鈴鹿山脈遠征 令和1年5月22日(水)〜5月24日(金)

1日目「藤原岳」、2日目「竜ヶ岳」、3日目「五在所岳 & 鎌ヶ岳 」 (2泊3日)


  鈴鹿山脈4山ルート図 北から藤原岳、竜ヶ岳、御在所岳・鎌ヶ岳


          藤原岳から竜ヶ岳への移動と登山ルート図

2019年 令和1年5月23日(木) 竜ヶ岳

宇賀渓登山口〜遠足尾根〜竜ヶ岳〜石榑峠〜砂山〜宇賀渓登山口


カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図

早05時に起きてお湯を沸かし簡単な朝食を摂った後テントを片づける。今晩もテント泊なのでテントは畳まず乾かす為に荷室に
帆織り込む。朝早くから世話好きオバサンが出て来てああせい、こうせいとお節介攻勢から逃れる様に06時10分管理人さんに
メモを置いて出発する。


登山口には喫茶店や土産物屋、スナックなどがあるが普段はそんなにお客さんも来ないだろう。観音堂を右に見ながら員弁(いなべ)
川の支流「宇賀川」に架かる橋を渡る。名古屋大学の宇賀渓・地殻活動観測点の施設を見ながら川沿いの北河内林道を上流へと進む。



         05時過ぎに起きて宇賀渓駐車場の隅で簡単な朝食を済ます

 
車の横でテント泊の時はファイントラック・カミナドームを使う   06時10分 宇賀渓登山口を出発

  
   宇賀渓登山口 駐車場やキャンプ場の受付       宇賀渓の宿泊施設やスナック、喫茶店などがある 日帰り温泉は無い

  
遠足尾根へは宇賀渓を渡るのでアーケードのある右側へ    観音堂が右手にある

  
 宇賀渓の清流 秋は紅葉が美しそうだ                宇賀川の橋を渡る

  
   北河内林道を遡る                         06時46分遠足尾根の登山口   竜ヶ岳の標識有り


遠足尾根を歩く

06時46分植林帯の広い道路から右手の竜ヶ岳への標識に従って山道に入る。植林の急登をジグザグに整備された登山道を上って
行く。林床にはエビネが花を咲かせていた。我が家の庭にも高知で買ったエビネがあるのだが、隅っこの陰に有る為に花を見る機会
を毎年逃している。山野草は庭で見るより自然の中が良い。


07時42分石灰岩質の岩場が現れ、岩の上に立つと左手に手前のピークと奥に竜ヶ岳が見えた。結構遠足尾根は長い距離を歩く様
だ。そこからは藤原岳の直下と良く似た石灰岩質の岩がゴロゴロした登山道の急登が10分程続くと一旦なだらかな地形となる。

08時00分自然林に変わると尾根部に出た様だ。尾根筋に出ると広葉樹の緑に太陽の光が降り注ぐ快適な登山道となり時々緑の中
に現れるミツバツツジの鮮やかな色が新鮮に感じる。尾根が少し広くなる場所では登山道が掘れ込んで多くの登山者に歩かれている
様だ。


  
      植林帯の急登になる                     登山道は結構整備されているいる様だ

     
 綺麗に枝打ちされた植林帯だ                       エビネが咲いていた (伊予の鈍亀さん提供)

    
  07時2分 石灰岩質の岩場が現れる               登山道はこの岩場を乗り越える様だ


       奥に竜ヶ岳が見える  南側の斜面はザレている様だ  中央が金山尾根で、その向こうが中道尾根か

  
 植林帯の足元は藤原岳の様な岩榑(くれ)に覆われている   傾斜が平坦になってくる

  
08時00分 尾根部に着くと自然林となる                自然林だが足元は相変わらず岩榑だらけだ

  
   アセビとネジキのトンネル                      道は良く踏まれて掘れ込んでいる


08時36分登山道は樹林帯の尾根筋を少し左手にトラバースした笹原沿いとなり気持ちの良い景色が広がる。余りにも天気が良す
ぎて暑さにやられないか心配になる程だ。亀美さんに体調を聞くと「絶好調よ」と答える。何事もフツーが良いのだが・・金山尾根
の向こうに竜ヶ岳と思われるピークが頭を出している。


08時50分964mピークの小高い肩に上がるとバックに員部川(いなべがわ)沿いに広がる田んぼの水が香川の溜池の様に見え
る。大山の弥山もそうだが、眼下に下界の景色が広がる光景は爽快感を与えてくれ、思春期に見た映画「サウンドオブミュージック」
のシーンを想いだし老人すら少年や少女の様になる。これも山歩きの醍醐味の一つだ。


