車中泊で登る日本百名山8座の旅 (関越自動車道、長野自動車道付近)    (後半)

日本百名山8座の旅  前半4座は    ここ

令和3年11月4日〜14日
前半 苗場山〜巻機山〜赤城山〜筑波山〜(日光にて雨の為一日休暇)
後半 日光男体山〜日光白根山〜武尊山〜四阿山



日本アルプス以東の日本百名山8座の旅 それぞれの位置図 (順路は番号順)

日本百名山遠征後半 4座 日光男体山〜日光白根山〜武尊山(ほたかやま)〜四阿山(あずまやさん)

今回の遠征登山は苗場山と巻機山はしっかりと歩き、赤城山と筑波山は手抜き歩きとなった。おまけに大雨の為に1日日光で
足止めとなる。

5座目)日光男体山 (なんたいさん) 2,486m(栃木県)
日光宇都宮道路・清滝IC 登山口 二荒山神社P 前夜車中泊

 日光の二荒山(ふたらさん)神社

日光と言えば即、東照宮がイメージされる。日光東照宮へ行くと良く分かるのだが入り口には「輪王寺」があり、「東照宮」
の西側には「二荒山神社」(ふたらさん神社)がある。

元々日光は奈良時代後半の僧「勝道上人」によって開山された二荒山(男体山)を御神体とした北関東(栃木)、天台宗系宗教
エリアとして栄えて来た。だから元祖は輪王寺と二荒山神社と言う事になる。

ここに徳川2代将軍、秀忠が父・家康を東照大権現として「日光東照宮」を作り祀ったので日光イコール東照宮のイメージが定
着した。現在残っている社殿の殆どは3代将軍家光により造営されたものと言われる。

二荒山神社」は日光中心部の山内(さんない)にある二荒山神社・本殿と、いろは坂を上った中禅寺湖(奥日光)男体山登山
口にある二荒山神社・中宮祠(ちゅうぐうし)、男体山の山頂にある二荒山神社・奥宮の三社がある。



日光〜奥日光アリアマップ   11月8日 日光市内宿泊  11月9日 男体山登山口車中泊、 11月10日 戦場ヶ原(赤沼P)車中泊

男体山登山口

男体山は二荒山神社の御神体であるから登山口は中宮祠の山門から入る事になる。2年程前から登山期間は4月25日の開山日
から11月11日までとなっていた。これを知らなかったのでギリギリセーフだった。神社の右手裏に登山者用の無料駐車場が
あり、道路に出て少し歩くと綺麗な公共トイレもあり便利な車中泊場所だ。

11月9日(火)日光休養日の夕方、登山口駐車場に入るが平日の為か他に車は居ない。(夜中に1台、朝方数台が来た) 

11月10日(水)晴 二荒山神社・中宮祠〜男体山、山頂奥宮・三角点、太郎山神社〜二荒山登山口

 (約 8時間)

 カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図 日光男体山 約8時間

社務所が06時から開くので朝起きて道路沿いのトイレへ行った後社務所で登拝料500円を納めると交通安全のお札を頂いた。
ちゅうことはこのお札の原価は相当安いもんだろう(不謹慎)が徳をした気分満載である。06時30分朱塗りの登拝門を潜る
と参拝道の様な石段が続く。直ぐに木が置かれた幅が広い階段状の登山道になる。すると笹が生えた山道となり前方に二荒山大
神と一合目の石碑、その奥に石鳥居がある。暫くなだらかな笹の傾斜を歩くとウラジロモミやミズナラの林になり「ここが二合
です」の木の表札が立てられていた。



      二荒山神社・中宮祠社務所からバックに男体山  ここが登拝講社本部との表札がかかっていた

  
 左手に回り込み朱塗りの登拝社務所へと進む            入山料を払い正面の登拝門へと向かう

  
  二荒山神社・奥宮への鳥居                   直ぐに奥宮は無いのだが参拝の石段が続く


 石段と木道を過ぎて鹿を伴った石造を左に回り込むと06時36分 1合目の石碑と鳥居が現れいよいよ山道に入る

  
 ミズナラや針葉樹が生えた笹原を進む              06時55分「ここが二合目です」の標識が立つ

同じような景色を上がって行くと07時11分舗装道路に出てここに「三合目」の石碑が立っていた。三合目から四合目は工事
用舗装道路を歩く。この三合目から次の四合目まではカラマツの黄葉や中禅寺湖を眺めながら(工事用)舗装林道を歩く。林道
を右に進んだ後、左手に折り返してヘヤピンコーナーに鳥居がありここが四合目登山口となる。


   
07時11分 舗装された作業道路に出る              ここに3号目の標石が立つ 直登の登山道は無く道路を歩く

  
 唐松やその他の紅葉が美しく退屈はしない           中禅寺湖も深い青色で美しい

  
07時40分 道路の突き当りに鳥居が立つ             ここが四合目登山口となっている


観音薙(なぎ)の西側に沿って急登が4号目から7合目まで続く

07時40分「登山道入り口」の大きな看板が立つ四合目の鳥居を潜って山道に入る。金属製の手摺が設けられたクマザサの傾
斜を20分程上がって行くと小屋がありここに五合目の石碑が立つ。

隈取りが美しい笹原を過ぎると溶岩っぽい荒れた岩が目立つ登山道に変わる。急な傾斜を上がって行くと08時20分六合目
石碑を通過した。この辺りはコメツガやシラビソの針葉樹が目に付く。岩や倒木が多くなりカラマツも見うけられる。

やがて沢の様に岩がゴロゴロ転がる登山道となり回りが小振りのシラビソが立つ。登山道の近くは岩が多いので中禅寺湖が眼下
に良く見える。今まで歩いた四合目からの急傾斜登山道は地形図を見ると観音薙の西側に沿って付けられている。

観音薙(かんのんなぎ)

男体山は溶岩と火山砕屑物とが交互に堆積して出来た成層火山の為に谷部では大雨に依る大崩壊がしばしば起こる。観音薙は明
治35年台風の大雨により七合目から下側が突然崩壊して土石流となり立木観音が流されて、二荒山神社や町学校なども被害を
受けた。その為に観音薙の名が付けられたと言う。

08時50分上方に小屋が見えると右手に七合目の石碑が立っていた。溶岩の岩道ではあるが周りがシラビソなどの深い緑に覆
われて白い幹との取り合わせが美しい。


  
途中までは鉄製の手摺が登山道に沿って設置されている    クマザサと自然林に振り返ると中禅寺湖

  
 08時01分 作業小屋(避難小屋?)がある           その横に立つ五合目の席標

  
 針葉樹の緑、唐松の黄葉、青い湖、朝日を浴びた湖周の山    クマザサの隈取模様が美しい

  
登山道が溶岩っぽくなると08時20分六合目の標石が立つ  シラビソの様な針葉樹林帯の中に荒れた登山道が続く

  
 常緑針葉樹と落葉針葉樹の取り合わせ             いよいよ登山道が火山岩性のゴーロ帯になる

  
 落石の心配は余り無いが歩きにくい                正面奥に小屋が見える


 高度もそこそこ上がって中禅寺湖も随分下に見えだした  登山(ね)を上げている

  
 上に見える小屋が避難小屋だろう                 08時50分 近くに「七合目」の石標が立っている

  
  赤い実を沢山付けた樹がある マユミでは無さそうだ     広い岩道にはペンキマークが付けられている

   
8合目瀧尾神社

 09時15分錆びて茶色になった鉄の鳥居を過ぎる。すると岩に白いペンキで8合目と書かれていた。右手に八合目・瀧尾神
の石碑が立ち風雨にさらされた木造の社殿と岩の間に祠が有った。瀧尾神社は二荒山神社の別院として日光に社殿がある。
祭神は大国主命の奥さん「田心姫命(たごりひめのみこと)」で安産などのご利益がある神様らしい。

溶岩質の急な岩道とダケカンバ、周りにシラビソ、丁度夏に遠征した八ヶ岳の更科山に良く似た風景だ。

少し傾斜が緩くなると緑色の砂袋で登山道の土砂流失を防ぐ整備や角材で階段状にしている。09時50分整備された登山道の
左手に九合目の石碑が立つ。やがて山頂に近づき緩やかな傾斜になると益々赤茶けた土砂が目立つ。中禅寺湖とその回りを囲む
山々が美しい。奥には今回林道が不通になった為に登らなかった皇海山(すかいさん)も見える。


