那賀山地縦走
スタート:奥槍戸山の家
ゴール: 五倍木(ふしのき)大橋
メンバー:エントツ山 & マーシー

カシミールソフトを使ったGPSトラックログ図 那賀山地縦走図
1日目:奥槍戸山ノ家〜新九郎山〜不入山〜久井谷山〜折宇谷山〜中内山〜権田山〜
2日目:ビバーク地〜勘場谷・水場〜大久保山〜岩倉山・ピストン〜岩倉峠〜平家平〜ボぼたもち山〜青ノ塔(ビバーク)
3日目」青ノ塔〜六郎山〜カロート山〜五倍木(ふしのき)大橋
2日目:令和2年5月2日
ビバーク地〜勘場谷・水場〜大久保山〜岩倉山・ピストン〜岩倉峠〜平家平〜ぼたもち山〜
青ノ塔(ビバーク)
歩行距離 約 14km 行動時間 約 11時間 (岩倉山寄り道を含む)

カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図 那賀山地縦走後半 2日目〜3日目
朝05時に眼を覚ますと既に空が白んで日の出が近い。急いでツェルトを出て日の出が見える場所を探す。東側がクランクコーナー
のピークになっているので太陽が良く見えない。昨夕歩いた綱付山への稜線を上るが樹木が沢山あってあまり良い日の出は見られな
かった。
でも山で迎える朝は清々しい。ビバーク場所に帰ってマーシーさんに声をかけて朝食の準備をする。と言ってもお湯を沸かしてコー
ヒーを淹れるだけだ。
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ビバーク地から東に駆け上って朝日を眺める どうも日の出を眺めるには不利なビバーク地だった
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ビバーク場所から朝日に照らされる太郎・次郎・一の森を眺める
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05時30分ビバーク地に帰る 南側は開けて気持ちが良い
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南側は那賀川を挟んで甚吉森や湯桶丸などの県境尾根になっている
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マーシーさんのストックシェルターは低いので窮屈そうだ だいぶ太陽が上がって来た そろそろ出発しなければ・・・
07時10分ツェルトを片づけて忘れ物は無いか、ゴミが落ちていないかチェックの後、出発する。この辺りの地形は少し複雑で、
権田山の東側で尾根が90度北に折れ曲がる。そして例の勘場峠で今度は90度東に曲がってクランク状になっているのだ。
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清々しい朝だ 07時10分 ビバーク地を後にする
ビバーク地〜勘場谷・水場〜三角点「勘場」 (平家平への縦走分岐) 約2時間10分
勘場谷の水場
昨夕はターニングピークまで上がったのでクランク部はショートカットしようとトラバース気味に左手の傾斜に入る。しかし地形図
には無い谷筋などがあって歩きづらいので直ぐに尾根に登り返す。結局20分程無駄歩きをした挙句昨夕歩いた尾根に戻る。
07時43分木々の間から見える北へ向かう尾根を確かめてそれに向かって平らな斜面を下る。2年前に縦走に向けて水場チェック
に来た時にここを上っているのだが、やはり下りは難しい。マーシーさんも同じくここを以前歩いているのだが記憶に無い。こんな
時はスマホ地図、ジオグラフィカを利用すると細尾根に向かっているのを確認出来て安心だ。08時00分やっと前方が細尾根とな
り水場が近い。
この南北に延びる縦走路を繋ぐ細尾根は西側が那賀川水系・坂州木頭川の支流「勘場谷」の源流地となる。一方尾根の東側は那賀川
水系・東蝉谷の源流地の兄弟分水嶺となっている。東側はザレており水場へ下るのは難しく、ここは西側の勘場谷が水場の適地とな
る。
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07時10分 ビバーク地を出発する トラバースを試みるがあまり足場が良くない
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07時37分一旦尾根に上がる 07時50分 水場コルに向けて縦走尾根を北に下る
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08時00分 細尾根に入る この左手が水場になる
勘場谷界隈の水場
縦走準備として事前に勘場谷沿いに遡り水場を確認した。この付近には2か所の水場が縦走路から近くで給水可能だ

08時10分細尾根にザックを置いて左手の水場へ向かって下る。5分もしない内に水場に到着する。晴天が続いたにも拘らず水量
は十分だった。やはり縦走においては水場が生命線で、事前に調べておいて良かった。08時30分水を補給して尾根に復帰する。
縦走時に水の余裕があるって、ザックは重くなるが精神的にとても楽になる。

今回の水場位置図
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08時10分 縦走尾根から水場に向かう 左手の少し急な斜面を下る
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縦走尾根から3分程斜面を下ると勘場谷の源流部、水場に到着する 水量も問題ない
亀かと思ったら青い石だった 上流に向かって水の流れている量を調べる
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まだまだ水が流れているわ 08時30分 縦走尾根に上がる 目印に倒木の上に石を置く
勘場峠と四等三角点「勘場」1,511.23m
水場から復帰すると直ぐに1,475mのコブ尾根を越えて下ると08時57分コル部へ出る。ここが山渓「四国百名山」権田山の
