思えば遠くに来たもんだ 群馬県へ遠征 谷川岳・至仏山・燧ケ岳へ

平成29年10月8日〜10月11日


カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図  谷川岳〜至仏山〜尾瀬ヶ原〜燧ヶ岳


第二部 尾瀬ヶ原に対峙する山 至仏山と燧ケ岳 
平成27年10月9日〜11日

至仏山 (日本百名山) 2等三角点 至仏山 標高 2,228.01m

前日に谷川岳に登り、その夕方〜夜にかけて関越自動車道(水上IC→沼田IC)を利用して沼田街道を戸倉まで移動する。
土地勘が無い場所だけに秋の日曜日と言う事もあり戸倉駐車場の空が心配で、コンビニで食糧を調達の後温泉へも寄らずに直行
する。カーナビ頼りに
夜20時半頃駐車場に入ると思った程混雑は無く奥のスペースに駐車して車中泊の準備をする。

翌日のバス時間等を確認に待合室に行き、そこに居た年配のご夫婦と山談義の後車に帰って寝る。トヨタ・カローラフェールダー
は少し天井が低いのだが後部座席と荷室をフラットにすると長さが十分なので快適な車中泊が出来る。

10月9日(月)体育の日=休日 晴れ
戸倉〜(バス)〜鳩待峠〜至仏山ピストン〜山ノ鼻〜尾瀬ヶ原〜見晴 (テント泊)


カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図  至仏山〜尾瀬ヶ原〜燧ヶ岳

戸倉から尾瀬・鳩待峠への始発バスは04時40分発、05時20分着だ。2便は06時30分にあるのだが、出来るだけ今日中に
燧ケ岳に近いテン場「見晴」まで進みたいので始発のバスに乗る事にした。


04時20分頃駐車場入り口にあるバス待合所に行くとマイクロバスが数台来ておりバスの切符930円で乗合となる。時間より早
めに出発したがどこか途中でゲートが開くのを待って05時10分に鳩待峠に着いた。


尾瀬の正面玄関 「鳩待峠」

バス停から少し歩いて鳩待峠の広場に出ると「鳩待峠休憩所」に電気が点いており殆どの登山者はここで朝食を摂りながら明るくな
るのを待っている。サイト検索で近くの山小屋が登山者の荷物を早朝から預かってくれると書いていたので探すがどこも開いてはい
ない。


至仏山は自然保護の為登山道が一方通行となっており、鳩待峠から至仏山へは行けるが、そこから山ノ鼻へは下れない。従って方法
としては鳩待峠から至仏山をピストンするか、一旦山ノ鼻まで行って、そこへテントを張っておきサブザックで至仏山〜鳩待峠〜山
ノ鼻と周回しなければならない。(この場合嫌でも鳩待峠から山ノ鼻を2度歩かなければならない。)

結局、バス切符売り場の奥に邪魔にならないスペースがあったのでそこにザックを置き、ショルダーバッグに貴重品、GPS、カメ
ラ、行動食を詰め込んで至仏山をピストンする事にした。残置するザックに多少の不安があったが預かり場所が無いので仕方がない。

鳩待峠 

  午後の明るい時に写した鳩待峠の広場写真


さすが東に位置するので明るくなるのも早くて05時35分に至仏山・鳩待峠登山口を出発する事が出来た。熊笹の間に広く整備さ
れた登山道が延びている。少し地面がぬかるんではいるが傾斜も緩やかで紅葉が進んで美しい。


06時05分左後方から太陽が出るがすぐに霧に隠れる。登山道は要所に木道が整備されて歩き易い。鳩待峠より2kmの地点に標
識が立っており、右手の斜面がなだらかに落ちている。


