「山と元気の会」読売新道

CL 平野、 SL 杉本、 
参加者 原、森、若宮、真鍋(智)、太田、佐藤、久米、細谷、沖野、山下 
運転手 真鍋(和)

第1日目 8月 7日 新穂高温泉〜わさび平小屋〜小池新道〜鏡平〜弓折分岐〜双六小屋
第2日目 8月 8日 双六小屋〜双六岳〜三俣蓮華岳〜三俣山荘〜鷲羽岳〜水晶小屋
第3日目 8月 9日 水晶小屋〜水晶岳〜赤牛岳〜奥黒部ヒュッテ
第4日目 8月10日 奥黒部ヒュッテ〜平の渡し〜ロッジくろよん〜黒四ダム〜扇沢


読売新道へのアプローチ (新穂高温泉より)


カシミールソフトを使ったGPSトラックログ図 山と元気の会 読売新道行程地図 新穂高温泉より黒四ダムまで (3泊4日)

 プロローグ

読売新道とは

読売新道は1961年富山県高岡市に読売新聞社北陸支社ができたのを記念して開拓された黒部川東沢分岐から赤牛岳を結ぶ尾根登山道の
事を言う。

でもここを歩くには黒四ダムから黒部川沿いを遡り、奥黒部ヒュッテのある東沢分岐から尾根伝いに水晶岳までのルートとなるから広
義に読売新道コースと言えば水晶岳から黒四ダムの最低2泊3日を要するルートと解釈できる。


このルートには黒部川を挟んで東側には烏帽子岳〜野口五郎岳の「裏銀座ルート」、西側には薬師岳から五色ヶ原、立山への尾根があ
る。
読売新道を個人で歩くには扇沢を起点にして黒四ダム〜赤牛岳〜水晶岳〜野口五郎岳〜烏帽子岳〜針ノ木岳〜扇沢への周回となる。

小屋泊まりの場合は主稜線部に水晶小屋、黒部川に下りた所に奥黒部ヒュッテを利用する事になる。テント泊の場合は水晶小屋には野
営地はないので赤牛岳近辺でビバークせざるを得ないだろう。

今年に入会した香川の「山と元気の会」年間山行予定に読売新道があったのでそれを申し込む。ルートは新穂高温泉から入って双六山
荘をへて水晶小屋へ至り読売新道を黒四ダムへと下ると言う物だったが双六岳から槍ヶ岳も見てみたいので参加させて貰う事にした。


個人山行と団体山行には色んなメリット、デメリットがある。団体山行の利点は山行計画が既に決められており遠征移動が楽で、特に
登山口と下山口が離れている場合は便利この上もない。又知らない四国の山趣味の人との交流も出来る。その代わり個人山行と違い天気
を選ぶ事が出来ず、行動の気まぐれさや小屋でのイビキはガマンしなければならない。


8月6日、高松を06時40分集合して山の会所属のバスで新穂高温泉へと向かう。前泊は福地温泉で時間があったので途中飛騨高山
で少しの間街を散歩する事が出来た。
今迄何度も北アルプスへの途中飛騨高山を経由しているのだが、街の中を見学した事がなかった。
古い街道筋の街並みが残り大勢の外国人観光客も珍しそうに歩いていた。


前泊地の奥飛騨・福地温泉は平安時代に村上天皇が湯治に訪れたと言われる歴史があり、丁度我々が訪れた時期に広場では夏祭りが行
われており、この村上天皇が毒蛇を退治した伝説に基づく獅子舞「へんべとり」や「鶏芸(とりげい)」踊りなどを見物する事が出来
た。
また丁度限定行事で餅つき大会などもあり皆でついた安倍川餅や餡(あん)餅を食べて余りにも和み過ぎて「明日からホンマに登山
するんだろうか?」と心配になった。

登山遠征の前日は車内泊で貧しい食事でやる気満々ってのが定番なだけにこの贅沢さとエラい違いである。

  
高山の町を始めて歩く 地酒屋が多い 外国人観光客も一杯いる   高山陣屋跡  この地域の政務中心地だったらしい

  
 高山屋台会館は入場料900円払って5分程しか見学出来なかった  レトロ館は懐かしい昭和の匂いが一杯だった

  
奥飛騨福地温泉の宿に泊まる                       ちょっと ちょっと ワレワレはホンマに登山に来てるの?

