高縄山系縦走 2泊3日 (反時計回り)

福見山〜明神ヶ森〜白潰〜東三方ヶ森〜五葉ヶ森〜楢原山〜伊之子山〜北三方ヶ森〜高縄山〜大月山


カシミールソフトを使ったGPSトラックログ図  高縄山系縦走ルート図


第3日目 平成31年4月8日(月)

水が峠・登山口ビバーク地〜水が峠〜伊之子山〜水が峠〜北三方ヶ森〜高縄山〜大月山〜
県道178号線〜国道317号線〜県道196号線〜福見川


沿面距離: 26.91km
行動時間:06時15分〜18時45分 (12時間30分)

高縄山系縦走第3日目 ルート図

カシミールソフトを使ったGPSトラックログ図 


行程1)水ヶ峠登山口(龍岡木地)〜水ヶ峠〜伊之子山〜水ヶ峠 約 1時間50分


夜中に予報通り雨が降りテントに落ちる雨音がしている。沢沿いのビバークなので増水が少し心配だったが、水量が少なく沢幅も
広い場所なので鉄砲水は来ないだろう。案の定05時に目覚めてsジェルたーの周りを見るが昨夜と何の変りも無かった。例によ
ってグズグズ片付けを済ませて06時15分ビバーク地を出発する。計画では05時30分出発と考えていたが濡れたシェルター
の仕舞いなどで手間取る。沢を左岸に渡って四国の道に入る。


雨は止んでいたが、山はその名残りでガスっぽい。地図を見ると「四国の道」は総社川(今治)沿いに石手川(松山市)との分水
嶺となっている「水ヶ峠」まで続いている。


06時17分右岸に渡り返すと立派な滝があり、荒れた石榑道にはロープも置かれている。一旦山際を登って上で沢に合流すると
砂防ダムが有った。


  
06時15分 沢を対岸へ渡る                     ビバークした堰堤部を振り返る

  
 沢沿いの植林帯を進む                        沢を対岸へ渡る  石垣も見られる

  
 沢沿いの道は荒れるのが宿命だ                  06時20分 落差のある滝があった

  
 高度差がある場所にはロープが置かれている            石垣で護岸されてはいるが無理っぽい

  
植林帯の斜面を沢の上部へ迂回する                  上で又沢筋に出て堰堤と出合う


06時32分「四国の道」を示すポールが立っており、足元には石畳がある。この道は古くからの遍路道、松山と今治を結ぶ生活
道としても人々が往来したのだろう。


06時38分又沢の左岸に渡り返し、道が荒れてくると4分後に右岸へ渡り返す。すると又4分後には左岸へ渡る。これだけ渡渉
を繰り返す遍路道・生活道は珍しい。恐らく昔から水量が少なく歩き易い方を選んで道が付けられて来たのだろう。


  
  06時32分 「四国のみち」の道しるべが現れ安心する     足元は石畳が敷かれていた

  
 遍路道だけにお地蔵さんも置かれている             又 左岸に渡る 石垣が積まれた古い護岸

  
  やはり道は荒れている                       右岸に渡り道は続く

  
  もうこれ以上渡渉は無いと思ったのだが・・・          06時48分 最後の渡渉で右岸へ渡る


水ヶ峠

傾斜が急になるとロープが敷設されており、やがて上方に峠部が見えた。07時01分水ヶ峠の標識とベンチに着く。大まかに4
差路になっており、標識には東側:今歩いて来た「今治市 玉川・木地1.2km」、北側:「北三方が森3.7km」、西側:
「松山市米野町」の三方向に道しるべがある。南側は標識には記されていないが、伊之子山から白潰まで石手川と総社川の分水嶺
尾根があり、以前はるちゃん達、しまなみ隊もこの尾根を歩いてレポを頂いた


  
 急傾斜になりロープが現れる                     峠部がやっと見えた


  07時01分 水ヶ峠に着く  竜岡登山口から45分程かかった

  
   北三方ヶ森まで 3.7km                   来た方角は今治市玉川町木地、反対側が松山市米野町


△点13)伊之子山  三等三角点「伊之子谷」(872.4m)