やがて富士山の山頂みたいな赤茶けた風景になり、左手に戦場ヶ原の湿地帯と思われる枯れた草地が男体山の稜線に半分隠れて
広がる。日陰にある岩からはツララがぶら下がって気温が低い事が分かる。尚も岩がゴロゴロする山頂部に近づくと左手の肩部
に太郎山神社らしい祠が見える。



 09時15分 鉄製の鳥居が立っている いよいよ奥宮が近づいた感あり

  
 09時23分又小屋があった                    横には八合目「瀧尾神社」(たきおのじんじゃ)の石碑が立つ立つ

  
 岩の間に祠が置かれていた              傾斜が次第に緩やかになって来る

  
土砂流失を防ぐために土嚢が置かれている            丸太を置いて整備された登山道が暫く続く

  
八ヶ岳の更科山みたいに山頂ギリギリまで樹林帯が続く     山頂部に近づき土が赤茶けて来た


 中禅寺湖の正面には遠く、赤城山や皇海山(すかいさん)が見える


 中禅寺湖の右手には明日登る日光白根山や今晩車中泊予定の戦場ヶ原も見えて来た

  
 まるで富士山みたい                          ツララが垂れ下がっている  寒い筈じゃ


 支尾根の外れに太郎山神社の祠が見える 景色が良さそうなので後から行く事にする



男体山 2,486m  一等三角点「男体山」 2,484.15m

10時25分山頂部に着くと左手に緑色の鳥居が立ち、その奥に二荒山神社・奥宮がある。登山口の二荒山神社中宮祠を出発
して標高差約1,21mを4時間程の登拝となった。奥宮の祠前にも木製の鳥居がありお詣りする。その左の小高い場所に像が
あり確認するとこれがこの山に祀られている二荒山大神だった。

叉右手の奥には梵鐘がり岩山に鳥居が立つ。そして何と岩山の頂きにキラキラ光る剣が立てられていた。手前には装飾飾りで掘
られた石が立っており裏側には「男体山頂・影向石」と書かれている。影向石(ようごういし・えいごういし)とは遠くの神を
遥拝したり来臨する神を拝んだりする拝み石の事らしい。

剣に太陽が反射する場所を探して写真を撮った後、北側に延びた尾根に少し出て見る事にする。肩部に出ると日光火山群の太郎
山、真名子山、女峰山など標高2000mを越える山々が並ぶ。)戦場ヶ原の左手には明日登る日光白根山(奥白根山)も見え
る。


男体山へ帰る尾根筋では冷えた風が日差しで暖かい地表から湯気となって出て来ていた。11時00分山頂に帰る途中、コンク
リートで囲まれた一等三角点「男体山」2,484.15mを踏む。
男体山の山頂標高は2,486mなので三角点の場所は少
し低い。



 10時25分 平らな山頂部に付く  左手に二荒山大神の像、その右手に二荒山神社・奥宮が建っている

  
 二荒山(ふたらさん)神社・奥宮                奥宮の建屋に男体山頂の標識がある  奥に見える像は二荒山大神


   男体山の山頂奥にある岩山  梵鐘、影向石、鳥居、剣の順に有る

  
影向石の向こうに又鳥居が有り、奥の岩場に剣が立つ    影向石(ようごういし)と刻まれている


  山頂の岩場に立つ剣 太陽に反射させてみる

  
 北側の志津峠への尾根筋へ少し進んでみる           正面に女峰山、大真名子山が見える


 明日登る日光白根山うぃ眺めながら山頂へと帰る

   
寒風が尾根に入り込んで湯気になって地表を這う          北側の尾根筋から男体山へと帰る


  一等三角点「男体山」 2,484.15m   鉄剣が立つ山頂部は少し岩があって高いので2.486mとなっている


太郎山神社の祠からの眺めが素晴らしかった

11時15分から20分程山頂部では冷たい強風を避けて奥宮の後ろ側で朝食と昼食を兼用する。その後、西肩にある太郎山神
社へ行って見る。強風に悩まされたが、ここが一番の展望所であ中禅寺湖は言うまでもなく日光三山の太郎山と女峰山も右端に
眺められた。


  
二荒山大神の辺りは寒かったので奥宮の裏側で食事を取る  その後 北西尾根にある太郎山神社へ行って見る事に


 太郎山神社付近の岩場は強風で少し危なかったが景色は抜群だった


  溶岩の崩れやすい太郎山神社のロープを越えて中禅寺湖の絶景写真を撮る  右奥に皇海山(すかいさん)

下山は2時間半で二荒山神社・中宮祠へ

 12時00分寒風で体が冷えたので山頂を後にする。30分程で8合目の瀧尾神社を通過し、中禅寺湖を眺めながら岩の急傾
斜をドンドン下る。中禅寺湖は東西に長い湖だが東側に華厳の滝があるので沢山の建物が立っているのが見えた。

13時45分四合目に当る工事用道路に出て15分歩くと三合目の下山口看板が有り、そこから登山道を下る。一合目に下りる
と朝見た鹿像の横に立っていた胸像は中村正六翁と記されており登拝講の長老だろう。参道を下り14時30分登拝門を潜って
下山し、中宮祠から登った男体山を眺める。


  
山頂から中禅寺湖東端の温泉街 ここに華厳の滝がある    右の中禅寺湖温泉街から中央いろは坂、左に日光の街


   八合目 瀧尾神社の標石から光る中禅寺湖を眺めながら下山する

  
12時55分 八合目直下にある避難小屋を通過           ゴーロ帯の急斜面を下る 奥日光の街が見える

  
 13時30分 鉄製の手摺と小屋が見えると林道が近い    湖面が次第に低くなり13時45分四合目の舗装道路に出る

  
 紅葉の木々を眺めながら舗装道を歩く              14時00分 舗装道路から山道に入る (三合目)  

  
 一合目の鳥居が見えた もう中宮祠は近い        登拝講の長老 中村正六翁の銅像が鹿の横にある  

  
  登拝門を潜り無事下山の一礼をする         天気も良くて素晴らしい登山だった


男体山を仰ぎ見てついでに華厳の滝を見物、その後 
戦場ヶ原、赤沼茶屋無料駐車場で車中泊 

男体山を下山して奥日光の道路を東に移動し折角だから華厳の滝を見物する事にした。しかし駐車場はどこも混雑して時間が
かかりそうだったので少し離れた場所に車を停めて男体山を眺めた後、歩いて滝見物に向かう。大勢の観光客で溢れていたの
でエレベーターで下側の滝展望所へは行かず車に引き返す。


二荒山神社・中宮祠から日光道路(国道120号線)を北に進むと戦場ヶ原と呼ばれる有名な湿地帯がある。戦場ヶ原は男体
山の火山噴火によって川が堰き止められて出来た湿地帯で、自然環境保護のためバスでの周回見学コースなどがあり広い駐車場
や清潔なトイレが完備されている。高速道路のサービスエリアに比べるととても静かで車中泊にはもってこいの場所だ。

戦場ヶ原の由来は神代の昔に赤城山の神と男体山の神が中禅寺湖を巡って戦いを起こしたと言う逸話から来ているらしい。次の
日光・白根山登山口まで30分程で行ける為ここで車中泊をする事にしたのだった。



  下山後、車で男体山が良く見える場所に移動し登った山をしみじみと眺める 車をそこに置き華厳の滝見物へ

  
 多くの土産物店が並ぶ華厳の滝駐車場             中禅寺湖から流れ落ちる華厳の滝抜群の水量と高さに迫力を感じる

  
 県営赤沼駐車場 150台ほどのスペース有り (ネットより)  赤沼駐車場にある赤沼自然情報センターと横に綺麗なトイレ                      
夜になると非常に風が冷たくお湯を沸かして暖かいカップ麺を啜る。後は翌日歩く日光白根山の地図を見ながら寝袋に入る。


奥日光 日光男体山から日光白根山への移動ルート


6座目)日光白根山(にっこうしらねさん) 2,578m

(群馬・栃木)国道120号線 登山口 菅沼(すげぬま)P


11月11日(木)早朝薄暗い内に車中泊をしていた戦場ヶ原を出発して数日前に車中泊した金精(こんせい)トンネルを越
えて菅沼登山口駐車場に移動する。当初ロープウェイを使ってお手軽に登るつもりだったが、丁度予定した日から冬季休業と
なってしまい天候等の関係でローテーションを変更したのだった。

(草津)白根山と区別する為に(日光)白根山と呼ばれる主峰「奥白根山」は日光連山の主峰であるが、関東の最高峰でもあ
る。ここから北の日本列島には日光白根山より高い山は存在しない。


