車中泊で登る日本百名山8座の旅 (関越自動車道、長野自動車道付近)
令和3年11月4日〜14日
苗場山〜巻機山〜赤城山〜筑波山〜(日光)〜日光男体山〜日光白根山〜武尊山〜四阿山
日本アルプス以東の日本百名山8座の旅 それぞれの位置図 (順路は番号順)
元々四国の山歩きがメインで始めた山歩きだったが、あちこち旅をするのも好きで家族旅行のついでに近くの山を登っていた。
又、高御位山さんの紹介で知った北アルプスにも魅了されて日本アルプスの山々を歩いている内に日本百名山も結構踏破してい
る事が分かった。
南アルプスの光岳のみが残ってしまったが、その西側の百名山に関しては中部地方、関西地方、中四国地方、九州地方を全て
踏破している。
剱岳への遠征の後、残りの百名山遠征に出る予定だったが、色々あって実行がズルズルと遅れてしまった。でもこの歳になると
来年の保証は無い。思い切って日本アルプスの東側にある百名山へ出かける事にした
遠征が遅れたので念のため冬タイヤに取り替える 車中泊ってのは気楽で何でも2セット用意する
テント箔縦走装備と違い車中泊遠征は何でも2セット用意出来て水も火器も多めに積載して持って行ける
車中泊遠征 前半4座
1)苗場山(なえばやま)2,145m(新潟・長野県境部)
アクセス:関越自動車道 湯沢IC 登山口:かぐらスキー場Pにて車中泊
登山道: 祓川(はらいがわ)コース (ピストン)
何となく静かな日本海側からスタートしたかったので舞鶴若狭自動車道〜北陸自動車道〜関越自動車道へ入った所で第1山を
「苗場山」とした。
関越自動車道「湯沢IC」で下りて17号線を西に進み、清津川の大橋橋を渡って細い山道を30分程走り「かぐらみつまた
スキー場」(町営第二リフト駐車場)に着く。
清津川は信濃川の支流で上流部に清津峡と言う柱状節理の景勝地などがある。登山口に入る場所にある「湯沢温泉」は川端康
成「雪国」の舞台になった場所で、南側には「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった」で有名な清水トンネルがある。こ
の歳になるとそんな小説の舞台になった温泉宿を巡るのが相場なのだが、私ときたら未だに山登りである。
登山口となる秡川(はらいがわ)は山の神域に入る前にここで身を清める為の川だと言う事から付けられた。
11月4日(金) 第一座 苗場山で雨と雪と霧の洗礼を受ける
かぐらみつまたスキー場P〜和田小屋〜下ノ芝〜中ノ芝〜上ノ芝〜神楽ヶ峰〜雲尾坂〜苗場山(往復)13時間40分
カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図 苗場山 祓川コース
雨か〜〜
夜遅くから雨が降り続け朝になって激しくなって着た。昨日暗くなって到着した時は私の車1台だけだったが、夜中に一台来ていたみたいだ。余りの雨模様にその登山者も諦めて帰ると言う。すぐにもう一台上がって来たが、これも雨の状態を見てすぐ引き返した。う〜〜ん 四国からはるばる来た私はそんなに簡単に引き返す訳にはいかない。雨具を着てメガネに雨粒が付くのが嫌なので更に傘を差す。カメラ
は画質は悪いが沢歩きに使っている防水のリコーを持って行く事にした。
夜は車の運転席にてカップきつねうどん 食後はコーヒーにビスケット
06時30分雨具を着て傘を差してスキー場のゴンドラを見上げながら舗装道路を30分程進むとスキー場の中継点である和田
小屋に着く。
なのでスキー場開設まで閉じられていた。
うへ〜 大雨じゃん (かぐらスキー場第二リフト駐車場) 初日から日延べする訳にも行かず傘を差して出発する
頭上にはゴンドラがぶら下がったまま止まっている 30分程歩いてゴンドラ駅に着くが誰も居ない
左手にある和田小屋にも誰も居ない 登山口は何処? 右手に道があり赤テープがあったので沢の方へ進む
登山口は何処?
