関東百名山5座の旅  第三座は「大菩薩嶺」


 関東周辺の日本百名山5座遠征図


プロローグ

岩櫃(いわびつ)城址へ

2022年10月16日両神山を下山したが、そこから2日間は雲取山や丹沢方面の天気が悪く山歩きはお休みする。そこで一度行って見たかった
真田幸村ゆかりの「岩櫃城址」(群馬県)へ向かって10月17日出発した。傘を持って岩櫃山へ登ったが雨は小振りで行って良かった。
翌10月18日は近くの吾妻(あがつま)峡を御前中に散策して大菩薩嶺へ向かう。


 両神山登山口(日向大谷口)埼玉県から北の岩櫃城址、群馬県への移動ルート図


 岩櫃山を見上げる


 岩櫃山から眺める

    
 岩櫃城址                                    岩櫃山

    
 道の駅「吾妻(あがつま)峡」 で車中泊                 車も少なく静かな車中泊を行えた 夜に雨が降る

   
 道の駅には日帰り温泉完備                       吾妻峡は関東の耶馬渓とも言われている

  
 旧JR吾妻線の日本一短い「樽沢トンネル)7.2m        利根川水系吾妻渓谷、上流に八ッ場(やんば)ダムがある


 岩櫃城址・吾妻峡から大菩薩峠登山口、上日川峠への移動図  10月18日



2022年10月19日 (水)

大菩薩嶺(だいぼさつれい) 三等三角点「大菩薩」 2,056.94m 

登山口:「上日川峠(かみひかわとうげ、かみにっかわとうげ)」 (駐車場は「ロッジ長兵衛」付近に無料駐車場、トイレ有り )                

アクセス:中央自動車道「大月IC」下車し県道218号線を上日川ダム方面へ進み上日川峠へ (ロッジ長兵衛で検索)
      「勝沼IC」より県道経由国道411号線(青梅街道)から大菩薩峠をへて上日川峠に出るルートもあり

登山コース:
上日川峠〜福ちゃん荘〜唐松尾根〜雷岩〜大菩薩嶺〜雷岩〜大菩薩峠〜富士見山荘〜福ちゃん荘〜上日川峠


行動時間 :  上り 登山口〜唐松尾根〜雷岩〜大菩薩嶺 約2時間 
          下り 大菩薩嶺〜雷岩〜大菩薩峠〜福ちゃん荘〜上日川峠  約3時間   合計 約 5時間


映画「大菩薩峠」

大菩薩峠と言えば小さい時に映画館で見た市川雷蔵のニヒルな机竜之助での映画タイトルであった。中里介山の小説を映画化されたもの
だったらしいが、市川雷蔵の大菩薩峠と眠狂四郎が頭の中でごっちゃになっている。

歴史地理上での大菩薩峠は江戸時代に新宿から甲府までの旧青梅(おうめ)街道が石灰石やその他の流通に使われた街道上にある峠の事
で、四国の我々にとっては余りお馴染みでは無い。(青梅街道の名称は明治時代になって名付けられたらしい)

  
  四国の我々にはお馴染みで無い青梅街道 (ネットより拝借図)           大菩薩峠付近を通る旧街道図 (ネットより拝借)


カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図  大菩薩嶺周回コース図

行程1) 上り 上日川峠〜福ちゃん荘〜唐松尾根〜雷岩〜大菩薩嶺  約 2時間

前日登山口の「ロッジ長兵衛」に着き車中泊の場所を探し、駐車場の端で寝る。翌朝、バスが来る前にトイレ近くの道沿いにある駐車場へ移動
して07時ゆっくりと出発する。夜に雨が降り朝方まで続いたので霧が辺りに立ち込めている。

福ちゃん荘=周回分岐

舗装道路が福ちゃん荘まで続いているが尾根を歩く事にした。木々は結構紅葉しているが霧で色が冴えない。30分程で「福ちゃん荘」に着く。
暖かいうどんなどのメニューが掛かっていて寒いので心が動かされるが我慢する。ここが周回路の分岐になっており、唐松尾根経由で山頂へ
行くルートと先に大菩薩峠へ回って山頂へ行くルートが標識に解説されていた。