  
08時36分 左手が笹原で開ける                   竜ヶ岳のピークが頭を出す  手前が金山尾根だ


                         昨日登った藤原岳(右奥)  


            伊勢湾をバックに少年に還る・・・・・  無理か〜〜

アセビの丘

1,042mピークに向かうなだらかな斜面にはシロヤシオが無く、代わりに馬酔木(あせび)の樹がポンポンと生えている。やは
り今年は裏年なのか・・・まあアセビも白くはないがグリーンのヒツジに見えなくもないわ。

09時15分初めてシロヤシオの花が姿を見せる。一つ見つけるとあっちもこっちもと結構咲いている。目的は笹原斜面にヒツジの
放牧の様に見えるシロヤシオなのだが、まあ昨夕登山口で会った若者からサッパリだと聞いていたので咲いていてくれるだけでも嬉
しい。


  
 09時を過ぎると辺りにアセビが多くなる              新芽が少し赤みがかるアセビ


               振り返ると斜面がアセビの羊になっている

  
  ミツバツツジは蕾が多い                       09時15分 尾根部にシロヤシオが咲いていた ホッ

  
一本見つけると辺りに結構咲いていた                 ミツバツツジもそれなりに美しい


              歩いて来た遠足尾根を振り返る

09時40分「金山尾根」分岐標識に出合う。竜ヶ岳の本峰が前方に見えるが一面の柔らかい色をした笹原の斜面で、シロヤシオ
などの樹は上部斜面には見られない。しばらくしばらく進むと
馬酔木とシロヤシオの樹林帯が現われて、白い花を追って右往左往
する。


左手斜面の下方に白く染まった一本のシロヤシオが立っていたのでそちらに下ってみる。ヒツジの群れは見られないので単体の羊を
追うって訳だ。
10時00分この感じの良いシロヤシオを題材にして写真を撮る。

登山道に帰って竜ヶ岳へ向かう。確かに斜面の下部にはシロヤシオの樹が点々と存在する。これが全て綺麗に咲き誇るとヒツジにな
るのかなあ。
こんどは尾根の右手にシロヤシオが沢山見えたので又寄り道する。主役のヒツジが居ないので脇役を探して上へ下へと
忙しい。ここにも一本綺麗なシロヤシオが見えたのでそれを目がけて斜面を下る。


  
 09時40分 金山尾根分岐に到着                  左下の遠足尾根を登って来た  奥は四日市方面


          金山尾根分岐から四日市〜伊勢湾方面を見下ろす

 
  手前の尖がりが釈迦ヶ岳、その右奥が御在所岳    右へ離れた山塊が雨乞岳か


        ビロードの様な笹に覆われた竜ヶ岳  この斜面には羊が少ない様だ


          尾根の左斜面に下り一本のシロヤシオを追って記念写真〜〜

  
今度は尾根の右手に出て県境尾根とシロヤシオを見る 左手前が銚子岳、その奥が御池岳、右手が藤原岳だろう

  
 シロヤシオを求めて彷徨うイノシシ                 裏年でも足で稼いでシロヤシオを堪能する


竜ヶ岳 二等三角点「竜ヶ岳」 1,099.3m

10時50分又尾根に復帰して今度こそ竜ヶ岳へと進む。確かに竜ヶ岳への斜面や逆の尾根筋には沢山のヒツジ予備軍が見られる。
11時06分広い竜ヶ岳の山頂部に到着した。山頂標識と三角点は少し離れた場所にあった。この時期、人気の山だけにそこそこの
登山者がのんびり休憩している。

確かに厳しさの無い山はそこに居るだけでのんびりする。人間でも厳しい人の傍では緊張するが、のんびりした人の横では平和な気
持ちになるもんだ。荒々しい山も自然の厳しさを感じさせて身が引き締まるが、のどかな山も心をリラックスさせてくれる。色んな
山を楽しみたいものだ。南側には釈迦ヶ岳から御在所岳方面が見えるが一期一会の山なれば地図を出して同定作業などまではしない。



