「山と元気の会」読売新道

縦走4日目 平成30年8月10日 晴れ

奥黒部ヒュッテ〜平ノ渡し〜ロッジくろよん〜黒四ダム〜扇沢

06時45分 奥黒部ヒュッテ出発
09時20分 平の渡し場着
10時20分 平の渡し船に乗る 定員10名の為2回に分けて乗船
10時40分 左岸歩道出発
11時15分 中ノ谷切れ込みポイントにて昼食
11時40分 中ノ谷出発
14時20分 御山谷切れ込み部を通過
15時15分 ロッジくろよん 15分休憩 ここから遊歩道
15時50分 黒四ダム
16時05分 トロリー場バス乗車
16時25分 扇沢にて「山と元気の会」バスに乗り込む
16時50分 七倉山荘に到着
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黒四ダムまでの合計所要時間 10時間05分

縦走4日目の行程 奥黒部ヒュッテ〜平ノ渡し〜ロッジくろよん〜黒四ダム〜扇沢

カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図 


さて、今回の旅もいよいよ最終日となった。

黒部ヒュッテのある東沢出合は水晶岳を源とする東沢谷が本流の黒部川に合流する地点にある。西側の黒部本流は上ノ廊下、奥ノ廊下、
薬師沢、赤木沢など黒部源流域へと続く。


この東沢出合からは黒四ダム建設の為に水没した代替え歩道として関西電力が管理している登山道を歩く事になる。右岸歩道から左岸
歩道への繋ぎは関電運営のボートを使わなければならない(平ノ渡し)。前日、このルートを歩いて来た登山者から厳しい桟道が続く
ので女性を含む団体は平ノ渡しまで3時間程見た方が良いから早めに出発する様アドバイスされていた。

平の渡しのボート時間は右岸の針ノ木谷発、06時20分、10時20分、12時20分となっているので10時20分の通船を利用
することになっている様だ。(06時20分は早すぎるし、12時20分では遅すぎる)


奥黒部ヒュッテ〜平ノ渡し場(右岸) 約 2時間35分


前半の黒部川右岸ルートは東側の主稜線にある南沢岳から北に延びる尾根に沿って黒部川〜ダム湖右岸を歩く。この南沢岳北尾根が黒
部ダム湖へ落ちる場所に渡し船の基地「平ノ渡し」がある。06時奥黒部ヒュッテにて質素な朝食を済ませる。山下さんが朝食時のご
はんとおかずで具だくさんの爆弾おにぎりを作ってくれたので天袋に入れて06時45分出発する。


  
 シンプルな朝食 ここは玉ねぎが多い                 出発前の準備運動をまじめにする我がチーム 私は?

ヒュッテの前は東沢谷が黒部川本流へ注ぐ場所の為砂州の河原となっている。小屋を出発して10分程で早速二筋に別れて流れる東沢
谷に掛かる木橋を渡る。材料の木は稲を干す時に使うハザ木(新居浜ではハデ木と言っていた)の様な物を番線で括り付けて作ってあ
る。この辺りの標高は地形図に1,482mとあり結構高いのでヤマホタルブクロ、ヤマハハコ、ホツツジなどが生える岸部を進む。


  
東沢谷が黒部川に合流する砂洲状の場所にヒュッテがある      早速 東沢谷に架かる橋を渡る

  
 東沢谷の合流部は中州部分があり水流は二筋となっている    北側の沢が水量が多い

  
 ホタルブクロとヒヨドリソウ                           ここは標高1,500m ヤマハハコが咲いている

  
  割といい森の風景がある                           川原に沿って下流に進む

07時10分山道に入ると直ぐに木橋が設備された小沢を渡る。細い山道は所々崩れているのでその部分も丸太と番線で桟道がしっ
かりと補強されている。
ギボウシ越しに崖下を覗くと黒部川の清流が見える。足元にはシラタマノキとアカモノが白と赤の実を付け
ている。07時22分桟道の無い山道が崩落地を横切っており滑り落ちない様に注意して歩く。足場が難しい岩崖部分が出て来ると
又桟道が付けられている。