菅沼(すげぬま)新道コース

菅沼登山口〜弥陀ヶ池〜奥白根山〜五色沼避難小屋〜五色沼〜弥陀ヶ池〜菅沼登山口

約8時間30分 


カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図 菅沼ルート 

菅沼登山口は国道120号線のすぐ近くにあり車10台程のスペースがある。06時15分駐車場を出発して奥の菅沼新道入り
口に向かう。数日前にここを偵察した時、奥の登山道分岐付近まで車が入れる事が分かったがそこは私有地となっており駐車料
金が要るので5分程歩く。

 分岐から直角に右へ曲がりシラビソの林に続く登山道を山際へと向かう。この菅沼新道は座禅山から南へ延びる尾根のトラバ
ース道を伝って弥陀ヶ池へ至る登山道だ。


  
05時40分峠部から男体山方面を眺める              06時過ぎに菅沼登山口に着き、奥の登山道へと進む

  
 一直線に登山道分岐へと続く道                06時20分 分岐を直角に右手の登山道に入る (奥は有料駐車場) 


  
  シラビソ林を山手に向かって進む                 山道に近づくと岩が多くなる

登山口から20分程で岩が現われ山道に入って行く。やはりここも男体山の様に溶岩っぽい岩道が多い。登山道の斜面にはシモ
バシラが立っており放射冷却で気温が低い事を物語る。
樅や栂類の針葉樹に覆われ岩がゴロゴロ転がる登山道をひたすら歩く。
菅沼新道と言う名前から少し心配していたが以外に良く整備された登山道だ。


  
  06時40分 座禅山の北尾根のトラバース道に取り付く   左手が開けると金精(こんせい)山の尾根筋が見える

       
 登山道横の斜面にはシモバシラが並ぶ            シラビソと岩道を上がって行く

  
 岩の段差には丸太梯子が置かれていた              07時53分 弥陀ヶ池まで0.9kmの標識

弥陀ヶ池(みだがいけ) 標高約2,250m

08時10分登山道に雪が現われ凍っている。折角だから日光から宇都宮まで行って仕入れたチェーンスパイクを履く。天狗
塚でチェーンスパイクが靴から外れて紛失した事があるのでザックに付いていたマジックテープで上部のゴムを縛る。色違い
だがまあ他に登山者も居ないのでこれでええじゃろ。

傾斜が緩やかになると08時33分弥陀ヶ池に出た。この弥陀ヶ池と言い、右手のピーク座禅山と言い何か修験者が歩いた雰
囲気が漂う。座禅山の斜面にはシラネアオイの群生地があったのだが鹿の食害に遭って激減し保護活動が10年程前から行わ
れているらしい。日本中鹿の食害問題を抱えている。

西側の五色沼に比べると小振りな火山湖だが、奥白根山を背景に美しい水辺となっている。ゴツゴツした奥白根は雪や霧氷で
白くなっている。先日この山から下って来た登山者がアイゼンが無いと危険だと言っていた北斜面からの登山ルートが見える。

  
チェーンスパイクが外れない様にマジックテープで補強  ロープと柱が現れて弥陀ヶ池が近づいた雰囲気がする

      
08時33分 弥陀ヶ池に出た様だ           雪が残る湖岸から霧氷で白くなった奥白根山を眺める


 弥陀ヶ池の湖岸に付けられた木道を進む  登山道は右の尾根筋から山頂へ続く

弥陀ヶ池の右手に沿って水際に延びた木道を進むと五色沼と白根山分岐標識が立っている。左手の五色沼には0.8km、奥白
山へは1.1kmと記されている。帰りに又ここを通過する周回コースを歩くつもりだ。

分岐標識から座禅山と奥白根山のコルに向かって柵とロープでルートを明示された登山道を少し上がり、08時55分岩に標識
が立つコル部に着く。いよいよ座禅山コル部から奥白根山の灌木斜面に取り付く。
すると霧氷が現われ元気が出て来る。苗場山
は天候が悪く雪が降る中での霧氷だったが、今日は青空なので霧氷景色が楽しめるぞ〜

  
 08時45分五色沼と白根山北尾根コル分岐の標識   右手の座禅山と白根山とのコル部へ向かう

  
 08時55分 座禅山と白根山のコル部に着く           霧氷の付いた白根山北尾根へと向かう


  霧氷の彼方にまさに白根山が顔を覗かせる

陽気なアメリカ人

途中でアメリカ人が後ろから追いついて来た。「どこの国の人ですか?」「残念ながら(平凡な)アメリカ人です」と申し訳な
そうに答える。
この人は北海道のトムラウシ近くに住んでいるそうで、山や自然が好きで四国の石鎚山や三嶺に登ったと言う。
「北海道のヒグマは怖いですよね?」と言うと「いいえ 女房の方がずっと凶暴で怖いです」って冗談を飛ばす。アメリカ映画
は例え戦争映画であってもウィットを忘れていない。「山頂で会いましょう」って言うので「3時間後になりまっせ」と冗談を
返した。


  
 途中で軽快な服装のアメリカ人に追いつかれる         ここからは霧氷の北尾根を登って行く


09時35分前方に尾根筋から突き出た岩峰が数個見えて、その間を登山道が進んで行くのだろう事は容易に想像出来た。カチ
カチに固まった雪の上をチェーンスパイクの刃を効かせながら這い上がって行く。やっぱりチェーンスパイクを買いに行って正
解だった。振り返った眼下には緑色をした弥陀ヶ池がツララ越しに見える。もっと高度を上げると南側に菅沼や丸沼も見えてき
た。

岩の間に続く急な傾斜を這い上がると10時10分稜線部近くに出た。すると丸沼の奥には懐かしい尾瀬、燧ケ岳の双耳峰が見
える。日光白根山は関東以北での最高峰、燧ヶ岳(2,356m)は東北地方以北での最高峰である。


  
 背丈の低い灌木の間にある岩道を上がる様にロープも置かれ絵いた  上方にある岩の間がルートだろう

  
ツララ越しに弥陀ヶ池や登山口近くの菅沼が見える         いよいよ岩の間に向かう


  高度を上げると弥陀ヶ池や登山口付近の菅沼、丸沼 更には奥に懐かしい尾瀬の燧ヶ岳が見えて来る


  いよいよ白根山北尾根ルートの核心部に入る

  
  振り返ると結構な高度感だ                   アイスバーンになっている所もあるのでチェーンスパイクが効く

  
  この辺りは霧氷が発達している                 岩の間から山頂部の北側肩部が見える 

  
 明日登る武尊山方面を眺める                   岩の間を抜けると少し草地となっていた

  
 もうすぐ山頂部に着く                        標識があったが山頂へは窪地を越えて向こう側だった

「日光白根山」 二等三角点「白根山」 2,577.14m

更に奥へ進むと今度は東側に昨日登った「男体山」と中禅寺湖も見えてきた。ゴツゴツした岩山を一旦下って北側に回り込むと
10時25分「白根山」(日光白根山・奥白根山)に着いた。ここは群馬県と栃木県の県境で四国の私にとっては非常に馴染み
の薄い地域でもある。山頂部は火山らしく岩がゴツゴツしているが下山口の南側には荒れた平地が広がっている。


  
 菅沼、丸沼、燧ヶ岳を眺める ここ白根山だけが真っ白だ   向かいに登山者が居る場所が山頂だろう 窪地を越えて進む


 東側に昨日登った男体山と中禅寺湖が見える ここを左に回り込めば山頂だ


        10時25分 日光白根山に到着〜〜   関東以北で一番高い標高を持つ山だ

  
遠征の六座目 日光白根山に立つ!              二等三角点「白根山」 2,577.14m

  
 山頂から尾瀬方面 左奥・至仏山、 右奥・燧ヶ岳         こちらは中禅寺湖、男体山方面

  
  富士山だって見えちゃってるよ  (左上)            五色沼も岩の間から垣間見れる


 山頂にある奥白根神社は1429年に建てられたがその後の噴火で流失、現在は下山口付近に祠が立つ

少し休憩の後、東側にある祠付近にロープウェイ山頂駅と五色沼ルートの分岐標識があり、平らな平原の様になっている五色沼
ルートへと下る事にした。しばらく下ると緑色をした五色沼が眼下に見える。急な火山性の岩場に付けられて登山道をゆっくり
と下って行き、陽当たりの良いダケカンバの林で簡単な昼食を取る。