地図に記されている「勘場峠」だろう。標高が少し低い場所なのでブナの芽吹きが見られた。ここから私もマーシーさんも既に経験
している厳しい登りとなる。09時06分一旦急登の肩に上り詰めて、そこから岩やブナ、灌木が生えた細尾根が続く。
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縦走路を繋ぐ渡り尾根のコブを越える 08時57分 勘場峠のコル部から三角点「勘場」へ急登となる
09時20分、東側の岩倉峠〜平家平へ続く尾根分岐に到着する。直ぐ傍の裸地に四等三角点「勘場」がある。ここは2年前に水の
チェックに来た時、ついでにクランク尾根分岐の確認に来て「これを下るんか〜」と少し緊張した場所だった。泉保安夫さんの山地
図にはこの辺りを「勘場山」と記されている。昨夕訪れた地形図上の勘場山(三角点峰・綱付山)はいかにも勘場谷から南へ大きく
外れたピークだからそこを勘場山とするには無理がある。
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標高が少し低いのでブナの芽吹きが見られた 三角点「勘場」に向かい急登を喘ぐ
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南側には昨日通過した権田山が見える それにしても急な坂やこと
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09時20分 縦走路の分岐に到着する 分岐から北側には三角点「勘場」と大久保山が見える
09時20分 四等三角点「勘場」を踏む 三角点「勘場」から東側には平家平が見える
三角点「勘場」〜大久保山〜岩倉山ピストン 約1時間50分
さて、三角点「勘場」から東側の縦走路の突き当りに聳える平家平を眺めながら思案する。縦走路を北側に外して大久保山と岩倉山
がある。大久保山は近いが岩倉山までは往復2時間程かかりそうだ。マーシーさんは既に岩倉山へは行っているので「行こうよと」
言い出すのに気が引けた。スマホの電波が入る場所で天気予報を確認すると翌日は一日雨だったのに午前中が曇りに変わっていた。
それなら2泊3日でゆっくり歩きましょうと言う事になり、縦走路から離れたピークも踏む事になった。
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縦走路分岐・三角点「勘場」付近から縦走尾根と平家平の眺め 右肩がぼたもち山 その右手のピークが山姥岳
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樫戸丸 高城山 平家平
大久保山 1,563m
三角点「勘場」から真北に小高いピークがあり、そこが大久保山なのでガレた急登を上る。勿論ザックは分岐にデポしてあるので身
軽だ。多少の灌木は残っているが相当荒れている。
09時36分「大久保山」に付き、鹿害の影響だろうか荒れた山頂からは皮肉な事に東側の目的地、平家平が良く見える。平家平
の右手に見える少し尖ったピークは山姥岳だろう。坂州木頭川の左手には樫戸丸や高城山が霞んで見える。
以前コモさんが平家平からこの大久保山まで来て北側の岩倉集落へ下ろうとしたが道が不明でビバークした山域だ。その頃の写真を
拝見すると今と違い沢山の木々に覆われていた。
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北側の大久保山へ向かう 斜面は荒れている
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大久保山のピークが近づく 09時38分 大久保山に上がり切る
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荒れて地肌がむき出しの「大久保山」 まあ 眺めがいいって事で上る価値はあるかも
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最初のコルが紀州道堀切(直接は見えない) 縦走路の途中に岩倉峠がある 中央の山姥岳の右手が木頭山笠だろう
岩倉山 三等三角点「岩倉」 1,509.1m
大久保山から北西に派生する短い尾根の先に岩倉山があり、四国の1500m峰制覇を目指すマーシーさんはギリギリ1500mを
越えるこの山へ既に登っている。東側の展望を楽しんで09時40分南つるぎ地域活性化協議会の大久保山標識を後にする。
大きいミズナラが立つ尾根を進むと右手に植林帯が現われ、その左手に尾根が少し曲がって下る。この尾根には立派なミズナラが
多い様だ。山頂が近づくと白っぽい岩とシャクナゲが現れる。
10時13分三等三角点のある「岩倉山」に到着し記念写真を撮る。北側が開けているので一の森から高城山までの稜線が見える。
岩倉は北側の坂州木頭川支流「なかん谷」と「きわん谷」の間にある集落名から取られている。10分程写真を撮りながら休憩して
元へ引き返す。10時55分大久保山を通過して荒れた傾斜を下り11時07分ザックをデポした縦走尾根分岐に帰り着く。
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尾根にはデカいミズナラが立つ 前方に岩倉山が見える
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高低差の少ない尾根にミズナラの巨木が並ぶ 右手にはヒノキの植林帯があるが途中から別れる
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岩倉山が近づくと尾根に大きな岩が転がる シャクナゲと岩が現れると山頂はすぐ傍だ
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10時15分 岩倉山に到着する 三角点とソーシャルディスタンス?