ここからの登山口がはっきりせず、リフト小屋の下側から沢に向かって道があり、テープに従って沢に入ってしまい1時間程大
幅にロスした。日本百名山なんだから登山口の標識くらいは見える場所に立っていて欲しいものだ。
沢沿いに赤テープが続く 30分程進むと道が無くなった・・・元に引き返す
リフト小屋に帰って少しゲレンデを上がった右手に登山口があり08時25分「祓川コース」登山口に入る。
い込んだ右手の祓川との中間部に延びる岩っぽい登山道に入ると雨が雪に変わった。所々に木道が整備されてはいるが、沢道の
様で歩き難い登山道を登って行くと09時43分リフト終点部との分岐に着いた。
駅まで行ってみるが、灌木ヤブの為にここを直接下る事は難しいと思って引き返す。
登山者がリフトを利用した場合は上りに乗る事が出来るが、下りはリフトには乗れないと看板に掲示されていた。
08時25分 まともな登山道に復帰してホッとする すると雨が雪に変わって行く
右手の紅葉と雪景色 ダケカンバも美しい
赤い実が雪を被って可愛い 登山道は小沢みたいに石がゴロゴロして歩きにくい
09時43分 リフト上端と登山道の分岐 リフトを使った場合もここからは登山道が始まる
リフト駅分岐を過ぎると直ぐに「下ノ芝」標識を通過する。この辺りは神楽ヶ峰へむかう「中尾根」と呼ばれている登山道で
ある。暫く歩くと右手にリフト駅があり更に進むと11時07分木が組まれた休憩所の様になった「中ノ芝」に着いた。そこ
からは雪を被ったモミの樹が立ち並ぶ雪道を進むと11時35分「上ノ芝」標識に出合う。
雪が積もって山肌は良く見えないがここで言う「芝」とは草原の平地を指す。中ノ芝や上ノ芝は谷川岳方面の展望所の様だが
ガスで何も見えない。忍の一字で雪道を更に進むと11時50分「小松原分岐」を通過した。北西方面にある小松原から霧ノ
塔を経る小松原コースとここで合流する。(小松原湿原が有名)。
09時58分 下ノ芝を通過 10時36分 あれ? ここにまだリフトの最上部駅がある
11時07分中ノ芝には休憩所があった うへ〜〜 雪が深い〜〜 針葉樹が垂れ下がり雪を被る
11時34分 展望の無い上ノ芝展望所へ付く 更に11時50分 小松原分岐を通過
ご神体、苗場山を拝んで神楽を舞ったとされる神楽ヶ峰(2,030m)
遠征の前には冬タイヤに換える準備までしたのにチェーンアイゼンを持って来なかった。でも雪の降り出しなのでアイゼンの必
要は無かった。
そうこうしている内に12時20分「神楽ヶ峰」(2,030m)の標識に到着する。ここは苗場山8合目になっているので
山頂も近づいた気がする。神楽ヶ峰は火山である苗場山の外輪山で、この神の山を仰ぎながら神楽を舞ったとされている。現在
ではバックカントリースキーのメッカらしく冬場の記録が多く見られる。
苗場山は丁度今日から雪のシーズンになった様だ 12時20分「神楽ヶ峰」標識を通過する
12時45分「雷清水」(かんなりしみず)と呼ばれる水場が右手にあった。お花畑の標識があるが全て雪に覆われている。
すると岩が沢山露出する平らなコル部に出た。いよいよここから苗場山に向かって「雲尾坂」と言う急登が始まる。
四国ではお目にかかれなかった雪山が嬉しい 12時45分「雷清水」を通過 ここにヒカリゴケがあるのだが・・・
12時50分 コル部には岩がゴロゴロしている お花畑の標識も雪に埋もれている
霧氷の「雲尾尾根」から山頂部へ
コルから台地上の苗場山へ向かって「雲尾尾根」と呼ばれる急坂が始まる。山頂にある遊仙閣を作った地元の教育者「雲尾東岳」
氏の名にちなむ。雲尾東岳氏は山頂にある苗場山伊米(いめ)神社の別当「快蔵院」に所属していた時に登拝者の為に山小屋遊
仙閣を独力で造った。現在は解体撤去されて、山頂には苗場山自然体験交流センター(ログハウズの山小屋)がある。
13時15分9号目の標識を通過する。霧氷が美しいが辺り一面霧に覆われて相変わらず展望は無い。14時00分やっと山頂
部の平らな地形に上がる。ガスで展望は全く無いのは残念だが取り敢えず雪に埋まった池塘の間に延びる木道を山頂三角点へと
向かう。
ガスが掛かって前方が良く見えない 13時15分やっと9号目を通過する
忍の一字で急坂を上る 雪は降り始めなので踝(くるぶし)の上辺りまで
霧氷が美しい でも青空が欲しい・・・ 雪の深さはこんなもの
エビの尻尾が成長していた 霧氷のトンネルを潜る
14時15分 山頂部へ着いて三角点へと進む 少し周りが明るくなってきた様だ
一等三角点 「苗場山」 2,145.27m
14時30分今回の遠征第一座目、一等三角点の立つ「苗場山」山頂に到着した。苗場山は約30万年前に火山活動で溶岩が積
み重なった溶岩台地らしい。大雪が降る為にこの台地には600個程の池塘があり、ミヤマホタルイ、タテヤマスゲ、ミヤマア
シなどが生えて苗代田の稲の様に見える事から新潟県側の人達によって苗場山と呼ばれるようになった。尚、長野県側では幕
