後立山連峰縦走
猿倉〜白馬岳〜不帰ノ嶮〜唐松岳〜五竜岳〜八峰キレット〜鹿島槍岳〜爺ヶ岳〜扇沢

平成28年8月31日〜9月4日 (4泊5日


カシミールソフトを使ったGPSトラックログ図  後立山連峰の縦走図

プロローグ

私の北アルプスデビューは8年前に高御位山さんに連れられてマーシーさんと行った剱岳だった。その時歩いた立山三山で高御位山隊
の菅さん、前田さん、ゆ〜みんママさん達から遠くに見える後立山連峰を指さして「あそこはとても素晴らしい縦走路だから是非歩い
てみて下さい」と言われて「はい」と応えていた。その約束が気になりながらもグズグズしているうちに菅さんや前田さんが亡くなら
れてしまった。


それで今年の目標に大峯奥駈道と後立山連峰の縦走を掲げた。2年前に春のタケノコちゃんや敏ちゃんと日本海の親不知から栂海新道
を白馬岳まで歩いており、白馬岳から南を繋ぐ縦走目的もあった。
先にぺーこちゃんを偲んで大峯奥駈道を歩き、次に菅さん、前田さん偲ぶ後立縦走を狙って天気予報を睨みチャンスを窺う。台風が3
つも来て中々踏ん切りがつかなかったが8月30日に台風が抜けた後天気が安定しそうだったので急きょ夜行バスで名古屋へ出てJR
で白馬へ向かう事にした。


後立山連峰の難所、不帰ノ嶮と八峰キレットをテント装備で歩く事に多少の不安があったが、自分の登山スタイルで行こうと決心する。
伊予の鈍亀さん達は扇沢から入って爺ヶ岳から白馬へ向かうルートで既に歩かれていたが、
多少針ノ木雪渓に未練があったのでルート
は白馬からとする。南下ルートであれば扇沢へは柏原新道でも針ノ木雪渓でも選択出来るので都合が良い。


今回はバスと電車の旅なので下山後の着替え一式等でザックの重量が17kgになった。


後立山連峰縦走 第1部  白馬岳〜唐松岳

第1日目 (8月31日・水)
猿倉〜白馬岳頂上宿舎野営地(テント泊) 12:00h-17:30h (5時間30分)

8月30日思い立って夜行高速バスで名古屋へ向かう事にした。事前の下調べで高松ゆめタウンに高速バスの駅と駐車場があり、高速
バスを使うと24時間無料でその後24時間毎に500円で済む事がわかった。最初JRバスを使うつもりが、切符売り場で四国高速
バスを使うと名古屋まで何と¥3,900 のキャンペーン中ときたもんだ。


8月30日22時50分初めて夜行高速バスに乗った。車内は結構混んでおりリクライニングシートをそんなに倒すことも出来ず寝不
足のまま名古屋バスターミナルに06時10分に着きJR名古屋駅まで10分程歩く


前日時刻表を調べると07時発で名古屋〜松本(JR普通)〜白馬と、08時発名古屋〜塩尻〜(特急あずさ3号)〜白馬でも到着時
間は10分しか違わない。
料金は少し高いが狩人の歌で有名な特急あずさ3号(歌ではあずさ2号だが、まあいいや)に乗りたかった
ので後者を選んで特急しなの3号から塩尻駅で特急あずさ3号に乗り換え11時28分「白馬駅」に着いた。


  
   あずさ3号の席はガラ空きだった                   車窓の左手には山並みが続く

この時期すでに登山シーズンは終わっており猿倉行のバスは平日には運行しておらずタクシー¥3,700で「猿倉登山口」へ向かう。

いよいよ白馬岳へ

「猿倉荘」のある登山口で準備をして12時00分歩きだすといきなり「白馬雪渓は雪不足で9月1日からルートが確保されるまで通
行禁止となります。迂回ルートとして栂池ルートもしくは白馬鑓温泉ルートを利用して下さい」の看板が置かれている。ラッキー 
白馬雪渓は本日限りで通行止めだったので結果的に夜行バスに乗って正解だったのだ。


登山口猿倉の標高は1、230mで目的地の白馬岳頂上宿舎の標高が約2,700mなので標高差は1,450m程になる。普段四国
の山でもこれ位の標高差は歩いているので特に気にならない。