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三等三角点「岩倉山」 1,509.1m 初めてミニ三脚で二人写真を撮る
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権田山方面 西側の歩いて来た縦走路
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天神丸 樫戸丸 高城山
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同じ尾根を引き返し、大久保山を下る 11時07分 縦走路分岐部にデポしたザックに帰り着く
縦走分岐(三角点・勘場)〜紀州道堀切〜岩倉峠〜平家平 約3時間15分
最初のコル部「紀州道堀切」 へ激下り
分岐で一休みして11時25分いよいよ縦走の後半戦に入る。2日目は水場や岩倉山への寄り道の為今回の那賀山地縦走中間点と言
えるこの分岐(三角点・勘場)で既に昼前になってしまった。まあ翌日(日)の午前中曇り予報で2泊3日と決めた後は気分が楽に
なりゆっくりと余裕を持って歩く事が出来る。
縦走路を下ると直ぐに急斜面を右手に振りながら尾根筋に入る。その後は正面に平家平の山塊を見ながら尾根をひたすら下って行く。
直ぐに細尾根になってルートが分かり易い。
11時45分「紀州堀切」に出合うと明らかに人工的に尾根が大きく抉り込まれている。「阿波の峠を歩く会」のHPには「紀州堀
切とは和歌山の業者が木沢側の木材を水量の多い那賀川側へ流すため切り開いたので名づけられたという」と記されている。要するに
北側の坂州木頭川は水量が乏しいので、切り出した材木をこの峠から南側の那賀川本流まで運んで筏を組んだと言う訳だ。それにして
も峠越えの距離がありどんな方法で運んだのか大変な作業だったに違いない。
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分岐から急斜面を下ると先が切れ落ちているぞ? そこから右手にトラバースして尾根筋に復帰する様だ
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尾根が明確になる 正面の平家平に向かって右に湾曲している 細尾根になる
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広い尾根を下ると突然前方の尾根が削られている 底に下りると何となく右手に向かって道が有るような・・・
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ここが泉保さんの地図にあった紀州道堀切か〜 堀を這い上がるとなだらかな縦走尾根が続く
岩倉峠 (標高 約1,340m)で昼食・コーヒータイム
紀州堀切を越すと1,363m小ピークは有るものの比較的なだらかな尾根が続く。鮮やかな色をしたミツバツツジやヒメシャラを
眺めながら歩くと12時13分右手に大きな池が見えて岩倉峠に到着した。この辺りは右手(南側)だけ植林帯となっている。ここ
で今朝水場で汲んで来た水を使ってコーヒーを淹れて昼食休憩を取る。今までマーシーさんと二人で長歩きをしてきたがゆっくりと
コーヒーを淹れる様な休憩をした記憶が無い。
岩倉峠は北側の「岩倉集落」と南側の「蝉谷集落」を結ぶ峠らしく、かすかに踏み跡が残っている。岩倉集落も蝉谷集落も平家落人
伝説の集落で剣山から逃げ延びた一族が岩倉に隠れ住み、尚も追手から逃れる為に山を越えて蝉の鳴く場所であれば麦が育つという
事で移り住んだのが「蝉谷」だと言われている。食事の後、マーシーさんは南側の池の様子を見に下ったが成果はおたまじゃくしの
みだった。
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荒れた土地に咲くミツバツツジの色は鮮やかだ まるで並木道
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細いがヒメシャラの樹も結構多い 12時13分 右手下に池が見える
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ここが岩倉峠だが標識は無い まあゆっくりとコーヒーでも淹れましょうかねえ
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結構デカい池だがおたまじゃくしのみ見られた 青空が気持ちいい〜〜
四等三角点「岩倉峠」 1,388.01m
12時47分岩倉峠を出発して荒れた尾根に咲くミツバツツジを眺めながら三角点峰へと向かう。岩倉峠から平家平に向かって3段
階で上って行く。そのホップにあたる最初の台地が三角点・岩倉峠となる。緩やかな上り傾斜を左に回り込みながら進むと植林帯が
現われ標石があったので良く見ると図根点(ずこんてん)だった。辺りを探すとすぐ近くに13時14分四等三角点が見つかった。
コンクリートに金属標が埋め込まれた物で確かに風格が無い。近くの図根点の方は三角点を補助する為の物だが立派に見える。でも
こんなにすぐ傍にあったら地測上余り意味ないじゃんと思う。
右手に植林、左が自然林の尾根を進むと13時20分登山道らしき踏み跡が右手から合流した。地形図を見ると南の蝉谷からの登山
道らしい。岩も少し出て来るが尾根に沿って歩き易い登山道となっている。
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荒れた縦走路から先ほど訪れた「大久保山」を振り返る 成程急降下じゃ 尾根も曲がっておる
三角点峰が左手に回り込んでいる その奥に平家平が見える 三角点峰に向かってなだらかに上る
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13時11分 これは図根点(づこんてん)だ 13時14分 三角点「岩倉峠」を踏む
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私はツェルト内で広く銀マットを敷くのでザックのフロントポケットが大きめのメッシュに捻じ込む エアーマットはザック内に収納
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マーシーさんはセルマットと小さめの銀マットを外付けにしている
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13時20分 右手から平家平への登山道が合流する 尾根に岩が沢山出てくる
平家平(へいけだいら) 三等三角点「平家平」 1,603.3m
13時48分平家平手前にある1、515mピークを過ぎると足元に見える岩の表面が赤っぽい。南アルプスの赤石岳を思い出す。
見上げると尾根の左端に平家平のピーク付近が見える。
14時06分平家平への取り付き部にさしかかるとアケボノツツジの蕾が見えて嬉しくなる。少しだが花も咲いているのが見えて近
くまで斜面を寄り道する。山渓分県ガイド(旧版)には山頂直下に「安徳帝の祠」があると書かれていたが、こう行った眉唾伝説に
は興味は無いのでアケボノツツジの様に寄り道はしない。
14時17分尾根の左手に登山道の踏み跡が見えたのでそれに沿って稜線へと向かう。両側に枯れたスズタケが並びかつて深い笹に
覆われた山が偲ばれる。
点標石が立ち、いかにもマイナーな山の雰囲気を助長する。このこげ茶色の汚れは先ほどらい見てきた岩の表面が赤っぽいのと関連
がありそうだ。スズタケなどが枯れた埃が表面に付着して雨風で着色されたものと想像する。
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平家平に向かう登山道の並木道 13時48分 手前の1515mピークを通過 右正面が平家平
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岩の表面が赤っぽい 平家平が正面に見える
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アケボノツツジが咲いている 尾根の左端に平家平のピーク
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枯れたスズタケの間に登山道があった 14時25分 平家平山頂に到着する 三角点が汚れている
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正面手前が大久保山 その奥に次郎笈・剣山・一の森が並ぶ 左のピークは権田山か
我々にお馴染みの予土県境にある「平家平」は笹に覆われた清々しい場所で、ここも壇ノ浦で破れた平家一族が祖谷から横倉山へ逃
れる途中に滞在したと山渓・四国百名山に書かれている山だ。
一方、こちらの平家平は同じく山渓分県ガイドによると剣山から落ち延びた平家の落人が住んだ所と記されている。でもこの徳島・
平家平は今では山渓分県ガイドブックからも外された不遇の山だ。どちらの平家平にもその流域に平家の落人が隠れ住んだと言われ
る集落が存在するので、そんなロマンから近くの山に平家平の名前が付けられたのだろう。
昨夜マーシーさんが「疲れたので明日は17時までしか歩きません」と宣言していた。しかし今日は休憩を十分に取ったので多少遅
くまで歩けるだろう。ここでも20分程休憩して14時45分東へと旅立つ。
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三角点がこげ茶色になっている 山頂で少し休憩 この時はサイドポケットに鹿の角があった
平家平〜ぼたもち山〜青ノ峠〜青ノ塔 約3時間半
ぼたもち山 1,473m
平家平は東西に尾根を張っているので西側から見ると結構デカい山塊に見えた。縦走尾根は南東に向かって次のピーク「ぼたもち山」
へと下って行く。左手には青ノ塔への長い尾根が見える。さて、今日はどこまで進めるのだろうか?