(まく)山と呼ばれていたらしい。
三角点のある山頂付近は大シラビソやコメツガ、トウヒ等の樹で囲まれて晴れていても展望は望めそうにない場所だった。当然
誰も居ないが、西側から来られた登山者の足跡があった。
14時30分 一等三角点のある苗場山の山頂部に着いた もう下山は暗くなる事を覚悟したら気が楽になる
山頂部に着くと待望の青空が姿を現した
山頂にあった7千年かけての池塘の成立説明書き むむっ 雄大な風景が現れて来たぞ
山頂を後にして池塘部へ出ると辺りが急に青っぽくなって来た。もう帰りは暗くなるのは分かっているので暫く天候の回復を待
ってみる事にした。すると10分程苗場山の神が青空をプレゼントしてくれた。雨と雪、濃霧の登山だったがこの一瞬の景色で
今日の山行が報われた。
どうせ下山は夜になる 池塘と霧氷を眺めながら天候の回復を待つ
少し霧が薄くなって辺りの風景が現れる
谷川岳方面だろう 沢山の池塘が雪に埋まっている
霧が晴れたらこんなに素晴らしい場所だったのか〜 でもガスが直ぐに飛んで来るとモノトーンになる
待てば海路の日和あり 見事な苗場山、冬の池塘風景が現れた
この辺りも大きな池塘があるのだろう ニッコウキスゲの咲く時期にもう一度訪れたいものだ
暫くすると又ガスに覆われて来たので15時40分東側の尾根筋に出て下山を開始する。
下って少し苗場山が見えるチャンスを窺うが、結局山容は現れず諦めて神楽ヶ峰へ上り返す。
苗場山溶岩台地の東端に出て神楽ヶ峰へ向かって下る 苗場山を振り返りながらドンドン下る
神楽ヶ峰付近より苗場山が現れるのを待つが、姿は見えず 神楽ヶ峰より中尾根を下って行く
16時45分苗場山から2.2km下って、和田小屋まで3.8kmの標識に出合う。登山口で沢へ入ったロスの1時間は痛い
所だが、おかげで苗場山で一瞬の展望を見る事が出来た訳だ。そこから10分程で股擦り岩を這い上がり、17時27分中ノ芝
を通過する頃はもう辺りは真っ暗でどこかの街の灯が見える。夜の山を歩いていて街の灯を見ると急に寂しくなる。
18時15分下ノ芝を通過し、滑り易い最後の岩道を慎重に下る。19時08分上りでは気付かなかった6合目の標識を見る。
16時45分 和田小屋まで3.8kmの標識を通過 標識から10分程進むと「股擦り岩」を這い上がる
17時27分 中ノ芝休憩所を休憩なしに通過〜 もう真っ暗じゃ 18時15分下ノ芝標識を下る
最後の沢沿い登山道に入る 19時08分和田小屋まであと20分と標識にある
19時45分やっと狭い登山道を抜けてスキー場のゲレンデに出ると天気は回復して満天の星が輝いていた。
20時12分疲れた足を引きずりながら車に帰る。あ〜あ、もうどこの日帰り温泉も入る事は叶わない。近くの駐車料金箱に
500円を入れて、次の目的地に向かい山道を下る。国道17号線を東に戻り途中のコンビニで食糧や山の行動食などを買い
込み湯沢ICから関越自動車道に入り、次の「塩沢石打SA」で車中泊とする。
車中泊をした関越道・塩沢石内SA セブンイレブンのコンビニがある (HPより)
第二座目は晴天の巻機山 (井戸尾根コース)
2)巻機山(まきはたやま)1,967m (新潟・群馬)関越自動車道 塩沢石打IC 登山口 桜坂P
カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図 巻機山 井戸尾根コース
桜坂登山口〜焼松(5合目)〜展望台(6合目)〜物見平(7合目)〜ニセ巻機山(前巻機山)〜御機屋〜
〜巻機山最高点 上り 約 5時間25分
235号線〜国道291号線を繋いで登山口の桜坂へ向かう。土曜日ともあって桜坂駐車場には沢山の車が来ていた。昨日の苗
場山で雨と雪で登山靴やズボンはグショグショなので別なセットに履き替える。これが車を利用する登山の良い所だ。
07時10分紅葉の美しい桜坂を出発する。駐車場は谷に沿って3か所程存在し綺麗なトイレなどもありスキーがメインの苗場
山町営第2駐車場より整備が行き届いている。
巻機山登山口 桜坂駐車場 1日500円 07時10分駐車場を出発して奥の登山口へ進む
桜坂駐車場の奥は昨日の苗場山冬景色から一変して温かい秋の色だった
る山中で機を織る美しいお姫様が居たそうである。そんなロマンを掻きたてられる山を深田久弥は「巻機山と言う優しい名前と
共に、この隠れた美しい山を、私は上越国境中の一名山として挙げたい」と選定した。
延びる井戸尾根が登山道に利用されている。登山口・桜坂の標高が730mで巻機山が1,967mだから標高差1,200m
程有る。
左手にある割引沢側から井戸尾根の登山道へ取り付く
奥の駐車場に沿って左へ回り込むと井戸尾根コースと割引沢コースとの分岐がある。割引沢コースに興味があるがどうも上級者
向きで時間がかかるらしい。昨日雪の中を13時間40分も歩いているから自然と楽な井戸尾根へと進む。
最初はクロモジなどの小木帯で黄色い葉っぱが美しい。登山口から30分程歩くと圧巻のブナ林が始まる。四国のブナと違って