今回の縦走路とは少し外れるが、南側にある伊之子山を踏む事にしている。当然ザックを水が峠のベンチにデポして肩掛けバッグ
にカメラ、GPS、水を放り込んで07時12分南側の急な尾根に取りつく。尾根は植林の上り一辺倒だが地形は湾曲しているの
で下りが問題だ。途中二箇所ターニングポイントの地面に矢印をストックで付けて上がる。


07時38分中途半端な場所に三角点があり取り敢えず写真を撮影する。う〜〜ん 山頂標識が見当たらないからひょっとして奥
のピークまで登ってみる。するとやはりそこに山頂標識が木に架けられており「伊之子山」の山頂に着く。手早く記念写真を撮っ
て水が峠へ引き返す。分岐にマークを入れた場所をチェックポイントにして08時05分「水ヶ峠」に帰り着いた。


  
07時12分 ザックをデポして標識にはない南側への尾根へ進む    快適な植林帯で歩き易いが下山で迷いやすい


   え? これが伊之子山?  07時38分 水ヶ峠から25分程で三角点に到着〜

  
  三等三角点「伊之子谷」を踏む                  あれ? 奥にピークがあるじゃん

  
  やっぱりピークに山頂標識があった               三角点から少し上がったピークが伊之子山の山頂だった

  
上りには何でもなかったコーナーが下りには難しい場所になる  ピストンの場合はややこしいコーナーには矢印を置く

  
 最後は急傾斜の細尾根を下る                  08時05分 水ヶ峠に帰り着く 往復で1時間弱だった


行程2)水が峠〜北三方ヶ森〜宝坂谷(高縄山登山口) 約 4時間40分

魔の階段

水ヶ峠でザックを背負い08時30分今度は反対側の尾根、北三方ヶ森へと進む。さすが「四国のみち」だけあって階段状に整備さ
れている。しかしいきなりの急登で息が切れる。
そこを登り切ると路肩注意のポールが立っており成程右手が切れ落ちていた。

08時22分自然林の細尾根を抜けると今度はもっとスケールの大きい激上り階段となる。阿讃県境の竜王山付近の階段も急だが、
ここはそれを凌ぐ厳しさでなるべく上を見ない様にして一歩一歩上がっていく。時間にして8分程ではあるが天まで上る様な階段だ
った。
08時33分階段道を登り切ると尾根が西に振り少し平坦になり青空とタムシバを見る余裕が出た。


 08時10分 北三方ヶ森へ進む  ゲッ 何じゃこの上り階段は!

  
 人間 修行じゃとて 悟れよ  けっけっけ       上った階段を振り返る

  
 まだ上に続く階段                   あ〜〜 やっと平坦な道になった

  
  路肩注意って細尾根の崩壊地もある          椿咲く春 ええなあ


  ぎょへ〜〜〜〜  許して〜〜   阿讃県境、竜王山の階段よりキツイ〜〜〜

  
 う〜〜ん これも修行か  人生一歩づつ        これで苦行も終わりかな

  
 空を見上げるとタムシバの花ありき           キャイ〜〜ン 又出てきた 階段お化け〜


△点14)四等三角点「水ヶ峠」 (841.79m)


08時45分尾根が少し北に振る場所に「四国のみち」標識があり北三方ヶ森2.9kmとある。暫く植林帯の尾根を10分程歩く
と岩が現われ自然林となる。


09時を過ぎると右手に尾根を外してある三角点が気になって様子を見ながら歩く。地形図を見ると丁度水ヶ峠トンネルの真上でこ
の三角点が真東に伸びた支尾根の先にある。しかし右手は急傾斜の斜面が続きそれらしき支尾根が見つからない。

三角点を過ぎた様なので09時12分ザックを尾根に残して急斜面を下ってみる。すると右手に高みが現われてそこを目指して藪を
トラバースして進む。09時22分岩尾根に這い上がり尾根筋を少し進むと三角点を発見した。道を外れた不明な三角点を見つけた
喜びは何の得にもならないのだが心残りにならないと言う意味か何故か嬉しい。

