虎丸山・南嶺ルートを歩く (2)

「鬼ノ角ルート」「虎丸山南尾根ルート」「三里山ルート」

2021年(令和3年)3月4日

福栄登山口〜鬼ノ角ルート〜鬼ノ角〜南尾根分岐コル〜虎丸山・南尾根〜虎丸山〜
三里山ルート〜
林道下山〜馬蹄石〜福栄登山口


カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図 虎丸山南嶺ルート

虎丸山の南嶺ルートは元々堂山仲間の344男爵から掲示板に「おもっしょい所(とこ)有るで!」と紹介があったのが
きっかけだった。その後、単独で2度この南嶺を歩き大体のルートが掴めたので改めて「堂山まだまだ若いもんには負け
んど〜会」(長い〜)のメンバー,344男爵、型落ちフェニックスパパ、ナッチーさん、エントツ山で行く事にした。


3月4日08時30分国分寺のファミマに集合して東香川へ向かい出発。いつもの讃岐新道から大内ダムを抜けて三宝寺
を左折し福栄登山口へ向かう。


週末は登山者が増えているので登山口近くの空き地は地元住民に迷惑がかるので近くの機関車公園に駐車するのが良い。
今日は平日なので「林道たらいヶ谷線」近くの広場に車を留めさせて貰う。



鬼ノ角ルート

09時35分用意をして林道へと入る。林道の入り口には「馬蹄石」の標識が立っている。09時40分前回間違った
鬼ノ角登山口を入る。今日は掲示板にレポを貰った344男爵が一緒だから間違えようも無い。


尾根に上がると直ぐに岩盤があり、左手に這い上がるルートを進む。コシダと灌木の生えた尾根道は踏み跡もしっかりして
おりルートを外す心配は無い。暫くするとこげ茶色の岩が登山道に出てくる。すると湊川沿いののどかな風景が眼下に現わ
れる。天気予報は曇りなので遠くが少し霞んでいるのは仕方が無い。
松が生えた岩尾根にアセビの白い花が咲き誇っていた。

  
平日につき登山口近くの空き地に車を停めさせて貰う   鬼ノ角、三里山登山口への入口 林道たらいヶ谷線

  
 林道たらいヶ谷線を入る              最初の沢を越した場所が鬼ノ角登山口

  
 狭い登山口の傾斜を上がる              林道の山側にある岩盤がこの辺りまで延びている

  
 岩盤中央部から左へ上がると登山道が続く       コシダと灌木の登山道

  
 少し尾根を上がるとのどかな湊川流域の風景が
見える    アセビが早くも花を咲かせている


10時を過ぎると高度が上がって来て、虎丸山の南嶺と三里山(みさとやま)が大きく見えだす。しかし鬼ノ角ピークは手
前の肩部で未だ見えない。

10時15分急登を喘いで肩部に上がると前方に二つの角を持った鬼ノ角ピークが現れる。すると前方から若い単独女性が
軽快に下って来ている。挨拶をして少し話を聞くと、三里山〜修験造道〜鬼ノ角を既に回って来たと言う。
「あなた〜に声
をかけたら ♪ そよ風が返ってくる ♪ だから一人でも寂しく無い ♪ 若いって素晴らしい♪」この状況にピッタリ
の歌だが、これって一体誰の歌だっけ?

で・・・年寄り連中はと言えば「まだまだ若いもんには負けんど〜」と呪文を唱えながら息を切らせて急登を上がって来て
いる。


清々しい肩部を過ぎると剪定をしてやりたい程葉の伸びきった松が沢山生えた岩尾根を這い上がって行く。岩質は国分寺カ
ッパドキアにある白っぽい角礫凝灰岩では無く、岩が焦げ茶色をしている。石を噛んだ火山灰の種類が違うのだろうか。目
の良い連中は霞んだ引田方面を眺めながら「お〜あれは淡路島じゃ」と話している。