    
   右手に小屋が見える                           するとそこから山道に入って行く


   早速小沢を渡る長い桟道に唖然とさせられる 真鍋さんは最年長の平野さんをいつも気遣って顔に似合わず優しい男だ

  
  空中散歩  やはり桟道がなければこの歩道は成立しない       アカモノとシラタマノキ 赤と白のオンパレード

  
 ギボウシ沿いに黒部川を眺める                      大岩の横を下る


    07時22分 奥の細道  若宮さんがビデオを撮っている 

  
   滑ったら一気に黒部川の沢歩きとなる               ウメバチソウさん  おはようさん

  
 まあ 桟道は東赤石の朽ちたのと比べればしっかりしている      桟道は谷を越えて向こう側まで続いている


   この辺りの黒部川は美しいが遡行には向いていない   落ちたらアカン〜♪ 落ちたらあかん〜♪

07時30分次の小沢に差し掛かるととんでもない距離に渡って桟道のオンパレードである。この辺りではオオバギボウシ、ウメバ
チソウなどが見られる。


大きな砂州が黒部川に広がる斜面崩壊地でもスケールのデカい桟道が続く。前からご夫婦が来られて男の人が「登り優先じゃないか!
」と大声を出して我々の進軍を止める。普通、山道では基本「登り・上り優先」って事になっている。山から下ってくる人は今から
登る人は時間もかかるから敬意を払って先に道を譲るという理屈だろう。まあ、これもケースバイケースなのは言うまでもない。長々
と続く団体登山者も当然個人山行の人に迷惑をかけない様に道を譲る。しかしこんな危険な場所では足元に気を取られて前から下りて
来るのに気が付かない場合もあるし「我に優先権利有り!」って怒鳴る事もなかろうに・・・先に来た奥さんに挨拶すると気まずそう
にうつむいていた。



   なんじゃこりゃ!  このルート 「足元には土が無い」と智恵子は言った

  
  小沢には木橋が架かっている                       土の登山道が嬉しい


            砂洲の間を流れる黒部川  雪解け時は激流になるのかな?


    えっ なんじゃこりゃ〜II   雪が雪崩れて毎年付け替えているのね 関電さんご苦労様です

  
   前側はこんな感じ                             後ろ側はあんな感じ

  
  下側はこんな感じ〜                             もう水平道など何とも思いません


黒部ダム湖が満水の時にはこの辺り近くまで水が来そうな雰囲気の川面である。この斜面でテンニンソウに初めてお目にかかった。
08時07分ウメバチソウの咲く岩場に付けられた桟道を下がると支沢があり、近くに補修用の丸太が置かれている。そこから又急
な参道を上がる。この登山道はそんな事の繰り返しが続く。更に崖上の桟道を空中散歩しながら黒部川を眺める。

多少緑の森を歩ける登山道もあるが直ぐに崩壊斜面が現われて桟道となる。08時38黒部川をを見ると側面に筋が何重にも入って
いるし、川床の堆積物も泥っぽいからダム湖の水量が多い時はこの辺りまで湖水が湛えられているのだろう。しばらく桟道が無く、
ブナの大木が立つ自然林の登山道を歩く。


  
 砂洲の間を蛇行する黒部川の流れ                    小沢部の広い場所にはヘリで運んだのか桟道の材料が置かれている

  
    テンニンソウ                                 ママコナ

    
   オヤマゴクチの咲き残り                           足元を見ちゃダメよ


 ウメバチソウの咲く桟道を小沢へ下る

  
  08時15分 休憩〜〜                                空中散歩が続く

  
   桟道がなければこんな場所はsるけないわ                  ワイルドな登山道

  
 まともな登山道が珍しい                           水量が多ければこの辺りまで湖になるのだろう

  
 秋の花 オミナエシ                               沢部になると又桟道となる

  
 沢を見上げる どでかい岩が落ちている                  08時35分 岩が並べられた登山道を歩く

  
岸辺には水があった縞模様が出来ている                 いや〜〜  ホッとする風景だ

  
     石垣が積まれている                         09時00分 休憩〜〜


  古い桟道が落ちている  ダムが水を溜めると周囲の土壌が脆くなると言うが・・・

  
  この辺りは既にダム湖となっている                   ここを回り込むといよいよ平ノ渡し場だ


平の渡し場

平の渡し場は関電が黒四ダムを建設した時に水没した従来からある渡渉部を保証する為に無料で両岸を渡す船を提供している場所だ。
6月20日から10月31日までは左岸発06時、10時、12時、17時、登山者が増える7月1日から9月30日の間は14時
発が増便される。

