コロナ禍での遠征登山 2021年
遠征3座 八ヶ岳(阿弥陀岳、赤岳)、蓼科山、恵那山
去年(2020年)は新型コロナ発生年だった為に用心をし過ぎて遠征は黒部源流の旅だけに終わった。
今年になっても新型コロナの猛威は新たな変異株が現われたりと衰えを見せない。冷静に考えると「不要不急の外出を控える」
とか「県境を跨ぐ移動の自粛」などと言うスローガンはあくまでも本質は「人と人との接触を極力避ける」って事だ。
いくら外出を控えるって言っても日常生活でスーパーの買い物やコンビニ、本屋などへはマスクを付けて混まない日時を選んで
行っている。
安心安全教祖の我が国首相は「新型コロナワクチンを2回接種すれば大丈夫!」と言い続けたがデルタ株が蔓延するとワクチン
を2回打った人も決して安全ではない事がわかった。
とすると、遠征登山に於いても移動は公共交通機関を使わず自家用車で登山口まで出かけて、温泉やホテルに泊まらず登山口や
山ではテント泊をすれば人との接触は最小限に抑える事は可能だろう。山ショップなどのツアー登山は厳しい状況だが、やはり
ここ当分は個人山行にせざるを得ない。
福岡からお袋さんの新盆に帰省した双子の兄、E2号が北アルプスへ行こうと意気込んで新居浜の実家で天気の回復を待ってい
た。所がずっと雨が降り続き8月23日の週にやっと多少回復基調となったものの、新潟や北アルプスは以前雨模様が続く。
そこでE2号が未だ行った事のない「八ヶ岳」と「蓼科山」、帰りに「恵那山」を提案する。待ちくたびれたE2号は「もう
どこでもええわ、兎に角遠征に行きたい!」と言う。
当初の計画では美濃戸口から行者小屋でテント泊をして空身で赤岳〜横岳〜硫黄岳〜赤岳鉱泉〜行者小屋〜美濃戸口と周回する
予定だった。
も返事も無い。
日程が迫り仕方なく「赤岳展望荘」に電話すると「コロナ対策は万全で個室もあります。予定日は登山者もごく少ないです。シ
ーツや枕カバー、食器類は使い捨てでやっておりますので安心しておいで下さい」との事だったので24日(火曜日)予約を入
れた。
美濃戸口〜御小屋尾根〜阿弥陀岳〜赤岳〜赤岳展望荘 2021年8月24日
赤岳展望荘〜地蔵ノ頭〜行者小屋〜美濃戸口 2021年8月25日
カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図 美濃戸口〜御小屋尾根〜阿弥陀岳〜赤岳〜地蔵ノ頭〜行者小屋〜美濃戸口
8月23日(月)朝新居浜を出発、淡路島を経由して中央道から早めに美濃戸口に着く。八ヶ岳山荘の150台駐車場はガラガ
ラで2日分1000円を支払う。3山遠征なので色々荷物が多くて車内が狭くテント泊とした。奥に車を留めて端の空き地にテ
ントを2つ張る。私はファイントラック・カミナモノポールUでE2号はニーモ・ホーネットストーム2Pを使う。
オレンジが私が今回使用したファイントラック・カミナモノポールU 黄緑がE2号が使ったニーモ・ホーネットストーム2P
御小屋尾根コースの入り口は美濃戸別荘地を抜けるので散歩がてら登山口のチェックをする。散歩中の別荘住人と数組すれ違う
が皆さん犬を連れている。外車と犬が八ヶ岳別荘地のステータスみたいだ。
8月24日(火)
早朝テントを片づけた後、06時少し前に出発する。八ヶ岳山荘の横には林道が二又になっており左手は赤岳鉱泉や行者小屋へ
の未舗装林道、右手の広い舗装道路は別荘地へ向かって緩やかに上りこの途中に御小屋尾根ルートの登山口がある。御小屋尾根