09時25分三角点「水ヶ峠」で手早く記念写真を撮り尾根伝いに引き返す。逆に三角点から縦走尾根へ辿ると確かに不明確だがル
ートになっている。そして縦走尾根にはテープまで貼ってある。う〜〜ん 私は目印を見逃す達人だ。20m程尾根を進んで09時
37分ザックの元に帰る。


霧の植林地帯は迷いやすいが要所に「四国のみち」と確認出来る様に道ばたに丸木を並べて埋め込まれている。踏み跡とこの道しる
べがあれば霧の中でも安心して歩く事が出来た。


  
08時45分 四国の道 標識 北三方ヶ森まで2.9km     ルートが明白な細尾根は安心して歩ける

  
  霧が湧いてくる 自然林と岩に霧が似合う            もう多少の階段では驚かん

  
右手の支尾根を見ながら歩くが見当たらない            09時12分 ザックを尾根にデポして斜面を下る

  
 斜面を下って支尾根を探す                      右手に高みがあるので藪を這い上がる

  
 細尾根に這い上がる                         09時25分 三角点発見〜〜


 09時25分 縦走尾根から外れた四等三角点「水ヶ峠」を踏む 

  
 ちょっと苦労したけど何とか見つけた                 帰りは尾根伝いに歩いて合流点を確かめる

  
 やはり縦走尾根から明確な支尾根は無かった          縦走尾根合流点で良く見ると木にテープが巻かれている

  
 09時37分 尾根にデポしたザックに帰る              霧が濃くなって来た植林帯を進む

  
 09時55分 北三方ヶ森まで 1.5kmの標識        植林帯には「四国のみち」を外さない様に丸木が埋め込まれている


△点15)北三方ヶ森  三等三角点「北三方」 (977.57m

10時15分「四国のみち」標識柱の横に高縄山系で度々目にした小さ目の鉄の塔が立っている。新版・山渓分県ガイドには古い鉄
塔と記されている。確かに白い碍子(がいし)が置かれているので昔はこんな小規模な電線鉄塔があったのだろうか。

この辺りから上り傾斜になるので北三方ヶ森への取り付き尾根に入った感じだ。すると10時40分「北三方ヶ森」に着いた。手前
にテラスがあり展望所になっている様だ。残念ながら霧の為に何も見えない。三角点山頂は裏手に一段高くなった平らな場所にある。


朝から何も食べていなかったのでここでブランチ行動食休憩とする。4時間振りの休憩だ。11時10分 高縄寺6.0kmの標識
に従い出発する。え〜〜まだ6kmもあるのか・・・


北三方ヶ森から北に今治市と松山市の市境界尾根が延びている。この北尾根への踏込みを防ぐ為に北三方ヶ森を出発して100m程
の地点に縦走路(四国のみち)へ左手に曲がる標識が立っている。
11時20分北側へ張り出した尾根から西南西へ延びる尾根を下
るコーナーがあり、そこから高縄山が見える。その先にはこの界隈には珍しいザレ場があった、その後は安定した尾根道が続く。

  
小さな鉄塔は東三方ヶ森付近でも見た 碍子が落ちている   霧が立ち込める単調な植林帯をドンドン歩く

  
少し明るいピークへの上り坂                10時40分 北三方ヶ森に着いた〜


  10時40分 三等三角点「北三方」に着く

  
 休憩所の奥が北三方ヶ森の山頂だ           休憩所で朝食を摂る  チーズ、エナジーバーなど

  
11時10分 高縄寺方面6.0kmに向けてへ出発   100m進んだ場所に北尾根へ踏み込まない様に標識がある

  
今回の縦走路で一番北側に突き出た尾根から下る      天気も回復して来たが高縄山は霞んでいる

  
 11時23分 大き目の崩壊地を通過          11時30分 安定した尾根になる


△点16) 四等三角点「宝坂」 812.95m


カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図  北三方ヶ森から高縄山を繋ぐ尾根ルート


11時50分植林帯の中に入りルートに気を付けながら進むと10分程で右手に林道が尾根と並行して走っているのが見える。する
と四国のみち標識があり、そのルートは右手(北側)に曲がっている。地図で確認すると破線道が北へ延びて道路と合流している。

