日本百名山「雨飾山」(あまかざりやま)  (山と元気の会・香川 遠征 )

 平成30年6月21日   天候: 曇り後晴れ
メンバー :CL 佐々木、 SL 佐藤(陽)、 ドライバー 真鍋(和)
       細谷、谷口、森、真鍋(智)、原、馬淵、佐藤(K)、谷澤、若宮(待機)
コース 上り:梶山新湯コース(薬師尾根コース)      雨飾山荘〜薬師尾根〜中の池〜笹平〜雨飾山
     下り:小谷(おたり)温泉コース            雨飾山〜笹平〜荒菅沢〜雨飾温泉キャンプ場


プロローグ

雨飾山(あまかざりやま)は新潟県と長野県の県境にある日本百名山だが、位置的にも四国に住んでいると殆ど馴染みがない山で
個人山行では先ず行かないだろう。温泉好きな「山と元気の会」が南北両登山口にある雨飾温泉と小谷(おたり)温泉を結ぶ山行
を見逃す訳はない。私も数年前に行きそびれた荒島岳とこの雨飾山を絶妙に(奇妙に?)セットにした山行に参加させて貰った。


面白いのは新潟県と長野県を跨いだ雨飾山登山口と下山口は、同じ「姫川」の支流、根知川(新潟県)と中谷川(長野県)沿いに
ある事だ。ちなみにフォッサマグナで有名な糸魚川市には糸魚川という川は無く、この「姫川」が長野県の安曇野まで遡り、この
河川沿いの道が古来「塩の道」(北国街道)として利用されて来たのです。


平成30年6月20日雨の荒島岳から下山し、そのまま北陸自動車道を糸魚川ICまで走りそこから姫川沿いを南へ移動、途中か
ら姫川支流の根知(ねち)川に沿って山の中へと入って行く。この日の宿泊先「雨飾山荘」は明治13年創業って古い歴史を持つ
山小屋だ。


平成11年までは車が通れなかった山道を不思議と間違う事も無くドンドン進んで夕方雨飾山荘に着いた。山荘前は広場になって
いて向かいの鬼ヶ面山などギザギザ尖がった尾根が霧を棚引かせている。道が付いた現在も電気は自家発電で21時には消灯しな
ければならない。呑み助も21時には寝なければならないので下戸の私にはこのルールは良かった。


 
え〜〜ビールはいらんかね〜〜〜♪                          雨飾山荘の前までバスを入れる


           雨飾山荘の庭から眺める鬼ノ面山と鋸岳方面  鋭い岩山が並ぶ

山荘の人は大変親切で濡れた靴や雨具を乾かす為に急遽入り口にある部屋にストーブを出して乾燥室にしてくれた。梅雨の季節は
登山客も無く宿泊者は我々だけだった。山荘の若い支配人は話好きで食事中も山の話を色々してくれる。雨飾山は妙高戸隠連山国
立公園に含まれている事、向かいの岩山は「鬼ヶ面(つら)山」(1,591m)で隣の鋸岳(1,631m)へもバリエーショ
ンルートがある事、最初の急登がキツイのでペースをゆっくり登って下さいとかのアドバイスをしてくれた。


部屋は前日同様ジェントルマン森さんとドッペルギャンガー真鍋さんで、消灯と同時に真鍋さんのイビキが部屋を揺るがした。
真鍋イビキ勃発の前に寝なアカンと同室の森さんと話していたのだが間に合う筈もなく呆れながら睡眠導入剤を飲んで窮地を凌い
だ。


  
温泉は少し狭いが山小屋だから贅沢は言えない            山小屋なのに道路が開通しているから魚料理も出る

平成30年6月21日  
日本百名山 「雨飾山」(あまかざりやま)   二等三角点「雨飾山」(1,963.27m)

雨飾山荘〜薬師尾根〜中の池〜雪渓〜笹平分岐〜雨飾山〜笹平分岐〜荒菅沢〜雨飾高原キャンプ場

朝食を05時過ぎに食べながら天気は午前中に回復するでしょうと支配人が断言してくれる。まあ昨日の様に土砂降りでは無く夜半
に振っていた雨もほぼ上がった様だ。06時過ぎに露天風呂「都忘れの湯」近くの広場で準備体操をする。しかし向かいの鬼ヶ面山は
ガスで隠れている。