から赤岳は結構長いので歩く登山者は少なくこの時期としては絶好のルートと言える。
登山口の標高が既に1500mを越える高台なのでママコナ、ミヤマモミズリ、ハナイカリ、ワレコモウ、キツリフネ等の花が
道端に咲いている。
06時前に御小屋尾根への登山口へ向かう 美濃戸別荘地の坂を上がり右手に曲がる
再度左に曲がった突き当りが御小屋山の登山口だ フシグロセンノウが別荘地の庭に咲いていた
登山口まで花散策 キツリフネ ミヤマモミズリ
ミヤマママコナ ワレモコウ
南西側の舗装道路と合流して06時30分御小屋尾根登山道の山道に入る。笹と自然林の尾根道を進むとシャクナゲとカラマツ
等の針葉樹の風景となる。ミヤマモミズリやイカリソウ等林床に咲く花を眺めながら歩くと次第に苔とシラビソの八ヶ岳風景が
現れる。
登山口から直ぐに笹の生えた樹林帯に入る 深い森の中を快適に歩く
登山口から1時間程歩くとカラマツ林の右に尾根が見える ミヤマモミズリやイカリソウが咲いている
御小屋山へ向かって急登が始まる ミヤマアキノキリンソウは目づらしくも無いが・・・
八ヶ岳特有のコケと針葉樹が続く 08時15分 舟山十字路分岐標識に上がり着く
御小屋山(おこややま)(三等三角点「鷹打場」)2,136.93m
「鷹打場」(2,136.93m)を踏む。
御小屋山(おこややま)の「御小屋」とはこの南側山麓にある諏訪大社・奥宮の事で以前はこの付近で御柱祭に使われる樅の木
を採取していたので別名「御柱山」とも言われる。ただ近年は適当な御柱が無くなった為か諏訪大社・奥社も訪れる人も少なく
寂れている様だ。
ここまでの標準タイムは美濃戸口から2時間なので15分程遅れたが、まあ71歳コンビだからマアマアのペースだ。ここから
は一本尾根となって阿弥陀岳〜赤岳へと長く続いて行く。
尾根筋の風景は甲武信ヶ岳の稜線と良く似たシラビソ等の針葉樹と苔と岩が続く。時々現れるコバノコゴメグサ等の花が退屈さ
を紛らわしてくれる存在だ。又、尾根筋には境界割出し作業で使われた標木が修験者のお札みたいにまとめて置かれている。
御小屋山には三等三角点「鷹打場」 2,136.93mがある 平凡な場所だが既に四国には無い標高だ
三角点を踏む儀式 すぐ奥に御小屋山の山頂標識が立つ
所々に境界割り出し作業の標木が纏めて置かれている 針葉樹とコケの尾根が続く
不動清水
09時頃から前方が鬱蒼とした深い森林地帯に入る。暫くすると「不動清水」の標識に出合う。標識に5分とあるので行く事に
したが、E2号は興味が無いらしく分岐で待つと言うので09時15分細いトラバース道を進む。不動産屋の駅まで5分はアテ
にならないが、本当に5分で水場に着いた。尾根の右側だから富士川水系、釡無川の上流、立場川の源流地(広河原沢)になる。
樹林帯の下端が草地となりそこから幾筋かの水が流れ出ている。尾根近くにある水場は貴重な存在である。09時25分E2号
の待つ分岐に帰り尾根歩きを再開する。
少し前方が開ける まだまだ長い道のりだ 09時12分 不動清水の標識があるので寄ってみる
樹林帯のトラバース道を沢筋へ向かう 水場は樹林帯が切れて草地となっている
水場の下側から沢が始まる 樹林帯が切れた場所から水が出ている 有難い水場だ
不動清水は5分程上側からも行ける様に別な標識が立つ その後は急な傾斜の樹林帯をひたすら上る
尾根の傾斜は急になりシラビソ、モミ、ダケカンバの樹林帯が続く。右手には時々編笠山方面の尾根が姿を見せる。10時にな
るとトウヤクリンドウやヒメシャジン、エゾシオガマが現われ眺めながら急登を喘ぐ。