  
  鳥芸の優雅な踊り                            蛇退治の獅子舞 「へんべとり」は拍手喝采じゃった

  
  餅つき大会まで参加して・・・                       安倍川餅とあん餅まで食べて・・・ もう登山モードじゃないわ  


縦走1日目 平成30年8月7日 (晴れ・猛暑・稜線は霧

行程:新穂高温泉〜わさび平小屋〜小池新道〜鏡平〜弓折分岐〜双六小屋

07時25分 新穂高温泉登山口を出発 (標高約1,117m)
09時35分 小池新道入り口
11時02分 チボ岩
11時37分 イタドリヶ原
12時40分 シシウドヶ原(標高2,090m)
13時20分 熊の踊り場
13時52分 鏡平山荘  (標高約2,300m)
14時50分 弓折中段   
15時40分 弓折岳分岐 (標高約2,560m)
17時05分 双六小屋
ーーーーーーーーーーーーーーー
合計所要時間 9時間40分


カシミールソフトを使ったGPSトラックログ図  新穂高温泉〜双六小屋 

 

温泉旅館の朝食は普通07時と遅いので杉本隊長が宿と交渉して06時30分からに変更してくれた。普通山歩きの場合には早出
早着が原則だ。前夜の豪華な夕食や餅つき大会の餅も食べている事だし、朝食は行動食にして05時30分頃には出発するべきだ
と思った。宿を出発すると道端に竜鉄也のヒット曲「奥飛騨慕情」が岩に刻まれていた。 ここは奥飛騨なんだなあ。


07時25分新穂高温泉に着きいよいよ遠征登山初日の出発となる。運転手の真鍋(和)さんとしばしのお別れとなり、今度会う
のは扇沢だ。
こんな遅い出発は東側から強い日差しを浴びるので小池新道では相当暑さにやられるだろうと覚悟する。

蒲田川に架かる橋を渡り左俣谷林道に入るがやはり既に暑い。でも林道の脇には赤い実を付けたニワトコ、ツルニンジン、ソバナ、
シモツケソウ、オミナエシ、ホツツジなどここでは夏の終わりの様相だ。
08時10分右手から冷たい風が時々吹いてくる風穴が
数か所あって「お助け風」の標識が置かれており、束の間の冷気を楽しむ。


  
07時25分 準備をしていよいよ「登山モードで」出発する   左俣谷林道の車止めゲートを入る 若宮さんの赤いザックは山で目だって良い

  
お助け風の冷気が岩の間から噴き出して来る               ニワトコは珍しくもない花だが赤色が良く目立つ

  
タマガワホトトギスはもう終わりかけ                    ソバナは今が盛り 剣山にも結構咲いている花だ

  
ツルニンジン  寒風山の桑瀬峠登山道のツルニンジンはどうなったんやろ  ホツツジはこれから沢山お出ましになる


08時30分中崎橋を渡り、ここから林道は右岸(上流に向かって左側)へと変わる。この「中崎」の名前は右手の奥丸山から延
びてきた尾根(中崎尾根)にある中崎山から来ている。少し進むと右手の広場に青いシートを被ったヘリコプターが駐機されてい
た。
右手の奥丸山、槍ヶ岳方面には低い雲が垂れ込めて槍を眺める楽しみを打ち砕く。

08時50分「笠新道」の登山口に着いて水場で冷たい山水を飲む。ここから抜戸岳へ急登を上り笠ヶ岳への登山道がある。我々
小池新道を弓折岳近くへ上がるから先へと進む。