上り:梶山新湯コース(薬師尾根コース)      雨飾山荘〜薬師尾根〜中の池〜笹平〜雨飾山  約 4時間30分

  
 雨飾山荘の朝食  魚が並ぶ                       雨飾温泉の庭にある「都忘れの湯」露天風呂

    
  準備体操をする人達を撮る                         06時18分 山荘の右手に回り込んで登山口へ向かう

薬師尾根

雨飾山荘登山コースは左手の「鉱度倉沢」と右手の「神難所沢」という変わった名前の谷の間に挟まれた「薬師尾根」を南に向かい
「中の池」まで約3時間をかけて登って行く行程だ。


06時18分雨飾山荘横の切通しになっている登山口を回り込むと標識があり雨飾山まで4時間と記されている。少し山筋を上がった
所に薬師堂があり皆でお参りする。近くの稜線に見える岩山ピークはガスがかかっているが、この時期の山はしっとりとした緑に覆わ
れており良い雰囲気で柔らかい森の中を歩く。
急登を上り06時50分細い尾根部で休憩する。足元に古ぼけた「薬師尾根」の看板が
横たわっていた。


  
雨飾山登山口 山頂まで4時間とある                   すぐ上に薬師堂(梶山薬師)がありお参りする

  
      長い急登が始まる                         本州のエンレイソウは葉っぱがデカい

  
06時50分 薬師尾根の看板                       休憩中に尾根の北橋まで出て見るが展望が無いので引き返す

ツツジのオレンジを鮮やかにさせる巨木が生えた緑の尾根を上っていると07時15分「山頂まであと180分」(3時間)の標識
に覚悟の上だが先の長さを思い知らされる。エ
ンレイソウやイワカガミの葉っぱが昨夜の雨に濡れて輝いている。右手前方の神難所
沢が少し開けて、その上方には雪渓がガスの間から見える。


07時30分ドでかい天然檜に驚かされる。しばらく進むと岩尾根にアカモノが現れる。この花は四国の銅山峰でお馴染みなので何
か旧友に出会った様な懐かしい気になる。


07時55分今度は左手「鉱度倉沢」の源頭部に雪渓が見えると登山道にアルミ梯子が架けられている場所を通過する。するとマイ
ズルソウと共に白いイワカガミがあり眺めながら歩く。ギンリョウソウは昨日荒島岳で沢山見ているので一瞥して通り過ぎる。
イワ
カガミの群生を眺めているとダケカンバの向こうに厳しい岩襞が見えて谷筋に雪渓がへばりついていた。


  
  巨木の立つ急登を上がって行く                     07時13分 山頂まで180分(3時間)の看板有り


       緑に覆われた薬師尾根を上って行く

  
   ユキザサ                                 右手、神難所沢の上流部はガスっているが雪渓が見える

  
  この樹皮はダケカンバだろうか デカい〜               樹齢が相当古そうな杉の巨木

 
  ウラジロヨウラクが咲いている                      岩尾根になると急にアカモノが沢山足元に現れた


       アカモノとイワカガミ尾根を上っていく

  
左手、鉱度倉沢の源頭部にも雪渓が残っている              細尾根をひたすら上る

  
 07時55分 アルミ梯子が敷設されていた                いや〜 急な傾斜どすえ

  
珍しい白花のイワカガミが咲いている                    まあこちらは珍しくもないギンリョウソウ


     イワカガミの群生が多い


     ダケカンバの向こうに雪渓が厚く残っている

中の池

どんな急登にも尾根である以上緩急があって肩部では一息入れながら歩き続ける事が出来る。08時30分雪で基部が水平に曲がったダ
ケカンバの急登となり、そこを抜けると登山道は尾根部を外して東の中の池へとトラバースする。
08時40分山頂まであと120分の標識に出合う。どうやらこの平らな湿地帯辺りが「中の池」付近だろう。想像通り雪渓の間には水
芭蕉のデカい葉っぱが沢山見られる。水芭蕉も白い花があると気品があるのだがデカい葉っぱだけになるともう野菜ってイメージと化す。
かろうじて花が残った水芭蕉を探して写真を撮る。


雪渓沿いの斜面に花を咲かせるショウジョウバカマも四国のそれに比べてデカい。その斜面にシラネアオイが姿を現し皆を喜ばせる。雨
に打たれて多少しょぼくれているが四国には無い花に出会うと嬉しい。ここではサンカヨウも未だ花を残しておりマイズルソウでさえ大
柄で見栄えが良い。池塘と思しき池があり岸辺を水芭蕉の葉が取り囲んで、枝にはモリアオガエルが池に落下した後のゼラチンがぶら下
がっていた。