又、尾根の右手に草地がある場所にはウメバチソウとコバノコゴメグサが咲き誇っている。花の最盛期が過ぎているので有り難
い。
坊さんの様な着衣と裸足でスタスタと追い越して行った。
モミやシラビソが主体だがダケカンバも出て来る 右手に編笠山らしき南側の稜線が見えてくる
ミヤマダイモンジソウかな? ヒメシャジン
ソバナっぽいのもある ナメコみたいなキノコも沢山生えていた
ウメバチソウとコバノコゴメグサ ここは信濃だからシナノオトギリにしとこう
素晴らしい樹林帯だが傾斜は容赦ない スタスタと軽装で素足修行僧みたいな人に追い抜かれる
シナノオトギリらしい黄色の花に出会う。10時25分肩部の小ピークに着き、前方に阿弥陀岳が見えたがまだまだ遠いのでガ
ッカリする。振り返ると下界が見えるが諏訪盆地は雲に隠れている。岩斜面の乏しい草地にはトウヤクリンドウやコバノコゴメ
グサが美しく、コケモモの実が鮮やかだ。右手前方に小規模な立ち木の島枯れが見え、左手の尾根に上がって行くと樹林帯が急
に低くなる。チシマギキョウやミヤマダイコンソウは既に花期を終えて、ウメバチソウとコバノコゴメグサが続く。
何か前方が開けて来たけど・・・ え〜〜 阿弥陀岳までまだ遠い〜〜
10時25分 やっと阿弥陀岳が見える肩部に到着した 少しガスっている
甲府盆地方面も低い雲で良く見えないが気持ちの良い景色だ
斜面にはトウヤクリンドウが多い コバノコゴメグサもそれに劣らず沢山咲いている
コケモモは既に赤い実を付けている 阿弥陀岳を目指して樹林帯を上る
11時を過ぎると阿弥陀岳直下のコル部に出て前方にガスがかかった阿弥陀岳の大きな姿が迫る。雨の心配は無さそうだが、上
空には白い雲が広がり下側にも雲が流れる。登山道がジグザグに切られたハイマツの急傾斜を上がっていると時々ガスが切れて
富士川上流、釜無川沿いの盆地を眺める。どうも天気予報が外れて次第に天気が悪くなってくる様だ。
阿弥陀岳直下のコル部に出るがガスが頻繁にかかる トウヤクリンドウは清楚な色合いだ
樹林帯が切れてハイマツ帯になる 上ってきた御小屋尾根を振り返る 釜無川沿いの茅野市付近が広がる
ロープや鎖が置かれた砂礫地を上がる ミヤマダイコンソウの花がかろうじて1輪だけ残っていた
11時35分上から先ほど我々を追い越していった修行僧みたいな人が下りて来た。よくみると日本人で風が強くなったので黄
色いウィンドブレーカーを羽織っていた。ソーシャルディスタンスを取りながらこの興味深い格好をした男に少し話を伺う。特
に修行僧と言う訳ではなく大町で一本歯の高下駄を作って生計を立てていると言う。なんでも一本歯の高下駄レースってのがあ
るらしい。山歩きは冬以外はいつも裸足との事。興味深い人が居るもんだ。
11時45分頃から岩場とロープが現われ修行の山となる。ミネウスユキソウやミヤマダイコンソウ、ミヤマヒゴダイ、ミヤマ
キンバイ等の咲き残りを眺めながら岩場を這い上がって行く。岩の間に草地がある場所には沢山のコバノコゴメグサが旬の花を
咲かせる。
トウヤクリンドウの咲くガレ場を上る 先程追い抜かれた修行僧の様な人とすれ違い少し話をする
日本人だった 一本歯の下駄を作って生計を立てているらしい 近くにミネウスユキソウが白い産毛を付けていた
ミヤマヒゴダイ? トウヒレンと良く分からない ミヤマキンポウゲの咲き残りか
11時55分阿弥陀岳・西ノ肩標識に到着するが霧が下から上がって来た。山頂まで200mとあるのでもう着いた様なもんだ。