すると単独男性が下りて来て「男体山でお会いしましたね」と声をかけられりる。少し話をすると山口県からやってきて車中泊
をしながら百名山を巡っている同胞だった。「次は武尊山でしょ?」と聞くとピンポン〜だった。でも話を聞くと彼とは武尊山
に登る登山口が違っている様だった。

  
 荒れた平原を南東へ下る               下って来た奥白根山を見上げる

  
 男体山方角に向かって延びる尾根を進む        左下に五色沼が見えるが登山道は尾根の右側を回り込む


 白根山の火山湖「五色沼」 福島県裏磐梯の五色沼は有名だが、ここは水深の違いにより少し色が違って見える

  
  前方に見えるのは前白根山か            荒々しい急斜面を下って来た

  
 五色沼の向こうが五色山だろう             五色沼の右手から回り込んで下る


  岩場を下ると窪地に向かってダケカンバ林となる


   ダケカンバ林の中でのんびり昼食休憩、その時に山口県から来られた単独男性と会う

直ぐに前白根山の尾根と白根山の間に出来た窪地に下りつき左手に進むと赤い屋根の五色沼避難小屋を通過する。ここに前白根
山への分岐標識が立っていた。小規模な沢沿いの登山道を下って行くと12時42分大きな五色沼の畔に到着した。ここから仰
ぎ見る白根山は双耳峰の形をしている。

五色沼から白根山と五色山の間にあるコル部を越えて弥陀ヶ池に戻る。これが地図を見ると簡単な様だが樹林帯の中を結構歩く
と時間がかかった。13時15分峠部を通過すると弥陀ヶ池は近かった。

  
 右上に前白根山を見ながら窪地を五色ヶ沼へと進む   12時27分前方に五色ヶ沼避難小屋が見えた

  
 荒れた沢沿いの道を北に下る          前方に五色沼が見えて来た 正面のコル部が五色山へのルート


 12時40分 標高 2,175mにある奥白根山、五色山、前白根山に囲まれた火山湖に着く


 五色沼の西湖岸に沿って進む  ここから見上げる白根山は双耳峰に見える

  
 五色沼西岸を北に向かって延びる登山道        五色沼の北端から西の峠部に向かう

  
 シラビソ林を峠部へと向かう                峠部を通過する

  
 峠部には雪が残る                13時15分 弥陀ヶ池、五色山、五色沼の三差路標識


13時23分弥陀ヶ池から今日最後になる白根山を眺めた後、菅沼新道を下る。14時45分菅沼登山口分岐に着くと有料駐車
場には車が2台停まっていた。分岐から5分程で誰も居ない国道120号線近くに置いた車に帰り着いた。


  峠からは直ぐに弥陀ヶ池に着く 小振りだが綺麗な火山湖だ  五色ヶ沼より標高が120m程高い

  
 木道を登山口へと帰る                 白根山に別れを告げて登山道に入る

  
 朝凍結していた部分はそのままだった          必死に幹にしがみ付く根

  
 牛に見える枯れ木                   14時37分 やっと山道から下りて来た

  
14時45分 登山道分岐を通過する           14時50分 愛車が待っていた


白根山から武尊山登山口へ移動


 日光白根山から穂高山(ほたかやま)登山口への移動ルート


菅沼登山口から国道120号線を西に進み国道401号線(沼田街道)に合流する。
この合流部にある道の駅でトイレ休憩をし
ていると白根山で会った山口県の男性とバッタリ。私は移動距離の短さを重視して東側(オグナほたかスキー場)から登る。彼
は登山距離の短さを重視して西側の(裏見の滝)登山口へ回ると言う。お互いの健闘を祈ってお別れする。

沼田街道の合流部を右手(北側)へ進むと尾瀬入口の鳩待峠は近い。ここは左手(南側)、片品川に沿って沼田方面に進む。
片品川は利根川の上流部に当たる関東屈指の水源地域である。途中温泉があったら入ろうと考えていたのだが、日帰り温泉が見
つからなかったのでそのまま沼田街道から別れてカーナビに従い「オグナほたかスキー場」へ着く頃には暗くなっていた。

道路に沿って幾つかの駐車場があったが一番奥のスキー場建屋真下の駐車場にて車中泊とする。

寒くて汗もかかなかったので1日位風呂をスキップしても人と会う訳でもないので気にしない。この夜もとても寒い風が吹き、
マイナーな登山口らしくて他に車は居ない。翌日慌てない様に先ず登山口を確認する。スキー場の開設準備をしている作業員が
丁度タバコを吸いに外に出て来たので登山口を聞くと作業員の車で隠れた場所に標識があった。

安心して車に帰りお湯を沸かしてカップ麺夕食だ。その後、着替えを済ませて寝袋に潜り込み翌日の登山地図を眺めながら眠り
につく。


  
16時50分 オグナほだかスキー場駐車場に着く    すぐ上にスキー場の建屋がり右手の車が並ぶ場所が登山口だった

日本百名山銀座の中心に位置する穂高山


 全く馴染みが薄かった武尊山は尾瀬の近くで周りに日本百名山がひしめいていた



7座目)武尊山(ほたかやま) 2,158m (群馬県)

国道120号線〜登山口 オグナほたかスキー場P

武尊山(ほたかやま)は100〜200万年前に活動した火山で周りに独特の雰囲気を持つ。江戸時代中期に木曽・御嶽山や
越後・八海山を開山した「普寛(ふかん)行者」によって開かれた山岳宗教に纏わる山。以前は穂高山とか保鷹山とか言われ
ていたが日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征に結びつけられて江戸時代に「武尊山」(ほたかやま)の字が当てられた
らしい。

「普寛(ふかん)行者」が開山した武尊山は現在の「前武尊」(まえほたか)であり、そこに江戸時代末期に日本武尊の像が
置かれている。

登山口は武尊神社がある西側「宝台樹キャンプ場」近くからがポピュラーで登山書もほぼこのルートを解説している。日光白根
山を下山して西側へ回り込むと夜間運転になるので目が悪いので不安。それで私は明るい内に登山口へ行ける東側の「オグナほ
たかスキー場」から登る事にした。「オグナ」とは日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の元々の名前らしい。
日本書紀には
「日本童男」(ヤマトオグナ)、古事記では「倭男具那命」(ヤマトオグナノミコト)の別名で登場している。

令和2年11月12日(金)

オグナほたかスキー場〜前武尊〜家ノ串〜中ノ岳分岐〜武尊山(沖武尊)ピストン

約10時間30分


カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図  武尊山登山ログ図

支度に手間取って06時50分登山口に入る。マイナーな登山ルートなので誰一人登山者は居ない。スキー場の従業員駐車場か
ら右手の雑木林の中に向かって登って行く。踏み跡はあるが落ち葉などで不明な場所にはストックで線を引く。(しかし帰りは
暗くなって意味が無かった) 傾斜をジグザグに上がって平らな林を進むと07時20分スキー場のゲレンデに出た。このに標
識があり、駐車場0.7km、前武尊5.2km、武尊山 8.3kmとある。え〜? 往復18kmもあるんかい!
ギョヘ〜

  
06時50分 スキー場管理棟の従業員駐車場場へと進む    前日確認済みの雑木林登山道に入る

  
 最初は丘へ向かってジグザグに上がって行く          尾根部に上がるとほぼ水平に道が続く

  
 07時21分 スキー場のゲレンデに出る          登山口から0.7km、前穂高まで5.2km、武尊山まで8.3kmとある

ゲレンデの中央に延びる管理舗装道路を歩くが、結構傾斜があって息が切れる。地図が小さくて良く分からないがゲレンデを詰
めた付近から登山道が続いている様だ。ゲレンデの回りはカラマツ林になっており黄葉が朝日に輝いている。

風は冷たいが天気が良いので気持ちがいい。07時50分スキー場の施設が両側に並ぶがシーズンオフなので閉まっている。正面
には台形をした山が見えるので恐らくそれが前武尊だろう。その右奥には剣ヶ峰付近も顔を覗かしている。
08時05分舗装作業
道が無くなるがゲレンデは更に上に延びている。振り返ると群馬の山がずらりと並ぶがお馴染みで無いのでサッパリ分からない。

  
 気持ちの良いゲレンデを歩く              スキー場の関連建物が見えた 左奥が前穂高辺りか?