大山などで見られる様に雪国のそれは色白で細い幹が密生している。褐色の葉っぱも残っておりその光景にキツい傾斜の歩きも
楽しくなる。
左手にヌクビ沢・天狗尾根と井戸尾根コースの分岐 07時16分 右手の井戸尾根コースへ向かう
最初はクロモジが両側に並ぶ 30分程進むと早速ブナ林が現れる
四国のブナ林とは違って大山の様な細いブナが並ぶ
母親は山慣れした様子で、小さい頃から子供と一緒に山を歩いているのだろう。右手には米子沢を挟んで群馬県境を成す稜線が
巻機山付近(牛ヶ岳)へと延びている。
五合目を過ぎても美しいブナ林を左手に見て急な登山道が続く。昨日の苗場山は寒々とした冬山だったが、今日は日差しも暖か
く全てが秋色に戻っていた。
ブナの褐葉が光に輝き気持ちが良い 08時30分 五合目「焼松」に着く
五合目に出ると右手の米子(こめこ)沢側が開けて前方にニセ巻機山が見えた
五合目を過ぎると尚も美しいブナ林に沿って進む
陽に輝くカエデの紅葉
09時30分井戸尾根が北に突出した展望所となっている場所が6合目らしい。ここは先程とは逆に東側の割引沢が眺められる。
正面に尖った岩峰、天狗岩が沢を分けて立ち、そこから天狗尾根が割引岳へと延びている。右手の沢が御機屋と割引岳の間にあ
るヌクビ沢だ。
地図で見ると巻機山を周回出来る破線が東側にあるが、どうも下山に使うと危険らしい。
左手の割引沢右又=ヌクビ沢側が開けてニセ巻機山が見える
天狗尾根上にある天狗岩とその上に割引山
10時20分火山の様なガレ場と砂地に出た。ここがどうも7合目の「物見平」らしく、いよいよニセ巻機山へと登って行く。
右手には雪を被った谷川連峰らしき峰々が見える。
09時36分 次第にブナが減って来る 笹の登山道の正面にニセ巻機山が見える
デカいニセ巻機山の山塊を右手から回り込む様に木道が整備されている。植生の保護と斜面崩壊を防ぐ為の木道だろう。ここで
やっと巻機山の本体が姿を現す。草紅葉の褐色をした平らな山肌を薄緑の笹や針葉樹の黒い帯と細長い雪の帯が美しく織りなし
ている。
イワカガミなどの草紅葉 10時20分 右手に回り込んでニセ巻機山へ上がって行く
谷川岳方面 斜面崩壊部が2か所見えるニセ巻機山
ダケカンバの赤い実の向こうに見えるのは平ヶ岳や尾瀬方面だろうか
11時00分 八合目の標識が立つ木道 ニセ巻機山へと向かう
雪が残った巻機山 御機山から巻機山本峰(最高峰)
巻機山は広義では割引岳〜御機屋〜巻機山・本峰〜牛ヶ峰の総称だが、狭義には山頂標識のある御機屋とケルンが積まれた
巻機山・本峰(最高点)を指す。
「ニセ巻機山」(前巻機山) 1,861m
11時23分9合目になる「ニセ巻機山」(1,861mピーク)に着く。大体がニセピークとかダマシピークとか山に対して
失礼な呼び方をする場合がある。山が偽(にせ)だったり騙(だまし)したりするつもりは無いのに人間の不遜さを感じて余り
好きでは無い。でもこの前巻機山には正式に「ニセ巻機山」の標識が立っている。(確かに前も後も呼び名としてはおかしいの
ではあるが・・・)
この山に詳しいおじさんが休憩していて「ここは前巻機山と呼ぶ人がいるが、それは間違いで正式にはニセ巻機山なんじゃ」と
四国から来た登山者に向かって持論を展開する。面倒くさいので「へ〜そうですか」と答えて先に進む。
11時23分 ニセ巻機山に着く 湯沢町方面か
とか「織姫の池」と呼ばれる大き目の池塘(池)がある。一応逆さにしても絵にならないが丸い巻機山を写した水面を撮る。
御機屋へ向かって雪の積もるコルへ下る 立派な避難小屋がコルに有った
湿地帯の間に木道が続く 竜王の池とか織姫の池とか呼ばれる池塘がある
逆さ巻機山が写る場所で写真を撮る 昨日降ったと思われる雪原も残っていた
御機屋(おはたや) 1、930m 巻機山の山頂標識有り
12時15分緩い傾斜を登って標高「御機屋」(おはたや)ピークに着く。ここは西の割引岳と東の牛ヶ岳の登山道分岐になっ
ている場所で一応「巻機山」山頂標識が立って多くの登山者が休憩されていた。
役行者の石碑がある御機屋(分岐点) ここに「巻機山頂」の標識が立つ
東側のピークが巻機山本峰=最高点へ向かう
山頂付近の池塘は凍っていた そこから南側に見える谷川岳方面
巻機山・本峰(最高点) 1,967m
しい。途中の木道横にある池塘は凍っていた。後ろにある笹原のピークへは植生保護の為立ち入り禁止のロープが張られていた。
まあ、そこが巻機山として13時08分ケルンを踏んで谷川連峰を眺めながら簡単な昼食を取る。
巻機山本峰(最高点) 奥に尖がって見えるのは割引岳 (1,931m)
12時45分 山頂で昼食を取る 食後はコーヒーにプロティンチョコバーだ
巻機山最高点〜御機屋〜ニセ巻機山〜桜坂登山口 下り 約 4時間
時刻は13時を過ぎて辺りに登山者がほとんど居なくなった。昨日は苗場山で雪の夜道を下ったが今日は登山道に雪はほぼ無い