最後は岩場に鎖や鉄梯子が置かれて「行場」のプレートが岩に埋め込まれている。恐らく大峯の岩場にあった様な覗き行場にな
っているのだろう。岩の上に立つが残念ならが霧の為高度感が無い。
山頂手前の岩場が摩利支天と言う場所らしいが、甲斐駒ケ岳の摩利支天と違って迫力に欠ける小規模な岩場だった。12時、
E−2号もそんな場所の名を知ってか知らずか岩場を抜けて山頂への最後の尾根に進む。
11時55分 阿弥陀岳・西ノ肩標識に到着 折角の岩場アトラクションが霧で迫力が無い
「犬帰りノ岩」を下るE2号 E−2号はスマホを忘れたので私のスマホを貸している そのスマホ写真(犬帰りノ岩)
恐らくここが摩利支天だろう 摩利支天の岩場から山頂へ向かう
12時10分阿弥陀岳の山頂に到着する。美濃戸登山口から6時間少しかかった。水場に寄ったり一本下駄の仙人と話をしたり
のんびりし過ぎた感あり。山頂付近にはイブキジャコウソウ、ハナイカリ、イチヤクソウ、ヒメシャジン、コバノコゴメグサ、
タカネヨモギ、トウヤクリンドウ、タカネヒゴダイなどが咲いていた。赤茶けた山頂部は意外と広くて阿弥陀如来像や色んな
石塔が見られ修験の山らしい。ガスで赤岳が良く見えないのでここでゆっくり昼食休憩をとり霧が飛ぶのを待つ。
12時35分赤岳が見えだしたので急いで東側に出て眺める。赤岳への稜線は標高の低い中岳辺りまではハイマツなどの緑が
多いが、その向こうの赤岳は茶色い岩峰となっていた。主稜線の鞍部には今日宿泊予定の赤岳展望も荘見えてきた。時折、赤岳
から横岳〜硫黄岳の縦走路とそれに続く天狗岳まで八ヶ岳の連なりを楽しむ。
赤岳から南の編笠山の攣り尾根の上に富士山が頭を少し出したので喜ぶ。
こんな所にイチヤクソウの群落があった 昭和27年に立てられた石碑の元にはヒメシャジンとイカリソウが咲く
イブキジャコウソウとコバノコゴメグサ イカリソウ(ハナイカリ)も多い
12時10分 阿弥陀岳山頂に到着する 標識の後ろは富士山が頭を出す その右手は南アルプスだろう
八ヶ岳・赤岳をバックに写真を撮り合う 阿弥陀岳 2,805m 6時間程かかったわい
意外とイブキジャコウソウが多い この時期、トウヤクリンドウとコバノコゴメグサが多かった
東側に目指す八ヶ岳の主峰「赤岳」がデンと構える 良く見ると手前の尾根筋に中岳がある 左の肩部に赤岳展望荘
ガスっているが縦走路となる三又峰〜横岳〜硫黄岳、 その左に天狗岳などを眺める
赤岳から権現岳・編笠山への吊り尾根の彼方が丁度富士山の位置になる
12時50分阿弥陀岳から束の間の展望を楽しんだ後、赤岳へと下って行く。中々の急斜面で中岳とのコル部に登山者が見える
ので高度感がある。このコル部には北側の行者小屋からの登山道があるので登山者はそこから来たのだろう。
阿弥陀岳を振り返ると結構な岩峰を持っている。イワベンケイやタカネツメクサ、ヒメシャジン、ミヤママンネングサ、クモマ
ニガナなどの花写真を撮っているとE2号はさっさとコル部へ着いている様だった。
つコルへ下り付く。ここにもトリカブトが咲いていて写真を撮っていると呆れられた。
12時50分 いよいよ赤岳へと向かう 阿弥陀岳の南側へは岩峰の棚があり、その向こうに赤岳南尾根が見える
急斜面の砂礫地には鎖が置かれている ここもコバノコゴメグサやイブキジャコウソウが咲く
岩場にはタカネツメクサが良く似合う 中岳とのコルに向かって下る
ヒメシャジン ミヤママンネングサ
タカネヨモギ クモマニガナでいいのかな?