   ダケカンバが雪に押されて根元部が水平になっている  急傾斜を頑張る「山と元気の会」会員

  

  ズダヤクシュ                                  ツバメオモト
  
 平らな湿地帯に入る                             ミツバオウレン

  
  08時45分 山頂まであと120分(2時間)の標識         窪地には雪渓が残っている

  
  おっ 水芭蕉の花が残っている                      ここのショウジョウバカマはデカい

  
  シラネアオイまで咲いちゃってる                      サンカヨウも実では無く花がある

  
   マイズルソウの乱舞                           う〜〜ん  結構雪渓が残ってるぞ


   これが「中の池」だろうか?  水芭蕉のデカい葉っぱと池に垂れ下がるのはモリアオガエルの卵が落ちたゼラチンかな


雪渓を這い上がる

中の池を過ぎると登山道は雨飾山の北東尾根に向かって緩やかな北斜面を登って行く。この北斜面には毎年遅くまで雪渓が残るらしい。
08時50分前方に想像以上に厚い第一雪渓が現れる。今回の山行では特にアイゼンは必要装備には入っていない。まあここは斜面から
一旦窪地へ下がればどうってこともなく10分程でクリアする。


  
 雪渓は思ったより固くて滑りやすい  一旦窪地へ下がった後に這い上がる    傾斜もあって滑りやすい

引き続き第二雪渓に入ると、ここは雪渓を上らなくてはならない。雪質はこの時期或る程度柔らかいと予想してこの山の会ではアイゼン
不要と決めた様だ。しかし思ったより雪の表面が凍って固く靴でキックしても表面の氷が跳ね返って顔に飛んで来る。雪渓は一旦融けた
時の水の流れでうろこ状に凹みが出来る。これを利用して急な雪渓を慎重に上っていく。
リーダーはザイルを装備しているがそれを出す
程の事も無さそうだ。
雪渓の途中にある島部分に咲くサンカヨウやキヌガサソウ、デカいエンレイソウが嬉しい。

  
  中州の様な裸地を抜けて又雪渓に入る         サンカヨウさん  こんにちは

  
 雪渓を抜けて登山道へ入る            こんな立派なエンレイソウには四国では滅多にお目に架かれない


    キヌガサソウの群落を抜ける


09時20分キヌガサソウの群落を抜けると急な第三雪渓を横切る場所があるが、ここは登山者による段が付けられていたので安全に通
過する。
五分後に同じような第四雪渓横切り部がありあまり足場が良く無いのでキックステップで段を付けて慎重に渡る。

  
ここは段になっているので安心だ                      結構上の方まで雪渓が続いている

  
ヤバい雪渓では男性が先に行く様に強い女性陣から声がかかる   09時28分 山頂まで60分の標識を通過する

09時30分山頂まで60分の標識を過ぎると少し緊張する中規模な第五雪渓が現れた。周りは灌木藪でここは雪渓の中を這い上がる
ルートになっている様だ。傾斜が急なので上の方で滑落すると大変なのでなるべく雪渓の縁を歩く。灌木の枝が出ておればそれを利用
したりして20分程かけて慎重雪渓上部の登山道まで這い上がる。


  
 ガスが少し飛び、対岸の鬼ヶ面山の尖がりが見える         お〜〜 これはちょっと急傾斜ですぞ


   雪渓の真ん中を通ると滑落の危険があるので、なるべく端の方を灌木の枝につかまって這い上がる  雪渓は固くて滑り易かった

  
      鬼ヶ面山と鋸山が姿を現す                   雪渓の上部に登山道を見つける

笹平分岐

雪渓を無事上がると少し天候が回復して青空も見える様になった。向かいを振り返ると今まで見えなかった鬼ヶ面山や鋸岳が見える。明
るくなった斜面を進むとムラサキヤシオやシラネアオイが出迎えてくれた。雪渓歩きのご褒美だろうか オオバキスミレやミツバオウレ
ンまで現れた。10時10分最後の小雪渓を渡る。


ゴゼンタチバナやミツバオウレンを見ながら深い笹原の登山道を進むと10時17分「笹平」分岐に着いた。ここは雨飾山から北東に延
びる稜線上の雨飾温泉コース(梶山新湯コース)分岐となっている。下山時の小谷温泉コースへも一旦ここまで帰って来る。