ので気楽だった。山頂付近の雪が残った景色と、ニセ巻機山を下る場所から眼下に広がるブナ林等の紅葉を楽しみながら歩く。
それでも登山口近くで薄暗くなり17時10分駐車場について洗い場で靴やスパッツの汚れを落とす頃には真っ暗になった。
13時25分 御機屋(分岐)を通過 ニセ巻機山へ雪原を下る
木道を下ってニセ巻機山ピークへ 14時00分 9合目にあたるニセ巻機山を通過
南東方向の肩へ回り込んで下る 重厚なニセ巻機山の山腹を眺めながら南へ下る
左の米子(こめこ)沢と右手の割引沢の間にある井戸尾根に向かって下る 夕陽に山肌が赤銅色に輝く
14時40分ガレ場のコルを通過し井戸尾根に下ると次第にブナの樹が出てくる
15時50分 大ブナと小ブナが混在する登山道をドンドン下る
足元には笹と紅葉 カエデとブナ林
16時03分五合目を通過 16時30分 四合目を通過
最後はクロモジの黄葉を眺めながら下る 17時00分 やっと登山口に下山した
すると軽トラの叔父さんが駐車料金500円の徴収にやってきた。私の後にまだ2組残っているので下山口へ行って待つと言う。
ここはトイレも綺麗で良く整備された登山口だった。結局2座目の巻機山も10時間の歩きになった。
駒寄SAで車中泊
さて、最初の2座が結構長い歩きだったので、3座目はすこし緩い「赤城山」へ行く事にして今朝下りた関越自動車道、塩沢石
打ICに引き換えし南へ下り、前橋IC手前の「駒寄(こまよせ)SA」にて車中泊とする。
関越自動車道「駒寄サービスエリア」にて車中泊 (写真は関越道HPより)
3)赤城山(あかぎやま)1,827m (群馬県) 関越自動車道 前橋IC 登山口 大沼・駒ヶ岳P
11月7日(日)晴れ
おのこ駐車場〜駒ヶ岳登山口〜赤城駒ヶ岳〜黒檜山〜猫岩〜下山口 約4時間50分
カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図 赤城山(駒ヶ岳〜黒檜山) 歩行ログ図
下りる様に誘導された。手持ちのガイドブックにも前橋ICからのアクセスになっている。
一座目の苗場山、二座目の巻機山とハードな歩きが続いたので、今日は息抜き山行の予定で05時30分頃、車中泊していた
駒寄SAを出発し前橋ICを下りて赤城公園ビジターセンターをカーナビに入れて国道17号線から県道4号線(赤城道路)を
進むと赤城大鳥居を潜る。国定忠治の「赤城の山も今宵限りか」と役人に追われて逃走するカラスが啼く山奥のイメージだった
が、観光道路が大沼(おの)まで続いていた。一般的には「おぬま」と呼ばれている。
県道4号線赤城道路に入ると赤城神社の大鳥居を潜る 峠を越えると大沼(おの)には朝霧がたち込めていた
赤城山は榛名山、妙義山と共に「上毛(じょうもう)三山」に数えられる群馬の名山となっている。群馬県と言えば上州
(じょうしゅう)と呼ぶのが普通だが地元の事情が色々あるらしい。毛=(もう)は二毛作などに使われれる様に作物が実る場
所として古くから使われたらしい)
いるとの事。で、その主峰的なピークが今回登る黒檜山(くろびさん)標高1,828mと言う訳だ。
まんぶち)は小尾瀬とも呼ばれる湿地帯で春には水芭蕉なども見られる。その後、大洞(だいどう)近くにある駒ヶ岳無料駐
車場に入る。
鳥越峠 (群馬県立赤城公園) 鳥越峠から覚満淵と大沼 右手の山が黒檜山
手前が覚満淵(遊歩道が見える) 奥の大沼湖(おのこ)は湖面に霧がたち込めている
07時50分舗装道路を横断して標高1,350m程の駒ヶ岳登山口へ入る。笹が林床に生えてミズナラなどの広葉樹林が並ぶ
がブナは見られない。火山だったので溶岩の様な岩がゴロゴロしており、岩場の歩き難い斜面には鉄製の階段が整備されている。
首都圏から案外近いし、アクセスも良いので観光も兼ねて自然に親しむ観光客や登山者が多いのだろう。
07時50分 駒ヶ岳登山口を入る 笹の中に立つミズナラが多い
足元が悪い橋には鉄階段が置かれている 木々の間からは火山湖の大沼が見える
には平地の彼方に足尾山地辺りの山並みが霞むが土地勘が無いので良く分からない。南側は手前に赤城山火山帯の小沼と長七
郎山が見え、その奥には北関東平野が広がっているのだろう。
08時50分外輪山の稜線部に上がる 足尾山地方面らしい
北関東の馴染みの無い山々が並ぶ 南側にある長七郎山 その奥が関東平野が霞む
長七郎山の右手には火山湖の小沼(この・こぬま)がある 縦走路の正面には駒ヶ岳と黒檜山が見える
斜面の崩壊地もある 大沼とそれを取り巻く外輪山
赤城・駒ヶ岳 1,685m
左下に大沼を木々の間に眺めながら快適な登山道を歩くと09時15分(赤城)駒ヶ岳の山頂標識に出合う。ここは主峰黒檜
山の南側にあるピークで標高は1,685mと四国の西赤石山より少し高い。しかし、登山口が既に標高1,350mあるので
香川の里山にちょっと登った様なものである。