倒木で荒れ果てた尾根を進むと前方に白い岩を抱いたピークが見える。山は結構尖っているので「ぼたもち」は山の形では無く、白い
岩をぼたもちに喩えたのだろう。お腹を空かせた安徳天皇が「わらわはあのぼたもちをたべたや」って言ったのだろうか・・・知らん
けど。私とマーシーさんの会話にはあやふやな事が多いので会話の最後にはお互い「知らんけど・・・」で締めくくるのがブームにな
っているのだ。
ブナとダケカンバの尾根を歩き、
気が出て来て岩山へ上ると15時30分「ぼたもち山」の標識が立っていた。この岩場の北斜面にアケボノツツジが咲いていたので
少しヤバい傾斜を下りて見物する。
ぼたもち山から南側に支尾根が延びており、そこに「山姥岳」というけったいな名の山や、更にその下には白滝山・天海山・天貝山
(ミノテ山)という「木頭三笠」と呼ばれる山が並ぶマニアックな山域である。
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平家平から青ノ塔 平家平から一旦尾根は東南東に下り、その後東側の青ノ塔へと延びる
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枯れかけたリョウブが枝を広げる尾根を進む 青ノ塔まで尾根が左に回り込んでいるのが分かる
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尾根が倒木で荒れている 笑いコシカケ
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目指す「ぼたもち山」が見える この形の山は珍しくないが、ぼたもちの形? 南面に白い岩がある
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ぼたもち山に近づくにしたがって岩尾根となる アケボノツツジも両側に咲いている
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ピークに白い大岩があるぞ 15時30分 ぼたもち山を制す
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大岩の傍らに「ぼたもち山」の古びた標識があった 不思議と平家平とぼたもち山には南つるぎ地域活性化協議会の標識は無い
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樫戸丸と高城山をバックにアケボノツツジが咲く 大岩の横を抜けて青ノ塔へと進む
さて岩場を下りて荒れた稜線の先に見える青ノ塔らしきピークを目指して、何処までという当ても無く進む。やはりこの辺りも平家平
で見た様な赤っぽい石が転がっている。
16時17分前方がぼたもち山から続く尾根の最終肩部に差し掛かると突然シャクナゲとヒカゲツツジの藪が現われる。中央に少しス
ペースがあるので突入するが、マーシーさんはマットが引っかかるので躊躇している。苦労して藪を抜けると何と左手にあるう回路を
マーシーさんが歩いている。後で気が付いたのだが、このシャクナゲ藪で午前中に拾った鹿の角を落としてしまっていた。残念!