  
6月下旬なのにムラサキヤシオが咲いている              稜線部まではもう少し歩かねば・・・

  
       シラネアオイ                              オオバキスミレ

  
雨飾山荘から見えた駒ケ岳、鬼ヶ面山、鋸岳を海谷山塊と言うらしい  最後の雪渓を渡る


   ムラサキヤシオの咲く登山道を歩き稜線を目指す

  
    ゴゼンタチバナ                               ミツバオウレン

  
 10時13分 山頂まであと30分となる                  やっと稜線部へ出たぞ

  
         10時17分 笹平分岐にとうちゃこ〜           梶山新湯とは登って来た雨飾山荘辺りの温泉名だ


雨飾山(あまかざりやま)   二等三角点「雨飾山」 (1,963.27m)

稜線部に出ると青空が出て急に景色が明るくなり開放的な気分になる。前方に丸い形をした山塊が見えるのでそれが雨飾山だろう。

先を進む女性陣から黄色っぽい色をしたネコノメソウをデカくした様な花の名前を聞かれる。「う〜〜ん これはナツトウダイでしょう」
と答える。昔北アルプスでこんな花を見た事がありその時に調べた名前がトウダイグサ科のナツトウダイだった。帰ってから調べると同
じトウダイグサ科の「ハクサンタイゲキ」だった。申し訳なし・・・


ここはお花畑でハクサンチドリ、ノビネチドリ、ハクサンイチゲ、ヨツバシオガマ、ミヤマダイコンソウ、それにユキワリソウまで咲い
ている。雨飾山は温泉の山では無く、花の山だった。


  
お〜〜 笹原の向こうに雨飾山が見えたぞ                ハクサンチドリ

  
ハクサンタイゲキでございました                        ヨツバシオガマ


   象の背中の様な雨飾山(右のデカい山塊)   左は東に突き出した岩尾根だ

  
やはり青空の稜線歩きは気持ちがいい  レンズ雲がUFOみたいだ    東の金山方面も雪渓が残っている

10時25分笹原の先にデンと構える雨飾山へと向かう。コブが二つ見えるが本峰は右側のデカい山塊で、左側のコブは奥の肩部だろう。
その左手には茂倉山と金山だろうが、まだ雲が残っていてその奥は見えない。


登山道は一旦東側の鞍部へ下がり荒菅沢源頭部の雪渓を持った鋭い谷を眺めながら回り込む。最後の急傾斜を先頭の佐藤SLが引っ張る。
佐々木リーダーは最後部で花の写真に余念が無い。



   雨飾山へ続く登山道が左手から刻まれている  

  
      ハクサンイチゲ                            ミヤマダイコンソウ

  
  雨飾山へは基部を左から回り込む                      荒菅沢へ落ちる雪渓が残る谷部

  
雨飾山は三方が岩崖だが登山道のあるこの北面だけは草地になっている   登山道は沢源頭部の縁を回り込む 荒菅沢と金山方面

    
 最後は急傾斜となる                              岩場も少し出て来る

  
     ノビネチドリ                                ユキワリソウ

 
   イブキトラノオ                             登山道の山頂コル部から北峰へ行って雨飾山(南峰)を眺める
                                         奥に金山、焼山、火打山が見える


10時50分北峰の鞍部から奥の南峰、雨飾山三角点峰へ着いた。みんなで記念撮影をして早めの昼食タイムとする。バックに後立山連
峰が並ぶが残念にもまだ雲がかかって全容は見えない。


荒島岳では折角昼食用の山菜おにぎりを買って冷蔵庫に忘れて来てしまった。今日はそれに凝りてパン食だから直ぐに食事終了となって
皆さんの休憩中に北峰へ行く。ここは信仰の山らしく祠と石仏が4体糸魚川方面を向いて並んでいる。江戸時代に羅漢上人と言う人が阿
弥陀三尊、大日如来、薬師如来、不動明王を彫って人力で担ぎ上げたらしい。恐らく実際に担ぎ上げたのは力自慢の信者さんだと思うけ
ど・・・

この北峰の山頂にイブキジャコウソウが咲いて蝶が舞っていた。三角点峰方面を眺めるとなだらかな金山の向こうに焼山と火打山が尖が
って見えた。



         佐藤(K)、馬淵、谷口、             佐々木、原、細谷、谷澤、真鍋(智)、森、佐藤(陽)
   雨飾山で「山と元気の会」10名の記念写真 若宮さんは登山口で待ってるけど  すまんのう


バックに数年前に歩いた栂海新道と後立山連峰が並ぶ
懐かしい親不知〜栂海(つがみ)新道〜朝日岳〜雪倉岳〜白馬岳〜杓子岳〜鑓ヶ岳〜唐松岳〜鹿島槍岳〜爺ヶ岳(右から続く)