ここは最初から三角点を拾って最短距離の尾根を歩くつもりだったのだが、Yサークルさんの尾根道標識が立っている位だから縦走
ルートにもなっている様なので少し安心する。この尾根道ルートは三角点ピークを左に巻いてトラバースしているので道を外れて右
手のピークへと這い上がる。
12時10分 三角点「宝坂」を踏んで尾根伝いに進む。


  
平らな地形だが自然林と植林の間なので安心して歩ける    小さな尾根が南北にあるのでトラバース気味の道になる

  
植林帯の中を歩く 境界杭もある                   12時00分 右手に荒れた林道が並走しているのが見えた


 12時00分 遍路道と尾根道分岐に着く  右手の林道が遍路道だろう  ここは尾根を進む

  
 尾根道が高縄山への近道でもある                  要所にYサークルさんの標識が立っている

  
 心配していたより歩き易い尾根だ                  コーナーにはYサークルさんの標識が立てられていた

  
あれ? 尾根道は三角点小ピークをトラバースしている      三角点ピークに向かって這い上がる

  
 まあ なんと地味な三角点だこと!                 12時10分 四等三角点「宝坂」をタッチ


  やはりここを外せない  四等三角点「宝坂」   812.95m

  
 三角点尾根を西に進む                        直ぐに尾根縦走ルートと合流


三角点から尾根沿いを歩くと暫くして左手からYサークル尾根道が合流し植林の中に続く赤い境界杭や踏み跡を辿る。12時40分
コル部に着くと北三方ヶ森への標識が立っており、そのコルから尾根をトラバースして舗装道路へ向かう。

これ以上尾根を追うと高縄山が遠くなるのだ。所がこの道が先で崩壊地となっており進むのが危険な程ザレている。道の下側を見ると、
別な道が平行に延びており、先でこのザレ道と合流している。惑わずそこから斜面を下り下の道を利用する。


12時50分宝坂谷で立石米之野からの車道と合流した。


    
  縦走路は分かり易い道だ                     Yサークルさんの標識が要所に立っている

  
12時40分 コル部に北三方の標識がある(反対側から)    このコルから尾根を外して右手にトラバースする
  
  
トラバース道がザレて通行が難しい場所に行き当たる     すぐ下側に林道があるのでそこに下る

  
12時50分 車道に合流する この辺りが宝坂谷と地図にある   車道部に「四国のみち」の標識が立っていた


行程3)宝坂谷〜高縄寺〜高縄山〜石ヶ峠〜大月山〜県道178号線 約3時間40分


高縄寺

車道合流点から左手へ曲がると直ぐにこの車道上が「四国のみち」になっている様で北三方ヶ森5.2km、高縄寺0.8kmと記
されている。その隣に「欅平」(けやきだいら)の大きな石碑が立っていた。ちなみに車道標識には高縄山山頂まで2.7kmと
なっている。この辺りは案内板によると奥道後・玉川県立自然公園になっている様だ。


13時05分 車道から右折して高縄寺(0.3km)への四国のみちへ入る。良く整備された階段状の坂道を上がると13時22
高縄寺に至る。高縄寺は真言宗醍醐派のお寺で、その昔修験道が盛んだった時代には石鎚に次ぐ伊予の修験道聖地だったらしい。
この為、高縄山系には南側の福見山〜明神ヶ森〜東三方ヶ森と北側の楢原山〜北三方ヶ森〜高縄山を繋ぐ尾根が修験者の道場だった
と思われる。

平安時代から戦国時代に地方豪族「河野氏」によって庇護され、山号も高野山・高縄寺から河野山・高縄寺に変更された程である。
二日前に縦走出発点で「福見寺」に修験道入山のお詣りして3日目、13時25分「高縄寺」本堂にて修験道下山のお詣りを無事済
ませる。でも旅は未だ終わら〜〜ない ♪ 出発点に置いた車まで帰らなければ旅は完結しない。