何となく先に山頂を踏む方が安心なので唐松尾根を進む事にした。生憎の曇り空で唐松の黄葉が映えないが、浅間山で美しい黄金色の唐松
を堪能したのでショックは無い

雷岩

カラマツ帯を抜けると日差しが現れ、右手が草地となった急傾斜を上がると08時54分雷岩に着いた。ここは大菩薩峠への分岐となっており、
岩の上から富士山や甲府盆地が眺められるらしいが、南側は青空はあるものの低い雲で覆われており展望は望めなかった、
雷岩から尾根上を右手に下ると峠へ向かう。

大菩薩嶺 三等三角点「大菩薩」2,056.94m

雷岩から大菩薩嶺山頂へは北へ15分程の場所にありモミ系の樹林帯で見晴らしは無い。尾根には東京都水道局の標識が立っている。地図
を見ると雲取山と同じく東側が東京都の水瓶奥多摩湖への源流地になっている。こんな簡単な山が日本百名山に選ばれたと言う事はひょっと
すると中里介山による知名度と旧青梅街道の峠部を持つ山という歴史的、文化的な存在だからだろう。

  
前日 上日川峠の駐車場(無料・トイレ有り)にて車中泊      登山口になる「ロッジ長兵衛」 宿泊者が多くいた

  
 07時に尾根登山道へ入る  右手の舗装道路でも良い     雨上がりで登山道は相当濡れていた 紅葉も霧で冴えない

  
 07時30分福ちゃん荘に着いた                   ここが大菩薩嶺の周回路分岐点となっている


 福ちゃん荘奥の分岐の登山道標識  左手が唐松尾根経由、右手が大菩薩峠経由の周回路になっている

  
左手の唐松尾根へ進む 唐松は浅間山で堪能したのだけど   やはり日差しが無いのでシルエットを楽しむ

  
明るい場所に出て来ると天気も回復している様だ          草地横の溶岩っぽい岩道を上がる


 08時54分 尾根筋にある「雷岩」に着いた様だ

  
雷岩から雲海を眺める 大菩薩湖が見えだした           雷岩分岐標識  ここから大菩薩嶺はすぐ近く

    
モミっぽい木々が並ぶ                           ここにも鹿が多いのか鹿防護網が幹に巻かれていた


 09時05分 大菩薩嶺(大菩薩岳)に着く   三等三角点「大菩薩」 2,056.94m

   
 日本百名山遠征3座目 ゲット〜                 尾根には東京都水道部の標柱が立っていた

行程2) 大菩薩嶺〜雷山〜大菩薩峠〜福ちゃん荘〜上日川峠   約 3時間

大菩薩嶺の地表に飛び出した三角点にタッチして雷岩へと引き返す。09時40分雷岩に帰ると大勢の登山者が岩の上で休憩されていた。
岩の左手から回り込むと先の尾根筋に出た。この辺りは富士山の展望所なのだが晴れているのに南側の雲が低く垂れこめて展望は無い。
晴天を二日間も待った挙句がこれだ。残念だが前日上った登山者に聞くと霧で何も見えなかったと言うからまあ良しとしよう。これが遠征登山
と言う物だ。

大菩薩峠への尾根は見晴らしが良いのだが、雲海状の厚い雲が垂れこめて富士山はおろか甲府盆地や南アルプスも全く見えない。でも大菩
薩湖や稜線上にある妙見ノ頭や峠の裏にある熊沢山が吹き上げる霧を遮って見える。


  ず〜〜っと富士山が見えるタイミングを待っていたが、ちょっとだけ垣間見えた 南アルプスや甲府盆地は全く見えず

  
 09時42分雷岩から左手を通って大菩薩y峠へ向かう      岩場で少しルートが分かりにくかったが尾根筋に出る

  
神部岩から南側の大菩薩湖を眺める                標高2,000m地点から親不知ノ頭と熊沢山のピーク

  
 リンドウをミ見つけて何かしらホッとする               ヤマラッキョウと思って撮ったが良く分からない


賽の河原と大菩薩峠

10時27分 岩屑がゴロゴロする賽の河原を通過する。元々ここが旧青梅街道の峠(元祖・大菩薩峠)だったらしいのだが、あまりにも
風雪が強い場所だったので現在の介山荘がある場所に変更されたらしい。その証拠にこにには冬季登山者の為に避難小屋が設備さ
れている。

そこから親不知ノ頭と呼ばれるなだらかなピークを越して下ると10時40分 現在の「大菩薩峠」に着いた。ここには小説著者名にちな
んだ「介山荘」があり多くの登山者が休憩されていた。宿泊施設だけでなく日帰り登山者を目当てにした土産物小屋が登山道の両側に
立っていた。さすが都心に近い人気の山である。