  
08時30分 中崎橋を渡る 香川県境縦走の先輩 久米さん           右手の広場にヘリコプターが駐機していた

  
08時50分笠新道の登り口 水場で冷たい水を飲む         上高地の森には負けるけどまあここも良い雰囲気じゃ


ジャコウソウを見ながら左股林道を歩いていると09時02分前方に茶色の「わさび平小屋」が見え多くの登山者が休憩していた。
小屋の前には夏山登山者の心を鷲掴みにする様に木製の流水槽が置かれて、その中にはトマト、リンゴ、バナナ、キューリ、スイカ
などが浮かべられている。涸沢小屋にもこんなのがあって、登山者には魅惑的だが値段が高い筈だからあまり見ない様にしよう。


右手奥にある小屋の林道を挟んだ反対側には涼しげな小川が流れており、丁度徳沢小屋を思い出した。ベンチや小屋の前で休憩す
る姿を眺めながらその小さな流れの木陰で皆の出発を待つ。


小屋から20分程歩くと、09時35分橋の袂から小池新道の入り口となる。今まで歩いて来た左俣林道は橋を右手に渡ってしば
らく奥へ続くが行き止まりとなる。
小池新道の入り口に立てられた標識には鏡平へ3時間30分、鏡平から双六小屋2時間20分と
ある。


  
ジャコウソウが左手の藪に沢山咲いていた                09時02分 小池グループの運営するわさび平小屋に着く

  
 小屋の道路を挟んだ反対側に涼し気な小川が流れている      あれ? 久米さんがリンゴを齧ってるぞ この人はサンティアゴ・デ・
                                           コンポステーラ巡礼地を歩いたという猛者(もさ)らしい

  
  おぬし この誘惑に負けたな                        オオバギボウシの咲く林道を歩く

    
 09時35分小池新道分岐 あちゃ〜 お山は雲が低く垂れこめている・・・   小池新道への標識  いよいよ山道へ入る

小池新道

小池新道とは昭和24年から北アルプスの双六岳を経営した小池義清さんという人が飛騨側(新穂高温泉)から双六小屋へ至るルート
を開削した登山道である。この人は先ほど通過したワサビ平小屋を昭和35年荷揚げの中継点として造り、さらに昭和40年には鏡平
に鏡平山荘を設営し経営した。


小池新道は涸れ沢に沿って石クレの道が続く。先程からCLの平野さんが藪に頭を突っ込んでゴソゴソしている。見るとベニバナイチゴ
を採ってしきりに食べている。この人の好物はビールだけではないらしい。道端には紫色のホタルブクロや雄蕊が長いシナノオトギリ、
クガイソウ、ヒヨドリソウ、キオンなどが咲いている。ヨツバヒヨドリは沢山咲いているのだがアサギマダラ蝶は一頭も見られない。


どうもこの道は枯れた沢を利用しているらしく藪の間に続く岩道を上って行く。所々では階段状に平たい岩が並べて整備されている。
登山者を双六小屋へと招き入れる為に汗水たらして作った登山道と言ってしまえばそれまでだが、小屋を利用しない人も含めて多くの
登山者がその恩恵を受けている。

  
 平野さん 何しとんの? イチゴよ 美味しいんだから〜  涸れた沢沿いに登山道が続く

  
 石くれだらけの場所には平たい石が並べられている   前方が開けても稜線部は雲の中だ

  
 タカネオトギリ (シナノオトギリかもね)             クガイソウ

藪の視界が開けると、前方には上部に雪渓を持つ沢があり、10時45分広い河原に出た。この場所は「秩父沢」出合で水場が有る為
大勢の登山者が休憩をしていた。
秩父沢出合を過ぎても登山道は尾根筋は使わず、相変わらず涸れ沢を利用した石クレのルートが続く。
沢筋の道は俄然ミソガワソウが多くなる。その広い秩父沢を過ぎると秩父小沢の水場があり帽子を濡らしたりして熱中症を予防する。