  
 05時35分 鳩待峠広場の西側にある至仏山登山口へ向かう   笹に囲まれた登山道は良く整備されている

  
05時57分 太陽が後ろ側から昇って来る                 登山道も少し明るくなり周りの様子も見えだす

  
コシアブラの淡い葉が柔らかに登山道を覆う                 階段状の木道も整備されている


       明るい場所に出ると美しい秋の紅葉が現れる

  
  山々も柔らかい色でモコモコしている                  06時35分 標識が立っている

  
木道が開けた右斜面に続く                         峠部が少し岩っぽい場所もある

07時00分右手に小さな沢があり「オヤマ沢」の標識が立ち急な木道の上りになる。(ここに立つ標識には鳩待峠から2.9km、
至仏山まで1.6kmとある)標高が1,980mと記されているからこんな平地の様な場所が四国の高峰石鎚山とそんなに変わらない
高さなのだ。そこを上がると湿原が広がり07時15分笠ヶ岳分岐標識に出合う。標識には「オヤマ沢田代」と記されている。田代っ
て水田の意味なので湿地帯に生える草の風景を田んぼに例えたのだろうか。男性の単独登山者がこの分岐から悪沢岳を経由して笠ヶ岳へ
と向かわれていた。 近場に住んで何度もこの辺りに来ると色んなルートを楽しんでいるんだろうなあ。


  
オヤマ沢の標識が立つ 標高1980m 鳩待峠から2.9m 至仏山へ1.6km   オヤマ沢田代へ続く木道

  
07時15分 笠ヶ岳分岐を通過                      ここから俄然足元が岩っぽくなり小至仏山へと上っていく

小至仏山 2,162m

笠ヶ岳分岐から登山道は北に向かい俄然岩っぽい上りになる。左手が大岩の壁で登山道も岩が現れるがそれでも要所は木道や梯子で整
備されて歩き易い。稜線に一旦上がり、今度は左手斜面のトラバース道にはると少しガスに晴れ間が出て来た。ハイマツの間を上がっ
て行くと07時48分「小至仏山」に着いた。山頂には三角点は無く真新しい御影石の標石が立っている。


  
  07時30分 岩場のトラバース路                    ここにも鉄道のレールの様な木道で整備されていた

  
 最後はハイマツの岩尾根をピークに向かう               07時48分 霧の中に大きな小至仏山の標識が立っている

小至仏山の細尾根から一旦下がって岩の稜線を進むと次第にガスが晴れてきてブロッケン現象なども見られた。デカい尾根の左手から
トラバース路を這い上がって行くと08時15分稜線部に上がる。霧が晴れそうなので暫く待つと前方に至仏山の手前ピークが姿を現
わす。通常、尾根の先にある山頂は下から見上げると、周りから相当高い場合を除いてほぼその姿は見せない。いわゆるダマシ尾根に
騙される。


  
 霧が次第に晴れてくる様だ                        主尾根に向かって左手をトラバース気味に上がっていく


  霧がス〜〜と消えていくと前方に岩尾根が現れた  至仏山直下


至仏山 二等三角点「至仏山」 2,228.01m

大きな岩がゴロゴロ点在する広く緩やかな尾根筋を至仏山へ向かう。連休最後の日なので登山者も結構多い。08時30分ピークの大
岩の右手を越えると前方に至仏山の本ピークが現われて人影が沢山見える。岩尾根を進むと前方にかすかにガスが残る尾瀬ヶ原が姿を
現した。


08時43分デカい至仏山の山頂標識に到着した。大混雑の谷川岳とは違うがそれでも15人程の登山者が居て景色を楽しんでいる。
記念写真を頼んで控え目のシェーポーズを取る。奥に進んで午後に歩く眼下に広がる秋の尾瀬ヶ原を眺める。正面には明日登る予定の
燧ケ岳も雲に覆われてはいるが確認出来る。「想えば遠くに来たもんだ」そんな言葉が頭をよぎる至仏山であった。


至仏山から北側に張り出した岩尾根で尾瀬ヶ原の全容が見えないので少し登山道を山ノ鼻方面へ下ってみるが東面に直ぐには出る事が
出来ず、09時10分ザックを置いた鳩待峠へ帰る事にする。


  
 小至仏山を振り返る  右奥が笠ヶ岳だろう               至仏山の西側急斜面は岩山の様相だ

  
      至仏山のピークが奥に見える                     尾瀬ヶ原が見えだした

  
08時43分 至仏山に着く 奥に見える岩山が手前のテラス      二等三角点が岩の間にある


    やっぱ ここでもシェー写真をお願いする さすがに登山者が多い至仏山だ


    少々霞んではいるものの眼下に尾瀬ヶ原を見下ろすのは気持ちがいいもんだ 


      魅力的な至仏山の北尾根 (岩尾根)