そこから灌木帯を下ると尾根にはアセビの緑がポツポツ現れる。次に色鮮やかなツルギミツバツツジが殺風景な尾根に彩りを添える。
前方を見ると青ノ塔の手前に一つ小ピーク(1,307m)があり、青ノ峠はその向こう側のコルらしい。大きなブナが立ち、ヤシャ
ビシャクが着生し黄色い花を咲かせている様だ。
直ぐ近くにデカいブナの木が根元から風で倒れている。その根回りの小さい事に驚く。地表が笹に覆われていると柔らかい地面に根を
張るが、裸地では根を張れない様だ。
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ぼたもち山から下りてなだらかな尾根を前方に見える青ノ塔へと進む
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この辺りの岩石も赤っぽい色をしている 尾根に岩が現れたりするがそんなに歩くのに支障は無い
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青ノ塔へと続く尾根 当然の事ながら紆余曲折がある 青ノ塔手前の一番低い場所が「青ノ峠」のコル部だ
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ぼたもち山(左端)と平家平を振り返る 洞を持つブナ
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快適な尾根をどんどん歩く 16時18分突然 アセビ、シャクナゲ、ヒカゲツツジの尾根が現れる
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ヒカゲツツジとシャクナゲの藪と格闘する マーシーさんは左手から悠々とトラバースして先に進んでいる
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青ノ峠の手前で一つピークを越さなければならない
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ミツバツツジの色は何度見ても神の技だ 大ブナの横を抜ける
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ヤシャビシャクが花を付けている 林床が貧弱なブナは気の毒だ これだけの根しか張ることが出来ない
青ノ峠
16時45分なだらかな傾斜を上って16時45分キツツキに穴を沢山空けられたブナが立つ1,307mピークに着く。ここに若干
平らな場所があったので「ここでビバークしようか?」とザックを一旦置き、「まだ明るいなあ」と言うとマーシーさんの方から「も
う少し進みましょう」とザックを背負う。しめしめ・・・私としては出来るだけ先に進んでおきたい気持ちなのだ。
取り敢えずヒメシャラやツルギミツバツツジを眺めながら青ノ峠へと向かう。正面に二段になって立ちはだかる青ノ塔を見上げながら
進むと17時00分雰囲気の良い「青ノ峠」に着いた。南側には中谷集落が那賀川との中間点にあり、ここも南北交通の峠だったのだ
ろう。
さて、ここで又マーシーさんに「ここでビバークしようか?」と振ると「う〜〜ん 17時ですか・・・もう少し青ノ塔へ向かい最初
の段辺りに植林帯が見えましたのでその辺りでビバーク場所を見つけましょか」と言う。しめしめ・・・・昨日はヘバっていたマーシ
ーさんも二日目で復活してきた様だ。
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16時45分 1307mピークに着き一旦ザックを下ろす 時間的に中途半端なので取り敢えず青ノ峠へ向かう
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青ノ塔の尖がりが近づいてくる どこまで進むか それが問題だ
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青ノ塔の地形を確認する 手前の植林帯辺りが段になっているのでビバーク出来るかも知れない
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このベッドは堅そうだし・・・ 16時58分 青ノ峠に着く 峠に地蔵さんがないので応急地蔵
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17時 青ノ峠でビバークを思案するが、結構石が転がっており整地が面倒だ ̄〜!先へ行こうぜ!!
青ノ塔ビバーク地 二等三角点「青ノ塔」1,433.44m
青ノ峠から青ノ塔へは標高差230m程の急登となる。ハコベやエンザイスミレみたいな花が斜面に咲いている。今まで花が少ない旅
だったのでこんな花でも有れば歩く励みになる。17時17分植林帯の肩部に着いて一休みする。だが、どうもビバークする場所とし
てはピンと来ない。もう少し上に行こうと又腰を上げる。植林帯を過ぎて自然林に変わるが岩が結構ある尾根で更に上に向かう。
17時50分そろそろ青ノ塔かと思ったピークに着くと、更に奥に高みがあった。こんなダマシピークに騙されるのは毎度の事だ。
コル部に下りると少し傾斜があったので行きがかり上青ノ塔の山頂に賭ける事にした。
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ハコベちゃん 足を運べ〜〜って言ってるよね 高城山も近づいて見える
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オラ 最近こんなに歩いたの初めてや〜〜〜 一番奥の平家平を振り返る
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エンザイスミレやろか? 花に背を向けてオイラは休憩〜〜 やっぱりもう少し進もかな
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あれが山頂付近かな (・・・といつもダマされる) え”〜〜 まだ奥があるじゃんか〜〜(・・といつも落胆する)
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青ノ塔の山頂がついに見えた もうその奥はないじゃろ ちょっと山頂は狭そうやけど・・・
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コル部は少し荒れており傾斜もある よし! 最後の山頂に賭けよう !
18時06分今回お馴染みになった南つるぎ地域活性化協議会の青ノ塔山頂標識に着いた。二等三角点の有る青ノ塔の山頂は少し狭く、
若干の傾斜があったがもうこれ以上歩く気持ちは二人には無かった。山頂標識を挟んで少し石などを片づけて東西に何とかツェルトを
張る。
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18時06分 本日の最終目的地「青ノ塔」 (二等三角点「青ノ峠」 1,433.44m
「青ノ塔」は旧上那賀町・旧木沢村・旧木頭村の境界にある三傍示山で、現在は那賀郡那賀町の最高峰って事になっている。南側の急な
支尾根に踏み跡があり那賀川から林道が下用知まで延びておりここから登山道がある。以前は周囲がスズタケに覆われた厳しい山だっ