9時を過ぎると次第に左手下方に見える黒部川の水嵩が増してきてダム湖の様相がしてくる。すると09時18分看板が沢山立つ
平ノ渡し場」へ着いた様だ。桟道が黒部ダム湖に向かって真っすぐ下りている。しかし「乗船される皆様へ」という注意書きや
「通行される皆様へ」といった注意書きの看板が立っているが「平の渡し場」という明確な表示が無い。

念のため国土地理院の地図にある渡船の航路破線があるもう少し先まで行ったがどうもボートが着けそうな水深が無い谷筋に向かう
ので引き返す。真鍋さんが斥候になって先程の桟道を確認に下りて皆を呼び寄せてくれた。09時50分着船場所近くの斜面に下り
て日陰で10時20分の通船を待つ。暇なので上流へ行く小さな作業船に向かって女性陣が手を振ると作業服を来たおっさんが照れ
くさそうに手を振りかえしてくれる。う〜〜ん こんな交流風景も中々いいもんだなあ


  
 09時18分 看板が沢山立つ場所に到着               ここに黒部川へ向かって下りる桟道が延びていた

  
 これから先の代替え歩道に関する注意書き               乗船者への注意書き

  
 平ノ渡し場へ向かって下りる                        黒部川にタッチするが岸辺は泥で少し濁っていた

  
     我がチームも渡し場に下りて来る                 日陰で船待ちをする 


10時15分想像よりかなり小さなボートが現れた。ホンマにあれなの?と思いながらも時間的にはあれしか無い。臨時船着き場近
くになると「このボートは定員10名ですから二組に分かれて乗船して下さい」と言っている。隊を二分する為太田さんが男性陣と
残る。太田さんは日山でトレーニングを欠かさない山のベテランだ。第一便には先に来ていた単独登山者と女性6名が乗り込む。救
命胴衣を着用して乗船名簿を書いている様だ。作業報告書を名簿と共に親会社(関電)に提出するのだろう。


  
 一組目の乗船風景 赤牛岳で会った単独登山者も1名いる     さよなら〜 きっと又会えるよね  定員10名のボート
 
10時30分先程のボートが第二便として戻ってきた。男性陣と太田さんが乗り込んで対岸に向かう。するとボートの人が「ガルベ
が来た」と言っている。見るとダム方向から遊覧船が近くまでやってきて
U−ターンしている。この遊覧船の名が「ガルベ」と言う
らしい。あっちは16分で1,080円、こっちは無料だい! ん?、でもこっちは対岸から黒四ダムまで3時間半えっちら歩かな
いといけない。あっちは湖面をピューっと10分程走ってダムに着くんだわ。う〜〜ん 黒四ダムまで1,080円払ってでも乗り
たいものだ。

  
船員は2名 全員ライフジャケット着用と名簿記入が条件  黒部ダム湖遊覧船「ガルベ」が近くまで寄ってきた


10時40分対岸に着くとびっくりする様な急傾斜の桟道が上に伸びている。先便で「向こうで待ってます〜」と愛想良く手を振っ
ていた女性陣は誰一人姿を見せない。急な桟道を先頭の真鍋さんが休憩無しでガンガン登っていくからこっちもムキになって付いて
いく。
最上段からは石段となって右手の登山道に進むと第一便の女性陣が日陰で休んでいた。

  
  左岸には小さな浮桟橋がありとんでもない急な桟道を上る    2年前はこんな大き目のボートだった(タキオンさん提供)

  
上部には石段があり登山道は右手に分岐する             右手に延びる登山道の木陰に第一班が居た


平ノ渡し場(左岸)〜ロッジくろよん〜黒四ダム 約5時間10分

平ノ渡し場の分岐には「平の小屋」があるのだが寄る事もなく我が隊は進む。この分岐を左側(上流側)に回り込むとヌクイ谷から尾
根に上がり五色が原へ至る登山道がある。10時45分先発組に黒部川左岸で合流し、天然杉が生えた山道を進む。のっけから中ノ谷
が入り江の様に凹んでいるので付け根の徒渉部まで迂回を強いられる。