駒ヶ岳は少し稜線が東に張り出しており、そこで登山者がバーナーでお湯を沸かしてコーヒーを淹れていた。関東圏も四国も登
山者が山でやる事や使っている道具に違いは無い。
駒ヶ岳からリョウブの様な灌木が生える笹の斜面に付けられた木道をコル部へと下ると、赤城山の主峰「黒檜山」が大きく聳え
ている。高い山肌をミズナラやダケカンバの白い幹が並び美しい。ここはツツジでも有名な山なので春に来るのが良かったかも
知れない。
09時15分 赤城・駒ヶ岳に着く 南側は関東平野 霞んで何も見えない
木道が整備された登山道をコルへと下る 正面に黒檜山が見える
コル部付近は大弛み(おおだるみ)と言われ、そこから赤城山の主峰「黒檜山」を眺める
」
黒檜山の南面 白い幹はダケカンバかな
黒檜山へ向かって木道が多い登山道が続く 肩に背負われた犬
南側には長七郎山と地蔵岳の間に火山湖の小沼が見える
黒檜山 くろびさん 三等三角点「黒檜山」 1,827.67m
赤城山は昔「久路保の嶺ろ」(くろほのねろ)と呼ばれ、それは「黒い雷雲が湧きおこる峰」という意味らしい。ここから赤城
山の主峰の名が「黒檜山」(くろびさん)と付けられたと言う説がある。
黒檜山の山頂部は南北に細長いが、その南側に這い上がると支尾根が右(東)へ分岐しており、「絶景スポット60歩」と標識
にある。日本一の関東平野や筑波山が見えると標識に書いてあるので見に行かない選択は無い。この花見ヶ原へと落ちて行く支
尾根を60歩以上進むと確かにぼ〜〜っと霞んだ関東平野と思しき平地が広がる。小沼の奥に富士山が見えると言うのでズーム
で写真を撮るがぼ〜〜っとして写っていなかった。どうやらこの絶景は冬場の空気が澄んだ時の限定版らしい。
先程の期待を大きくさせた標識まで引き返し、今度は左手の「山頂5分」に従う。すると角ばった黒い岩が転がる尾根に古びた
鳥居が立っている。鳥居に書かれた神社名は風化して良く読めないが赤城山大神だろうか。近くに祠もあり、10時56分先に
ある三等三角点「黒檜山」を踏む。ここに「赤城山」の山頂標識が立っていた。
10時34分右手に絶景スポット60歩とある どうも関東平野や富士山が見えるらしいが、モヤで見えない
10時43分 黒檜山頂神社に着く 奥に小さな祠が見える 祀られているのは「御黒檜大神」らしい
山頂神社から少し北に進むと三角点と山頂標識があった ここにも絶景スポット(北に)2分
この標識にも叉絶景ポイント2分と書かれているので行かない訳にならず、北端の展望所へ進む。ここに沢山の登山者が休憩さ
れているのでささっとぼ〜〜とした景色を眺めて三角点へと引き返す。何せこの展望所からは日光、尾瀬方面、武尊山、谷川連
峰、浅間山、八ヶ岳、南アルプス、奥秩父、富士山などが遠望出来るらしいが、サッパリ見えなかった。(同定出来ず)
外輪山から西に少し離れた「鈴ヶ岳」 1,564m 北側のト展望所には登山者が休憩していた
黒檜山の西大展望所で休憩されている登山者が多かった
て首都圏に近いこの山には沢山の登山者が上がって来る。眼下には大沼が広がり、その右端奥にはタコ坊主の様な鈴ヶ岳が異
様に目立っている。
大沼の南西部にある大洞(だいどう)は奈良時代の昔、旧赤城神社の大堂があった場所で飲食店や土産物店が並ぶ。
大沼とその奥にある釣鐘の様な鈴ヶ峰 (赤城山火山の寄生火山)を眺めながら下って行く
急な傾斜を大沼湖畔に向けて下る 家族連れの登山者等とすれ違う
登山道は途中までは尾根沿いに付けられている 大沼の大洞(だいどう)の街が見える
大沼に突き出た小鳥ヶ島にある赤城神社が見える 先端の橋は普段は通行出来ない
カルデラ湖の大沼(おおぬま・おの)に突き出た細い半島、小鳥ヶ島に赤城神社が立っている。大沼の向こう側にはアンテナ
が沢山立った地蔵岳(1,674m)が聳える。
たいな所だ。
い。それもその筈、猫岩ってのは足元から切れ落ちた岩壁に猫の模様があるとの事だった。
岩尾根から黒檜山を振り返る 岩尾根沿いを少し下る
富士山が見えるらしが、霞んで見えない 岩の細尾根を進む
一旦なだらかな斜面に出るが又岩尾根へ戻る 猫岩の標識があるが、そんな岩は見えない (下から眺めるらしい)
岩尾根に出ると左手が開ける 次第に湖面が近づいて来た
左側を振り返ると朝上った赤城・駒ヶ岳と歩いた稜線が見える
251号線の黒檜山登山口に着いた。
足元に気を付けながら岩尾根を下る 12時35分 湖畔の道路に出た
黒檜山(赤城山)登山口の標識に下山 大沼沿いの道路を歩いて赤城神社に着く
赤城神社付近から猫岩を眺める 岩壁に猫の顔が刻まれて居る様に見える所から「猫岩」と名前が付いたらしい
さて、時間が未だ早いので他の外輪山へ行くか、赤城神社へお参りするか迷ったがやはり楽な方を選んで突き出た半島部にある
赤城神社から歩いた山を眺める事にした。 元々赤城神社は地蔵岳の中腹にあった物を平安時代の大同元年(806年)に大沼
湖岸に移転された。その場所を遷宮した年号から大洞(だいどう)という地名となったらしい。