  
上るにつれて虎丸山の南嶺と三里山が見えて来る        鬼ノ角ピークは未だ見えない 前方のピークは手前の肩部だ


  虎丸山南嶺  おおよそ点線のイメージで虎丸山南嶺に上がり着く

  
  ナッチーさんは余裕で上がって来る               まだまだ若いもんには負けんど〜コンビも何とか来てるわ


   鬼ノ角ピークがド〜〜ンと現れる  恐らく頭から出た二つの出っ張りを鬼の角に見立てているのだろう

  
  痩せ尾根には松が元気に生えている              国分寺や坂出のカッパドキアと同じような岩だ


   白鳥町の海岸  津田の松原も見える


  白鳥アルプスから引田、鳴門北灘の海岸線、県境尾根が見渡される

  
    お〜〜 あそこが淡路島じゃ                 高度感たっぷりの尾根歩きが楽しめる

   
鬼ノ角ピークと虎丸山の吊り尾根の間に五剣山が小さく見える   最後は先に行きんしゃい



鬼ノ角ピーク 364m


10時35分「鬼ノ角」ピークに着く。たかが標高364mの小山だが周囲が開けると高度感もあり清々しい。ここから
虎丸山南嶺や白鳥の海岸を眺める。記念写真を撮って尾根分岐の窪みへと下る。
10分程で尾根分岐に到着し、右手に向
かってトラバース気味の登山道を下る。途中で虎丸山南尾根が見えるので「あれを這い上がるんやで」と少し脅してみる。
しかし、絶好調男や女は平然としているのでつまらない。



   鬼ノ角ピークの大岩にて  右手に虎丸山


 鬼ノ角から虎丸山、三里山 その彼方に白鳥の街と津田の松原

  
「山フォトの へっぴり腰は 没にする」                 「角だけじゃ 鬼にはなれぬ 真人間」

  
 鬼ノ角から西側に踏み跡を下る                  堀切の様な窪みが虎丸山への分岐 ここを右に下る

  
 最初は尾根の左手をトラバースして道が下る          次第に尾根部に近づく


  今からのコースは下側のコル部から虎丸山の南嶺を巻いて南尾根へ這い上がる

  
 登山道が尾根部に上がって延びる                 鬼ノ角から相当下った感あり


丸山南尾根ルートへ

10時55分砂防ダムと南尾根への分岐コルに到着する。この辺りは地形が平らになっている為に前回来た時にご夫婦が道
に迷われていた。
左に下れば砂防ダムから修験造道で虎丸山だが、我々は道が無い所が好きな性癖があるので当然真直ぐに
藪っぽい尾根を虎丸山南尾根に向けて突き進む。


踏み跡の非常に薄い正面の尾根筋へと灌木ヤブを進む。すると直ぐに細尾根に入るので地形的には分かり易い。以前、地形
図で調べるとこの頼りない尾根が与田川と湊川の分水嶺になっていた。コシダの藪が少し続く頃には左手の尾根を少しだけ
外して踏み跡が続く。



  ここが左手に砂防ダムへ下るルートと正面に南尾根へと向かう分岐コルだ 白いポールが立つ

  
 正面の灌木藪を突破すると尾根筋に踏み跡が出て来る    ここからは尾根を外さずに進む

  
 シダ藪に入るが長くは続かない                  尾根を少し右に外して踏み跡が続く


涸れ沢を渡る

11時05分直進して尾根へ上がる踏み跡と、右の涸れた沢に向かう分岐に出合う。前回、最初に左の踏み跡を辿ったが途
中で途切れた。南尾根へ向かうには右の沢に向かって下らなければならない。


ガレた沢を越えて急傾斜を暫く這い上がる。この辺りはルートが不明なのでテープを貼らせて貰っている。次に左手が切れ
落ちた傾斜を崖に沿って暫く歩き、最後はトラバース気味に程急傾斜を喘いて11時15分 南尾根筋に出る。


   
ここが重要な分岐だ まっすぐ行かずに右の沢筋へと進む     沢は涸れており岩がゴロゴロしている

  
 右手の急斜面に取り付く                      344男爵が最後尾から撮った急斜面

  
 急傾斜を這い上がると左手が切れ落ちた縁を暫く進む     次第にトラバース気味に斜面を這い上がる

  
 前方に南尾根が見えて来る                      11時15分 南尾根に這い上がる   


南尾根コル分岐から約20分で南尾根に這い上がった事になる

虎丸山南尾根

虎丸山の南尾根の裾野付近は岩場が広がり厳しい場所だ。しかしコル分岐からトラバースして這い上がったポイントは岩場
の上側になるので比較的歩き易いのだ。


最初はウバメガシの密生した広めの尾根を登る。少し上がると尾根の右手が開けて来て下山に通る三里山やその向こうに引
田〜北灘の海岸が見える。少し霞んでいるのは残念だが、今日の連中は目が良いから問題なかろう。尾根に上がって5分も
しない内に岩稜帯に入る。
尾根の左右はとんでもない崖だが、尾根部はそうでも無い。逆に松やウバメガシ、ネズミサシが
邪魔になって歩きにくい。