11時18分中ノ谷渡渉部に着いて適当に散開して昼食休憩となる。ザックの天袋から山下桃太郎に握って貰った特性爆弾おにぎり
を出して食べる。うん!具が沢山詰められていてとてもおいしかった。この中ノ谷は五色ヶ原近くのザラ峠を源流とする沢だ。ザラ
峠は戦国時代に羽柴秀吉に対抗する佐々成政(さっさなりまさ)が徳川家康と交渉する為、冬にこの峠を越えたという(さらさら越え)
逸話が残っている。


  
  こちらの登山道は今の所桟道は見られない              結構ワイルドな場所もある

  
   いい樹があるなあ                               中ノ谷へ向かって進む

  
  谷部へ近づく                                黒部川本流から谷部へ入り込んだ

  
  中ノ谷渡渉部で早めの昼食休憩になる                山下おにぎり店の具沢山特性おにぎりを頂く

11時40分昼食を終えて木橋を渡りヤマハハコやソバナが咲く沢筋を先へと進む。12時00分入り江の対岸へ着くまでに2か所
の桟道があり、山道もザレて危険な場所もあった。この辺りはザラ峠付近から東に派生する尾根筋に沿って、標高1,550m付近
をトラバースする様に登山道が付けられている。黒部ダム湖の直ぐ横なので高度感が無いが結構厳しいトラバース路である。


12時10分支沢を横切る場所では高低差があるので相当長い桟道が付けられている。ミソガワソウの咲く沢部をクリアして桟道を
上がり登山道に復帰する。すると登山道の上に大木の根っ子がトンネルになった面白い場所を通過する。この関電アトラクションル
ートはもう少し短ければ結構面白い場所だんだけど・・・。


  
   ヤマハハコの咲く川原を出発する                   11時40分 渡渉部にかかる橋を渡る

  
  ソバナも咲いている                            桟道が左岸にも現れた

  
  黒部川本流に近づいてきた                        お〜〜 ヤバい場所だぞ 落ちたらアカン〜♪

  
  落ちたら黒部湖  ガルベ号が走っている               沢部が近づくと桟道が現れる


  前半の右岸道よりこちらの左岸道の方が味がある

  
     水を湛えた黒部ダム湖                       あんりゃ 又桟道なのね


            12時10分 谷渡りの桟道に差し掛かる


        「沢渡りの桟道」を過ぎると「木の根潜り」のアトラクションが待っていた

12時35分シャクナゲが生えた岩場の横に付けられた細い道を通過する。そこには下の廊下の様な滑落防止の為の番線が見られた。
時々右手にダム湖が見える雰囲気の良いブナの森となり比較的歩きやすい山道が続く。13時02分ソバナが咲く谷部を横切る様な場
所では桟道が設備されているがそこを過ぎると又ブナ林を歩く。ダム湖の対岸には鋭い岩峰が切り立って見えるが、それが地図に有る
針ノ木岳やスバリ岳、赤沢岳だという確証は無い。自分がそこを歩いた山でないと同定は難しいものだ。


  
  こんなのどかな登山道は少ない                       オオバギボウシ

  
  岩場に沿った道では番線が張られている                落ち着いた登山道になるとのんびり歩ける

  
  右手に見える山脈は針ノ木岳辺りだろう                ダム湖の右岸に沿って進む

  
  元気に歩く我がチーム                                ソバナが咲く沢部


          森の中に続く登山道

  
  ブナ林が山道の風景を穏やかなものにする               石垣も積まれていた

  
  倒木がバッタになっている                        右岸の様子が切り立ってくる


14時00分天然杉と湖面が現れると、今度は御山谷の河口入り江を又左に回り込む場所を通過する。この沢も先ほどの中ノ谷同様
に源頭部はザラ峠付近から流れ出て来ている。効率の悪いブナ林登山道を御山谷の河口渡渉部へ向かう。この辺りは巨木の立つ雰囲
の良い森だ。14時20分川原の渡渉部に着き10分程休憩し、又ブナ林の道を黒部川本流湖へと進む。