  
 上部に雪渓を持った秩父沢
                      終わりかけたヨツバヒヨドリとキオン


10時45分 少し水が流れる板橋を渡ると大勢の登山者が休憩していた ここが「秩父沢」出合だ

  
  尚もミソガワソウの咲く道を進む                      秩父小沢の水場は良い場所にある  


11時02分「チボ岩」と書かれたゴーロ帯を通過するとダケカンバの樹林帯がありそれを抜けると左手に秩父沢の上部雪渓が見える。
残念ながら低い雲に覆われて西も東も稜線部は全く見えない。
基本的には沢筋のゴーロ帯に沿って進むので樹林帯を外れると日陰が少
なく涼しい休憩適地も少ない。


11時37分「イタドリヶ原」を通過する。イタドリもシシウド、キオンも沢山生えている。時々蒲田川を挟む対岸を眺めるが、天気
は悪くは無いのに穂高や槍ヶ岳は雲に覆われている。キヌガサソウはかろうじて花を残しているが只々暑いだけで何のご褒美もない小池
新道だ。

  
  こんな道をゴーロ帯って言うのだろうか     11時02分 チボ岩を通過 何か意味があるんだろうなあ

  
  ダケカンバの木陰が有難い〜         秩父岩は雲に隠れている 花崗岩が白いので雪渓との見分けがつかない

  
  暑いわねえ 双六小屋では生ビールだわ        11時37分 イタドリヶ原を通過

  
  イタドリもあるけどシシウドも多いわ          お前さんはキオンじゃな 

  
振り返っても〜♪そこにはただ風が吹いているだけ〜 ♪    キヌガサソウやんけ

  
  あら 又お休みでございますか            この辺りから登山道は次第に右へターンしていく

12時35分大ノマ乗越辺りの稜線が近づきルートは右手直角に折れる。直ぐに支尾根を乗り越えて又、沢筋を北東方角の鏡平へと進
む。
この辺りに又ベニバナイチゴが沢山あり、今度は平野さんと真鍋さんが二人がかりでイチゴ狩りだ。私も一つ貰って口に入れるが
直ぐに吐き出した。え〜こんなものをおいしいって食べてるのかい?わたしゃ、あまおうとか紅ほっぺとかの方がいいわ


シシウドとミソガワソウの群落を右手に進んで12時40分「シシウドヶ原」の標識に出合う。エンレイソウは既に頭が実になって
おりヒョウタンボクらしき赤い実も見える。
シモツケソウやトリアシショウマ、ホツツジが現われルートは小さな尾根を越える。する
と笹が足元に現われてアカモノの実が見える。でも登山道は相変わらず涸れ沢っぽいルートが続く。このルートは大雨の時は登山道に
水が溢れて滝状態になるのではないだろうか


  
原さ〜〜ん 食べるで?  要らんわ!                  シシウドとミソガワソウの草原が続く


12時40分 標高2,090mのシシウドヶ原に辿り着く ここはルートが右に曲がるターニングポイントとなっている  

  
エンレイソウが実を付けている                        ヒョウタンボクのツインになった赤い実

  
   シモツケソウ                                 小さな尾根を一つ横から乗り越える

  
低い笹が現れ、その中にアカモノが実を付けていた           木道があるから小屋は近いかな?