  
 欅平(けやきだいら)という地名は全国にある      13時06分 高縄寺の参道に入る

  
もう階段道はゴメンだが桟道だからねえ          13時22分 高縄寺の山門を入る


  高縄寺の本堂  十一面千手観音菩薩が祀られている


△点17)高縄山 一等三角点「高縄山」 985.9m

高縄寺の裏手に上がると千手杉(せんじゅすぎ)と立派なブナがある。電波塔のある高縄山ピークへ右手から巻いている自然林の遊
歩道を上がって行く。


山頂直下で車道と合流し13時45分電波塔設備に占められた高縄山の山頂に着いた。後、大月山は残ってはいるが、高縄山系の縦
走はここで一応のケリが付いた。しかし縦走ゴールと言うには山らしくないピークでガッカリする。360度の展望って言っても生
憎のガスっぽい天気と大きな電波塔施設の為に眺めが悪い。北条、鹿島方面の海沿いだけが何とか霞んで見える。


三角点のシチュエーションは前回の記憶では残念な場所であると覚悟はしていたが、やはりガッカリ。でも締め括りの意味もあり自
分を無理やり鼓舞して万歳写真やシェー写真を撮る。展望所に上がれば眺めが望めるか?と上がってみるが霞がかかって良く見えな
いのと電波塔の構造物で展望が良く無い。海側の北条・鹿島辺りの恵良山を眺めて下りる。



            高縄寺の上側に出るとデカい千手杉がある


   高縄山のコル部には大きいブナもある

  
 遊歩道が右手に回り込んで高縄山へと続く            左手上方にデカいアンテナ施設が見える

  
何と言うか・・・  こんな山頂 オラ嫌だ〜〜             まあ電波は現代人にとっては必要な物だから・・・

  
  これが山頂標石って事かな                     これが一等三角点かな


  13時45分  一応 高縄山系の主要峰・高縄山と一等三角点だからシェーで締める

  
  高縄大権現の石碑もある                      明神ヶ森と福見山方面

  
  菊間〜今治方面                              腰折山・恵良山方面

  
      鹿島が何とか見える                                       楢原山
  

14時10分再び遊歩道を舗装道路まで下りて途中の斜面から下側の道路へショートカットする。5分程で沢筋を車道に下りると祠
と「河野川源流」の石碑があった。河野川は西側に回り込んで瀬戸内海の斉灘(いつきなだ)に注ぎ込む規模の比較的小さな川だ。

ここに「四国のみち」標識が立っており、車道を南に下がって石ヶ峠からは幸次ヶ峠まで四国のみちが続いている。

  
 高縄寺前の車道まで下りる                    そこから下の車道へ斜面をショートカットする (5分程)

  
 下の道路が見える所まで下った                       祠の横から斜面を下る

  
 道路に出ると「河野川源流」碑と四国の道の標識         14時10分 舗装道路を南へ下る


石ヶ峠

高縄山系縦走のシメも車道を南に下がり途中までこの四国のみちを歩く。高縄山の電波塔を振り返りながら車道を歩くと、前方にも
電波塔が山の上に立っている。
14時26分車道の三叉路に突き当たる。ここが石ヶ峠で大月山へは正面の山へと入る。ちなみに
大月山の後は左手に続く県道178号線へ出て車道歩きで出発点へ帰る事になる。


整備された階段状の道を上ると笹が生えた杉の植林地帯となる。14時37分本来の「石ヶ峠」があり、車が無い時代は北条と松山
を結ぶ道が幸次ヶ峠へと続いており、お地蔵さんもそこに祀られていた。幸次ヶ峠はエリエールゴルフクラブ松山の近くにある北条
市と松山市の境界に位置する古い峠で、大月山〜高縄山〜北三方ヶ森の縦走起点となっている。

石ヶ峠から九川を経て奥道後へ抜ける峠にもなっているので、ここには大正13年に九川青年団によって建てられた「下九川を経て
松山へ」と読める石碑も立っている。先程の県道178号線車道三叉路は車時代になってからの石ヶ峠って訳だ。