黒部川ダム湖に向かって進むと黒四ダムの東側に聳える赤沢岳からダムに向かって派生する岩山が見える。更に右手には針ノ木岳と
思しきピークもある様だ。15時07分最後の大きな沢を渡る。この沢はタンボ沢と言ってここを詰めると東一ノ越で稜線に上がり、
立山・雄山のコル「一ノ越」へと至るルートがある。


地図を見るとこのタンボ沢近くに「ロッジくろよん」が有るのでもう一息だ。すると15時15分「ロッジくろよん」に到着した。

  
14時00分 黒部湖から左の入り江の様になっている方へ左折する   ここも巨木の立つ素晴らしい森だった

  
 沢部へ向かって西に進む                          御山谷に入り込み、既に先程から谷の水流になっている

  
  14時20分 御山谷の渡渉部で少し休憩する     14時32分 御山谷の橋を渡る ここからロッジくろよんまでは入り江を北東へ進む


              ブナ林の平和で美しい道を進む  

  
    小沢を一つ渡る                             右岸に見える正面の谷は大スバリ沢と言うらしい

  
石槫(くれ)だらけの道 上から落ちて来る石を並べて整備してくれている    曲がり角に来たら皆さん姿を順に追う

  
タンボ沢の上流部  立山連峰、雄山付近が源頭部だ         タンボ沢を渡る流部


     タンボ沢の向かいはスバリ岳(左)と針ノ木岳(右)なんだけど・・・

  
      代替え歩道の注意書き看板                   15時15分 ロッジくろよんに到着した


ロッジには誰も見えず、自動販売機があったので思わずコカ・コーラの缶を押した。所が15分程の休憩時には飲み干す事が出来ず、
缶の為栓も出来ないので出発時に無理をして飲み干す。欲しくないコーラを無理して飲むほどマズい物はない。げっぷゲップ言いな
がらみんなの後を追う。


嬉しい誤算と言うのか、このロッジから黒四ダムまではセメント道路の遊歩道で足元をもう注意しながら歩く必要が無い。楽チンで
チームの歩くスピードも杉本隊長に引っ張られる様にここから正常にアップした。ロッジ下にあるテン場は角材で四角に仕切られて
一段高くなっている。私的にはこんなテン場はお墓みたいで好きでは無い。


5分程歩くと前方に黒四ダムが目に飛び込んで来た。うれぴ〜〜〜 山歩きの最終地が世界の黒四ダムだなんて何と素敵な事だべ。
それにこの遊歩道もフィナーレを飾るに相応しいブナ林の中を歩く。15時43分これまでの桟道と違い立派な「かんぱ谷橋」を渡
ると遊覧船乗り場がある。平ノ渡しで出会った「ガルベ」号はこの下から出発するらしい。


コンクリートのトンネル内は天然クーラーなのか人口クーラーなのか良く分からないが物凄く涼しくい。トンネル地下に黒部駅とい
う施設があったので覗いて見ようと思ったが我がチームは隊長の後を追ってドンドン進んでもう見えなくなったので見学を諦めて走
る。

15時52分黒部ダムの上に出ると豪快な観光放水をしているので黒部川と一緒に眺める。そしてダム湖を振り返ると湖面の上に赤
牛岳みたいな尾根筋の山々が見える。赤牛岳からこの黒部ダムが見えたのだから間違いは無いだろう。地図を出して確認をしようと
したが、付近に居る筈の我がチームのザックは私の視界には無い。
一体何処へ消えたのだ? 

不安になりながら真っ赤な色をした若宮さんの大きなザックを探しながらダムの対岸へと走る。若宮さんと言えば風邪気味なのに趣
味のビデオを撮りながら重たいザックを背負って良く歩いたと思う。


  
  ロッジくろよんの自動販売機でコーラを衝動買いする        15時30分 ゲップをしながら遊歩道を進む

  
  ロッジくろよんのテント場 雨に備えて高く区画されている     お〜〜〜黒四ダムが見えたぞ

  
  この遊歩道は美しい                             白い幹はシラカバの樹だろうか

  
 ここも地盤が弱いので鉄製の橋が架けられている          15時43分 かんぱ谷橋を渡る

  
遊覧船ガルベ号が上流へ走って行く                    遊覧船切符売り場の横を抜ける

  
15時48分トンネルが黒四ダムの左岸まで続く             黒部平への黒部ケーブル駅がトンネル内にあった


正式名は「黒部ダム」 高さ186m 幅 492m 昭和31年から38年の工期で完成 殉職者171名 右岸の取水口から導水トンネルで
10km下流の地下黒部川第四発電所へダムとの落差545mを利用した水力発電を行っている。従ってダムからの放水は観光放水で
6月下旬から10月中旬まで霧状にして派手に放水している。