岩稜帯を這い上がり尾根部に復帰すると眼下に先ほど通過して来た鬼ノ角ピークが見える。やはりこの角度から見えても角
は生えていない。


  
 ウバメガシの生えた南尾根を上って行く             尾根の北側が見える 白鳥アルプスと引田、鳴門方面

  
  尾根に岩が出て来る                        ちょっとした岩場に出る 眺めよし

  
 左手は崖になっている                        ウバメガシとネズミサシを避けながら進む

  
  左の岩崖は登れんわ                      ウバメガシや松の枝が邪魔になる〜

  
 鬼ノ角ピークを振り返る  やはり角は無い          「学業は 下の方でも 上が好き」 直ぐに高い所に上る334男爵


キノコ岩休憩所

11時30分尾根の中央にキノコ岩があり、これが虎丸山南尾根のシンボルだ。岩の上側がちょうど広場になっているので
休憩がてらコーヒータイムとする。コーヒーのアテは344男爵からはガーナチョコ、ナッチーさんからは三越地下、ジョ
アンのチョコクロワッサンと餅パンだ。
20分程休憩の後、虎丸山を目指す。最初は松とウバメガシの尾根だが、直ぐにシ
ダと灌木となる。



 南尾根のシンボル キノコ岩にて  ここまで来ると山頂は近い

  
 キノコ岩の上側に休憩広場がある                  「コーヒーは どんな場所より 山喫茶」


  休憩所で鬼ノ角をバックに  「虎丸の 隠れた魅力 発信し」

  
 「老人は 家に籠らず 山へ行け」                 さて、やっと虎丸山の山頂を目指す

  
 直ぐに灌木帯に入る                         この辺りは傾斜が緩やかになる


虎丸山 山頂から三等三角点「虎丸」へ

12時過ぎに虎丸山の山頂広場に這い上がった。先ずは鳥居を潜って祠と山頂標識の立つ展望所へ行く。何せ、この山頂は
広いのだが高い木に囲まれて、祠のある突起部の先に出なければ展望が無い。と言っても見える景色は白鳥アルプスと津田
の松原、引田〜鳴門方面だけなのだが・・・。城跡なんだから天守閣かせめて蟠蛇森にある様な展望台があって欲しいもの
だ。


  
  12時01分 山頂へとうちゃこ〜                 鳥居を潜って祠展望所へ出る


お初のサンドイッチ山食

さて、今日のメインテーマは山食だ。蓮光寺山ではエントツ山がラーメン昼食、五夜ヶ嶽では344男爵がうどん定食、そ
して今回はナッチーさん夫妻がサンドイッチ昼食の用意と来たもんだ。

 先程コーヒータイムを取った後なので、取り敢えず虎丸山の三角点を先に踏む事にする。石鎚の三角点程遠くは無いがここ
の三角点「虎丸」も山頂からは離れている。「史蹟・風呂へ」の下山口を下がると急傾斜にロープが張られている。そこを
下りると一旦左手の小ピークをトラバースして先へ抜けると右手に「三角点」への標識が立っている。

三等三角点虎丸」は登山道を少し右手に外れた場所にあり12時12分皆でそれを踏む。その後急登を上り返して昼食
タイムとする。


虎丸山は非常にキツい山なので登山者も少ない。何時来ても誰も居ない山頂だから休憩所も貸切りだった。ナッチーさん
夫妻には「乃が美」の高級生食パンに沢山の具材を準備して頂きました。私は邪道にもその高級生食パンをホットサンド
メーカーで焼くが、それも又美味しかった。


  
 虎丸山へ無事着きました                      風呂下山口を下って三角点へ向かう

  
 12時12分4人で三角点を踏む                   ロープの急登を山頂へ引き返す

  
 お〜〜 ナッチーさん手配のサンドイッチ 具材も多い〜     エントツ山がフライパンやホットサンドメーカーを出す

  
 バーナーはソト ST-310 カセットボンベ用ストーブだ      ホットサンドメーカーはモンベル製 生卵入れもモンベル


三里山(みさとやま)ルート

13時10分重い腰を上げて三里山へ向かう。今度は「新宮池・別所へ」の下山口を下る。このルート案内は344男爵に
任せる。暫く急な傾斜が続くが、こちらのルートはロープを置く程キツくは無い。


  
 新宮池・別所下山口を下る  あ〜体が重い〜〜       急だがロープは置く必要がない程度だ

  
 綺麗な登山道を下る                        5分程でタバコポイ捨て注意の標識に出る


三里山分岐を下る

13時15分 「たばこポイ捨て注意」の看板が立つ分岐に着く。ここから右手の細い尾根道へと下る。5分程ウバメガシ
の尾根を下るとロープが現れる。細い木々が沢山生えているが、足元は急な上に葉っぱが溜まって滑り易い。最後に置かれ
たザイルは344男爵が先日背負って運んだ物だと言う。


ロープ場を抜けて暫く進むと13時26分岩場が出現する。これを乗り越えると傾斜は比較的穏やかな稜線となる。尾根の
回りは樫やヒサカキ、ネジキなどが生えて見通しが悪いが時々虎丸山を振り返る空間がある。