09時10分の下山時になると霧もほぼ晴れて周りの展望も現れるのだが、土地勘の無い悲しさで山の同定は歩いて来た小至仏山と燧
ケ岳以外は出来ない。何度も来る事が分かっていればもう少し周りの山にも興味が湧くのだが、恐らくもう再び来れない場所だけに地
図を広げて確認する気になれないのは私の弱さ、いい加減さだろう。

09時35分至仏山直下のコーナーまで下って振り返ると、左手が茶色い大岩、右手がなだらかなハイマツ帯の至仏山が見える。足元
の岩石は元々火山性だから花崗岩や安山岩だろうか。多くの登山者が踏んだり手で掴んだりするのかピカピカ黒く光っている。

  
 結構な形をしている小至仏山               黒っぽい岩がツルツル光っている


  小至仏山の稜線を少し上がると至仏山の全体が見渡せる


上りではガスの為に平凡な尾根に見えた小至仏山だが、今は堂々と三角錐に聳えている。やはり霧や日没で見えない山は全体像が把握
出来ないって事を思い知る。
又、展望が回復するとこの辺りからでも尾瀬ヶ原と燧ケ岳はずっと眺める事が出来るのが分かった。

尾根筋に延びた一本道の登山道を燧ケ岳や尾瀬ヶ原を眺めながら上っていくと10時00分小至仏山に帰り着いた。勿論この山頂から
も燧ケ岳を眺める事が出来る。
どこまでこの稜線から尾瀬ヶ原と燧ケ岳が見えるのだろうか?と左手を見ながら小至仏山の岩道を下る
と10時30分「笠ヶ岳分岐」標識に着いた。それに続く茶色い草紅葉のオヤマ沢田代を眺めながら木道を下る。


  
小至仏山への登山道は右にトラバース気味に延びていた      裾野に山ノ鼻、そこから牛首、竜宮、見晴、燧ケ岳と見える


至仏山の東側斜面はなだらかに川上川へと落ち込んでいる  尾瀬ヶ原や燧ヶ岳は視界が良ければ随分長い間付き合ってくれる


  早朝は霧で何も見えなかったが、10時00分視界が良いと小至仏山から尾瀬ヶ原や燧ヶ岳が良く見える

  
 当然 至仏山も一望出来た                         小至仏山の岩稜尾根

  
  川上川の谷間が鳩待峠から山ノ鼻の登山道になっている     南側の進行方向に見えるのは笠ヶ岳だろう

  
   小至仏山の岩山を振り返る                       10時30分 笠ヶ岳分岐まで帰りつく
  

稜線を左手にトラバースして笹原の間に付けられた木道を歩くが、この辺りでも尾瀬ヶ原と燧ケ岳は姿を見せている。朝ここを歩いた
時は一面の霧で何も見えず、至仏山の山頂で初めて尾瀬ヶ原と燧ケ岳が眼前に現われたので感動したものだった。あまり天気が良くて
ずっとこの景色を見ながら登ったらあの感動は無かっただろう。タイミングというものは微妙な良し悪しをはらんでいる。


  
  オヤマ沢田代の木道を下る                        10時45分 オヤマ沢の源流部が登山道の左側を流れる

  
  樹林地帯へと入って行く                      10時57分 尾瀬ヶ原と燧ヶ岳がセットで見える場所がここで最後になる

11時になるとついに燧ケ岳は見えなくなったので森を歩く事に集中出来、気持ちが楽になる。それからは朝方の薄暗さやガスでスッ
キリしなかった登山道の青空と美しい紅葉を存分に楽しみながら50分程歩き、11時53分鳩待峠に帰り着いた。


広場に着いて真っ先に置いたザックが無事か心配になり置いた場所に一直線だ。人混みの奥にちゃんとザックがあるのを見て一安心す
る。カメラやGPS、現金、キー等の貴重品などは手持ちの肩掛けバッグに入れてはいるが、やはりザックにはテントや食料、衣類が
入っているので無くなると確かに困るのだ。