          シロヤシオが点在する竜ヶ岳へ向かう


     竜ヶ岳直下で振り返る  なだらかな尾根にもヒツジの予備軍がいる  奥が藤原岳  

  
 11時06分 平らな竜ヶ岳の山頂に着く                    二等三角点「竜ヶ岳」


      鈴鹿山脈 2座目の竜ヶ岳ゲット〜〜   奥は藤原岳


竜ヶ岳から御在所岳を眺める  あと何年こんな景色を眺める事が出来るんかなあ・・・・・と老人二人の背中にはちょっと哀愁が漂う


石榑(いしぐれ)峠へ

11時15分南側の石榑峠(標高669m)に向かって下山開始する。竜ヶ岳は南北に肩部を持つ細長い山塊で石榑峠へは南西方向
に向かってなだらかな稜線を下って11時28分肩部まで進むとそこから石槫峠付近が見える。峠部の道路には沢山の車が停まって
いるので登山口になっている様だ。標高差410m程の激下りになるから急斜面は覚悟の上だ。登山者にも結構出会う様になったか
ら、こちらの登山道の方が多く利用されている様だ。


11時50分標高830mにある「重ね岩」に着く。典型的な花崗岩の岩場で当然岩場の上まで行って記念写真を撮る。昨今イン
スタ映えを狙ってこんな場所は結構混雑するが、幸いにしてここでは登山者が少なくてゆっくり写真撮影が出来た。岩場近くの登山
道にはベニドウダンやイワカガミが咲いている。


  
11時15分 石榑峠へ向かって下山する 南面が崩壊している   途中から竜ヶ岳を振り返る


    竜ヶ岳の南肩付近に出ると石槫峠(いしぐれとうげ)が見える  奥は御池岳と釈迦ヶ岳、その奥が御在所岳

  
  樹林帯だが急傾斜の登山道                     11時50分 重ね岩に着く


   周りが樹林帯なので良く目立つ「重ね岩」 

  
   平均年齢70歳か〜〜〜                               イワカガミ  

重ね岩から下側は風化した花崗岩質の砂礫地となっているので滑りやすい尾根となる。ここを気を付けながら下って再び樹林帯を抜け
ると12時37分アスファルト道路が通った「石槫(いしぐれ)峠」に下り付く。峠部はコンクリートブロックにチェーンを
掛けて車が東側には通れない様にしている。

石槫トンネルが開通する前はこの峠を車が通行していたのだが悪路の為 幅2.0m 重さ2トンまでの制限があった。その名残り
の2m幅のブロックゲートで現在はチェーンを掛けられて東側には車両通行止めとなっているが、西側の滋賀県側の石槫トンネル近
くから車道(旧道)が石槫峠まで延びており、ここから竜ヶ岳へ登山する人が多い。

  
  花崗岩の風化砂礫地の尾根                         砂礫地を下る

  
   その後 樹林帯に入る                       峠に近づくと又風化花崗岩が現れる

  
12時37分 石榑峠に下り着く                    滋賀県側・東近江市へ車道が下る (石榑トンネルまで続く)

  
峠の向こう側は三重県・いなべ市となっている          県境峠部にはブロックとチェーンが置かれて東側に車は通れない

 
小峠から砂山尾根へ

石榑峠から暫く不通となっている東側の車道を下ると12時55分「小峠」分岐に着いたのでここで区切りよく昼食とする。この場
所から少し下った所から尾根に入る分岐が有るので正確にはその場所が小峠かも知れない。


13時15分旧道・小峠分岐から山道に入る。このルートは宇賀川の上流部に沿って中道分岐、金山尾根道分岐を経て今朝登った遠
足尾根分岐に至る谷道だ。但し、我々はパンフレットにある「砂山」を経由して遠回りで出発点の宇賀渓キャンプ場へ帰る事にして
いる。


道は宇賀川上流の谷部に沿って下って行く。渡渉を繰り返すがテープが要所に置かれているので不安は無い。13時31分砂防堤の
有る広い本流部に着いた。ここで暫くルートの思案をする。少し下流に長尾滝っていうのが有るのでそこまで行って引き返すか、そ
れともこのまま尾根に這い上がるルートに進むか。四国で地図を見ながら計画を立てる時には目いっぱい欲張りなルートを考えるの
だが、いざ現場に来るとその計画は多少縮小、削除される運命にある。駐車場のおじさんが帰らない内に下山しないと清算出来ない
事もあり、尾根に這い上がり砂山を目指す事にした。