13時15分登山道は少し穏やかな谷間へ向かい木道が初めて現れモミジカラマツやコオニユリが見られる。木道は更に続き、「熊の
踊り
」とペンキで書かれている。退屈な登山者の気を紛らわせる為に色々通過点の名前が付けられているのだろう。木道の先にある
大岩には「鏡平マデ500m」と書いてある。あ〜〜やっと第一目標が近づいた。


尚もしつこく岩道が続くが、ここにオオレイジンソウが咲いているのを見たので少し気が晴れる。ピンクのレイジンソウは四国にも秋
に沢山見られるがこの白いオオレイジンソウは名前の通りデカくて存在感がある。


  
   モミジカラマツ                                 オニユリ? それともコオニユリかい

  
    熊は踊ってはいなかった                       お〜〜 鏡平まであと500mやで

  
   オオレイジンソウに出会った                       キヌガサソウも暑さにぐったりしているわ

  
 原さん もう5分やで  じゃあ我々はあと10分と言う事ですな            池塘と木道がくれば小屋は目前だ

13時40分笹道となり木道と池塘が現われると鏡池展望所に着く。でも・・・槍穂は厚い雲の中・・・結局期待を持たせて失望感が
残る小池新党? 否 小池新道だった。


13時55分 鏡平山荘に着くとそれまで皆の頭の中は「かき氷」で一杯だったので「氷」の垂れ幕を目がけて一直線〜。少し氷の量
は不満だったが体温が3度程下がって元気が出た様な気がした。



ここがあの有名な逆さ槍を映す鏡池か〜  木しか逆さに映ってないじゃんか! 逆さ槍をイメージする  おお!心眼で見えたぞ

  
  槍よりかき氷じゃとて  真鍋さん ビールよりかき氷?         お疲れ〜〜  まだ先があるんじゃけどね


残雪の名残か14時15分小屋を出発しても尚木道の左右には池塘が続く。小池義清さんも双六小屋といいこの鏡平といい水の豊富な
場所に小屋を作ったものだ。


弓折岳分岐へ伸びる登山道は最初に弓折尾根を西に進み、途中からコルへトラバースする。標高が上がるので笹原からハイマツへと景
色が変わり、そこにはゴゼンタチバナやエゾシオガマが咲いている。エゾシオガマの花は巴(ともえ)卍の形をしているが、トモエシ
オガマがピンクなのに対してエゾシオガマは白色である。ゴゼンタチバナは四国では東赤石付近にしか見られないがアルプスではごく
ありふれた花でここかしこに咲いている。尾根道でダケカンバ越しに槍ヶ岳を見るが相変わらず雲に覆われていた。


ミヤマリンドウ、綿毛になったチングルマ、シナノオトギリ、コバイケイソウ、ニッコウキスゲ等を眺めながら弓折尾根からトラバー
ス路へと進む。
14時50分弓折尾根のコル部に着いてようやく弓折岳の東側トラバース路に入る。ここには「弓折中段」の標識が立
っていた。
するとCL平野さんが前方から来る4人の登山者と会話している。聞くと香川県から来られた知り合いだと言う。

  
鏡平山荘を出発すると池塘の横に木道が付けられていた  石くれの多い山道に入る

  
 ゴゼンタチバナの花が情けない様な姿で残っていた  真鍋さんに何度もこの木は何?と聞いてダケカンバを覚えて貰う

  
    ミヤマリンドウ                ミヤマオトギリとチングルマの綿毛

  
  コバイケイソウは今回初お目見えだ          ニッコウキスゲも咲いている


     支尾根のコル部から弓折岳をトラバースして分岐へと続く道が見える

  
   コル部は「弓折中段」の名が付けられている    CL平野さんのお知り合い、香川県からの4人組

弓折岳分岐

オンタデの黄色い花も富士山などの高山で見ると結構綺麗なものだ。
「蓼食う虫も好きずき」って諺にある蓼(たで)はオンタデの近
隣種の水辺などに生える細長い「ヤナギタデ」でこの葉っぱや茎が苦いらしい。


オタカラコウ、エゾシオガマ、フウロソウ、ヤマハハコ、ホツツジ、トリカブトなどが現れるを励みに歩いて15時28分やっと弓折
分岐の主稜線筋に上がった。新穂高温泉を出発して実に8時間をかけた長丁場だった。稜線近くに出ると風も幾分涼しく元気が出て来
た。
ここはチングルマの綿毛が風になびき、ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、ウサギギク、フウロソウ、コバイケイソウなどが咲
く絶好の休憩所でもある。写真好きの山下さんはこのチングルマの綿毛がお気に入りらしくて寝ころび加減でバックの風景を入れて撮
っている。