  
  ダケカンバの樹がとても優美で美しい                 青空に紅葉と白いダケカンバの幹


    森が新緑の時とこの紅葉の時期に色を変えてモクモクと柔らかい模様を作る

  

  
   燧ケ岳だけはまだ姿を見せる 手前は中原山の裾野           上を見ても良し

  
  シロモジの黄色が陽を浴びて輝く                        ブナの葉の色も捨てがたい

  
     やはり目を引くのはカエデの赤か?                紅葉を楽しみながら登山道は鳩待峠に近づいてきた


        11時52分 鳩待峠の広場に帰り付き、早朝暗かった登山口を振り返る


鳩待峠〜山ノ鼻 (約 1時間10分 )

12時35分鳩待峠から山ノ鼻へと向かう。鳩待峠は西側・悪沢岳と東側・中原山の稜線が延びてきたコル部にあり、その標高は意外
と高く 1,591mとなっている。
尾瀬ヶ原はおよそ1,400m程なのでここから標高差200m弱を川上川に沿って谷筋を下る
事になる。沢筋は冷たい風が吹いているので紅葉が特に美しいものだ。


多くの観光客が訪れる場所なので登山道は石段や木道で良く整備されている。鳩待峠から少し下がった場所から左手に至仏山のなだら
かな山容が美しい紅葉の枝越しに見え隠れしている。所々に岩なども見えるが全体的に優しい山のイメージだ。


13時15分沢に向かって急な下り道になる。この辺りは右手にテンマ沢などもあり斜面が崩壊し易いのか登山道の補修工事が行われ
ている様子だった。小さい子供を2人連れたお母さんも前を歩いており、鳩待峠から山ノ鼻までは老若男女が散歩を楽しめる場所とな
っている。


そこから更に15分程進みカラ沢付近に出ると水芭蕉の名残がある。以前水芭蕉ツアーでここを訪れた時には観光客がしきりに写真を
撮っていたものだったが今は立ち止まる人も居ない。
木道は行き合いを避ける為に大体2本並列に敷設されている。傾斜のある場所に
は滑り止めの横木も付けられて致せり尽くせりと言った感である。作業をしている場所には「東電が作業をしています」って意味の立
札が立てられている。そう言えば尾瀬には東電小屋って言うもんがあったよね。


  
鳩待峠を出発すると直ぐに至仏山が左手に見える           整備された登山道(遊歩道)

  
  ブナ等の広葉樹が美しい                         木道は混雑対策で上りと下りに分かれている場所が多い

  
    小至仏山         至仏山                     ヨセ沢を横切る


      巨木も立つ登山道


        少し逆光気味だが柔らかい紅葉の樹木たち

  
   13時15分 木道が沢に向かって下がって行く   「東電が尾瀬の湿原を守る為木道を敷設しておりその補修をしている」旨の注意書き

東電と尾瀬

四国に住んでいると尾瀬と東電の関係なんで「そんなのかんけーね〜」ってな具合なのだが、実はこの尾瀬国立公園の4割は東京電力
の私有地となっている。(福島県側は国有林)な〜んでかな? それはね・・・


尾瀬の群馬県側は殆どが私有地って事になっており、尾瀬の水利・発電目的で大正5年に「利根発電」という会社が尾瀬の私有地を買
い占めたのが発端みたい。その後大正10年に「東京電燈」という会社に合併され所有権が移る。


第二次大戦時は日本の電力会社は「日本発送電」に統合されるのだが、戦後(昭和26年)GHQ主体の財閥解体等によって9電力会
社(+沖縄電力)になる。その時に設立された東京電力が東京電燈から尾瀬の所有権も引き継いだって訳らしい。
そんな経緯から国立
公園の尾瀬を東電が会社の社会的貢献として震災後の今でも整備作業を行っている訳みたい。

関電の下ノ廊下などの整備は契約になっていると聞いたことがあるが、東電のお膳尾瀬整備活動は自主的な社会的貢献、つまりボラン
ティアでなされているらしい。でも結局は電力の消費者からの電気代で賄われているって考えるのは貧乏人の悪い勘繰りだ。