花の写真を撮っている間にE2号はコルに下りていた コルからスマホで阿弥陀岳側の急斜面をE2号が撮影
中岳は阿弥陀岳から見ると標高が低いので良く分からなかった程だが、コルから見るとまあそこそこのピークだ。阿弥陀岳コル
には北の行者小屋から1時間40分程で「中岳道」という登山道が延びているらしい。天候的にはライチョウが出そうな雰囲気
なのだが、会ったのは2羽のホシガラスだけだった。13時45分岩だらけの中岳を過ぎると眼前に赤岳が迫って来る。
コル手前の岩場にコマクサを発見してテンションが上がる。当初7月に常念乗越から大天井岳〜燕岳〜餓鬼岳を周回してコマク
サを見ようと思っていたのだが長雨の為実現しなかった。それでもうコマクサは諦めていたのだが、こんな場所に咲いていると
は思っていなかった。まあちょっと旬は過ぎていて余り近寄っての撮影は厳しかったが・・・
。
コルにトリカブトが咲いていた 中岳へと進む
中岳への稜線から行者小屋が近くに見える ゴツゴツした阿弥陀岳を振り返る
コイワカガミの葉っぱが紅葉していた 13時45分「中岳」ピークを通過する
中岳から赤岳へのコルへと下る おっ! コマクサがあるじゃないか!
14時00分中岳からコル部へ下ると赤茶けた広場になっている。ここから見上げる赤岳への斜面は比較的なだらかに見えて
最後の岩場までは楽勝歩きに見えた。依然前方の赤岳への斜面岩場には嬉しい事にコマクサが咲き残っているがもう綺麗な
姿を残す株は少なかった。
14時00分 やっと中岳と赤岳のコル部に着く
なだらかな砂礫地を赤岳へと向かう まともなコマクサを探して右往左往する
14時18分行者小屋から赤岳西斜面へ付けられた文三郎道(尾根)の分岐を通過する。谷や尾根道にはそこを開削した人の名
が付けられる事が多い。この文三郎道も行者小屋の経営者だった茅野文三郎さんによって開削された登山道だ。
ち、左手に岩壁が飛び出しているのが分かる。左手、主稜線の先には地蔵尾根らしき岩峰の突起が見える。まさか翌日にあそこ
を下るとはこの時は思いもしなかった。
砂礫地にポツポツと咲き残る状態の良いコマクサを探しながら傾斜を登って行く。赤岳の南のキレット小屋へ下がる尾根が見え
るが、ここも相当な傾斜で南側からの縦走も厳しそうだ。
14時37分キレット分岐に着き南側の主稜線と合流すると割としっかりした岩場になる。中小の岩が転がるガレ場よりは岩場
の方が歩き易い。と言っても登山道は岩の回廊となっており落石を起こさない様に注意が必要だ。登山道は鎖の手摺、鎖場で整
備されているのでルートを間違う事は無い。キレット分岐から15分程で赤岳直下の「竜頭峰分岐」標識に着く。
文三郎道の分岐は結構傾斜がきつい場所にある それでも赤岳にはまだ少し距離がある様だ
阿弥陀岳を振り返る 左手の岩場が摩利支天か? 手前に中岳のピークが確認出来る 登山者が2名来てる様だ
赤岳直下の岩場が次第に迫ってくる 相変わらず右に左にコマクサを探して歩く
モンサンミッシェルの修道院みたいな形だ 行った事ないけど・・ 14時37分 キレット、権現岳分岐を通過
岩場を上っていく 鎖や手摺でルートが示されている 登山者を激励する碑文が置いてある
タカネヒゴダイ? チシマギキョウの咲き残り
登山道は赤岳の南側(右側)から回り込む 鎖が設置されているのでルートは明瞭だが落石注意だ
14時54分「竜頭峰分岐」標識を通過 ここもキレットへの分岐らしい イワベンケイも良い色になっている