たらしいが今はその姿は無い。
地平線には雲が垂れ込めて日没や夕焼けは綺麗に見る事は出来なかったが、2日間歩いて青ノ塔でビバーク出来た安心感に包まれる。
お湯を沸かしてカップ麺(野菜たっぷりチャンポン麺)を作る。マーシーさんは今日飲む予定だった缶ビールを昨夜私が一口欲しいと
言った為に開けてしまった事を悔いている。仕方なく残りの焼酎をお湯で薄めて飲んでいる様だ。
食糧はいつも余るので水の計算だけは慎重に行う。地図を眺めながら翌日の行程を考えると残りは三角点「夏切」、六郎山、カロート
山なので昼頃には五倍木(ふしのき)へ下山出来そうだ。現在2リットル程持っており、翌日は曇りなので朝食分を除いて500ml
のペットボトル2本の水が残っておれば良い。昼食にマーシーさんの水をコーヒーに使ったのでその分を返す事が可能だ。
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夕暮れ迫る中 手早くツェルトを張る マーシーさんも私も少し傾斜があるが文句は言えない
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ツェルト2張りギリギリの余裕だった マーシーさんは足元へ傾斜で良いが、私は斜めに横傾斜だ
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マーシーさんの寝床 長さは十分にある 翌日の天気を反映するのか綺麗な夕焼けにはならなかった
寝床が横に傾斜しているのでエアーマットから体がずり落ちて寝心地が悪かった。
3日目:令和2年5月3日
青ノ塔〜夏切山〜六郎山〜カロート山〜五倍木(ふしのき)大橋
歩行距離 約 7.8km 行動時間 約 5時間35分

カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図 那賀山地縦走3日目
ツェルト内が傾いているので寝苦しい夜だったが、朝05時に目を覚ますと東の地平線の辺りが紅い。天気が良い時の朝焼けとは違っ
てどんよりとした色は崩れる兆候だ。それでも05時11分山際から朝日が出現すると、平家平を赤く染めるモルゲンロートとなり、
青ノ塔の影を写す。お湯を沸かしてコーヒーとプロテインバーで朝食を済ます。ツェルトを片づけてお世話になった青ノ塔の山頂を綺
麗にして06時20分東へ向けて下る。
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05時10分 太陽が東の地平線から出て来る 清々しい瞬間だ
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天気が崩れる兆候だろう、東の空は何だか怪しい色になっている
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歩いて来た那賀山地の縦走路を紅く染める 平家平に映す影青ノ塔
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どんなに荒れた場所でもツェエルトは安心できる空間を提供してくれる頼もしい移動住居だ
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片づけが終わると来た時より綺麗な山頂になっている 06時20分 忘れ物無し!ゴミ無し! 出発〜〜〜
青ノ塔〜夏切山〜六郎山〜カロート山 約2時間50分
夏切山 1,430m
青ノ塔の東北東には北側に支尾根を持つ丁度同じ標高のピークが有るのだが北側の坂州木頭川沿いの夏切地区の名前を取って「夏切山」
と付けられている様だ。この辺りの尾根も鹿の生息地で荒れている。山深いこの地はどちらを見ても遠くまで谷を覆う白い霧と黒っぽ
い山々との濃淡のシルエットが広がる。
06時45分青ノ塔から続く尾根の先端部ピークに着くとやはり南つるぎ地域活性化協議会の標識があり「夏切山」と記されている。
倒木などで荒れた山頂だがもうこの風景は2日間で見慣れているので自然破壊に対する感傷は薄れている。枯れ木が立つ山頂の向こう
正面にはドームが立つ高城山が見える。
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縦走尾根を東に向けて出発する 青ノ塔と同じような標高のピーク 夏切山が見える
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どこまでも広がる徳島の山並み 中央の尖っている山はイワザクラで有名な日明山だろうか?
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夏切山が近づく ここも随分荒れているなあ
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06時45分「夏切山」 (1,430m) に到着する
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高城山 平家平を振り返る
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次に目指す六郎山 (右のピークだろう) 左が奥のカロート山か 一見双耳峰の様に見える
四等三角点「夏切」(なつぎり) 1,354.53m」
夏切山から東へ進むと尾根のピークが重なって双耳峰の様に見える。恐らくその左側(奥)が三角点峰「夏切」と思われる。石灰岩の
様な白っぽい岩が転がる尾根の傾斜を下って行く。カタバミやネコノメソウがコケ岩に生えている。
07時15分鮮やかなアケボノツツジの咲くターニングピークを通過する。ここから南東へ向かって旧境界線の尾根が下る。そちらに
行かない様に地形図で注意していた場所だが、すんなりと東に向かう縦走尾根に進めた。右下にはイワザクラで有名な日明山(ひあか
りやま)が尖って見える。アケボノツツジの花があちこちでチラホラする細尾根を進むと今度は鮮やかなミツバツツジが咲く急登とな
った。
07時33分見晴の良い細尾根の高台に着くと三角点「夏切」(なつぎり)があった。夏切は北側にある四季美谷温泉付近の地名であ
る。金属プレートが埋め込まれたコンクリートの四等三角点があるだけで夏切の特権は先ほどの「夏切山」に奪われた寂しいピークだ。
六郎山の左手に高丸山〜雲早山などが見えている筈だが同定は出来ない。
三角点「夏切」のピークを下り切ると急に尾根が広くなる。ヒメシャラなどの生えた雑木林の様な平坦な尾根を東へと進む。
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尾根には石灰岩の様な白っぽい岩が多く見られる 歩き易い場所もある
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小さなアップダウンを繰り返す 足元にはコケにネコノメソウやカタバミが見られた
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前方に三角点峰、 奥に六郎山が見える
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険しい尾根の様相になる 右手には上那賀町の山々が見える
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やっぱりこの時期 アケボノツツジが嬉しいなあ