  
  登山口は猿倉荘の左手にある                     むむっ 明日から白馬雪渓は通行止めだった

しばらく広い砂防工事専用道路を歩くと10分程で左手に鑓温泉登山口があった。やはり先ほどの通行止め看板が置かれている。こ
の時期、花はほとんど終わっているがサラシナショウマやウメバチソウが林道脇に咲いている。晴れていれば正面に小蓮華山が見える
のだが今日はガスに隠れている。長走沢(ながしりさわ)の木橋を渡り進むと12時35分白馬雪渓への登山口があり整備された山道
に入る。この辺りは御殿場と呼ばれているが、殿様の避暑地宿場でもあったのだろうか。はやりここにも9月1日から通行止めの看板
があった。


  
 10分で鑓温泉ルートの登山口                       長走沢に渡された登山者用の橋を渡る

  
  12時36分 林道が切れて登山道へ入る                小沢を渡ったり木道が整備されている

沢沿いの登山道に入るとトリカブトやセリ科の花が咲いている。このセリ科の花はやっかいで大きいのがミヤマシシウドとか中ぐらい
のはシラネセンキュウとかミヤマウイキョウ、イブキボウフウだとか種類が沢山ありよくわからない。小沢を渡る木橋や木道など整備
された登山道が続く。更に沢沿いの道を進むとカライトソウやミソガワソウ、オヤマボクチなどのお花畑になっている。


  
  整備された山道の両側はお花畑になっている            オヤマボクチやミソガワソウ、カライトソウなどが咲いている

13時00分石畳の奥に建つ白馬尻小屋に着いたがシーズン終盤でもあり人影は見えない。小屋の右手から登山道に回り込むといよ
いよ白馬大雪渓となるのだが・・・・・
13時15分、猿倉から3km、山頂まで4kmと記された中信森林管理署の雪渓末端の碑ケ
ルンに来ても雪渓が始まらない。
奥に見える雪渓を目指して右岸の草地に伸びる沢伝いのガレ道を進む。

  
 13時00分 白馬尻小屋に着く                    13時15分雪渓末端のケルン 猿倉から3km、山頂まで4km

13時45分雪渓の末端部に着いたが、雪渓が痩せているので泥にまみれて汚い。白く谷間を埋めた広々とした雪渓歩きをイメージし
ていたのだが見事に期待は裏切られた。
14時00分雪渓に入るがアイゼンも不要、雪の状態は小石混じりでクレバスを迂回しながら
20分で雪渓歩きが終了し左岸のガレ道に入ってしまった。
下の沢を見るが迫力が無い。左手の杓子岳から落ちる脆くて茶色い岩層が
印象的だ。


嬉しい事にウルップソウの花が残っていた。この紫の花は高山植物としても珍しく白馬付近を代表する花である。沢部には雪渓は残っ
てはいるがあちこちで崩壊しており無残な姿になっている。この辺りはミソガワソウを中心としたお花畑になっておりミヤマトウヒレ
ン、アキノキリンソウ、キンポウゲ科の花などが見られた。


  
どこから雪渓が始まるのか定かではない                 13時50分 やっと雪渓の末端部に到着

  
 汚れた雪渓の上には落石が転がる                   雪渓は無残に割れている

  
  クレパスが横に伸びている                      ルートは右へ左へとクレバスを避ける


  上方に杓子岳の先端になる鋭い岩が見える   雪渓は泥や砂とミックスされて汚い

  
  
  ウルップソウの花が咲き残っている                   左岸に沿って山道が続く

  
  左岸の斜面にはミソガワソウが咲き誇っていた            登山道に小沢が現れる

  
右手から流れる小沢にかかる木橋を渡ると15時10分「岩室跡」に着いた。この辺りはシロウマアサツキが多い事から葱平(ねぶか
っぴら)と呼ばれている場所らしい。
先ほどから左手には天狗菱と呼ばれる杓子岳から延びた岩峰が目を引く。

16時05分避難小屋に着く。地図でこの小屋の存在を見た時に最悪ここで泊まろうと考えていたが、中を覗くと狭くてその中にや
はり幅が狭すぎる縁台しか無かった。
避難小屋からは傾斜が緩やかになり、草地に残る氷河遺跡である羊背岩(ようはいがん)が点
在するのどかな景色となる。デカいイチゴを取って食べたりトリカブトやカワラナデシコを眺めたりしながら上を目指す。


  
   なんか設計ミスの雪渓? ズタズタじゃん              右手から流れ落ちる小沢を渡る

  
  15時10分 おっ  岩室か?                      岩室跡の表札があるから間違いない

 
  
    右岸側、杓子岳から延びる尾根斜面は脆い                白馬大雪渓ってこれ?