  
振り返ると南側に赤城山が見える(左端ピークが黒檜山)  赤い実を一杯に付けている樹が多い

  
 スキー場管理棟とレストランか? (現在は休業中     書くバッタリ尖ったりしている岩山が見える


  左が前穂高  右奥が剣ヶ峰とその手前の岩尾根だろう

  
 まだまだ続くよスキー場ゲレンデ(舗装道路は無くなる)  サッパリ分からんこの辺りの山々


ゲレンデを詰めるが登山道が分からず右往左往する

 08時30分ゲレンデの最上部に着く。さて登山道の入り口を探すが見つからない。正面の斜面に取り付くがそこにも踏み跡が
無い。20分程辺りを探した後、左手の笹藪を突破して尾根筋に出ると登山道があってホッとする。どうも登山道は少し下側の
ゲレンデ途中から入り口があった様だ。

08時50分急斜面に続くワイルドな登山道を前武尊に向かって上がって行く。白いダケカンバの幹が並ぶ急な岩道には細い鎖
も見られた。


 08時30分スキー場最上部の施設に付き登山道入口を探すが何処にも無い (ゲレンデの途中に有った・・・)

  
スキー場s重点部付近を探すが登山口が無い     08時52分 左手の笹薮を突破して尾根筋に登山道を見つける

  
 スキー場最終施設の真上に出るとお地蔵さんがあった  やはり放射冷却でシモバシラが出来ている

  
 スラブ岩には細い鎖が置かれている               皇海山          黒檜山(赤城山)

前武尊(まえほたか)三等三角点「前穂高」2,039.74m

09時33分急斜面が緩やかになると右手にお地蔵さんが立っている。更に進むと壁の無い社が建って、中には江戸時代末期に
置かれた日本武尊(やまとたけるのみこと)の銅像が立っていた。そしてここが普寛(ふかん)行者が開山した「武尊山」の
様だ。
傍にある三等三角点「前穂高」を踏む。標識にはオグナほたかスキー場登山口から4km、旭小屋登山口まで6.5kmと記され
ている。

ここまで来ると前方に台形をした剣ヶ峰とその向こうにやはり台形をした家ノ串や中ノ岳が見える。

  
09時33分 お地蔵さんが立っている                09時42分小さな祠が置かれていた


  09時43分 前武尊(まえほたか)に着く 屋根付きの建屋の中に日本武尊(やまとたけるのみこと)の像が立つ

    
日本武尊(やまとたけるのみこと)の像   三等三角点「「前穂高」 2,039.74m


何とも奇妙な形の山が並ぶ  手前から(川場)剣ヶ峰〜家ノ串〜中ノ竹 (左端が武尊山がチラリと見えている様な、、、)


(川場)剣ヶ峰(2,083m)は巻き道があった

09時45分前方に見える特徴的な剣ヶ峰の岩峰を眺めながら尾根を下る。剣ヶ峰の岩峰はどんなルートだろうかと思いながら
進むと右手に笹藪と岩っぽいトラバース路になっていた。ちょっと残念、大いに安心〜。
このトラバース路からは北側が開けて懐かしい尾瀬の山、至仏山と燧ヶ岳が並んで見る事が出来た。この後、天気が悪くなった
為、武尊山からは北側の景色が見れなかったのでラッキーだった。


  (川場)剣ヶ峰(2,083m)を眺めながら歩くが、登山道は無さそうである  寄り道などしてたら相当時間が掛かりそうだ

     
 背丈が高いダケカンバの生えた斜面を下って行く        剣ヶ峰の右裾野を巻いて笹原に登山道が回り込んでいた


         右手が開けて北側に尾瀬の山、至仏山と燧ヶ岳が見える  山深い風景を暫く眺める

  
剣ヶ峰の向こう側へ岩道を上がる           気温が低いので岩からツララが垂れ下がっている

剣ヶ峰岩峰群の難所

10時15分剣ヶ峰の岩峰を回り込むと剣ヶ峰岩峰群の尾根と岩峰の左手を巻くルートの分岐標識に出合う。標識の柱には
剣ヶ峰岩峰群の鞍部」と記されており、左手の峠を下ると「中の岳南の分岐・武尊山」と消えかけの字が見える。正面の岩峰
に向かっては「剣ヶ峰岩峰群北峰」と記されている。

ここは当然岩峰群ルートを歩く事にする。するといきなりの岩壁が現われた。え〜こんな垂直の崖を上がるのかい! 岩と岩の
間にある裂け目に挟まりながらズリズリと這い上がる。ここをクリアすると前方に又岩の難所が待っていた。岩の細尾根には修
験の山らしく祠が立っていて、そこから家ノ串、中ノ岳、更には武尊山(沖武尊)が並んでいる。




    
 峠部に標識が立っている  峠を下ると中の岳南の分岐経由で武尊山、正面は剣ヶ峰岩峰群北峰となっている


  え〜〜? ウソだろ  この岩をはいあがるのかい!  他に巻き道は無かった・・・

  
 まあ 人間にも岩にも近寄れば弱点はあるものだ  この隙間をズリズリと這い上がる


      キャイ〜〜ン  次の難所が待っていた  こりゃ登山道じゃないわ


         修験の山らしく祠が立つ 前方に武尊山までのピークが見える


 この下で登山道と合流する様だ  家ノ串、中ノ岳、武尊山(沖武尊)が並んでいる  

  
     剣ヶ峰岩峰群北峰を下って行く              中々合流点に近づかない 右奥に燧ヶ岳が見える

  
  10時30分 やっと岩峰の末端部に出た様だ   登山道らしき踏み跡へ崖を下る


いきなりの吹雪に遭遇!

20分程岩尾根を歩き崖部を注意深く下ってトラバース路と合流する。11時になって次の家ノ串との中間部にある小ピークに
着くと天候が急変して辺りが雪雲に覆われて吹雪になった。あっと言う間に辺りが雪で真っ白になり視界が悪くなってしまった。
剣ヶ峰岩峰群を歩いている時で無くて良かった・・・・急いで防寒着の上に雨具を着る。

  
 急に天候が急変し吹雪になる               前方に家ノ串ピークが見える

家ノ串 2,103m

11時30分辺りの笹が雪に覆われた「家ノ串」に着く。名前の由来は良く知らないが、遠くから見ると台形をしているし、そ
こから東側に長い支尾根が延びている。そんな山容から付けられたのだろう。

家ノ串から中ノ岳分岐の間には油断のならない細い岩尾根があり注意深く歩く。途中から前方に中ノ岳や武尊山がガスの中から
見える様になり、コル部に着く頃には又天候が回復してきた様だ。


  
 少し岩道を登る                    11時30分 何の変哲も無い「家ノ串」に着く


「家ノ串」 2,103m 石鎚山よりも高い 一応 山のピークなので大きい写真も貼っておかなければね

  
 あっという間に雪道になっている            何ちゃ見えんがな・・・

  
 ヤバそうな岩尾根を下る                結構な岩尾根が続く


 チェーンスパイクは持って来なかった・・・ 勘弁してよ 雪の細岩尾根・・・

  
 おっ 天候が回復して来たぞ!            11時53分 やっと岩尾根が終わった


中ノ岳南分岐 (2,110m)

中ノ岳(2,144m)へ向かって暫く岩っぽい登山道の上りが続くと12時15分「中ノ岳南分岐」に着く。そこには私が
歩いて来たコース方向に「前武尊1.7km、川場野営場4.7km」、それと違う方向に「田代湿原5.3km、武尊牧場
スキー場9km」と記されている。これから進む方向には「三ツ池 0.3km、武尊山 0.8km」とある。

すぐ近くにある中ノ岳へは登山道が無く、この岩山はトラバースしている様だ。分岐から中ノ岳南斜面の笹原に付けられた登山
道を最終目的地「沖武尊」へと向かう。周りを見渡すと歩いて来た剣ヶ峰〜家ノ串、左前方に剣ヶ峰山などがグルリと並んでい
る。深田久弥が「それは一つの抜きんでたピラミッドとか特異の独立峰として注目されるのでなく、その大きな壁全体として私
たちの眼を驚かすのである。」と評した所以である。


  奥に武尊山がやと近づいた    手前が中ノ岳(ここは手前をトラバース道となる)


  歩いて来た尾根を振り返る 前武尊山は家ノ串の後方に隠れている

  
 中ノ岳南分岐に向かってなだらかに上りが続く      12時15分 中ノ岳南分岐に到着する

  
 武尊牧場への分岐となっている            ここから中ノ岳に向かう登山道は無く、トラバースする


  西側が開けて「剣ヶ峰山」(2,020m)が見える その奥には谷川岳や苗場山があるのだが雲に隠れて見えない
 

 武尊山 一等三角点「武尊山」2,157.99m

 中ノ岳南斜面の窪地に水が溜まっている。ここが三ツ池だろう。浅い池は凍っていた。武尊山直下の右手岩場に像が立ってお
り近づくと剱を持つ日本武尊(やまとたけるのみこと)像だった。直ぐ横にも錆びた大き目の剣が立っている。