 
  東電HPより東電の私有地エリア (赤枠内)                    東電が費用を出し木道の補修作業を行っている (帰りに撮影)


そんな事を考えながら歩いてると「通行時クマに注意」の看板が目に入る。もしクマをみかけたら写真×大声×走る×と書いてある。
大声を出したり走るのはセーブ出来るが写真は撮るやろなあ・・・


13時40分川上川(かわかみがわ)の右岸を通っていた登山道が橋を渡って左岸へ移る。以前この付近がニリンソウの花一杯に飾ら
れていたのを思い出す。今はその付近がマユミの実で飾られていた。その向こうに建物が見えて13時45分「山ノ鼻」に到着した。



               今が一番美しい時期かも知れない

  
   水芭蕉の群生地だろう                          南アルプスで樹のコブは何かの病気だと書かれていたなあ


           ナナカマドのスカートを履いて樹木が躍っている

  
木道の材料は固くて水に強いカラマツ材を使うそうだ         川上川の川沿いになれば山ノ鼻も近い

  
   本州の山はツキノワグマが多い                    川上川に架かる橋を渡る

  
   マユミの実が沢山下がっている                     13時45分 山ノ鼻に到着

山ノ鼻〜竜宮〜見晴   約2時間

観光地や人気の山ではどこでもトイレっていう訳にも行かずここで立派なトイレに入る。少しベンチに腰かけて休憩の後14時05分
燧ケ岳の登山口に近い見晴キャンプ場へと進む。時間的な余裕があれば尾瀬沼キャンプ場まで行きたい所なのだが明るい内にはちょっ
と無理だ。


尾瀬ヶ原は一面の茶色い草紅葉で単調だ。やはり水芭蕉やニッコウキスゲ等花の時期に歩くに限る。でも午前中に登った至仏山と明日
登る予定の燧ケ岳を眺めながら2時間程この湿地帯と言うか草原を歩くのもいい。


暫く進むと小さな小川を横切る。連休最終日の午後なので登山者も少なくて風を浴びて歩くのが心地よい。さらに進むと右手にヒツジ
グサ(睡蓮)が浮かんだ池塘がありカモがゆっくりと遊んでいる。(恐らく遊んでいると言うのは人間の勝手な見方で必死でエサを探
していたのかも知れない。)モコモコした紅葉の山をバックにダケカンバの白い並木がまるで絵葉書の世界だ。水底をみるとミズゴケ
の様なものがびっしりと生えている。


  
14時10分 山ノ鼻分岐を尾瀬ヶ原方面へと進む             直ぐに小川を渡る


     燧ヶ岳に向かって木道が延びる

  
     ヒツジグサも紅葉するのか?                     池の底にはミズゴケが生えている


                       カモが泳ぐ秋の尾瀬風景

  
     午前中にあの頂に自分が居た (至仏山)             明日はあの頂に自分が居る (燧ヶ岳)

14時40分牛首と呼ばれるこんもりした小山が右手に突出している場所を通過。どこまでも続く様な木道を歩いても歩いても燧ケ岳
が近くなっているのかどうか?よく分からない。
15時10分退屈なのでkazashi 流タイマー自撮後ろ姿に挑戦していると下側に「下の
大堀川橋」プレートがあった。やがて前方に小屋が見えると、15時35分今度は龍宮十字路のプレートを通過する。南に富士見峠、
北に東電小屋への分岐になっている。



       南側、中原山斜面から尾瀬ヶ原へ延びた支尾根の先  「牛首」


                      北側の八海山麓


              バックシャン  kazashi さん  こんなんでどうよ?