  
    デカい赤岩が固定されているんだろうか                イワヒバリが飛んできた  こっちを見ない


    これが天狗菱っていう岩だろう


  
    16時05分 避難小屋に着く                     中を見ると寝れそうにない  バスの待合所みたいな〜


   天狗菱の向こうに杓子岳が見えてくる

  
  傾斜が緩やかになる                         トリカブトの横に大きなイチゴがあるが食べても大丈夫だろうか


16時50分中部森林管理局の大きな看板があった。この辺りは稜線に近いが残雪のお陰だるか沢水が豊かに流れている。やがて前方
に山小屋が見えて17時20分白馬岳頂上宿舎に着いた。
白馬岳頂上ではないのに何故頂上宿舎と名付けたのかはよくわからない。
とにかく何とか明るい内にお宿に着いてホッとする。


  
16時50分 デカい看板がある                       稜線近くなのに沢水が流れている


    氷河によって一定方向に削られた岩=羊背岩(ようはいがん)がある

    
17時20分 山小屋が見える                         村営白馬岳頂上宿舎が頂上でない場所に建っている

懐かしい白馬岳野営地

白馬岳野営地の受付は山小屋の中には無く、トイレ近くの受付小屋には「18時に受付に来てください」と張り紙がされていた。テン
ト場は以前栂海新道から来た時にツェルトを張った懐かしい場所だ。結構空いていたので奥側の静かな場所で風の影響が少ない場所を
検討するが、風向が定まらず適当に選んで設営する。さすが標高が高いので夕方の風は冷たくウィンドブレーカーを着てもまだ寒い。


18時にテン場代千円を支払い紋切型の説明を受けて手続きを済ませるとテーブルの上にパンやスナック菓子が沢山並べられている。
行動食にパンを買おうとすると「もう今日の清算を済ませているので売れません」と言う。え?ここは村役場かい? 登山者が食料を
求めているのにレジを閉めたので売れませんって言うの? こんな村営小屋の営業方針に失望しながらテン場に戻る。今日中に白馬岳
の山頂へ行けば明日が楽なのだが、疲れと寒さでテントから出る気がしなかった。

  
 17時32分テン場に着いて場所を選ぶ         懐かしい場所だ


 ファイントラックのカミナドームII  グロメットが小さくてポール操作が面倒だが、張ると快適だ

取り敢えず後立山連峰縦走のスタートラインまで到達した事に安堵しながら
お湯を沸かして具沢山ちゃんぽん麺で簡単な夕食を済ませ
る。今日白馬岳へ行かなかった事を少し後悔しながら風にはためくテントの中で翌日の行程地図を見て眠りについた。


第2日目(9月1日・木)

野営地〜白馬岳〜野営地〜杓子岳〜白馬鑓岳〜不帰ノ嶮〜唐松岳〜唐松山荘・野営地(テント泊

05:00h〜17:10h  行動時間 約11時間 (テント片付け1時間を除く)


カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図 (1日目〜2日目  白馬岳〜唐松岳


白馬岳 2,932.2m (日本百名山)一等三角点「白馬岳」(標高は成果異常)

朝05時00分テントをそのままにして先ず白馬岳へ向かう。前回白馬岳へは行っているのだが、折角ここまできて白馬岳をスキップ
する気にはなれない。空身ではあるが早朝の体は動きが悪く山頂まで30分かかる。


朝日が切れ落ちた東側を照らす。白馬岳は西側に向かっては斜めに平らな岩盤となっており、その付け根に赤い白馬山荘がへばりつく
様に建っている。南側には白馬三山の残り二つ「杓子岳」と「(白馬)鑓ヶ岳」が並んで見えてその向こうに後立山連峰が続いている。