キンポウゲ科の黄色い花は何時見ても難しい。シナノキンバイは花がデカくて立派、リュウキンカは葉っぱの形が違うって事くらいし
か見分けがつかない。
嗚呼、天気が良ければ槍穂も見えるんだがなあ・・・

  
 富士山にも群生していたオンタデ                      オタカラコウ

  
 エゾシオガマ  手前の葉は別の植物の物                  ヤマハハコ

  
  ミヤマホツツジ  何でもミヤマを付けとけば良い           これもミヤマトリカブトにしとこ

  
グループ登山では山下カメラウーマンの様に迅速に写真を撮るのが肝心    ミヤマアキノキリンソウ 又 ミヤマを付けた

  
  弓折岳分岐の主稜線到着も近い                     ハクサンフウロ


   15時28分 やっと主稜線の弓折岳分岐に着いた〜  新穂高温泉から8時間 皆さん良く歩きました

  
   チングルマの綿毛  鏡平方面もガスで良く見えない        ハクサンイチゲが行儀よく整列している

    
 ミヤマキンポウゲ セリ科の白い花も沢山咲いている           ウサギギク


ここで10分程休憩の後、尾根道を双六小屋へと重たい腰を上げる。次第にガスが出て来て益々展望が無くなり、足元のミヤマダイモ
ンジソウ、ウメバチソウ、ハクサンフウロ、エゾシオガマ、ウサギギク、ヨツバシオガマ、イワオウギなどを見ながら歩くしか楽しみ
が無い。


尾根の右手に雪渓が残っており、そこは特にお花畑となっている。ハイマツの幹が地表で白骨化している場所から少し後方が開け弓折
岳付近が見えたのでシャッターを切る。尾根の西側は比較的なだらかでハイマツ林となって、東側はザレて切れ落ちている。


16時を過ぎるとガスは益々濃くなり視界を遮る。雪渓近くの足元には気温が低いのかチングルマの花やハクサンイチゲ、イワカガミ
、アオノツガザクラの花が元気そうに咲いている。


  
  15時40分 弓折岳分岐を出発する                     ミヤマダイモンジソウ

  
  ウメバチソウ                                  細尾根をすすむ  ガスが出て来た

  
  エゾシオガマとハクサンフウロ                      ウサギギクとミヤマダイモンジソウ


   15時55分 オンタデの咲く砂礫地を進む  前方に雪渓が残っている


  セリ科の花は種類が多く、ハクサンボウフウが地味ではあるが美しい模様で登山道を飾る

  
コバイケイソウの花が残ってくれている 花が咲かない年もある   ヨツバシオガマはアルプス定番の花や

  
   イワオウギ                                雪渓の近くは必ずお花畑になっている ハクサンフウロ


16時07分 ガスの切れ目から歩いて来た弓折岳方面を振り返る  

  
 直ぐにガス景色に変わる                           アオノツガザクラ


    これもアルプスの定番 チングルマとハクサンイチゲ

  
  イワカガミも咲いている                          16時20分 2,622mピーク手前のコル「くろゆりベンチ」に着く

16時20分「くろゆりベンチ」に着き少し休憩する。ここは弓折分岐を過ぎて2,630mピークと2,622mピークのコル部で
休憩ベンチがある。この辺りにクロユリが咲いている筈なのだが、そこにはロープが張られて良識のある登山者を排除している。クロ
ユリがあってそれを見せないのだったら「くろゆりベンチ」など言う残酷なベンチ名は付けない欲しい。