14時58分展望台という標識があったので道を外して寄って見る事にした。うっそうとした茅の中に古びた鉄筋の展望台が立って
いる。バブル期に建てられて今は寂れたレジャー施設の様だ。周りの樹が延びてさして展望も望めない展望台に上る。やはり北条方面
の海側しか見えず、山は近くの稜線部だけで何の事やら時間を浪費してしまった。


   
高縄山の電波塔を振り返る  山頂部にあるがそうは見えない   大月山の方にも電波塔がある

  
車道「石ヶ峠」 県道178号線がここでヘヤピンカーブする   14時26分 「四国のみち」は正面の階段を上っていく
左が国道317号線〜松山へ、右が河野川沿いを北条へ

  
  「四国のみち」の山道に入る                    14時37分 「石ヶ峠」に到着


      旧・石ヶ峠    「幸次ヶ峠」まで4.3kmとある

  
大正13年 九川青年団が寄贈した道しるべ            石ヶ峠から破線道を外れてトラバース道を大月山へと向かう

  
  14時58分 展望台へ寄ってみる                 何か 寂しそうな展望台やなあ  すぐ下りてくる


△点18)大月山   三等三角点「大月」 953.08m (縦走最後の三角点)

展望所標識に帰って杉林の中に続く道を先へ進むと15時12分四国のみちと別れて「大月山」への小さな標識があった。この分岐
からそこそこ分かり易い植林の道を歩くと左に回り込む様にして15時25分「大月山」ピークに着いた。昔は山の形などで名前が
付けられたのだろうが、植林される様になってどこの山も同じような風景になってしまった。この大月山の救われる点はピークが植
林されずに古墳の様に残されている所だった。


ここ大月山で今回の「高縄山系縦走」の旅は実質的に終了する。月が〜♪ 出た出た〜♪と踊りながら縦走成功を祝う。

  
 展望所標識に帰り山道を進む             お地蔵さんがあるって事はここは「四国のみち」か?

  
15時12分 「四国のみち」と別れて大月山へ向かう    大月山までは良い道が続く

  
 千本山の「鉢巻落とし」を思い出す           ピークに向かって緩やかに上っていく

  
 ここだけ植林されていない丘へ向かう           まるで古墳の様な大月山へ着いた 


 15時25分 高縄山系縦走の最終目標「大月山」 (三角点名 大月 )に とおちゃこ〜〜〜

  
   ばんざ〜〜い  (一人で虚しく盛り上がる)   月が〜♪ 出た出た〜♪ 月がぁ出た〜ぁ よいよい ♪



大月山から県道178号線へ


カシミールソフトを使ったGPSトラックログ図  大月山から県道に下りる破線道は無きに等しかった
  

さて、ここから時間があれば尾根筋を石手川沿いまで下る事も考えたが時刻は15時40分。取り敢えず破線道を辿って稜線を少し南
東気味に下がる。最初は歩き易い尾根だったが次第に伐採木が転がり難路っぽくなるので破線ルートを県道178号線へ下りる事にし
た。

15時56分破線ルートに従い861mピーク手前から左折して支尾根へ向かう。すると笹と伐採木の荒れた尾根となり踏み跡も無い。
ひたすら尾根を外さない様に下り16時30分堰堤横を抜けて県道178号線の車道に下り立った。


  
15時40分 方角を南東方向に定めて大月山を下る             直ぐに明確な尾根が現れた

  
 やはり伐採木の放置がある                      尾根を破線道分岐まで下っていく

  
 15時52分 破線の左折ターニングポイントに着く        一見して道は無い!  笹薮の尾根じゃん

  
 まあ 先が知れてるから多少の笹薮は我慢できる        まあ 先が知れてるから多少の倒木は我慢しよう

  
  ちゃんと尾根に乗ってるし・・・                    クロモジ子ちゃん お邪魔しまんのやが

  
 細尾根を下る  植林帯だから危険は無い             おっ 沢筋に着いた 砂防ダムも見える

  
   堰堤の上を左岸に渡る                    16時30分 県道178号線に出た 大月山から50分だった



行程4)県道178号線(大月山下山口)〜国道317号線〜県道196号線〜福見川
    約2時間15分


県道178号線を九川へと下る (約1時間)