  
  山頂に近い白馬山荘 こちらにはシャレたレストランがある    05時30分 白馬岳山頂に到着
  日本で最初に始まった営業山小屋だ

  
     白馬岳から南側に続く後立山連峰を眺める 

  
   北側の朝日岳方面はガスで良く見えない                     杓子岳、白馬鑓ヶ岳

  
   白馬岳は東側が鋭く切れ落ちて、西側が平原ォ」の様になっている  旭岳の上側に影白馬岳が現れる ちょっとブロッケン気味

  
  雪渓の右手に白馬岳頂上宿舎が見える 奥に岩峰がある     06時00分テン場に帰る もうテントは少ない


今日の目玉、不帰ノ嶮(かえらずのけん)がちょっぴり不安だが楽しみだ。06時過ぎにテントに帰り片付けにかかるが、結構時間が
かかった。その内テン場担当者が大声で「ヘリが飛んで来るのでテントは早めに片付けて下さい」と叫んでいた。


07時丁度にテン場を出発し分岐に上がると若者が4人ほど居た。北アルプスでは山で多くの若者に出会い声をかけるがみんな快活で健
康的で実に羨ましい。小屋の南側に大きな岩があるのでこの辺りは何となく2重尾根に見え、右手の主稜線には丸山ピークの向こうに屋
根の様な形の杓子ヶ岳とその向こうに白っぽい山塊の鑓ヶ岳が見える。丸山に向かって進むと谷を挟んだ右手前方には剱岳の尖がりと立
山三山が並んでいる。ここは北アルプスの最北部近くなのだ。


振り返ると小屋の向こうに雪渓があり、斜めに傾いたデカい台地の奥に白馬岳が独特な三角形を形作っている。その上に広がる空に浮か
ぶ雲はもう夏のものでは無い。丸山を超えると尾根が一旦下がるので杓子岳と鑓ヶ岳の山塊に隠れて南側の山々は見えなくなった。

裾野はハイマツで緑に染まっているが、眼前に聳える山は北アルプス的な岩山で山肌が風化した花崗岩の白さを持っている。

  
  小屋に資材運搬用のヘリが現れる                   07時00分稜線に上がると元気な若者が居た

  
  先ずは手前の丸山へと進む                         秋の雲だなあ



  テン場の窪みや雪渓、上方に白馬山荘、白馬岳の頂上は尖がっている


   南側、白馬三山の二つ 手前の杓子岳(しゃくしだけ)がテント型に見える  奥が白い白馬鑓ヶ岳(やりがたけ)だ

  
   白馬鑓の右手に剱岳と立山三山が見える              ず〜〜と向こうに槍ヶ岳と奥穂も見える

杓子岳 しゃくしだけ  2,812m (白馬三山)

一見なだらかに見えた杓子ヶ岳へのアプローチだったが、いざ歩くと沢山の岩ピークが存在していた。道の両脇には花期を終えたウルッ
プソウが並んでいる豪華な尾根だ。
07時30分最低鞍部に来ると左手には昨日歩いた白馬雪渓の谷が延びているのが見えた。

杓子岳はトラバース路から山頂への道が分岐し上がって行く。杓子岳の山域に入ると白馬岳の東面が鋭く切れ落ちて、その向こうに小蓮
華岳の尾根が東に延びているのが見える。すると私と全く同じザックを背負った登山者が前から現れてザック論議をする。オスプレーの
ザックは安くて軽くてポケットが多くて使い勝手が良いと言うのが共通の認識だった。


08時23分杓子岳の山頂に着く。周囲の景色はさながらマカロニウェスタンの様な荒野だった。目に飛び込んだ山頂標識はハングル語
だったので日本語の面を探す。ここも東側は鋭く切れ落ちて、白馬村あたりまで見渡せる。その切れ落ちた断崖に恐る恐る座って写真を
撮り合っていた若者達が居たのでついでにシャッターを押して貰う。


次のボリューム溢れた鑓ヶ岳を見ると、左側に鹿島槍ヶ岳の双耳峰と右側に剱岳が顔を出す。こぶし大の石がゴロゴロするトラバース道
を下り、縦走路に合流する。
白馬鑓の基部から杓子岳を振り返ると、丁度白馬岳と同じように西側は斜めの平面となっている。