赤岳 一等三角点「赤岳」2,899・36m
竜頭峰分岐から暫く岩尾根を進むと15時03分「赤岳」南峰にやっと到着した。美濃戸口から実に9時間もかかってしまった。
山頂近くの山小屋まで行けば良いと気楽な気持ちで歩いたが、やはり71歳コンビの体力不足だろうが少し時間がかかり過ぎた。
山頂からの展望を楽しみにしていたが、厚い雲に覆われて360度雲ばかりの景色を眺める。
15時20分 17年ぶりに「赤岳」山頂を踏む あの時、美濃戸口まで迎えに来てくれた両親は今は居ない
三角点と一緒に記念撮影 71歳コンビだ 山頂三角点の向こうに富士山が頭を出す
丁度山荘から空身でグループが来ていたので静かになるのを待って記念撮影をし15時40分北峰を通過して展望荘へと下る。
肩部へ差し掛かると少しガスが切れて主稜線が見える。明日行く事になる硫黄岳をE2号に説明をしながら急傾斜を下り16時
10分山荘へ入る。
赤岳・北峰にある赤岳頂上小屋へと進む 赤岳・南峰を振り返る 南峰と北峰の距離は近い
赤岳からコルに立つ「赤岳展望所」と北に続く横岳〜硫黄岳〜天狗岳への稜線
17年前に清里から上ってきた県界尾根分岐 岩っぽい斜面をコルへと向かう
小屋近くのチングルマは当然綿毛だった 16時10分 赤岳展望荘へ入る
赤岳展望荘
な場所に限られる。収容人数は350人とあるが去年からのコロナ禍で平日はガラガラである。ここの良い点は2〜4人程の個
室がある事だ。受付や食堂がある建物の北側に談話室があり、この棟が一階、2階の個室となっている様だ。この日は個室に居
たのは2人組の男性のみだった。
チェックインするとコーヒー用(お茶兼用)の個人使用の使い捨て容器が渡されてそれに名前を記入して専用に使う。お茶やコ
ーヒーは無料で受付にて何度でも利用可能となっていた。
夕食は使い捨ての食器で味気が無いがコロナ感染対策で安心感がある。一組だけグループが相部屋に宿泊しておりぺちゃくちゃ
良く喋る女性が居たので遠くに座って食事を済ませて直ぐに個室に帰る。どうもこのグループは全員ワクチンを打っている様だ
ったが、それでも食事中に大声で喋るのでそんな場所に長居は禁物だ。
山小屋の個室は事前に聞いていた通り敷布団には全面、掛布団には胸元から襟元、枕カバーと白い使い捨てシーツが用意され
ており、消毒液と紙タオル、ゴミ袋が置かれていた。料金は一泊二食付で13,000円、一般大部屋料金と1,000円し
か違わない。
天気が崩れて夕焼けも出なかったのだが、夜中から猛烈な雨と強風が小屋を揺るがせた。天気予報は曇り時々晴れだったのに山
の天気は分からない。
個室には消毒液、ペーパータオル、使い捨てシーツ 食器類も全て使い捨て容器になっている
ガラガラなので他の個室を見学する 予約が入ると部屋に消毒液や使い捨てシーツを準備する
2021年8月25日 赤岳展望荘〜地蔵ノ頭〜行者小屋〜美濃戸〜美濃戸口
何も見えない。外に出ると強風で立ってはおられない状況だから出発を見合わせて部屋で待機する。チェックアウトの10時に
なっても状況は変わらない。この時点で硫黄岳への尾根歩きは諦めるが、連泊も覚悟して取り敢えず談話室で待機する。
小屋の受付に天気の様子を聞きに行くが小屋の責任者は不在でアルバイトの女性は全く話にならない。その内、出発を諦めた登
山者が談話室に来出したので11時過ぎに地蔵の頭まで出て様子を窺う。尾根筋は歩くのがやっとだが、地蔵尾根を少し下れば