その後、昭和45年に大洞(だいどう)にあった赤城神社を新たに小鳥ヶ島に有った厳島神社の跡地=現在地に移転した。
小鳥ヶ島にある赤城神社 女性の願掛けにご利益があるらしい 安全登山のお守りが売られていた
赤城神社のある小鳥ヶ島と大沼湖岸に掛かる啄木鳥(きつつき)橋と黒檜山
啄木鳥(キツツキ)橋越しに見る赤城・駒ヶ岳 大沼はレジャーボートが走っていた
四座目を「日光白根山」から急遽「筑波山」に変更
その後、次の山を日光白根山とし県道251号線(北面道路)を沼田方面に向かい北上する。途中から国道120号線(沼田道
路)に入り日光白根山ロープウェイのカーナビに従う。気分的に次の目的地に早く着いて安心してロープウェイ駅に併設された
日帰り温泉を利用するつもりだ。
16時30分ロープウェイ乗り場に付き翌日の時刻表を調べに施設に入ると「本日で今季の運行は休止しました」と言う。日帰
り温泉施設の時間を聞くと「16時30分で閉館です」と言われた。ガ〜〜ン
そこで仕方なくロープウェイ以外の登山口である菅沼登山口を確認した後、日光寄りの「金精トンネル」を抜けた空き地で車中
泊とする。
11月8日(月)雨〜曇り 急きょ天候急変の為、登る山を変更する
天気予報は曇りだったが夜中から雨が降り出した。朝になっても大粒の雨が止みそうにない。スマホ天気予報を見るとこの付近
の山は全て「天気とくらす」によると雨でCランクに変わっている。こりゃ参った! あちこち探すとこの辺りでは茨城県の
「筑波山」だけが曇りとなっている。
そこで日光白根山を後回しにして少し遠いけどロープウェイもあるお手軽な山「筑波山」へ向かう。マイカー利用の登山旅はこ
んな変化球も可能になる。
日光白根山登山口から予定を変更して4座目、筑波山へ移動する
四座目は筑波山(つくばさん)877m (茨城県) 日光宇都宮道路、宇都宮IC 登山口 つつじヶ丘P
住む私にとってそれがある茨城県自体がピンと来ない。
雨の「いろは坂」を下る
国道120号線を東に進み、次に登る日光男体山の登山口である二荒神社を確認して「いろは坂」を下る。いろは坂は紅葉の名
所でこの時期天気が良ければ大渋滞するのだが雨で車が少ない。その後清滝ICから日光宇都宮道路に入る。宇都宮で間違って
高速道を下りてしまい下道で「さくら市」とか「宇都宮市」とか近藤勇の生誕地「壬生(みぶ)」とかを経て訳の分からない内
に筑波山を南側から回り込んでいた。
男体山頂奥宮登拝口の二荒神社 デカい牛岩が有った
いろは坂の紅葉風景を眺める
いろは坂の滝見物 その1)上が砂防堰堤 下が方等の滝
いろは坂の滝見物 その2) 般若の滝
左手に少し尖がった筑波・男体山と右側に少しなだらかな筑波・女体山のピークが見える。双耳峰と言う程には離れていてそん
なに尖っていない。香川で言えば鞍掛山って形をしている。この一対(ぺあ)の形をした山容から男女の神、すなわち国生みの
神、イザナギとイザナミが祀られたのだろう。万葉の昔からこの地で農閑期に男女が集まってスェーデン状態の日があったらし
い。
筑波山の語源としては天照大神(アマテラスオオカミ)が鹿島浦の海から波雲に乗って飛び登って着いた山と言う事で「着波山」
(つくばさん)から変化して筑波山となった説がある。
カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図 ケーブルカー駅付近の駐車場が分からずロープウェイ駅へ 女体山〜男体山をピストン
人気の山、筑波山の観光客用に男体山へのケーブルカーと女体山へのロープウェイが用意されている。筑波山へ入ってケーブル
カー駅付近に行くが適当な駐車場が見つからない。面倒なので上側にあるロープウェイ駅へ進み10時20分頃ロープウェイ
「つつじヶ丘駅」に着いた。すでに山歩きのテンションが下がり、物見遊山の感覚でロープウェイの切符を往復買ってしまった。
10時40分平日で観光客が少な目のロープウェイに10分程乗って山頂駅に着く。登山にロープウェイって異質な感じがするが
小豆島の寒霞渓みたいに紅葉の季節は下を歩くよりロープウェイからの眺めの方がドローン感覚で良い面がある。(でも往復は
無かったなあ・・・)
ロープウェイから関東平野を見るが霞んでいる 眼下に見える紅葉も冴えない
ロープウェイ つくば号 ロープウェイ女体山駅の展望所から男体山
ロープウェイ女体山駅の展望所から関東平野方面
11時00分女体山駅の右上に上がると女体山本殿と一等三角点「筑波山」875.66mが立つ。奥の岩場が山頂部で標高が
877mらしい。日本百名山の中で一番低い標高だ。他に標高1,000m以下の日本百名山は九州の「開聞岳」(924m)
しか無い。
狭い女体山の山頂部には人が沢山居たのでこの時期遠慮して先に筑波・男体山へ行く事にする。
女体山本殿が山頂付近にある 一等三角点「筑波山」
筑波山の美しい尾根道