  
車の来ない旧国道421号線を下る                 幅2m制限のコンクリートには車が擦った跡が付いている


 12時55分 小峠分岐に到着して少し休憩がてら昼食を取る

  
 すぐに小沢を渡渉する (水はほぼ流れていない)        植林の中を沢に沿って進む

  
 沢に沿って登山道が続く                         何度か渡渉を繰り返し、沢沿いを下る


  13時31分 本流部に合流  ここから右岸に幅の広めの道がある


初めから峠へのルートへ行くのなら小峠分岐の先から直接尾根に取りつく破線ルートもあったのだが、初めての山では後の祭りって
事が多い。
13時38分落ち葉が溜まって滑りやすい急斜面を這い上がり、20分程で尾根部に着く。竜ヶ岳の登山ルートには番号
が振られた標識が木に掛けられているが、もう一つそのナンバー配置が良く分からない。


  
 宇賀川の右岸を少し下る                       砂山分岐に従って尾根の傾斜に取りつく

  
 木に番号が掛けられている                      尾根筋に上がる

  
  足元の土は風化した花崗岩だ                   竜ヶ岳の山域には木に番号が振られている


残念な場所「砂山」

14時08分竜ヶ岳を見渡す事が出来るベニドウダンが咲いた尾根展望所があったので記念写真を撮る。三時間前まではあの山頂に
居たのだ。時の経過と人間の移動の不思議を感じる瞬間でもある。この辺りの尾根も花崗岩が風化した地質でイワカガミのテカテカ
光る葉っぱが沢山足元に現われる。


14時25分砂山らしき小規模な岩場に着く。パンフレットでは結構土台岩を持った迫力ある尖塔の向こうに四日市の街が広がって
いるのだが、イメージが相当違う。何度もパンフレットの写真と現物を見比べるが同じ物とは思えず辺りをウロウロしてオベリスク
を探すが見当たらない。
ここから「尾根道」と「案内所」のルートが分岐する。こんな所に案内所? 意味がわからん・・・
(結局の所、案内所とは宇賀渓登山口の事だった。)ややこしい標識を立てるな〜〜

取り敢えず尾根を進めば元祖「砂山」があるかも知れないので左手の尾根を進む。途中、花崗岩のザレた場所はあるが立派なオベリ
スクなどお目にかかる事は無かった。



14時08分 竜ヶ岳を眺める尾根展望所があった  右側のピークに三角点がある

  
        ベニドウダンツツジ                   これだけ道が掘れこんでいるって事は人が結構歩いてる?

  
 イワカガミの葉っぱが足元に広がる                 花崗岩の岩が現れる

  
  砂山山頂の標識があるけれど・・・                 お〜〜っ  これがオベリスクかな?


  14時25分 砂山らしき小規模な岩峰に到着  う〜〜ん いなべ市のパンフレットと随分違うわね

  
尾根道を進むが案内所って何だ?                 ワイルドな尾根道を下る

  
   花崗岩特有の尾根だ                        花崗岩の細尾根

グリ石の遊歩道

15時02分グリ石が階段状に配置された遊歩道と合流する。オベリスクが見当たらない話題から今度はこの膨大な数のグリ石をど
うやって運んだのだろう?って暇に任せて話しながら下ると15時37分キャンプ場近くの道に着いた。


  
15時02分 遊歩道に合流した様だ                  遊歩道に下りる

  
こんなグリ石 一体どうやって運んだの?               立派な手摺まで付いている

  
  沢の音が大きくなったのでそろそろ終点かな          15時37分 アスファルトの道に着いた

  
 宇賀渓にある喫茶店の角に出てきた                何とか宇賀渓の受付けが閉まる前に間に合う



宇賀渓売店での交流

宇賀渓駐車場のおじさんが居たので清算を済ませる。駐車場でテントを張ったのだが、キャンプ場では無いって事で特にお金はかか
らなかった。土産物屋にかき氷の看板があったので飛び込む。隣のスナックを経営するママさんに氷を作って貰う間、先代のおかみ
さんがやってきて話し込む。その85歳になる先代がやけに竜ヶ岳のピンバッジを買わないかとセールスしてくるが日本百名山でも
無いので買わなかった。

砂山の話になってかき氷を作ってくれた若おかみが行った事があると言うので「写真と全く違うで」と言うと、あれは相当前の写真
ですって言う。いなべ市の観光協会に誇大広告だとクレームせにゃイカンと亀吉さんが冗談とも本気とも取れる口調だ。確かにギャ
ップが酷過ぎる。あれなら谷コースを歩いて滝見物の方が良かったと思った。