12時57分登山口から6時間程かかってやっと「武尊山」(沖武尊)の山頂に到着するが、又天気が悪くなった。笹とハイマ
ツに囲まれた平らな裸地の山頂にはセンスの悪い山頂看板が立っている。その前には二段重ねの大きな四角い石が置かれている
ので以前、この上に像でも立っていたのだろうか?」
左手には小さな祠と一等三角点が設置されている。天気も悪いせいも有っ
て苦労して登って来た割には何か殺風景な山頂である。


  
 中ノ岳の南斜面をトラバースして進む                一部 ガレ場も通過する


  北側は雲に覆われていたが、 開けた西側には 赤城山が見える   

  
 登山道の真ん中に池がある                     更に二つ池が並ぶ

  
 池の浅い場所には氷が張っていた                 景色を振り返りながら武尊山に向かって最後の上りとなる

  
y   あんた だぁれ?                        何を隠そう わすは日本武尊(やまとたけるのみこと)だす

 
   12時55分 やっと上州武尊山に到着する  吹雪の為6時間を要した

  
一等三角点「武尊山」 2,157.99m           御嶽山大神との標石がある 開山者が御岳信仰の修験者だからかな?


 武尊山(ほたかやま)の山頂全体図 山頂標識もセンスが無いような・・ 何かの台座だけが残っている 全体的に殺風景な印象だ


来た道を引き返す

13時10分叉雪が降りそうな天候なので急いで山頂を後にする。先程通った三ツ池付近には群馬修験・鳳の池」の札が立
てられていた。又少し天候が回復してこれから引き返す家ノ串や剣ヶ峰の尾根筋が見える。その向こうには一番左端に黒檜山を
筆頭に丸っこい地蔵岳等の赤城山が見える。赤城山から右手の彼方に厚い雲の下にかすかに富士山のシルエットが見えた。登山
道の左手には中ノ岳の岩壁がそそり立っている。


  
 ガスが出て来たので急いで引き返す              三ッ池付近には「群馬修験 鳳の池」と掛かれた表札があった


  中ノ岳の鋭い岩峰を眺めながらトラバース道を戻る

  
 黒い雲の下に富士山が(一応)見えた                   家ノ串へと向かう

13時35分中ノ岳南分岐で冷たい風を避けて簡単な行動食を取っていると今日初めての単独男性が前武尊方面からやってきた。
聞くと南側の旭小屋から川場尾根を伝って前武尊へ上がって来たと言う。お互い下山はヘッドライトのお世話になる事を覚悟し
ている様だ。
15分程休憩の後、雪の残った岩道を前武尊へと引き返す。  

遠くから見ると家ノ串は穏やかな台形に見えるが北側からの細尾根は結構厳しい岩尾根だった。14時25分家ノ串標識を通
過する。
帰りは剣ヶ峰岩峰群の細尾根は通らず右手のトラバース路を歩き15時00分岩峰群分岐コルに上がる。


 中ノ岳南分岐で最初で最後の単独男性に会った後、家ノ串への岩尾根を引き返す

  
 岩尾根には雪が未だ残っていた            岩峰の右手が切れ落ちており恐る恐る通過する

    
 結構な岩尾根だ                  家ノ串は北側が厳しい細尾根が続く

  
 最後に藪っぽい岩尾根を上がる              14時25分「家ノ串」ピークに着く


 残りは後 ピーク2つ 剣ヶ峰と前武尊山だ

  
 剣ヶ峰の手前のピークが近づく             行きしにここで吹雪になった場所だ

  
 剣ヶ峰岩峰群の入口に着く               帰りは当然巻き道を歩く


  何と往路ではこの岩峰の上を歩いていたのだった ゾ〜〜

  
 剣ヶ峰の峠部へ向かう                15時00分 剣ヶ峰岩峰群の鞍部を通過する 

  
     剣ヶ峰本峰への岩尾根 当然道は無い    剣ヶ峰の左側を巻いて進む ここも雪が積もっていた
 

左手から剣ヶ峰を回り込み15時26分やっと前武尊の日本武尊像まで帰り着く。行く途中で吹雪に遭いどうなる事かと思った
が何とかここまで帰り着く事が出来た。ここからスキー場まで下りれば後は危険な場所も無いので暗くなっても大丈夫だ。

それでも標識を見ると武尊山からここまでが3.4km、ここからオグナほたかスキー場登山口までは4kmもある。先程出会
った単独男性が登って来た旭小屋登山口まで6kmとあった。


  
 剣ヶ峰のトラバース道付近も今朝吹雪があった様だ            前武尊山へ向かう

  
        剣ヶ峰を振り返る                    15時26分 前武尊山まで帰り着いた

南側に見える赤城山を眺めながら雪で滑り易くなった岩道を下る。16時05分お地蔵さんの立つスキー場最上部の建物屋根が
見える場所まで帰って来た。上りに登山道が分からなかった付近なので正解ルートが楽しみだ。すると5分程でゲレンデへの下
り口が見えた。登山道が更に下へ向かうのでそのまま進むと更に5分程で旭小屋への別ルートとゲレンデに下る分岐があった。
分かれば簡単なのだが、登る時には気が付かず最初の苗場山スキー場と同様に時間をロスした。



 前武尊山から南側、上州(栃木)の山々が夕陽を浴びて山襞に陰を作る  右端が赤城山主峰の黒檜山だ

  
 正面に赤城山を眺めながら下山する               岩の鎖場にも雪が積もっていた

  
 雪に可愛い鳥の足跡が残る             スキー場施設真上のお地蔵さんまで下って来た

  
 スキー場ゲレンデに沿って登山道が延びていた        往路には歩かなかった登山道  正面に皇海山の出べそ


  奥に日光白根山から皇海山の上州(栃木)の山が並ぶ

   
16時15分 オグナほだかスキー場と旭小屋の分岐に着く    往路でこの登山道入口を見逃した (ここに標識は無い)

ドンドンスキー場のゲレンデを下り途中からヘッドランプを出す。東日本の日暮れは早い。17時05分最後の雑木林入り口に
着く。そこから慎重にルートを選びながら下り17時27分オグナほたかスキー場登山口に帰り着いた。


  
 スキー場のゲレンデに下り付きのんびりと下る          左正面に皇海山が今度は登れよ!と何度も姿を見せた

  
 17時05分 ゲレンデから最後の登山道に入る         雑木林をテープに気を付けながら進む(実際はもっと暗い)

  
 最近のライトは明るいぞ                       17時27分 下山〜〜〜 東日本は暗くなるのは早い・・・

 

さて、次の四阿山(あずまやさん)は少し遠い。カーナビに関越自動車道「沼田IC」を入れて途中の川場温泉でギリギリ日帰
り入浴。沼田ICからは夜なので一般道を走らず関越自動車道を南下して藤岡ジャンクションから上信越自動車道を西に進み上
田菅平IC手前の東部湯の丸SAに22時頃着き、そこで車中泊とした。


  
川場温泉は入浴前にこの温泉は温度が低いと言われた   最後の入浴客だったので帰りにおにぎりとおかずをサービスしてくれた


 夜の運転と距離が長いので関越自動車道と上信越自動車道を利用し、四阿山登山口に近い東部湯の丸SAで車中泊をした


8座目)四阿山(あずまやさん) 2,354m (群馬・長野)

上信越自動車道 上田菅平IC 登山口 菅平牧場P

朝暗い内から起きてカーナビで菅平牧場を入れ、上田菅平(すがだいら)ICを下りる。菅平高原から菅平牧場まで意外と簡
単に道路を走る。地図には入山料料金所と記された場所があったが実際には存在しなかった。

四阿山は四国に住む私にとって馴染みの無い山で、日本百名山で無ければその山名の読み方も知らず一生無縁の山だったろう。
位置的には西側に千曲川を挟んで飛騨山脈(北アルプス)の壁がある。北側に志賀高原があり、西側に信濃川支流「千曲川」が
流れ、その河川沿いに長野市や千曲市、更に南側に戦国武将・真田昌幸(幸村の父)が築城した上田城がある上田市が並ぶ。
一方東側には浅間山草津白根山の間に野外コンサートで有名な嬬恋(つまごい)村がある。