  
枯れたウルップソウがこじゃんとあるがやき                遠くからフラットに見えた縦走路も近づけばアップダウンがある

  
  左手信州側に落ちる沢                          白馬岳方面を振り返る  一番左は旭岳

  
  杓子岳の山頂ルートとトラバースルートが見える          あんりゃ  全く同じオスプレーのザックを背負った人に会った


08時23分 杓子岳の山頂に到着  正面に鑓ヶ岳、 左奥に鹿島槍、 右奥が槍ヶ岳  韓国人登山者が多いからハングル文字も

  
  日本語サイドで記念撮影〜                        東側(信州側)が鋭く切れ落ちている

  
  小蓮華尾根が白馬岳の右に伸びている                切れ落ちた絶壁に座って記念写真を撮る若者

    
   さて次の鑓ヶ岳へ向かおう                       ガレ石のトラバース路を下りる


    杓子岳を振り返ると丁度白馬岳と同じ角度で傾いているのがわかる


白馬鑓ヶ岳  2,903.1m (白馬三山)  三等三角点「鑓ヶ岳」(柱石棄損)

目指す白馬鑓ヶ岳は非常に大きいのでその分縦走路もなだらかに岩尾根を上って行く。山頂部に近づくと周りの山に比べて妙に白っぽい
石で覆われている。北アルプスは花崗岩が多いが、この辺りは石灰岩が分布しているのでこの白い岩石屑は石灰岩由来の物だろう。


09時40分なだらかで白っぽい白馬鑓ヶ岳の山頂に着く。やはり人気の山域だけにシャッターを押して貰う人には困らない。岩クレの
横には三角点が埋まっておらず平板石の上に置かれている。この辺りでは標高が白馬岳に次ぐ2,900m超の山なので、ここから南側
に続く縦走路への見通しはすこぶる良い。これから歩く不帰ノ嶮はガスの中だが、その向こうに双耳峰の鹿島槍が見える。


雪の様に白い尾根を下りて行くと前方にはガスが湧いて来た。稜線を下って振り返る鑓ヶ岳は白鯨の様だ。10時12分白馬鑓温泉分岐
を通過する。ここから左に下れば有名な源泉かけ流しの露天風呂があるそうだが興味なし。へこんだ沢伝いに鑓温泉への登山道を歩く登
山者が見える。白馬三山(白馬岳・杓子岳・鑓ヶ岳)を周回する人気のコースだ。



         次にデカい白馬鑓ヶ岳へと向かう

 
  縦走路は切れ落ちる稜線に沿って付けられている        登るにつれて傾斜は緩やかになる


  
   白馬鑓の山頂は奥まった場所にある                人影が見えるのであそこが山頂か


白馬鑓の山頂付近に来ると南側が開けて見晴らしがとても良い 正面に双耳峰の鹿島槍、右手に剱岳、立山、薬師岳、黒部五郎岳が並ぶ


  09時40分 白馬鑓ヶ岳に着く  三角点が地表に出て台座の上に鎮座する

  
   まあ 一応シェーなども                          あれが我が北アルプスの原点「剱岳」やで

  
      白馬鑓ヶ岳を下る                           ここからは比較的平坦に見える尾根が続く


    南側から見上げる白馬鑓ヶ岳はまるで砂丘の様だ

  
   コル部へ向かって登山者が歩いてくる                10時12分 鑓温泉分岐  ここから登山者が極端に減る


白馬鑓温泉分岐から天狗の大下りまでは平凡な尾根が2時間程続く

鑓温泉分岐の先で少し西に振った尾根が南に(左側へ)方角を変える場所にはロープと標識が置かれていた。ガスで視界が悪い場合はこ
んな平坦な場所が道迷いとなる。 なだらかな尾根筋は砂礫地に近いが所々に草地があり、ミヤマアキノキリンソウ、イワギキョウ、ウサギギクが咲き、ヨツバシオガマは既に黒ずんでいる。


  
 鑓分岐手前から見ると先の尾根が左へ(南)少し湾曲しているのがわかる   このコーナーにはロープと標識が置かれている

  
  振り返る白馬鑓ヶ岳は顔色が悪い                    ウサギギクやヨツバシオガマが咲いている

10時50分平らな場所にこげ茶色の天狗山荘が建ち、横には小さな天狗池があった。猿倉を朝出発した場合、丁度この天狗山荘のテン
場が一泊目の場所を提供してくれる位置にある。忙しそうに水場付近で動く小屋番の人に挨拶をして窪地から尾根に上がると、縦走路は
尾根を右に少しトラバースして続く。