  
観光客が押し寄せる時期だけ限定の「観光放水」だ。 下流の川床を痛めない様に霧状にして放水する。これが虹になったりする。

  
   ここから黒部川「下の廊下」へ日電歩道が続いている       放水を真上から見る  凄い迫力〜♪


            黒部湖の上流に見えるのが「赤牛岳」だ  みんなでゆっくりしみじみと眺めたかった・・・


     これが前日赤牛岳の北端から黒部湖を写した写真  奥に黒部ダムが確かに見える


すると奥にトンネルがあってトロリーバスの駅があるらしく、そこへ急ぐ我がチームのザックが見えた。山では目立たない森さんの
上品志向のグリーンザックがこんな場所では良く目立つ。観光客の前で登山姿で走り回るのは嫌だったが仕方が無い。どうも16時
05分発の扇沢行きトロリーバスに間に合う様に急いでいた様だった。入り口で切符を貰い観光客であふれたバスに乗り込む。ちょ
っと見、連結車の様だったが、扇沢に着いてそれぞれ別のトロリーバスが時間差で走っていた事が分かった。


終始余裕の山歩きだったが最後の黒四ダムでこんなにバタつくとは思いもしなかった。山行前日には温泉地であんなにゆったりとし
ていたのに旅の最後の地でこの余裕の無さは一体どうなってるの? まあここはゆっくりと又来れば良いって事だ。

扇沢の売店で何か記念品を買おうと思ったが我がチームは風の様に「山と元気の会」所有のバスに駆け込む。そこには懐かしい運転
担当の真鍋さんと久しぶりに対面した。会のスケジュールはそのまま高松には帰らず、バスはその日の宿泊先「七倉山荘」に向かっ
た。

  
 うへ〜〜 待ってケロ〜〜 我がチームを追いかける  森さんのグリーンザックが目に入ってホッとする

  
16時05分のトロリーバスに乗るらしい         真っ暗で何も見えないけど結構早く走っている

  
トロリーバスは架線から電気の供給を受け走るバス     扇沢で「山と元気の会」専用バスが待機してくれていた


エピローグ
最近の「山と元気の会」遠征は下山後も現地で宿泊するらしい。この日は下山後「七倉山荘」に向かう。七倉山荘は裏銀座の入り口
として有名な基地で烏帽子岳へ向かう登山者が多く宿泊する。到着次第温泉風呂に飛び込んでサッパリした後、川沿いのバーベキュ
ーテラスで打ち上げの夕食となった。
普段は一滴もアルコールを飲まない私も生まれて初めて仲間と遠征の話題をつまみに中ジョッキに挑戦する。天気の件は贅沢を言え
ばキリが無く、台風13号の進路を考えれば順調に縦走が完結して大成功だった。

  
 登山基地の七倉山荘で泊まる             敬老会?ちゃうで 打ち上げバーベキューや 生中を飲んだぞ

  
  平野CL お疲れ様でした〜♪      登山前に喰って、登山中に喰って、下山後も喰って・・こりゃ痩せられんわ


CL平野さん、SL杉本さんには大変な山行でしたが、細谷さん、久米さん、佐藤さん、若宮さん、森さん、山下さん、太田さん、
沖野さん、真鍋(智)さんら楽しいメンバーと読売新道を歩く事が出来ました。又運転の真鍋(和)さんにも安全運転を感謝いたし
ます。

 See You Again  !

「山と元気の会」 読売新道
 第1日目  新穂高温泉〜(小池新道)〜鏡平〜双六小屋 は           ここ  
 第2日目  双六小屋〜双六岳〜三俣蓮華岳〜鷲羽岳〜水晶小屋 は     ここ  
 第3日目  水晶小屋〜水晶岳〜赤牛岳〜奥黒部ヒュッテ  は          ここ   


私の山仲間 タキオンさんの 折立ルートの 読売新道は               ここ  



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