?)の林を上がって行く              花はほぼ終わって、かろうじて赤い実が嬉しい

  
08時08分黒班山(くろふやま) 2,404mを通過         外輪山に沿って笹と草紅葉の中を歩く

  
 先程からガスが湧いてきて見通しが悪くなってきた        樹林帯の中に入る

  
外輪山の縁に出ると浅間山がデンと構える             黒班山(くろふやま)を振り返る 奥の尖がりは剣ヶ峰か


  雄大な浅間山と剣ヶ峰、火山盆地に広がるカラマツ帯と常緑針葉樹林帯  手前に笹原が光る

  
  外輪山の岩ピークが並ぶ                        上り傾斜を詰めると岩場に出た

  
09時02分 蛇骨岳に着く 岩が蛇の骨の様に散らばっている   草紅葉の向こう(北側)は四阿山(あずまやさん)と草津白根山だろう

  
 盆地までの高度差が結構ある                     外輪山をどんどん進む


 盆地部や浅間山斜面基部はカラマツ林で覆われている  これが浅間ゴールドと呼ばれている

  
 09時23分「仙人岳」に着く                       仙人岳にある三等三角点「三尾山」 2,319.73m

  
 外輪山の終点部、鋸岳へ向かう                    黒班山(くろふやま)を振り返る


   外輪山から火山盆地に広がる浅間ゴールドを何度も眺める

  
 09時52分 Jバンドを通過                      え〜〜! これを下りるんだ!

  
 コケモモの実                       10時00分 外輪山最終地点「鋸岳」に着く ここからJバンドまで引き返す


  Jバンドからここに下りて行く  何か西部劇で見たような風景  インディアンが出てきそう

  
 10時10分 Jバンドに引き返す                   下から上がって来る人がいるので安心だ  

   
 Jバンドは外輪山の岩崖に沿ってうまく造られている      私と逆回りの周回をしている登山者が多い

  
 浅間ゴールドに向かって下りて行く                  浅間山の西斜面は荒涼としている

  
 Jバンドを振り返る                              下部は大きな岩が転がっている


    いよいよ浅間ゴールドに入って行く   一面のカラマツが太陽を浴びると黄金色に輝く

  
 浅間山の登山口分岐(賽の河原)へは少し上りになっている    黒班(くろふ)山側の斜面も笹とシラビソで良い色だ


四国で見るカラマツは樹高が高いが、浅間山では低いので枝が横に広がっている

  
 浅間山を左手に見ながら分岐へ向かう                草紅葉7とカラマツ

  
 賽の河原分岐が近づくとシャクナゲもい現れる            11時00分 「賽の河原」分岐に着く 前掛山まで2.1km


行程3)賽の河原分岐〜前掛山〜賽の河原分岐(浅間山本峰登山)  約2時間40分

賽の河原っても樹林帯の中なのでピンと来ない場所だ。Jバンドを下りてから随分迂回をしたが、どうもショートカットで浅間山へ上る道は
無さそうだ。カラマツが手に取るような場所で黄葉を広げている。最初は直登気味に岩っぽい道を上がると浅間山の広大な急斜面を左に
巻いて登山道が上がって行く。

樹林帯を越えると盆地に広がるカラマツ林を眺めながら無機質な火山礫の道を上がって行く。そこを昇り詰めると通行止の大きな標識が
立ちロープが上にいけない様に張られていた。登山可能な山頂である「前掛山」は右手の古い火口縁に沿って続いている。すぐ左手に
噴石から登山者を守るカマボコ型の避難ドームが2基あった。

北海道で歩いた雌阿寒岳の様な火口縁を歩いて前掛山へ向かうが、途中からガスが湧いてきて視界を遮る。12時21分「前掛山」山頂部
2,524mに到着。山頂標識には(浅間山)とも記されていた。近年中々山頂部が噴火レベルが高い為に行けなくなっているのだろう。

ガスの晴れ間を待って行動職を取るがスッキリ晴れそうにもないので下山する。まあ霧が晴れた所で無機質な山塊しか見られないだろう。
浅間山の登山道基部まで引き返して斜面を下って行くと少し霧が晴れてきた様だ。カラマツ林の眺めを楽しみながら13時37分賽の河原
分岐まで帰り着く。


  
 溶岩っぽい岩の間にカラマツが生える               次第にカラマツ帯を抜けて火山性砂礫地になる


 次第に高度を上げるとカラマツ帯の南に外輪山の黒班(くろふ)山がシラビソの濃い緑=黒い色をしている  斜面には笹原がまだらに広がる

  
 浅間山に向かって斜面を巻いて上がる               むむっ ガスが湧いて来た様だ〜〜

  
11時56分浅間山直下に着く  ここから真上には通行禁止    右手の前掛山方面に進むとカマボコシェルターがあった


  噴火による噴石から身を守るシェルターが設けられている

  
 中央のピークが前掛山だろう                      次第に火口縁が霧に覆われる

  
南側、黒班山方面もガスで良く見えない                浅間山山頂部も霧で良く見えない


 12時21分 前掛山(2,524m)に到着する カッコ書きで「浅間山」とも記されている (ガスが少し飛ぶのを待って撮影)