やがてハイマツの稜線部になるとライチョウが姿を現した。子供を2羽従えて登山者を必要以上恐れる事も無く、しかし一定の距離を保ち
ながら散歩する。登山者にとってこのライチョウとの出会いも北アルプスの楽しみの一つである。
切れ落ちた東側からガスが吹きあがっ
て縦走路の全容を隠す。


  
13時50分 天狗山荘を通過 左に見える小さな池が天狗池?  ハイマツの稜線になる


11時20分 ハイマツの横にライチョウの親子がいた  人間には必要以上に警戒しないが何故か目を合わせない


  
   縦走路を振り返る  ガスが湧いてきた              平坦なガレた尾根道が続く

  
    ガスで視界はあまり良くないがアップダウンは少ない様だ   ちょっとしたピークはなだらかな右手をトラバースする

不帰ノ嶮(かえらずのけん)


カシミールソフトを使ったGPSトラックログ図  (不帰の嶮)

12時20分単調な尾根歩きが突然終了し「天狗ノ大下り」の標識が立ち、その先はなるほど急降下している。沢山の岩ピークがある
のでどれがキレット部でどれが何峰かようわからんが、とにかくここは深く考えずに下るしか無い。下に見える最初のピーク手前にある
右にエグれた鞍部に向かって岩クレ尾根を下がる。


10分ほど下ると早速鎖場が現れる。上から見るとさほどでもないこの下りもいざ現場に来ると岩場の難所があるのだ。左手に支尾根
の岩峰が鋭く谷に落ちているので右手、主稜線の細尾根を下っていく。
12時45分一旦底部の様な場所に下りつくがそこから更に鎖
場を下って行く。左に尖ったピークがあり、そこのコル部まで右に大きく湾曲して下っていく。



    12時20分 いよいよ不帰の嶮に向かって天狗の大下りだ  登山者が居ないからヘルメットは被らないでええわ

 
            早速鎖場が現れた                         ひたすら下る どんどん下る

  
         また鎖場が現れる                          切れ落ちた稜線だわい


     手前のコルが不帰キレットで、前方のピークが不帰一峰やろね

    
          岩の細尾根に入る                       前方のコルが不帰キレットだろう

13時15分すぐ前方にコル部が見えるのでこれが不帰キレットだろう。本によると天狗の大下りから約300m標高差を下った事に
なるらしい。
右手にピークを巻き気味にハイマツと岩の小道を上がる。13時30分ハイマツ林を抜けて尾根に復帰すると前方に岩山
の壁が見えるがガスに覆われて良く見えない。


14時00分何でもない様な場所に「ここは不帰一峰の頭」と書かれた標識があるので確かに不帰1峰だとわかった。ここから又一旦
尾根が下って行く。前方はガスで良く見えないがコル部に着くと少し霧が飛んで鋭い不帰2峰の北峰が姿を現した。コル部は霧が絶え
ず流れているので水分が多く草地になっている。ここから不帰ノ嶮の核心部と呼ばれる岩峰登りが続く事になる。


  
   13時15分 不帰キレット部を通過                    尾根の右手をトラバース

  
   尾根に上がると前方にデベソがありこれがどうも不帰第一峰だった

  
  13時58分 不帰 一峰のお頭を通過


      むむっ  前方に聳えるのが不帰二峰・北峰でその奥右側が不帰二峰・南峰やで

  
   しっかし シャープな岩尾根じゃこと                 これは右手を巻いてくれるんじゃろねえ

大きなスラブ状の岩を鎖を伝って上る。その後も岩山の右手の岩崖を鎖で巻いて行ったり、鉄の梯子を渡ったりと重たいザックを背負
うと慎重に歩かざるを得ない。14時30分水平に掛けられた鉄はしごを渡り更に岩山に進む。


尾根の左側を巻いて進んでいると14時50分「不帰の嶮」の標識が岩に掛けられていた。更に岩山の左手を巻いて道が続き、結構
長い鎖が付いた急な岩をよじ登る。こんな時、岩場に見るタカネマツムシソウは心を和ませてくれる。
ギザギザ岩尾根に出て鎖場を伝
うと15時12分「不帰2峰北峰」に着いた。

  
    先ず岩棚を這い上がる              ほんでもって垂直の壁をよじ登って・・・と

  
   お次は岩場のトラバース               また稜線部へ這い上がって

  
  ありゃ?  嬉しい事に鉄梯子が置かれている     おっと又水平鉄梯子を渡る


   水平道に出たので後ろを振り返る余裕が出た   不帰I峰と奥が天狗の大下り(天狗の頭)