左手には双六南峰から延びた2,705mの肩部があるのだが、濃いガスに覆われて前方の樅沢岳すら見えない。ナナカマドは身を付
けているし、イワカガミやトリカブト、エゾシオガマ、タカネニガナも既に見飽きた感がある。


エゾシオガマやヨツバシオガマの「シオガマ」は地名の塩釜(塩竃)から来ているらしい。宮城県の塩釜はリアス式海岸の美しい所で古今集の頃から都人に
は未だ見ぬ遠い憧れの地だった。要は「浜で美しい塩釜」って言われたのをモジって「葉まで美しいシオガマ」って事でこの花の名にシオガマがつけられたと
いうのだ。特別に美しいとは思えぬ葉っぱなのだが・・・ この話 ホンマやろか?


   ここまでくれば余裕の笑顔じゃのう  ガスが出て展望が無かったけど暑さが和らぎ結果的に良かったかも知れない

  
クロユリが咲く斜面へはロープが張られて立ち入り禁止?            イワカガミの群生

  
   エゾシオガマの卍花                         樅沢岳の尾根筋から左手にトラバースして双六小屋へと下って行く

16時45分樅沢岳への主稜線から外れて左手へのトラバース路を10分程下ると霧の中に木道が現われた。チングルマの綿毛が斜面
に群生しているので双六池が左手にあるのだろう。するとテン場が現われて色とりどりのテントが並んでいる。雨を予想してか全ての
テントにはフライシートが掛けられている。


17時05分、まず富山大学双六小屋診療所の建物が現われ、奥の双六小屋に到着した。今日は新穂高温泉を出発して9時間40分で
双六小屋に到着した。みんな頑張って歩いたがそんなに遅い行動時間では無いと思う。


  
  トラバース路を下って行く  目標は見えない              木道になったから双六池が近いのかな?

  
それでも尚背の高いハイマツ帯を抜ける                  チングルマの綿毛の向こうに池が見えた

  
今日最後の花はイワツメクサだった                    テン場の人と少し話をする やはり台風を気にしている様だった

  
 手前に富山大学 北アルプス双六小屋診療所がある         17時05分 今夜の宿 双六小屋に到着した

小屋は清潔で台風接近の為に登山者は比較的少なく「山と元気の会」に6人部屋が2つ割り当てられた。我が隊は女性7名、男性5名
なので布団一人一枚で使うと女性が男性部屋に一人来なければならない。布団を6枚敷くと部屋が一杯になるので布団だけ移動する事
も出来ない。まあ混んでいる時は男も女も無いのだが、いざこんなケースでは女性一人が男性5人の部屋に来るのは嫌なもんだ。

これが男一人が女性部屋へ行かなきゃならない場合だと希望者続出でくじ引きにでもなるのだがなあ・・・ほとんどの女性がしりごみ
する中、沖野さんが「別にどうって事ないわよ」と生贄(いけにえ)役を買って出てくれた。さすが山小屋の洗面所で顔パックをして
登山者を驚かせるだけの肝っ玉母さんである。要は寝る時だけ睡眠導入剤を飲んでやってきてすぐに寝てしまうって事なんだけど・・・


夕食は18時からで私を除く女性を含めて全員の御膳には缶ビールが添えられていた。山と元気の会・酒豪チームの第一日目が無事こ
こに無事終了した。


  
  6人部屋を割り当ててくれた  棚があるから便利          双六小屋の夕食

  
    ビールが並ぶ                            女性軍はリンパマッサージに余念がない


山と元気の会 第2日目  双六小屋〜双六岳〜双六岳〜三俣蓮華岳〜三俣山荘〜鷲羽岳〜水晶小屋  は   ここ     
          第3日目 水晶小屋〜水晶岳〜赤牛岳〜(読売新道)〜奥黒部ヒュッテ             は   ここ     
          第4日目 奥黒部ヒュッテ〜平ノ渡し〜ロッジくろよん〜黒四ダム (トロリーバスで扇沢)   は  ここ     

    

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