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07時15分 右側の旧境界尾根に下ってしまうのを警戒したが、縦走尾根なりにすんなり通過出来た
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三角点峰へと上って行く 那賀山地後半の尾根は結構にアップダウンがある
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07時35分 細尾根に有る三角点「夏切」に到着 標高 1,354.53m
六郎山 三等三角点「六郎山」 1,287.32m
08時になると尾根の右側にヒノキの植林帯が出て来る。そして08時06分「登山口」の標識があって南側から踏み跡が尾根に合流
した。東側の坂州木頭川から延びる林道を利用し、南側の井堀登山口からの登山道だ。そこからヒメシャラ、ブナが立ち、ツルギミツ
バツツの咲く緩やかな尾根を上ると08時16分「六郎山」に着いた。
南つるぎ地域活性化協議会の山頂標識には六郎山と轆轤(ろくろ)山が併記されている。つまりこの辺りはかつて木地師が活躍した山
域で山名も木地師が使う轆轤(ろくろ)が転化したものって事だろう。真後ろにはドームが目印の高城山が立つ。
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細いヒメシャラが点在する広い尾根の樹林帯 08時00分 右手にヒノキの植林帯が現れる
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08時06分 南側に踏み跡がある 南側、大用知・井堀から造林小屋を経由する登山道と合流する
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尾根の並木道 前方に六郎山のピークが見える
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08時15分 六郎山 、三等三角点「六郎山」 1,287.32m に到着 バックは高城山
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那賀山地縦走13基目、最後の三角点でしぇえ〜 鹿の頭蓋骨に別れを告げる
08時35分休憩の後、鹿の頭蓋骨が転がる山頂を後にする。今まで東へ東へと延びる縦走尾根を伝って来たが、ここから尾根が次第
に北側に向かって下がって行く。六郎山から北東に下る尾根は細尾根となり周囲にアケボノツツジが沢山咲いている。やがて急な下り
に岩場が現われる。足腰が疲労で弱ってきた3日目の岩場の下りはヘマをし易い。ミツバツツジやアケボノツツジを眺めながらも慎重
に岩場を下る。
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ミツバツツジの咲く細尾根を進む 今度はアケボノが咲く細尾根となる
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ツルギミツバツツジは鮮やかな色彩を放つ 岩尾根が多くなる
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08時45分 岩場を乗越す 前方のピークががカロート山だろう アケボノツツジもミツバに負けていない
カロート山〜五倍木(ふしのき)大師堂 約2時間10分
カロート山 1,240m
細尾根を下っていると08時50分「あそこに白いアケボノが咲いてますよ」とマーシーさんが言う。言われる左手の崖下を見ると
「ほんまや〜」と嬉しくなる。ザックをデポしてカメラを持って斜面を下って白いアケボノの下に行く。んがっ 空が白いので全く
白い花びらが見えない。又崖を上り返して上から狙える場所へ出る。マーシーさんは花には興味が無いらしく、コル部へ下って行く。
写真を撮り終えてザックを背負い岩場を慎重にコル部へと向かう。前方に尖ったピークが見えるので恐らくカロート山だろう。
アセビの花を付けた細尾根のピークへと進むと09時10分アケボノツツジの花をバックに南つるぎ地域活性協議会の「カロート山」
山頂標識に出会う。この標識が無かったら単なる尾根の通過点だ。でもカロートって「唐櫃(からうと)」が転じたもので、棺という
意味で用いられ、要するにお墓にお骨を納める石室の事でしょ?お山にこんな名前を付けていいのかしら? 知らんけど・・・
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白いアケボノツツジを目指して崖を下る 白アケボノ、桃アケボノ、深紅ミツバの競演だ
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根元に下がるがやはり上から見る方が良かった 細尾根に戻って前方にカロート山のピークを確認
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ロープが付けられた岩場をコルに下る 岩場にスミレがけなげに咲いていた
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09時00分 マーシーさんを肩部で捉える アセビと倒木のカロート山に着いたようだ
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09時10分 カロート山に到着する まさかカロート山ってお墓の納骨室から取った名前じゃないやろねえ
カロート山から五倍木までの激下り
このカロート山を過ぎると下山地の五倍木(ふしのき)までさしたる名前の山やピークもない長い下りが続く。細尾根の両サイドには
びっしりとスズタケが生い茂って来る。今やこんなスズタケの生える尾根は懐かしい気がすると言うものだ。
その細尾根急斜面を下り09時24分コル部に下りると眼前に鋭いピークが迫る。アケボノツツジの咲く細尾根には太目のロープが置
かれている。縦走初日とは全く違う那賀山地の厳しい山容となる。「五倍木から登らなくて正解だったなあ」とお互いホッとする。
それにコースを逆にして2日遅らせたお蔭でアケボノツツジが満開になったのだ。ロープを頼りに09時30分ピークに上がる。そこ
から10分ほどスズタケの尾根道を下っていくと木に赤ペンキが塗られた分岐があった。尾根の左手に薄い踏み跡があるが現在も使わ
れている道かどうか分からない。
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尾根の山容は一変してスズタケの藪尾根となる 登山道は刈り払われてルートの問題ない
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09時23分急傾斜を下っていると前方にピークが現れた 取り敢えずコルへ下る
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上り傾斜にロープが張られている コルから急斜面を這い上がる
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ピークに上がると右手に展望所があった 正面は西三子山かな?