高縄山を南に下りた時に有った源流地「河野川」は西に流れてそのまま河野川として斎灘(いつきなだ)に注ぐのだが、県道
178号線沿いに下る「九川川」(くかわがわ)は南に下って石手川に注ぐ。

この九川川に沿って16時30分からドンドン舗装道路を下る。正面に見える山は明神ヶ森と福見山だろう。17時20分山間
に佇む九川(くかわ)集落を通過、右手には川内明神社があった。お年寄りが居たので挨拶をすると丁寧に挨拶が返って来た。
知らぬ土地を歩く時はその土地の人には必ず挨拶を交わす事が良い。


  
   石手川の支流、九川に沿って道路を下る             白潰から明神ヶ森が見える

  
  桜を楽しむ事が出来た                       九川集落を抜ける 右手が河内明神社

  
 奥に見えるのは福見山か                       九川が滝となって石手川へ注ぐ

国道317号線を日浦まで下る (約 25分 )

17時45分九川川(くかわがわ)が石手川に合流する場所は滝が2本となって落ちている。ここで広い国道317号線に入る。
この国道317号線はこれから石手川沿いに奥道後へと延びている。逆方向を辿れば昨日歩いた水ヶ峠の下(水ヶ峠トンネル)の
分水嶺を抜けて総社川沿いを玉川と繋がっている言わば高縄山系を横断している車道だ。


国道を歩いていると犬の鳴き声がするので建物を見ると愛媛県動物愛護センターだった。まだ桜が残る石手川沿いを歩いて17時
57分、国道は左岸に渡る。右手の対岸にある山麓には独特の川沿い雰囲気のする東川集落を眺めながら歩くと18時10分コン
クリート石垣の上に桜が咲いた日浦小学校がある分岐点に着いた。


  
 17時45分 国道317号線に合流 高縄山入口の看板がある   愛媛県動物愛護センターがこんな所にあった

  
 国道沿いの桜を見ながら歩く  特に歩道は無い        17時57分 国道が石手川の左岸に移る

  
対岸の東川町から河中町はのどかな風景だった          18時10分 左上に日浦小学校の桜並木が見える


県道196号線を福見川に置いた車まで歩く  (約 35分 )

やっとここから出発点の福見川への道、県道196号線となる。「ひうらの里」の桜に囲まれた立派な屋敷風の建物を左手に
見たり、川の向いにある釣堀を持つ「せせらぎ邸」を眺めながら2日前に駐車場の出来る場所を探して右往左往した事を思い出
した。


出発点の三本杉登山口を抜けて少し歩くと18時45分デポした車に帰り着いた。

  
18時10分 県道196号線に左折する  信号あり        左手に日浦小学校への路がある 下の県道を進む

  
 「川の郷」は福見川の先にある集落名                美しい桜を眺めながら歩く

  
  せせらぎ亭も桜が見ごろだった                  二日前に入った縦走の出発点を通過

  
  福見山の登山口は「三本杉」の標識からだった          18時45分 カローラフィールダーへ帰り着く


那賀山地縦走予定から急きょ変更した高縄山系縦走だったが思いの他楽しむ事が出来た旅となった。

尚、本HPでの山名は、明神ヶ森、東三方ヶ森、五葉ヶ森、北三方ヶ森と言った現代読みを使っております。登山書によっては
「明神が森」或いは 「明神ガ森」と言う様な書き方がされておりますが「ヶ」に統一させてもらっております。




高縄山系縦走 第1日目  福見山〜明神ヶ森〜白潰〜東三方ヶ森 は                  ここ 

高縄山系縦走 第2日目  東三方ヶ森・ビバーク地〜五葉ヶ森〜楢原山〜上木地ビバーク地 は   ここ   

   
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