鈴鹿山脈遠征 令和1年5月22日(水)〜5月24日(金)

1日目「藤原岳」、2日目「竜ヶ岳」、3日目「五在所岳 & 鎌ヶ岳 」 (2泊3日)

鈴鹿山脈 3日目 御在所岳・鎌ヶ岳 位置図

  3日目は御在所岳と鎌ヶ岳へ


2019年 令和1年5月24日(金)

御在所岳と鎌ヶ岳

ルート:武平峠登山口〜武平峠〜御在所岳〜武平峠〜鎌ヶ岳〜武平峠〜登山口

武平峠を基点とする御在所岳と鎌ヶ岳ルート図

カシミールソフトを利用したGPS トラックログ図 御在所岳と鎌ヶ岳


県境「武平峠」(ぶへいとうげ)標高約800m

前日、温泉で色々有ながらもサッパリした後、武平峠の三重県側駐車場(トイレ有り)でテントを張る。木曜日と言う事で
駐車場には我々の車しか居なかった。武平峠は滋賀県の甲賀市と三重県の湯の山温泉のある菰野(こもの)町を結ぶ国道
477号線の県境峠部で、ここから北の「御在所岳」、南の「鎌ヶ岳」登山口となっている。


当初は「鈴鹿スカイライン」の名前で昭和47年に有料道路として開通し、平成9年に無料化したらしい。やはり冬場に積
雪が多いので瓶ヶ森林道の様に冬季は閉鎖になっている様だ。


05時に起きお湯を沸かして簡単な朝食を摂る。駐車場から右上を見るとロープウェイの白い台座と魅力的な岩峰が見える。
本来ならこの岩峰沿いに御在所岳を美しい周回ログで歩く亀吉ルートが、私のスケジュールの都合で武平峠からのピストン
になって申し訳なく思う。



 国道477号線 武平峠の三重県側にある広い駐車場にてテント泊をする


 駐車場近くから御在所岳のロープウェイと山頂駅、南斜面の岩峰が見える

06時00分駐車場を出発して県境トンネルへと向かう。トンネル手前の右手に登山口があり谷部へと入り急な傾斜を上ると06時
21分鞍部の武平峠に着く。


御在所岳と鎌ヶ岳の鞍部(高さ880)は「武平峠」(ぶへいとうげ)、又は「湯の山越え」と呼ばれている様だ。何でも滋賀県の
近江側と三重県の湯の山を結ぶ交易路であった頃、この峠付近に茶店があり、茶店の権利を近江の久田武平(ぶへい)と言う人が譲
り受けた為に武平(ぶへい)峠と呼ばれる様になったらしい。この峠部に向かってトンネルの西側、滋賀県側からも登山道がある。


  
  駐車場から裏手の山に入り朝日を眺めに行く         06時00分駐車場を出発して武平トンネルへ向かう

  
 06時07分 武平トンネルのすぐ手前、右側の登山口を入る  沢っぽいザレた傾斜を登る

  
     06時21分 武平峠(登山道)に着く  武平峠は御在所岳と鎌ヶ岳への登山口分岐となっている


北側の登山道へ入ると早速花崗岩質のザレ場が現れる。樹林帯に入っても掘れ込んだ道に花崗岩の岩が転がっている。06時43分
岩場に出ると絶好の展望所となっており、南側の鎌ヶ岳が尖って魅力的な姿を現す。大好きな安全で面白い花崗岩の岩場を20分程
這い上がって行く。
07時10分この尾根にシロヤシオの花が現れた。

御在所伊岳を見上げると何かモダンなお寺の様な建物が見える。山頂で調べると御嶽(おんたけ)神社だった。。


  
 北側の尾根を進むと最初にザレ場がある             登山道は雨水で抉れている

  
  風化した岩がゴロゴロ転がる登山道                06時44分 岩場に出ると南側の展望が開ける(鎌ヶ岳


  
   鎌ヶ岳を眺める鈍亀さん                      岩の回廊を進む


  鈴鹿山脈の最終山となる鎌ヶ岳をバックに


               岩場ってワクワクするよね


 尖塔をバックに武平峠から鎌ヶ岳jへの県境稜線  平たい山が多い鈴鹿山脈でこの尖がりは目立つ

  
 御在所岳方面にはモダンな御嶽大権現の建物が見える    おっ シロヤシオが綺麗に咲いている


武平峠側から御在所岳へ登ると山頂部は3層の台地状の地形になっている。07時10分最初のテーブルに着くと何かの施設跡か
鉄柵フェンスがあって侵入禁止エリアがある。そのフェンス向こうに綺麗なシロヤシオが咲いていた。