何とかなりそうだった。密になりそうな談話室から抜け出して下山を決める。
朝05時過ぎにアナウンスがあり朝食が始まる その後、個室にて天気の回復を待つ
雨対策をして11時30分小屋を出発し、地蔵ノ頭まで進む。小屋の回りにはウルップソウなども有るらしいが、それどころで
は無い。足元に気を付けながら10分程で地蔵ノ頭まで進み、お地蔵さんに無事を祈った後意を決して岩場を下って行く。風に
飛ばされない様に姿勢を低くしてお尻を擦る様にして岩場をクリアする。霧で辺りは見えにくいが鎖の手摺や蛇籠などで整備さ
れているので登山道が良く分かる。八ヶ岳展望荘の方達によって鎖やステップ、鉄階段が設置されている事を感謝する。
強い風に煽られながら尾根を慎重に進む 小屋から10分程で地蔵ノ頭に着く 雨でメガネが曇る〜
下からの強風に煽られながら地蔵尾根を下る 霧が濃いが鎖の手摺でルートが分かる様に整備されている(感謝)
左手に仏像の様な岩が立つ 登山道は蛇篭(じゃかご)で補強されている (感謝)
11時55分岩場の下部に稜線と同じ赤い頭巾に前掛けのお地蔵さんが据えられていた。更に20分程急斜面を下ると最後の長
い鉄梯子を下る。この辺りで雨が弱くなったので暑くて雨具を脱ぎ行動食を取る事にした。暫く下ると樹林帯に入り風も和らぎ
ホッとする。
稜線から15分程下ると2体目のお地蔵さんが祀られていた 急傾斜には鉄階段が付けられている (感謝)
鉄階段の下で小降りになったので暑くて雨具を脱ぐ 12時16分 ダケカンバ辺りに来ると風辺りが弱まってくる
最後の鉄パイプ整備を過ぎると樹林帯に入る 霧が濃いけど平和な樹林帯に入る
行者小屋
八ヶ岳特有の赤茶けた泥と石の登山道と周りの細いシラビソ帯を更に下って行くと12時55分赤岳鉱泉への分岐標識があり、
「行者小屋」に着いた。小屋の南側が少し高台になっておりそこにテントが2張り程見える。テン場越しに阿弥陀岳が見える筈
なのだが、生憎の低い雲で何も見えない。最初の計画ならここにテントを張る所だった。
赤茶けた登山道と緑の林を下る 植林ではないので間引きされていない 細い幹がびっしり並ぶ
12時55分 行者小屋に着く 赤石鉱泉への分岐になっている 正面にテン場がある 天気が良いとここから阿弥陀岳が見える
八ヶ岳 行者小屋 何度電話しても留守電になってた山小屋だ 結果的にここまでテント泊装備で歩くのはキツかった
17年前に八ヶ岳を歩いた時は硫黄岳から赤岳鉱泉経由で北沢沿いを美濃戸へ下山した。今回は行者小屋から南沢沿をい美濃戸
へ下る。13時03分小屋から標識に従い登山道に入ると直ぐに赤茶けた広い沢筋に出た。白河原と言う名前に似合わず赤河原
である。雨期の後なのに水が流れていないので普段からここは枯れ沢なのだろう。一旦左岸沿いに小道に入るが直ぐに又広い河
原に出る。。
13時32分テープに従って左岸の登山道へ入ると八ヶ岳らしい苔の世界だった。先程我々を追い抜いて行った黒ずくめの若者
が右下の沢から「そちらが登山道ですか〜?」と声がかかる。う〜〜ん 歳の功でこちらの方がルートファインディングに長け
ている様だ。
沢の左岸を歩いている筈なのに13時45分左手に水が流れる沢が現われる。この辺りで先程の若者達に又追い越される。道が
回り込んいるのでどこかで登山道が右岸に変わったのかも知れない。
右手にダイモンジソウが咲く大岩壁が立つ場所で流木などで荒れた沢筋を左岸に渡る。今までも下から来る数組の登山者に出会
ったが、ここでもテント泊装備の若い女性とすれ違う。