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09時40分 左手に分かれる分岐があるが何処へ行くのかな? どんどん下って行くのでロープも敷設されている
大岩から植林帯に入る
それにしてもの決して上りには使いたくないスズタケの生えた急傾斜の激下りが続く。09時45分突然尾根に横たわる大岩に出る。
ここから植林帯となりテープに従って左手から巻いて尾根に復帰する。植林帯の中では尾根がはっきりしない場所もあるので縦走では
ルートに気を使う。09時58分尾根の境界杭を確認しながら下っていると「六郎山」の登山標識があった。細尾根になると灌木帯と
なるが、それを抜けると直ぐに植林帯が復活する。
10時07分地形図の948mピークで一休みする。ここまで下りに下って、この先まだ急な下りが待っている。又二人で「これを上
らなくてホンマ良かったなあ」と胸を撫で下ろす。休憩の後植林帯をどんどん下っていると10時25分左手に川沿いの瀬津集落が見
えてゴールが近づいたと喜ぶ。
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ホンマ こんな所登らなくて良かったなあ 09時45分 大岩に突き当たる
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左手から下に回り込む 尾根には下側にもう一つ大岩がある
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植林帯が始まるが急傾斜だ 下り尾根だが微妙はアップダウンがある
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09時53分 初めて六郎山の登山道標識が有った 植林帯に入って一部細尾根ではリョウブなどの雑木が残る
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細尾根では左手が自然林、右手が植林になっている 時々岩場もあるでよ
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10時28分 左手が開けると坂州木頭川沿いの瀬津集落(四季美谷温泉の少し下流部)が見える
近頃名前が出てこない・・・
再び植林内を下っているとマーシーさんが「あの・・あれが・・・下が膨らんだ・・」「何や?」「その・・・え〜〜っと」
と花の名前が出てこない。マーシーさんの指さす地面には丁度バイケイソウを鹿が齧った様な緑の葉っぱが枯れた杉の落ち葉か
ら出ている。「バイケイソウを鹿が齧ったんやろ」と言うと「あ〜いや それは・・・源氏と平家の笛の名人何たらアツモリと
・・・」確かに中央に小さな蕾が見える。
私も熊谷(くまがい)の名が出てこない。「西洋では貴婦人のスリッパって言うんやで」と言うが熊谷が出てこない。歩きなが
ら同時に「クマガイソウや!」と思い出した。近頃の二人の会話はほぼ長い事かかってようやく思い出すシーンが多い。それか
らも植林帯の林床にはテンナンショウやスミレサイシン、ヤマシャクヤク、ミツマタなどが現れる。
10時40分クマガイソウのしっかりした蕾が現われて、先ほどの植物は鹿が齧ったバイケイソウでは無かった事が証明された。
花に心を奪われて注意散漫になり10時45分尾根分岐を見逃して真っ直ぐ北に進みかけてあわてて引き換えし東側の五倍木
(ふしのき)へと向かう。緩斜面の植林帯はやっかいでスマホ地図のお世話になりながら五倍木(ふしのき)の大師堂方角へと
進む。
10分程でテープが付けられた踏み跡に出てそれを下る。ユキモチソウやヤマシャクヤクを眺めながら下ると11時00分地形図
にある広い破線道に合流した。
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パッと見、バイケイソウを鹿が齧った様に見える 葉が細いからホソバテンナンショウにしとこう
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ツリフネみたいなスミレサイシン ヤマシャクヤクも蕾が多いが咲きかけている
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植林帯にミツマタはベタな登場だ これですよ これ! エリマキトカゲじゃありませんよ
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確かにクマガイソウやなあ 10時42分 細尾根を通過する
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あれ? 右に曲がるのを忘れとったわ(10時45分) 右にショートカットしてテープ道に復帰(10時55分)
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ユキモチソウ シャマシャクが満開で虫が集まる
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11時00分幅の広い破線道に合流 11時14分 広い道から右に外れて下る
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この斑入りユキモチソウはデカかった 11時17分 車道に下り付く
五倍木(ふしのき)大師堂
五倍木(ふしのき)は中川支流・坂州木頭川が沢谷川(上流は雲早トンネルへの釜ヶ谷川)と分岐する「大釜の滝」の南側に
ある集落で、ここにある五倍木「大師堂」が六郎山の登山口となっている。
道なりに下っていくと11時17分神社の舗装道路に下り立った。ここは以前登山口のチェックに車で来た場所だ。今回は近
くの民家があり新型コロナ感染問題で他県の車を駐車する事を遠慮して少し遠いが坂州木頭川沿いの広い空地に車をデポして
いる。
車道は遠回りになるので適当にショートカットしながら古い破線道に出て11時50分国道193号線に下り着く。そこから
川沿いに歩いて五倍木大橋付近にデポしたマーシーさんの車に帰リ着く。時折細い雨が降り出したので丁度良いタイミングで
下山出来た。
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11時17分 下山口の五倍木(ふしのき)大師堂へ下り付く 大師堂の前には立派な銀杏の木がある
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道路を歩くのは遠いのでショートカットを出来る場所を探す 鹿ネットだろうか ネット沿いに下りる
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ショートカットの問題は次の道路に下りる時の擁壁である 又道路からショートカットする
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廃屋の横を抜ける 破線道を探して下る
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植林帯の中を破線道が続く 国道へ出る手前は荒れている
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11時50分 国道へ下り付く 五倍木大橋を渡りデポした車に帰る (左手は公衆トイレ)
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五倍木大橋を確認 11時55分マーシーさんの車に着き足タッチで縦走終了
エピローグ
下山した後、私の車を置いてある登山口、奥槍戸山ノ家まで面倒だが引き返さなければならない。二日半縦走した那賀山地の北側
をたった1時間程で登山口へ戻る。奥槍戸山ノ家の車付近には雨にも拘らず沢山のバイクが集合していた。雲早トンネルを通過す
る頃には雨も本降りになりちょうど良い時期に縦走を切り上げたものだとほくそ笑みながら帰宅に着く。
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13時15分 雨の降る「奥槍戸山の家」に帰ると天気が悪いにもかかわらず日曜日で多くのライダーが来ていた
最初の計画から3年越しに那賀山地を縦走する事が出来た。今回の縦走に当たっては石鎚〜剣山縦走時や海部山地縦走に於いても
泉保安夫さんのイメージをトレースする山歩き地図「剣山・三嶺」を利用させて頂いた。長い山歩きの実績や経験、調査に基づいて
地形図には載っていない地名や水場などが記されており縦走計画には欠かせない存在で感謝!
那賀山地縦走(その1) 前半部 奥槍戸山の家〜新九郎山〜久井谷山〜折宇谷山〜権田山〜綱付山は ここ
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