  
  皆さん  お疲れ様〜                           南峰(三角点峰)から北峰を見る  バックの白馬岳は雲に隠れている

  
  イブキジャコウソウ                             カラマツソウ


       江戸時代に羅漢上人が彫ってここまで持って来たと言われる石仏4体と祠

  
    白馬岳は雪を被った左手端位だろう                栂海(つがみ)新道の尾根筋と姫川の流れる糸魚川市方面


下り:小谷(おたり)温泉コース :  雨飾山〜笹平〜荒菅沢〜雨飾温泉キャンプ場  約 3時間40分

雨飾山からの展望を楽しんだ後11時30分下山する事に。すると眼下に雨飾山荘の管理人さんが夕食時に言ってた例の女性の顔が見えた。
要するに偶然付けられた登山道の線が女性の顔に見えるのである。確かに・・・・
イブキトラノオやグンナイフウロが風に揺れ涼しい
平原を11時55分笹平分岐に戻る。
そしてここから今度は北東方向へ尾根を進む事になるのだ。


なるほど! 雨飾山直下の笹原登山道が女性の顔に見える  右上にある山は焼山

  
登山者が一人上がって来た  高度感がる下山道           上るのはエラかったが下りは楽チン

  
ん? 色白だけど貴方はグンナイフウロなの?              山頂から25分程で笹平分岐まで帰る

笹平  1,894m

分岐から尾根道を緩やかに上り12時03分小高い笹原の1,894mピーク、「笹平」標識に着く。この尾根を真っすぐ東に進むと金山
へと通じる様で分岐標識には金山まで320分とある。この辺りに住んでいれば気楽に雨飾山〜金山〜焼山〜火打山、更には妙高山まで
の縦走も楽しめる。


我々の下山に使う小谷(おたり)温泉ルートはここから黒沢と荒菅沢の間にある支尾根を布団菱と言われる岩壁を避けて南東に下り、途
中から荒菅沢を渡ってトラバース気味に南へ向かって進んで行く。地形的には複雑なルートに見えるが登山道がしっかりしているので安
心だ。


  
 ツマトリソウはお馴染みの花                        雨飾山を振り返る

  
 ここにもアカモノが咲いている                      12時03分 笹平(1,894m)に着く
                                          標識には、金山まで320分、雨飾高原登山口まで170分とある

笹平から暫く急な細尾根が続くがウラジロヨウラクやタニウツギの赤色を楽しみながら梯子段などもあり退屈しない。岩がゴロゴロ
した急坂を下って行くと12時40分過ぎに登山道がトラバース気味に右へ振って行く。すると右手上方に布団菱と呼ばれる迫力満
点の岩峰群の一部が見える。この辺りに咲いている黄色いオオバミゾホウズキも恐らく初めての御対面だ。


  
  オオバギボウシが沢山ある                       正面が茂倉尾根でその右端が金山、奥に焼山と火打山

  
   ウラジロヨウラクの桃色がいいぞ                     タニウツギ、金山を正面に見て細尾根を下る


         梯子段などが敷設された岩だらけの細尾根を下る  

  
  荒菅沢の支谷に沿ってドンドン下る                  ナナカマドの白い花、 正面の焼山も茂倉尾根に隠れる

  
   ツクバネウツギ                               ウラジロヨウラクは何度見ても良い

  
  カラマツソウ 少し紫がかっている                    ツマトリソウも四国のよりデカい


             雨飾山の東面や南面は灰色の岩盤が沢山露出している

  
 登山道が尾根部から次第に右手にトラバースして行くのが見える    12時45分 樹林帯のトラバース路に入る

  
何だこの黄色いラッパは・・・オオバミゾホウズキ            登山道に雪や雨が流れて掘れ込んでいる

荒菅沢を渡る

トラバース路はデカいタムシバの花やシラネアオイなどが見られる広い登山道でまず道迷いは起こらないだろう。13時05分雪渓を抱
えて鋭く切れ込んだ荒菅沢の源頭部が見え、荒々しい岩峰が立ち並ぶ。


13時20分荒菅沢の雪渓が現れる。遠くから見ると雪渓が結構急斜面に見えるが、近づくとやはり登山道に使っているだけあってこの
辺りだけ緩やかな傾斜で安心する。
雪渓の上部を眺めると迫力のある岩峰が見える。ここをアイゼン・ピッケルで詰めたら面白いだろう
なあ。