  
上日川ダムとそのダム湖 大菩薩湖                 10時27分 賽の河原を通過


  避難小屋が立つ賽ノ河原   ここが本家「大菩薩峠」だったらしい

  
賽ノ河原・避難小屋  後ろは妙見ノ頭                岩屑が積み上げられている

  
 親不知ノ頭へなだらかな上りとなる                 10時33分 親不知ノ頭を通過 大菩薩湖が見える


 歩いて来た雷岩のピークを眺める  ダケカンバも有る様だ

  
 大菩薩峠に向かっては大きな岩が転がっていますが、ここは火山では無いので溶岩と違う   奥は介山荘と熊沢山

  
 仏塔が立っている                            大菩薩峠にある中里介山ゆかりの「介山荘」


 10時45分 現在の「大菩薩峠」に着く  介山荘のすぐ横に標識がある  標高は1,877mと石板に刻まれていた

  
 介山荘は宿泊施設  1泊2色¥8,500 素泊まり¥6,000       介山荘の土産物家屋が両側に並ぶ


大菩薩峠から福ちゃん荘まではなだらかな大菩薩嶺の南面を西へ向かう整備冴えた登山道を歩く。登山道と言うよりは遊歩道と呼んだ
方が良さそうなのんびりした歩きとなる。途中、勝緑荘とか藤見山荘とか現在閉鎖中の山小屋を通る。いくら人気の山でも登山口のロッジ
長兵衛、分岐の福ちゃん荘、大菩薩峠の介山荘があれば距離が無い山歩きなので十分だと思われる。

11時45分福ちゃん荘のある分岐を通過する。帰りは尾根を通らずに道路を歩くが、自然林豊かな場所なので尾根と同じような秋の風景
を楽しむ事が出来た。 12時過ぎにあっけなく上日川峠に帰り着いた。



  
 紅葉に彩られた美しい登山道が続く                     笹の斜面に付けられた登山道

  
 上りは唐松尾根だったが、下りはブナなどの広葉樹が多い

  
 空を時々見上げながら歩く                      11時25分 勝緑荘(閉鎖中) かつて中里介山が宿泊したという

  
勝緑荘の前には谷水が流れている                  良く整備された登山道が続く


 11時30分 「藤見山荘」が左手に見える 現在休業中だが多くの登山者が休憩されていた


  福ちゃん荘が近づくとカラマツが出て来る

   
 11時45分 福ちゃん荘があるカラマツ尾根との分岐に着いた   ここに「大菩薩」像が立っていた

  
 朝は尾根を歩いたので帰りは道路を歩く              12時00分 駐車場に着いた 車が増えていた

  
 登山口の「ロッジ長兵衛」 に着く                 ロッジの横、道路沿いに置いた車に帰り着く (手前から3代目)

天気予報で2日待って出かけた大菩薩峠だったが、天気は回復したものの稜線では霧や雲が出て富士山や甲府盆地、南アルプスを見ることが
出来なかったのが残念だった。でも中里介山の小説「大菩薩峠」で有名になった日本百名山「大菩薩嶺」は思ったより交通のアクセスも良く、
距離も大した事がなかったので楽しく歩く事が出来た



雲取山へ向かう

カーナビを次の百名山「雲取山」の登山口「鴨沢」にセットして下山後移動する。山梨県甲州市の砕石へ出て青梅街道を東へ走る。
途中道の駅「甲斐大和」に夜と蕎(そば)切り発祥の地の幟が立っていたので普段食べない蕎麦定食を食べてみた。味は特に蕎麦
以上のものでも以下でも無かった。

その後、道沿いに原始村と言う看板が目についたのでそこにも寄ってみた。何か縄文時代の住居を模した建物が並んでいた。
行き当たりばったりの旅である。青梅(おうめ)はマラソン大会でその名を知っていた。


 大菩薩嶺・上日川峠から雲取山登山口、鴨沢への移動ルート  主に青梅(おうめ)街道を走る

   う〜〜ん
  甲斐大和 日本百名山をしていなければ全く来ることも無かった  ざるそば定食など普段は食べた事も無い

  
「原始村」の標識につられて寄り道をする               縄文?弥生時代の建物? 

 
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