登山道はそこから右手に回りこんで笹の小道となるが直ぐに舗装道路に出た。後はこの舗装道路沿いに進んで行く。第二テーブル
を右手から回り込むと07時23分八大龍王の鳥居があり、長者池や御岳神社・大権現へ続く道があるが、下から見上げる御岳神
社はモダン過ぎて行く気が起こらなかった。

長者池の由来は明治時代にこの池で霊験を得た人が病を彼の手で撫でると治ったという事でシャーマンの様な手法で巨万の富を築
いた事から名づけられたらしい。御嶽大権現も御嶽教の修験者がここがいい場所だと明治17年に木曾の御嶽神社から分祀した社
を作ったという場所で歴史は非常に新しい物であんまり興味をそそられない。



御在所岳  一等三角点「御在所山」  1,209.41m

広い木道が続くなだらかな道を御在所岳のピークへと向かう。07時35分御在所岳。一等三角点に到着するが、ここはもう山頂
と言うよりは公園だ。花崗岩の丸いデカ岩も整備された山頂では庭園のイメージとなっている。山頂の大看板には標高1,211.
95mと記されているが、これは西隣にある望湖台の標高らしい。


  
立ち入り禁止のフェンスがある 何かの施設跡かな?         右手に回り込むと07時20分 舗装道路に出た

  
 07時23分 山頂直下の台地にある長者池の入口を通過する


  07時35分 御在所岳の山頂に到着する

  
山頂は滋賀県と三重県の県境だ                    御在所岳で勝鬨(かちどき)を上げる


左手にある望湖台に向かってシャクナゲを見ながら岩場に出ると西側の雨乞岳らしき山塊が見えたが琵琶湖は霞んで確認出来なか
った。
この山頂でさえ人間臭いので、ましてやロープウェイ乗り場まで行こうと言い出す者は居ない。

  
 シャクナゲを見ながら藪を越えて望湖台へ進む       望湖台は西側の琵琶湖方面が見渡せる


   望湖台にて地元の登山者に色々質問をする亀吉さん


  御在所岳から北に一段下がった台地と鎌ヶ岳を眺める 右手の建物が御岳神社だ

  
 ロープウェイ山上駅は眺めるだけ〜〜         北西側の斜面にも岩場が見える


   御在所岳の山頂部はまるで庭石を置いたような丸い石が並ぶ
  

08時10分鎌ヶ岳を眺めながら木道を下っていくとハルリンドウが綺麗に咲いていた。08時55分あっけなく武平峠まで下っ
て少し休憩する。この時間になると登山者が結構見られる様になって挨拶を交わす。

  
  なだらかな木道を下る                ハルリンドウがあちこちに咲いていた

  
  舗装道路から山道へ入る                岩場を下る

  
 風化した花崗岩の道を下る              08時55分 武平峠に帰り着く


武平峠〜鎌ヶ岳〜武平峠


武平峠から鎌ヶ岳への登山道は同じく風化した花崗岩質の尾根でイワカガミなどが多く見られた。御在所岳への尾根道より樹林帯
も多く変化に富んでいる。アオダモの白い花もこの時期ならではの風景だ。


09時12分花崗岩のザレ岩が現われて適当に這い上がる。登山道は又樹林帯に入るが足元はザレた花崗岩が転がる尾根が続く。
09時33分尾根の肩部に上がると前方に鎌ヶ岳の鋭い山頂が現れる。花崗岩特有の縦割れた岩が乱立しているが、甲斐駒の様に
白くは無い。
鎌ヶ岳が良く見える場所まで来ると、尾根が激しく崩落している様だ。登山道は当然崩壊で残された右手の縁に沿っ
て付いている。


  
 御在所岳と同じような登山道を登る                 イワカガミが咲く尾根を鎌ヶ岳へ向かう 

  
           アオダモらしき白い花               花崗岩の風化した岩場を這い上がる

  
 樹林帯だが足元は風化した花崗岩帯だ              随所に風化した岩が露出した登山道が現れる


    花崗岩の岩が立つ向こうに鎌ヶ岳のピークが現れる


            鎌ヶ岳の下部には尾根の崩壊部が見える

  
  崩壊地の直下に出る                        崩壊地の右手に沿って上って行く

  
    イワカガミが沢山見られる                        ザレ場を上がる


09時55分ルートは崩壊地を避けて右手の樹林帯にトラバースして行く。右手の岩尾根を眺めながら斜面を這い上がって行くと
10時05分錆びた鉄製の鳥居と祠に着いた。どうも祀神は天照大神らしい。奥に進むと大岩と山頂標識があった。向かいの御在
所岳を眺めてから日陰に入ってブランチ休憩する。