  
 山頂では大勢の登山者が休憩されていたので記念撮影をお願いする  行動食休憩で粘って噴煙を捉える

  
 第二(下側)火口縁を引き返す                    シェルター付近では大勢の登山者が休憩をされていた

    
12時52分 浅間山の基部まで帰る                  ガスの切れ間から下山方面が見える


 ガスが少し薄くなって来たので浅間ゴールドと外輪山を写す

  
 浅間山の斜面を振り返る                        賽の河原分岐へと向かう

  
 草紅葉とカラマツが色違いで美しい                  13時37分 賽の河原分岐に帰り着く


行程4)賽の河原分岐〜湯の平分岐〜草滑り〜トミーの頭〜中コース〜車坂峠  約2時間30分

13時40分「賽の河原分岐」を出発し、いよいよ「草すべり」ルートから外輪山へと這い上がる。途中ですれ違った登山者から草すべりを登る
のは大変なので逆コースで先に草すべりを下るのが一般的だと聞いていた。事実、私がJバンドから賽の河原分岐までと、草すべりを上って
いる時に結構な人数の登山者とすれ違った。

浅間山登山は前掛山で事実上終了しているので、後の楽しみはこの草すべりの這い上がりだった。平坦な登山道を進むと今までと違った
背の高いカラマツ林を目にする。結局火山盆地で目にした背丈の低いカラマツは若い幼木だったと言う事か。20分程で「湯の平」分岐
着く。この南側に浅間神社があって浅間山荘のある天狗温泉から参道=登山道がここまで延びてきている・

黄葉の美しいカラマツ林を抜けて草すべりの取り付きへ向かう。幼木のカラマツも良かったが、やはりすくっと立ったカラマツ林の黄葉も
美しい。上高地でテン泊したケヤキ平を思い出した。 外輪山が近づくと笹原の上に幾つもの尖った岩峰が見える。

笹原の急斜面や緩斜面を進むとやがて岩の間に付けられた急斜面の登山道となる。上の岩峰付近の眺めも良いし、浅間山が雲の陰で
まんだら模様で美しいし、高度差のある火山盆地の落差も迫力がある。 いや〜〜素晴らしい眺めだった。

一時間程で外輪山のトミーの頭近くに上り着く。そこから帰りは中コースを歩く事にした。展望は無いものの美しいシラビソ林の中を歩き
右手から回り込んで16時頃「車坂峠」に帰り着く。

峠から広い車道を下り高峰高原ビジターセンターの駐車場へ向かう。浅間山は活火山の山で無機質な印象だったが、外輪山を持つ事で
美しい景色と登山道を提供支予想外の満足感に包まれて車へ帰る。 良い一日だった。

  
 シラビソとシャクナゲの登山道を湯の平分岐へ進む        ゴゼンタチバナの実が沢山なっている

  
 お地蔵さんや石碑が並んでいる                     広い草地とカラマツ林に出た

  
 13時58分 ここから南へは浅間山荘・天狗温泉へ下る     草すべりに向かうと背の高いカラマツ林の中を進む


   さていよいよ「草すべり」を這い上がってトミーの頭へ進む  ここからはどんなルートか分からない


   迫力のある風景だ  ここを上がって行くと思うと心が騒ぐ  やはり初めてのルートは楽しい

  
  笹が現れた斜面をい段上がる                   左手の石塔はトミーの頭手前で見たぞ

  
 大岩を回り込み笹原が続く                        次第に岩峰へと近づいて行く

  
 浅間山の山頂付近はガスだが裾野は色とりどりで美しい     次第に外輪山を登る高度が上がって来る

  
 前方の尖がりを目指して登って行く                   傾斜が急になる 左手には尖がった岩峰が2つ並ぶ


 草すべりの急傾斜が良く分かる   雲の影と樹木の模様が美しい

   
 岩場の横を抜けていく                         ドウダンツツジと岩が北アルプスの様だ



  ほぼ草すべりの急傾斜を登り終えた様だ  右手に見えるのは剣ヶ峰だろう

   
 外輪山の稜線部へ向かう                        15時00分 登山道に合流 トミーの頭まで60mとある

  
朝歩いた登山道を車坂峠へと向かう                  中コースに入るとシラビソの樹林帯となる

  
しっかりした登山道が付いているので迷う心配は無い        一旦開けた場所に出る

  
 又 シラビソ林に入る                           整備された下りの登山道

  
カラマツが現れると車坂峠は近い               16時 車坂峠にある「山の神」に無事下山のお礼を述べて駐車場へ向かう

  
 ホテルへの曲がり角にあった鹿の銅像               16時17分 車に帰り着いた  あ〜〜満足の浅間山だった



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