  
  宇賀渓入口の食堂 2代目がスナックのママさんだ      食堂の初代女将さん 84歳?  ネットより拝借


エントツ山、温泉で裸引き回しの刑に

亀吉さんがこの辺りの日帰り温泉について若女将に聞くと、予定していた温泉は定休日だと言う事で別な施設を紹介してくれた。
場所は次の目的地・五在所岳に近い湯ノ山温泉地区の「アクアイグニス」という豪華で広い温泉集合施設だった。ここには宿泊施設
やレストラン、喫茶店、洋菓子店などがあるのだが値段が高そうなので「片岡温泉」と言う温泉施設だけ利用させて貰う。


年中無休で06時から24時まで営業、ロッカーや洗い場、湯船が広くて平日600円(休日800円)という登山後にはバッチリ
の日帰り入浴施設だ。


温泉施設に入る前に亀吉さんの車にカメラ、スマホ、財布などの貴重品を残して、着替えと千円だけ持って入る。サングラスは外し
忘れてそのままだ。受付で600円を支払い男湯へ。ロッカーも6列程ありゴルフ場の風呂場みたいだ。そこで分かり易いラッキー
セブンの7番ロッカーを使用。百円を入れるロッカーだが貴重品は全て車の中なので鍵を掛けずにそのまま風呂場に飛び込む。

いい湯だな〜と亀吉さんと話しながら2度洗って2度湯船に浸かる長時間新記録で綺麗になってロッカーへ帰る。あれ? 鍵が掛か
っている。どうして? 念の為に周りの空いているロッカーを見るがどこにも私の着替えが無い。


ちょうど掃除をしに来たオバサン従業員に私が使った7番のロッカーに鍵が掛かって空かないと訴える。温泉施設では良く鍵を失く
すお爺さんが居るみたいで信用してくれない。他の場所でしょ? 鍵を失くしてませんか?と押し問答を繰り返す。「とにかく支配
人を呼んでマスターキーで空けて下さい」「それは規則で出来ません」「とにかく支配人をお願いします」


支配人がやってきてやはりロッカーは「他のお客さんの私物が入っているので開けられません」と言う。その間、従業員が全てのカ
ギが掛かっていないロッカーを見て回るが全て空だ。う〜〜ん 「あなたが行った風呂場を案内して下さい」と言われて洗った場所
、湯船に浸かった場所、休憩した場所を案内するが当然鍵は落ちていない。「だから鍵は掛けなかった
って言ってるでしょ!」
「いえ 鍵を失くされてそう言い張る人が居るんですよね」


まあ、いくら捜索しても鍵が出てこないので支配人は「う〜〜ん 鍵はマスターキーで空けますが、この鍵はもう使えないので2千
円要りますがどうします?」「どうしますってもハダカで帰る訳にも行きませんわ」と支払いに同意してアンラッキーセブンのロッ
カーを開けて貰った。そこで私のスッポンポン裸引き回しの刑が2千円の罰金でやっと終了した。

支配人の話だと百円を入れて鍵をかけても、又鍵を開けるときに百円は返ってくると言う。え〜〜そんなややこしい事が世の中にあ
るのか? それじゃ初めからお金を入れなくても鍵がかかるシステムでいいじゃん! 後の祭りじゃ 


さて、問題の2千円は亀吉さんの車の中。先程まで横で喜んでいた亀吉さんが居ない。支配人に車にお金を取りに行ってきますと言
って亀吉さんを探すが見当たらない。どうも休憩室で私が挙動不審に前をウロウロする姿を見たのに何をしてるんだろうかと声をか
けずに見守っていたらしい。私と言えばサングラスをかけたままで暗い休憩室のソファーにふんぞり返っている真っ黒い亀吉さんに
気が付かない。


途方に暮れていると亀美さんから声がかかる。「亀吉さんは?」と聞くと奥から「ここにおるで」と言う。キーを借してと言うとお
金ならあるでと2千円をその場で借りて一件落着。

もうその後、二人の笑いものになりながら明日の登山口武平峠へと向かった。知らぬこととは言え百円を惜しんだばっかりに2千円
損したお話でございました。  お粗末!



  
レストランや温泉、イチゴ狩りなどの総合施設 アクアイグニス   アスアイグニス内にある温泉施設「片岡温泉」


鈴鹿山脈遠征 第1日  藤原岳 聖宝寺登山口〜裏登山道〜藤原岳〜大貝戸(表登山道)〜鳴谷神社    は     ここ    

鈴鹿山脈遠征 第3日  御在所岳と鎌ヶ岳  武平峠〜御在所岳〜武平峠〜鎌ヶ岳〜武平峠           は    ここ  

   
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