  
   09時55分 ザレ場をトラバースする      尾根を右手に回り込んで草付きの樹林帯を上がる

  
  最後は木の根が露出した急傾斜を上がる      右手に南側の県境岩尾根がある

  
 10時05分 鎌ヶ岳の山頂に着く          天照大神が祀られた鎌ヶ岳神社の祠


    鎌ヶ岳 山頂


    鎌ヶ岳山頂より御在所岳をバックに亀吉とエントツ山
 

10時30分下山開始。左手の県境部岩尾根を少し下り写真を撮った後トラバース道のザレ場へ進むと県警の若い訓練隊に出会い
ご苦労様と声をかけながら行き交う。途中で尾根筋を直接鎌ヶ岳へ登るルートを確認し納得して戻る。崩壊地に出て、朝歩いた北
側の御在所岳
をチラチラ眺めながら下る。厳しい場所にはイワカガミが鮮やかな色で咲いている。コマクサなどもそうなんだけど
厳しい砂礫地や岩場の栄養分が乏しい場所で尚一層の濃い色を出す花は不思議な気がする。

人間も厳しい環境に適して頑張るタイプも居るし、ゆったり満たされた環境で能力を開花するタイプも居る。イワカガミを家の庭
に持って来ると萎んでしまう様に逆境に強いタイプの人間は得てしてフツーの社会では不適合者になる場合もある。私も亀吉さん
もそこそこどちらの世界にも順応出来る中途半端なタイプらしい。

掘れ込んだ風化石とザレ目の砂礫地に注意しながら下ると11時33分武平峠に下り着く。こんなに早く下山出来るのなら御在所
岳のルートを少し長めに設定出来たのだが、遠征の場合はこんな小さな後悔が多い。何にせよ無事に3日間歩けた事を良しとしよ
う。

11時45分駐車場へ帰り着くと、朝出発時に空だった駐車場は車で溢れていた。昨夜の内にここでテント泊が出来て良かった。

  
  南側の県境磐尾根へ亀吉とエントツ山が下りて行く   上で食事をしている人が「年寄りが何処へ行っきょんな?」と話している


        亀吉さ〜〜ん  適当な所で引き返しましょや〜〜〜

  
 県境尾根からトラバース路に引き返す               沢山のイワカガミが咲いていた

  
  トラバース道に県警の若者がトレーニング中だった      トラバース路を横切る

  
  尾根直登ルートを見て元に帰る                  日差しが強く登山道に葉っぱの模様が出来る

  
 こんな鎖場 有ったっけ?                     大体 こんな場所では 3〜4回は滑る

  
  甲斐駒や燕岳を思い出す                      武平峠も近い

  
 11時33分 武平峠に下り着く                    ザレた沢沿いの道を登山口へ向かう

  
 右手が武平トンネルだ                         登山口に無事帰還〜〜


慌ただしい3日目の御在所岳と鎌ヶ岳だったがまあ二山の雰囲気だけは味わう事が出来た。北アルプス遠征に比べると車での移動
距離が少なく、標高もそんなに高く無い山なのでお手軽だが個性があってお得な遠征となった。

掲示板でストーンリバーさんやオカシンさんから紹介のあった「竜ヶ岳の白ヒツジ」をきっかけに今回、鈴鹿山脈に初めて足を
踏み入れる事になった。土地それぞれに山の特徴があり、色んなチャンスを利用して出来るだけ多くの山を歩きたいと思う。

伊予の鈍亀さんと山の遠征に行く時はまず旅館に泊まるという発想は無い。従って費用も高速道路代とガソリン代を折半するだけ
なので安くつくのがいい。一人で遠征に行く時もテント泊なので交通費以外の出費は少ない。(今回みたいに日帰り温泉でのハプ
ニング出費は別として・・・。山に登るのに贅沢はしたくないって言うのが共通の価値観なのでコラボ遠征が成立する。


夕方、川之江高速を降りて、イオン駐車場に着くと車には長時間の駐車はご遠慮願いますという張り紙が2枚ワイパーに挟まれて
いた。入り口のジョイフルで反省会と旅費精算の後車に帰ると3枚目の注意書きが貼られていた。まあ大型駐車場での一角だから
大目にみて貰い、駐車違反の罰金までは取られない様だから次回もここが集合場所になるだろう。



鈴鹿山脈遠征 第1日目 藤原岳  聖宝寺コース〜藤原岳〜大戸貝コース〜坂本自然学習道   は     ここ    

鈴鹿山脈遠征 第2日目 竜ヶ岳  宇賀渓〜遠足尾根コース〜竜ヶ岳〜石榑峠〜砂山コース〜宇賀渓 は  ここ     


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