その嬬恋村地方ではこの山を吾妻山(あずまやま)と呼ばれている。形が何処から見ても屋根の梁に見える所と、古事記に前日
武尊山で馴染みになったなった日本武尊(やまとたけるのみこと)が長い東征から戻って信濃の峠(嬬恋村辺りか)に立った時、
嫁さんの弟橘(おとたちばな)を急に恋しくなり「ミキティ〜〜〜」否「あずまはや〜〜〜」と叫んだと言う事から吾妻山と呼
ばれたと言う説もあるらしい。

80万年〜30万年前に活動していた火山が風化、浸食により山麓はなだらかな高原の為、スキー場や牧場がありリゾート地と
なっている。そんな中にこの四阿山があるので地元では人気の山となっている様だ。

令和2年11月13日(土)

菅平牧場登山口〜根子岳〜四阿山〜中四阿〜小四阿〜菅平牧場登山口 (約9時間)


 カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図  四阿山(あずまやさん) 周回ログ図

 

06時20分林道奥の駐車場に着くと土曜日なので既に多くの車が駐車されていた。ここもアプローチが良いのと登山道が整備
されて歩き易く展望も良いので人気の山らしい。

入り口が左・根子岳、右・四阿山となっているので根子岳からの周回にして06時50分左手の牧場の柵に沿ってなだらかな登
山道を上がって行く。左手が開けて見晴が良くカラマツ林なども見えて気持ちが良い。気温が低いのか登山道の土にはシモバシ
ラが付き、遠くに並ぶ山々はもう真っ白に雪を被っている。ダケカンバ林の笹道をゆっくり上がって行くと07時15分叉左手
が開けて遠く雪を被った山々が並ぶ。山名同定板がありそれを見ると右手から白馬岳〜唐松岳〜五竜岳〜鹿島槍ヶ岳〜剱岳〜爺
ヶ岳〜立山〜針ノ木岳〜赤牛岳〜野口五郎岳〜三俣蓮華岳〜大天井岳〜槍ヶ岳〜穂高岳が記されている。贅沢な眺めだ・・・
よう見えんけど・・・


  
  06時20分 菅平牧場駐車場に着く                    北側の志賀高原方面  清々しい朝の風景だ


  菅平牧場 四阿山登山口    直進が根子岳へ  右に行くと直接四阿山への登山道となっている

  
 根子岳登山口方面から周回する事にした             牧場の雰囲気一杯の登山道


   こんな登山道は採鉱だねえ  幹が白いのでシラカバかと思ったがダケカンバが主の林らしい  
 

そこから一旦叉ダケカンバ林に入り次第に高度を上げる。この辺りのダケカンバは幹が四国のそれより白いのでシラカバと間
違いやすい。07時50分根子岳まであと0.8kmの標識が立つ。

08時20分ダケカンバが減って来ると根子岳の斜面が見えて白く霧氷がかかっている。やはり放射冷却で夜に相当冷え込ん
だのだろう。やがて笹原の登山道に出ると登山口から2.1km、根子岳まで0.5kmの標識が立っている。そこからは笹
やツガザクラに霧氷が付いて朝日に輝き美しい風景となる。ここは9月にはウメバチソウの花が一面を覆い花の百名山となっ
ている。


  
07時50分 根子岳まで0.8kmの標識を通過          時々左手が開けて来る


 08時30分 根子岳まで0.5kmの標識まで着くと長野側が開けて遠くに北アルプスらしき山々が霞む


 樹林帯から登山道が外れる この辺りがお花畑になるのだろう  草地や笹原、針葉樹が霧氷に覆われている


  歩いて来た登山道を振り返ると広々とした高原風景が広がる

  
 ツガザクラの様な植物に霧氷が付いている             低木に着く霧氷 


根子岳 2,207m

09時12分左手に鐘が吊るされ、石組の上に祠が立つ「根子岳」山頂に着いた。四阿山火山カルデラの一部らしい。9月
にはウメバチソウが咲き乱れる花の百名山だ。名前の由来はこの山と隣の四阿山が並んで猫の耳に似てるというイージーな
発想から来ているらしい。

少しだけ休憩の後、霧氷が付いたモミの樹を抜けて東側の荒々しい火口壁を四阿山へのコル(大スキマ)へと下る。


      09時12分 花の百名山 根子岳山頂の祠に着く   右奥が四阿山

  
 「禰固岳霊社」と彫られた石碑              山頂には鐘が置かれていた

  
 標識に従い四阿山へと向かう              モミの木も霧氷が付いている

09時48分岩棚に出ると右手に長大な裾野を持つ四阿山の全容が見えて来る。南東側を眺めていると白く雪を被った富士山が
今回の山行で一番良く見えた。この辺りの岩は四角い火山岩性の節理が風化で観客席の様に並んでいる。

10時20分根子岳と四阿山の中間コル部(大スキマ)の笹原を通過する。そのコルを過ぎるとモミの様な針葉樹が生えた岩っ
ぽい道を上る。高度を上げていくと笹に雪が残っていた、やがて木々に霧氷が付き太陽に輝いて美しい。根子岳を振り返ると南
斜面が厳しい岩崖になっているのが見える。


  
 少し突き出た尾根筋を四阿山の方角に進む           ワイルドな岩尾根を暫く下って行く

  
       岩棚から四阿山                      おおっ 富士山が見える (右奥)


       根子岳と四阿山のコル部が「大スキマ」と呼ばれている

  
 観客席の様な岩が並ぶ 昼食に最適地              10時20分 コル部の大スキマに下り着く

  
 四阿山へ向かっては雪の樹林帯となる               根子岳を振り返る

11時17分下山ルートとの分岐に着く。立っている大き目の標識を見ると根子岳から1.8km、四阿山まで0.7kmと
ある。そこから四阿山への尾根を進んでいると右手に噴煙を上げる浅間山が見える。尚も進むと霧氷で真っ白に覆われた山頂
部が現われてテンションが上がる。



  11時17分 下山ルートとの分岐標識に到着

  
 あと700mとなった四阿山へと進む                    浅間山が噴煙を上げている


  四阿山(あずまやさん)の山頂が見えた 霧氷で木々が白くなっている


   四阿山の山頂に向かって登山道を進む

  
 山頂直下には木道で整備されている                 霧氷と浅間山
 

四阿山(あずまやさん) 2,354m

山頂に2つの祠

この四阿山の祠は奈良時代の初め修験者の「浄定」が白山から勧請したと言われている。と言う事は基本的に白山大権現が祀ら
れた山って事だ。
山頂の手前には木道があり修験道ルートの「鳥居峠」への道とここで合流する様だ。

山家(やまが)神社奥宮、西宮(にしのみや)=信州宮=信濃社

1時46分山頂近くに石垣が積まれた祠がありそこの石垣の上で登山者が沢山休憩していた。ここが山家(やまが)神社奥宮
の「西宮」(にしのみや)で長野県側の奥宮となっている。祀神はイザナミノミコトと言う事らしいが、白山大権現との関連
は良く知らない。



     11時46分  山家(やまが)神社奥宮 (西宮)に着く

山家(やまが)神社奥宮・東宮(ひがしのみや)=上州宮=上毛社

更に少し奥に進むとここに四阿山の山頂標識が立っており、傍らに山家神社奥宮の「東宮」叉は「神州宮」と言われる祠が立つ。
(北峰宮)。祀神は菊理姫命(くくりひめのみこと)でこちらは別名「白山比盗_(しらやまひめのかみ)」だから白山信仰と
大いに関連がある。
狭い山頂で霧氷越しに周りを眺める。西側に特徴のある槍ヶ岳を発見して喜んだ。やはり富士山とか槍ヶ岳
を見ると嬉しい物だ。



  11時56分 四阿山(あずまやさん)の山頂に着く 標高2,354m


 山頂標識のある場所には山家神社奥宮の「東宮」叉は「神州宮」の祠がある   奥は北アルプスの山並み


           ズームアップすると何とか槍ヶ岳が雲間から姿を出していた 

山頂部は細長い尾根筋の為、お昼時で大勢の登山者がひしめいており三角点へは行かずに分岐まで引き返してゆっくり昼食を取
る事にする。途中にある木道を下っていると鳥居峠から上がって来られる登山者が見られた。