  
 タバコポイ捨て注意看板から右手に下る         しっかりした尾根に出る

  
 結構しっかりしたロープが置かれています        最後は登山用のザイルが置かれている

  
ロープ場が終われば少し平坦な尾根になる        ちょっとした岩場を乗り越える

  
 尾根の両側には灌木がぎっしり生えている       次第に木が少なくなり虎丸山を振り返る


三里山(みさとやま)


13時30分前方に鬼ノ角が見えて来るとネズミサシなどが生えた岩稜帯に入る。中央部の岩は結構立ち上がっているので
その縁をネズミサシに刺されない様にして進む。岩稜帯を進むと岩の突端に出る。ここで暫く白鳥町や引田町の海岸線など
を見晴らして記念写真を撮る。その後、少し引き返して岩場の基部を右手に下って行く。ここの下りが花崗岩が風化してお
り一番滑り易い場所だ。


松が生えたヤセた尾根を下ると13時50分シダが生えた灌木帯に入る。この尾根を下って行くと14時01分「林道たら
いヶ谷線」に下り着いた。


   
 松やネズミサシが現れると岩稜帯が近い 虎丸山を振り返る   前方に鬼ノ角が見えて来る 奥が県境尾根

  
 尖がった岩とネズミサシの岩尾根                 景色を眺める余裕などありゃせん

  
 私は岩の中央を歩く                        この先に展望岩がある

  
        もっと先まで行け〜〜〜                 あれが淡路島やね  眼だけは自信がある!


         「東讃の 山で見つける アルプスを」   絶好調〜〜〜

  
  あ〜 気持ちよかった〜  基部まで帰る            大岩に沿って右手側を下る

  
 この辺りが一番滑り易い                       花崗岩が風化した場所はザラメの砂粒があって気を遣う

    
 前方の尾根へと進む                        次第に高度が下がって来た

  
 少し藪っぽいシダと灌木帯を通過する               未だマサ土の尾根が続く

  
  最後は尾根を左に外す                       左下に林道が見えた

  
  分かりにくいけどここが三里山の登山口ざんす        林道たらいヶ谷線から鬼ノ角を振り返る

    
馬蹄石

林道を5分程下ると「馬蹄石」の大きな標識が立っている。事前調査済みだから、ここから谷へ入って牡蠣の化石、モンロ
ーの唇=馬蹄石を見学する。 馬蹄石とは馬の蹄(ひずめ)の形に窪みがある岩の事を言い、しばしば神や英雄が馬で降臨
した場所だとされる。だが、ここの馬蹄石には余り窪みは見られず、白い馬蹄形をした牡蠣の化石がある。

  
 馬蹄石の大きな標識が立つ              「アングルの 必要もなし 早く撮れ」


   ここの馬蹄石は牡蠣の化石らしい  馬蹄というよりモンローの唇だ

  
 フェニックスパパが立っている場所が鬼ノ角登山口  どんな対象物でも
丁寧にアングルを決める型落ちフェニックスパパ


馬蹄石を確認の後、
14時25分林道を下りて車に帰る。その後、344男爵の案内で湊川の河津桜を楽しんで国分寺町へ
と引き上げる。

  
  帰りに湊川の川津桜を見に寄る           虎丸山をバックに川津桜

鬼ノ角〜虎丸山・南尾根〜見里山 面白い虎丸山のルートを仲間と楽しんだ一日となった。


尚、
3月7日にも同じルートをkeitannさんと reikoさんと歩いたが、登山記が重なるのでその時の様子は reiko さんの記録
を参照して下さい。

reikoさんの虎丸山南嶺レポートは  ここ    


エントツ山の虎丸山南嶺事前調査山行記 は   ここ  

Kazashi さんの虎丸山南嶺レポは    ここ  


後日談:鬼ノ角登山口が地主さんにより通行禁止となる
     我々が虎丸山を楽しんだ後、Kazashi さんが行った時に鬼ノ角登山口が地主さんによりロープを張られて通行止めになって
     いたと聞く。里山は登山口での住民や地主さんとの接触が多く、登山者のマナーの悪さなどが原因で入山禁止になる場合
     が多い。

     里山に限らず、登山者の歩く山には地権者が存在する、その意識を持って歩かせて貰わなければならない
     「地元の人に挨拶をする」
     「駐車場所は民家から少し離れた広い場所を選ぶ」
     「大勢でワイワイガヤガヤ騒ぎながら歩かない (山に入るまではお静かに)
     「ゴミは絶対に落とさない」「花や植物は取らない」
     「テープを目立つ場所にベタベタ貼らない」

     こんな事にお互い気を付けながら山歩きを楽しく出来る環境が続くように致しましょう




    
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