雪渓を渡ると登山口まで95分の標識に出合う。更にもう一つ雪渓を渡り振り返ると荒菅沢の雪渓と今下ってきた支尾根が見える。う〜
〜ん 結構急な尾根を下ってきたんだなあ・・・
左上には布団菱と呼ばれる白っぽい岩盤が見える。

  
 ここのタムシバはムードが無い                       おお 綺麗なシラネアオイ姉妹やんか


   荒菅沢の鋭い切れ込みと雪渓   右手には布団菱付近の岩山が見える

  
  南へ向かってトラバース気味に下る                   13時20分 荒菅沢の雪渓が見える 斜度は大丈夫なのか?


   荒菅沢の雪渓を渡る  登山道になっている場所だから傾斜は緩い場所だった

    
  無事渡り終える  ちなみにこの辺りの標高は1,448mとなっている   下山口まで95分の標識が折れている

  
     トラバース路だとわかるでしょ                    もう一つ雪渓を越す

      
        布団菱の岩壁はスマホ写真にしか撮らなかったのでサイズが小さい


トイレブースを過ぎて13時50分ニリンソウ(?)の咲く斜面に雪渓があり、そこが水場になっている。そこで冷たい雪解け水を飲む
仲間がいた。私は水が余っていたのでパスする。
水場を過ぎると大木が立つ深い森になる。その大木の結構高い場所に赤ペンキでマーク
が沢山付けられている。恐らくこの辺りの積雪が半端じゃ無く、冬に登山道が雪に埋もれた時の目印だろう。


  
イチリンソウ?  ニリンソウ? う〜〜ん 1.5リンソウにしとこう   13時43分 トイレブースを通過する

  
  雪渓の脇に水場がある                          巨木の立つ深い森に入る

  
  この辺りも雰囲気が良い森だ                      ブナの高い場所にペンキが塗られている 積雪期の目印だろう


14時10分小規模ながら木道も現れ下山口が近づいた気持ちになる。すると「ブナ平」の標識が立っており登山口まで50分と記され
ていた。尚もブナの大木が生えた森を下って行くと14時50分林道の様な平らな道に出た。恐らく荒菅沢や黒沢、大倉沢の下流「大海
(おおみ)川」の広い河川流域まで下りたのだろう。しかし広い河川敷は樹木で覆われ川は見えない。この辺り、姫川→中谷川の支流に
は大海川や中海川、浅海川と言った名前の川が並んで興味深い。


  
  木道が現れた この先がブナ平                     14時10分 ブナ平の標識 登山口まで50分とある

  
  巻貝の様なキノコ                              相変わらずブナの巨木が多い

  
14時53分 林道の様な広い道に出る                    平坦な草地が続く


例の水芭蕉の葉っぱ(菜っ葉)が生える河川沿いには木道が敷かれている。ミゾホウズキやタツナミソウを見ながら歩いていると前方に
小屋が見えて前日膝を捻って大事を取った若宮さんが出迎えてくれた。若宮さん 今日はいい山だったぞね すまんのう


トイレや洗い場がある雨飾山キャンプ場の休憩舎で道具を片付けた後、真鍋さんの運転するマイクロバスで「村営・雨飾荘」に投宿し温
泉入浴後18時から打ち上げ宴会となり食前酒で酔っ払う。


  
  木道が敷かれているのは水芭蕉の保護目的かな          オオバミゾホウズキも見納めとなる

  
  タツナミソウ                                 15時10分若宮さんが皆を出迎えてくれる  お待たせ〜

  
   村営「雨飾荘」  小谷(おたり)温泉の奥にあるホテルですね   雨飾荘の露天風呂で寛ぐ

  
コース料理の最初に出る食前酒で酔っ払う                皆さん お疲れさんでした〜〜



いや〜 温泉三昧の何とも言えないいい旅でございました。このお得な山旅を支えてくれた未だお会いした事のない直井事務局長、
そして長旅の運転に携わってくれた真鍋(和)さんと佐藤(陽)さん、リーダーの佐々木さん、トップのSL佐藤(陽)さん達に
参加者一同から感謝です。

団体で行く山旅は利点も欠点もあります。それをわきまえた上で交通の利便性、特に今回の雨飾山の様に登山口と下山口が大幅に
違った場合でも縦走が可能でピストンよりも違った山の様子を知ることが出来ます。これは有り難いですね


「山と元気の会」日本百名山遠征  「荒島岳」は   ここ  



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