  
       下(しも)の大堀川橋                          下(しも)の大堀川

  
   尾瀬でススキでも無いんだけどまあ秋らしく            至仏山を振り返る 結構歩いて来た


竜宮の謂われ

この辺りには水流が三ヶ所から集まって地中に吸い込まれる場所があり、その水が伏流水となって尾瀬ヶ原に流れ出る。これをどうも
「竜宮現象」って呼ばれているらしい。この現象を見た人は地中にトンネルがあって竜宮城へ導かれるんじぁろうか?ってあらぬ妄想
したのが竜宮の名の謂われみたい。それでここに小屋を建てた人が小屋名を「龍宮小屋」と名付けた。まあロマンチックといえばそう
なのだろう。


やっと単調な沼地を抜けて龍宮小屋のある美しい森に入る。小屋の前に標識があり山ノ鼻4.5km、見晴1.5kmとある。あまり
多くの宿泊者は見られないので穴場かもしれない。山ノ鼻から龍宮小屋まで約1時間30分かかった。(ほぼコースタイム)


  
15時35分 「竜宮十字路」のプレート                      北側、東電小屋方向


              燧ヶ岳をバックに森の中に竜宮小屋が立つ

竜宮を抜けて福島県=東北地方へ入る

森を抜けると小川があり「沼尻川 この先福島県 東北地方」のプレートが足元にある。15時40分沼尻川にかかる橋を渡り、いよ
いよ「みちのく」か〜 思えば遠くに来たもんだアゲイン


暫くダケカンバの散在する樹林帯を抜けると燧ケ岳の山麓部になり小屋が数軒見える。やっと今晩のお宿が近くなった。今まで2晩
車中泊だったが、今晩はテント泊で山歩きの雰囲気がやっと味わえる。避暑地の様な樹林帯に入りテン場を探すと右手の奥にすぐ見
つかった。すぐ横には立派な「見晴休憩所」と「水場」、隣にも立派なトイレがあり最高の野営場所だ。


  
      竜宮の森を抜けて見晴へと進む                木道に「沼尻川 この先福島県(東北地方)」のプレート


      「県境に架ける橋」  ここから歩いて東北地方に入る


              一旦湿地帯(草原)に入り、すぐ灌木帯を抜ける

  
  最後の湿地帯(草原)を「見晴」の森へと進む             何か今回初めて花を見た気がする


  尾瀬の北側、燧ヶ岳の麓にある「見晴」(みはらし)地区の山小屋 水も豊かでトイレや日帰り入浴も可能だ

見晴 (みはらし)


             尾瀬の地図   今日は赤線を歩いて見晴までやって来た   明日は青線の燧ヶ岳へ登る

16時10分山小屋でテント場の受付けは「燧小屋」が管理している事を聞き取り敢えず一泊800円で野営地の使用手続きを行う。
その後野営地に戻るがテントは5張ほどでスペースはどこでも状態だった。水場に近い紅葉樹の元に設営し、辺りを散歩する。テン
ト泊の人に話を聞くと殆どの人が北側の御池登山口からやって来ている。ある人は燧ケ岳へ、ある人は三条の滝へ、ある人は尾瀬ヶ原
の写真と目的は様々だ。


    
    見晴地区の見取り図  テント設営場所は右手奥にある        テン場の管理は 燧小屋で行われている 

16時50分頃になると夕日が西側の木々から眩しく差し込んでいる。まあ本当は山の稜線で夕日を眺めるのが良いのだが、昨秋の
上高地と同じく紅葉の中でのテント泊もいいもんだ。


ゆっくりとお湯を沸かしてフリーズド・ドライの夕食を作る。尾瀬ヶ原の風景を撮りに来た写真家は水場でお米を磨いでいるので聞く
と、お湯をかけて作るごはんは不味くて食べれないそうだ。まあ、そうなんだけど・・・



   見晴の野営地は静かで水場やトイレが近くにあり最高の場所だった


           夕日が森の向こうに落ちていく

夜になりテントに入って翌日の燧ケ岳地図を広げてルートを検討する。見晴新道は情報では相当ぬかるみが酷くて使わない方が良い
との事なので上りは厳しいナデッ窪ルートを使い、帰りは山頂で長英新道か見晴新道にするか決める事にする。


群馬県遠征 :西黒尾根から谷川岳                    は  ここ  
福島県遠征 :尾瀬から燧ヶ岳 (ナデッ窪ルートと見晴ルート)    は  ここ   


      
             目次に戻る           トップページに戻る