  
 山頂部は狭くて多くの登山者が休憩されていた          奥のピークに三角点がある

  
 霧氷の間に歩いて来た根子岳が見える               日本百名山8座目の四阿山を後にする

  
 山頂から木道を下る                          木道の途中に鳥居峠への分岐がある

 
12時25分分岐に帰り少し登山道を外して簡単な食事を取る。風は冷たいが日差しがあるので気持ちが良い。30分弱休憩の
後根子岳を右手に見ながら中四阿〜小四阿を経由して下山ルートに入る。溶岩が風化して岩屑になった登山道には笹とモミ類の
針葉樹が立つ。


  
 下山分岐は人が少ないのでシェー写真を・・・              登山道を離れてお昼にする(と言ってもカップうどん)

  
 分岐から樹林帯へと下山道が続く                  火山らしく岩っぽい登山道に出る
 

13時07分南側へ続く四阿高原(別荘地)の分岐を通過すると前方に下山口の菅平牧場の草地が見えてきた。その分岐を過ぎ
るとクマザサやダケカンバ、針葉樹に覆われた急な岩道となる。樹林帯を抜けると前方に中四阿の支尾根ピークが見えてきた。
右手に見える根子岳南斜面は侵食によって抉られて鋭い岩盤の壁になっている。又、さらに右上の四阿山を振り返るとこれ又侵
食された大きな谷部が二つ並んでいた。やはりここは基本火山だったのだ。

13時37分右手に四角い節理が風化した岩盤を持つ「中四阿」に着く。この辺りは見晴しが良い尾根筋だが次第に樹林帯とな
り14時00分左手に四阿高原への道を分ける。

更に登山道を下ると14時25分標識があり、小さな字で「小四阿」と記されている。ここに三角点マークがあるので付近を通
探すが見つからなかった。ここから暫く笹とダケカンバの雰囲気が良い登山道を下る。


  
 四阿(あずまや)高原への分岐から牧場付近を眺める     暫く深い笹に覆われた急斜面を下る

  
 前方に中四阿のピークが見える                   すると右手に南側がズレた根子岳が現れる 


       四阿山の南側斜面にも2か所大規模な崩壊亀裂が入っている

  
この辺りに中四阿の標識があったが人が多く居たので撮れず  中四阿の下側にも小さなピークがあり、その左手を巻く

  
 四阿山を振り返る  二つ目の小ピークが中四阿         下山地の菅平牧場付近が見えて来た

  
 14時01分 四阿高原への分岐を通過 牧場登山口までまだ2.5kmもある ガックリ  ダケカンバが目立って来た

  
 時々四阿山を振り返りながら溶岩っぽい登山道を下って行く   14時25分 小四阿を通過 (三角点は見つからず)


 美しいダケカンバ帯に入る  菅平牧場までやっと1.2kmとなる

「ダボス牧場」の名称が出てきて面食らうが「菅平高原」は別名「日本のダボス」と呼ばれているらしい。ダボスはスイスにあ
るスキー場などのリゾート施設で菅平とは標高的に良く似た場所らしい。菅平にスキー指導員として招かれたオーストリア人の
ハンネス・シュナイダー氏が「ここは(スイスの)ダボスに似ていると言った事から菅平が日本のダボスと命名されたのだろう。

15時10分過ぎに菅平牧場まで0.8kmの標識を過ぎると千曲川の支流、大明神沢に出て渡渉する。同じような笹と雑木林
を進むと15時37分登山口の標識に出る。

ここからは広々とした牧場の道を駐車場へと向かう。右手には根子岳と四阿山が並び、これを猫の耳に見立てて猫岳→根子岳
となったのだろう。マユミの実を眺めながら長く裾野を広げた根子岳や四阿山を眺めながら15時50分駐車場に帰り付く。


  
  登山道の両側にダケカンバが並ぶ                 15時12分 菅平牧場まで0.8kmになった

  
 千曲川の支流、大明神沢に着いた                 15時20分 大明神沢を渡渉する

  
 15時37分 四阿山登山口に着いた                この牧場には丁寧な登山口標識が設置されている


  左が根子岳、右が四阿山   これが猫の耳に見える為「猫岳」→「禰固岳」→「根子岳」となったと言う ふ〜〜ん

  
  マユミらしき赤い実を付けた樹が沢山あった          15時50分 日本百名山8座目「四阿山」を下山する

日本百名山8座目の四阿山から下山し、帰りは上信越自動車道「須坂長野東IC」から高速に乗る為、途中で須坂市にある信州須坂
関谷温泉・湯っ蔵んど」の日帰り温泉¥600で旅の疲れを癒す。その後上信越自動車道〜長野自動車道〜中央自動車道〜名神高
速道路〜神戸淡路鳴門自動車道〜高松自動車道と乗り継いで長い道のりを帰る。

   
 信州須坂関谷温泉・湯っ蔵んど(ゆっくらんど)            遠征最後の日帰り温泉


四国からの遠征は行き帰りに時間を要するがそれにも増して見知らぬ土地、山河を訪ねる旅の要素に満足感が大いにあるものだ。


エピローグ

遠征期間は11日間 (遠征時期としては東日本は16時30分頃から暗くなり、雪が降ったりして余り良く無い時期に
なってしまった)


11月4日 松〜若狭舞鶴自動車道〜関越自動車道〜湯沢IC
11月5日〜8日 前半4座 (苗場山、巻機山、赤城山、筑波山)登山
11月9日 大雨で休養日
11月10日〜13日 後半4座(日光男体山、日光白根山、武尊山、四阿山) 登山

11月14日昼頃 上信越自動車道・須坂長野IC〜長野自動車道〜中央自動車道〜名神高速経由で松着

道路マップは今までの遠征でサービスエリアで入手した「中央自動車道・長野自動車道・首都圏中央連絡自動車道・中部横断自
動車道」が載っている道路マップ(2017年版)とNEXCO東日本がサービスエリアに無料配布している2021年版「東
日本道路地図」(東北地方も含まれている)を使用した

登山ガイドブック、地図は以前買っていたJTB出版の「日本百名山・クルマで行くベストプラン」とヤマケイ2021年1月
号付録の「日本百名山ルートマップ」および図書館で借りて詳細地図をコピーした物を利用した

何せ、第一座目を苗場山にしようか巻機山にしようかはっきり決めずに高松を出発し、関越自動車道に入ってから直観的に聞き
覚えのある苗場山にした様な行き当たりばったりの旅だった

巻機山の後も下山後に地図や天気予報を見て次の予定を立て、臨機応変(?)行き当たりばったり(?)の旅だった
当てが外れたのは「皇海山」(すかいさん)で、林道が非常に通行困難な為に近くにありながら断念した

概算費用に関しては概略ですが

高速道路料金 行き帰りと現地移動  約 ¥41,000.−
ガソリン代             約 ¥30,000.−
食糧、その他雑費          約 ¥23,000.−
            合計    約 ¥94.000.− 大まかに10万円程掛かりました

普段から節約と体力作りをしておかなければ個人遠征は中々厳しい物です
でもテント泊縦走に比べれば日帰り装備で歩けるのでほぼ旅行気分でした
車中泊をしないとこの金額では済みませんので「車中泊」は必須です
普段から四国の山でも遠い場所では車中泊に慣れる事をお勧めします

着替えや登山用具は2つのバケットに詰めて後部座席の足元に、食糧、水、調理道具も2つのコンテナに入れて収納
(ガスバーナーはカセットボンベ用 SOTO レギュレーターストーブ ST−310使用)
大きい車で車中泊される方はカセットコンロを持って行き調理している様ですが、私の車は狭いのと、次の山への移
動時間で忙しいので鍋は持っていかずヤカン(ケトル)で専らお湯を沸かして済む調理とコンビニ弁当等で済ました
車中泊遠征ではコンビニで弁当や野菜、行動食等を調達出来るので快適〜〜

車内マットや寝袋、シュラフカバーは後部室内(フラットにしています)に置いたままです
雨具や靴は2セット持って行きました
(靴は第1座目の苗場山で使ったスカルパが雨と雪になりスパッツを持って来ずにずぶ濡れになって乾かず以後の山行
に使えませんでした)

関東近辺のコンビニはセブンイレブンが圧倒的に多かったのでDカードのポイントが溜まりませんでしたわ 


    大まかな車中泊装備  (後部座席は荷物で一杯です)

  
  調理用品関係 ほぼお湯を沸かす道具               着替えやザック、手袋等

  
  レインウェアは2種類  (軽量と普通の上下〉          シュラフやシュラフカバー、マットなどは登山用品を車でも利用



             目次に戻る           トップページに戻る