山荘の西側に美濃戸口への標識が立つ 直ぐに広い川原に出た 赤茶けた川床には水は流れていない
黒づくめの若者が先行する テープに従い左岸の森に入る
沢山の登山者が歩くルートだから間違いがなかろう 左手の山側がコケの森になっていた
あれ? 又広い河原に出て少し下る 13時32分 すると又左岸側へ小道を入る
岩や倒木がコケに覆われ尽くしている 13時40分 左手からの沢筋に出る
沢の右岸沿いを暫く下る 13時45分 右手にダイモンジソウが咲く岩壁が現れる
若い女性のテント装備姿はカッコいい 一旦左岸に出て、また右岸沿いの岩道を下る
直ぐに右岸に移ると大きな岩がゴロゴロする沢筋の急斜面を下って行く。14時を過ぎると鉄パイプで整備された橋を何度も渡
る事になる。
14時15分「赤嶽神社」の岩屋休憩所に着き少し休む。赤岳山頂にある神社も「赤嶽神社」と言うので関連があるのかも知れ
ない。石碑の前にはお賽銭が置かれていたので登山者が安全祈願をしているのだろう。10分程下流で何度目かの橋を右岸に渡
ると暫くは沢筋を離れてトラバース道に入る。
14時50分トラバース道から砂防ダムのある広い沢筋に復帰する。地形図を見ると1,922mと記された場所でまだ美濃戸
までは距離がありウンザリする。一旦鎖が張られたトラバース路を抜けて急傾斜を下ると沢の水量が増えて橋を幾度か渡りなが
らなだらかな道を下って行く。
14時04分 沢に近づいた様だ 鉄パイプの整備された橋を渡る
同じような橋を幾度か渡る事になる 岩の切通し場を抜けると祠のある大岩に到着する
14時15分 岩屋があり石碑の前にはお賽銭が置かれている 岩屋の祠には「赤嶽神社」と彫られている
赤嶽神社の下流に又橋が現れた 更にその下側にも右岸に渡り返す橋が見える
14時48分砂防ダムの下側に出る スマホを忘れたE2号は私のスマホで連絡を入れている
川筋が崖で進めないのか鎖でトラバース道が付けられている 又 川筋に復帰する
お馴染みの橋を左岸に渡る 15時35分 もうこれで最後だろう 橋を右岸に渡る
ミヤマホタルブクロ トリカブトも珍しくはないんだけど
懐かしい美濃戸に着く
15時45分やっと「美濃戸山荘」の建物に着く。ソフトクリームの看板があったがどうも休業中の様だった。E2号は水場で
顔を洗ってサッパリしたようだった。その下側にある「赤岳山荘」と「やまのこ村」は車が停まっているので営業をしている。
結構多くの車がここまで入っている様だった。
思えば17年前、家族旅行で清里に来た時に1日自由時間を貰って清里から県界尾根ルートで赤岳に登った。途中や尾根筋で雷
雨に遭いながら硫黄岳へ縦走し、家族の待つここ美濃戸に夕暮れ下山して心配をかけたほろ苦い思い出の地である。
美濃戸からは車の通る林道を45分程歩いて美濃戸口へ着いた。駐車場を管理する八ヶ岳山荘では日帰り入浴が可能で他の登山
者も居ないので風呂に入る事にした。
15時45分 美濃戸山荘に付いて顔を洗うE2号 ミヤマオダマキ 何でもミヤマを付けとけ〜〜
「(八ヶ岳・みのど) 赤岳山荘」 同じような名前があるのでややこしい 「やまのこ村」
美濃戸口バス停への標識が立つ 北沢と南沢を合わせた柳川に沿って美濃戸口へ下る
16時45分車を駐車している「八ヶ岳山荘」に帰り着く 500円でお風呂に入って次の目的地 蓼科へと向かう
次の遠征二座目 「蓼科山」(たてしなやま) は ここ
遠征三座目の 「恵那山」(えなさん)は ここ