この山は火山では無いのだが地質学者によると地下で冷やされたマグマの斑レイ岩層が土台の安山岩帯に貫入し上に乗っかった
らしい。ブナの並ぶ稜線部を少し下ると斑レイ岩の「ガマ石」がある。
稜線部にある登山道を筑波・男体山に向かって下る
標高が1000mを切る山だが緯度が高いのでブナが立っている
筑波山「ガマの油」
ガマの油売りは私が子供の頃、新居浜祭りに来ており大道芸で口上を聞いた事がある。その時も立て掛けた刀の刃の上を裸足で
歩いていた。紙を切って紙吹雪を作る時は先っぽの切れる刃を使い、中程は全く刃が無いのであるが当時はビックリして眺めて
いた。
「筑波山・ガマの油」の起原は徳川と豊臣の決戦となった「大坂の陣」に東軍として参加していた筑波山・中禅寺の住職「光誉
上人」と言う人が怪我人の治療に当った事にある。その時に刀傷の治療に使った脂分の薬(陣中薬)が評判になり、住職さんの
顔がガマに似ていたので武士の間で筑波の傷薬「ガマの油」としてそのウワサが広まったと言われている。
その後、筑波山麓出身の永井兵助と言う人が故郷の「ガマの油」を大道芸に取り入れた実演販売を江戸で展開し、その口上師が
組織化されて大儲けをしたらしい。(江戸で歯医者をしていてサイドビジネスで歯磨き粉や陣中薬を売っていたとも言われてい
る)
それまでも香具師(やし)と呼ばれる露店で刀などを使った大道芸で人寄せをして物を売る商売があったのでそれを参考にした
のだろう。
そんな浮世の出来事を知ったか知らずか大きなガマ石は微動だにしないで脂汗を垂らしている。
ガマ石があった ここでガマの油売りの口上イベント(ネットより拝借)
・男体山が見える。こちらの方が広いので多くの土産店が並ぶ。
中間部にある土産物屋 男体山の広場に向かって岩道を下る
美しい自然林だ ブナが並ぶ登山道
筑波・男体山の手前はケーブルカー駅になっており多くの土産物屋が並ぶ 女体山側より広いので賑やかだ
人混みには近づかず、正面の男体山へ向かう。笹と広葉樹の登山道を一上りで11時42分筑波・男体山本殿と山頂標識に着いた。
女体山と違いこちらは余り展望は良く無いので登山者や観光客も少ない。筑波神社と筑波大学の共同気象観測所とか第19代
横綱「常陸山」の手形石などをチラ見して下山する。
男体山登山口 こちらも美しい登山道だ
ちょっとした岩場もある 男体山本殿 女体山本殿と良く似ている
筑波山神社と筑波大学の共同気象観測所(現役か?) 19代横綱「常陸山」の手形石(明治時代)
男体山ケーブルカー広場から女体山へと帰る。途中で斑レイ岩の「セキレイ石」と言うのがあってセキレイ(小鳥)がイザナ
ギ、イザナミに夫婦の道を教えたと言う。昔話っていうのは具体性に欠けていて曖昧だからどんな夫婦の道を諭したのだろう
か?
じゃろと言い聞かせて次の日本百名山へ向けて日光への長い旅に出発する。
男体山広場に下り、女体山へと引き返す 「せきれい石」 鶺鴒(せきれい)小鳥が夫婦の神様に説教をしたらしい
ガマ石をじっくり眺める
女体山に帰ってもやはり人が多い 自撮り組が沢山居るので中々先へ勧めない
混み合う女体山の山頂から少し岩場に下りる ケーブルカー「つつじヶ丘」駅を眺める
体山の山頂岩場から男体山を眺めながら休憩する
下山もロープウェイでお手軽に・・・ どうせ天気が良くないから富士山も東京さも見えない。
11月9日(火) 大雨の為日光で休養日を過ごす
筑波山から次の日光男体山と日光白根山へ登る為、一旦日光市にて天候が悪いので休養日とした。スマホで日帰り温泉「ほの香」
を調べて入浴後、近くの温泉ホテルのベッドでゆっくり休む。
日光市内の日帰り温泉「ほの香」に入る 近くの温泉ホテルにて素泊まり宿泊
宇都宮ギョーザと日光観光
2日前に日光白根山から下山した登山者からアイゼン無しでは危険だと言われて、休養日を利用して宇都宮の登山ショップにてモン
ベルのチェーンスパイクを買い、ついでに駅前で名物の宇都宮餃子(ギョーザ)を食べる。
JR宇都宮駅前にあった餃子店 宇都宮ギョーザ・・・チーズとか3種類の具が入っていた
普段、特に秋は観光客で溢れる日光界隈だが、大雨の為に人出は少ないと思われた。日光東照宮は一度観光旅行で行った事がある
ので外側の紅葉雰囲気を味わいに出かける。その後、夕方に雨が止んだので華厳の滝も見学した。
本日の車中泊先は日光・男体山の登山者用無料駐車場と決めていたので下調べ通りコンビニで食料調達をして移動する。
日光東照宮付近の紅葉は真っ盛りだった 雨の庭も又雰囲気が良い
日光東照宮 本堂(三仏堂) 沢山の修学旅行生がずぶ濡れになって気の毒だった
他の門へ回り込むと竹の輪があった 表門では修学旅行生と観光客でごった返しているので近寄らない
午後遅くガソリンを入れた後、夕方、二荒神社の裏手にある登山者無料駐車場にて車中泊
いよいよ翌日2021年11月10日から日本百名山後半戦 日光・男体山、日光・白根山、武尊山(ほたかやま)、四阿山(あずまやさん)
が開始される。 後半戦の記録は ここ