 
  なんも考えずにガンガン上る            ひぇ〜 これを這い上がって来たんかい 
   

  
   ハイマツの平らな場所は気が抜ける         又岩の左手をトラバースして急斜面を上がる

  
まあこの辺りが不帰ノ嶮ってのは身をもって知ってますが・・・   尚も鎖場が続く

  
   やばいよ ヤバイよ                まあ 鎖があるから何とかなるっしょ

  
   稜線に上がるとギザギザ尾根やわ          岩と岩の間には当然隙間がある

  
  ひぇ〜 これを下るの?                谷が深く落ちている 


    15時12分 何やかや忙しくしてたら不帰二峰・北峰にとうちゃこ〜


暫く尾根の右側に続くハイマツの道を歩いているとライチョウが居て自然と写真に撮る。やはり鷹などの天敵から見えない霧の日はラ
イチョウを良く見かける。
少し右手にピークが見え進むと15時35分結構平らな場所に「不帰2峰南峰」の標識があった。ここか
ら又一旦稜線が下がって行き、前方に見える不帰3峰のピークは右手のハイマツの中に続くトラバース道を上がって行く。


  
  さてお次の目標はあの二峰南峰やな                 お〜〜〜 ライチョウ  岩をバックに撮ったど〜〜

  
    二峰・南峰は少し大人しい形をしている               振り返る二峰・北峰と一峰


   15時35分 山頂はやけに穏やかな不帰二峰・南峰に到着


唐松岳 2,696.4m  日本三百名山  二等三角点「唐松谷」(成果異常)

16時10分不帰3峰を縦走路はトラバースして先の尾根に出るとガスが晴れて前方に唐松岳の丸っこいピークが見える。ガスが少し
稜線から飛ぶと日差しが出てブロッケン現象が現れた。ライチョウと同じくこのブロッケン現象も山歩きの楽しみでもある。


なだらかな岩尾根を上っていると山頂部には久々の人間が居て16時45分唐松岳の山頂に着いた。昭文社の山地図では白馬岳頂上宿
舎からこの唐松岳まで7時間となっていたので、あわよくば五竜山荘まで進めるかな?と考えていた。とんでも無い! まあテント装
備とは言え初めての不帰ノ嶮は結構時間がかかるので全行程10時間とみた方が良さそうだ。


唐松岳山頂から歩いて来た不帰ノ嶮を眺める。ガスがかかっているが厳しそうな岩峰とキレットが見える。一方南側に回ると稜線の右
肩に茶色い唐松岳頂上山荘が見える。生憎その向こうはガスで何も見えない。

  
  あれが次なる不帰三峰だろうか             この岩峰は右手をトラバースしていた

  
 したがって三峰のピークを踏むことなく稜線へ出る    おっと ここで霧が次第に薄くなったぞ


           出た〜〜〜〜  唐松岳

  
 先ほどからず〜っとブロッケンの私が付いて来る        霧よ もっと飛べ 雲切りの術〜


    さすが 北アルプスの山だけに迫力があります   唐松岳

  
  ちょっと五竜方面の東側が顔を見せます        16時45分 唐松岳に到着

  

          歳を取ると逆光写真がちょうどいい   唐松岳山頂にて


不帰の嶮と呼ばれる不帰キレットを振り返る  雲切りの術はまだ免許皆伝では無かった 正面は天狗の頭


 ブロッケンと影唐松岳を見ながら唐松山荘へと下る  右手にジグザグを切ったテン場が見える



唐松山荘のテン場は急斜面を下った場所に

唐松山荘に向かいながらテン場を探すと、急な西斜面にジグザグ道が刻まれており相当下の方にテントが見える。 え〜〜あんな所ま
で下りなきゃならないのか・・・・
17時10分山荘で¥900を支払い野営地の手続きをして、長いテン場へのジグザグ道を下る。
途中のテント場に居る人に挨拶をしながら
一番下の防風岩が積まれた静かな場所を選んでテントを設営する。


           唐松山荘  小屋を建てるのが精一杯でテン場のスペースは確保出来ず

  
   綺麗な山小屋「唐松山荘」                       小屋から10分以上かかったテン場


    風でペグが緩みテントに張りが無いわ  小屋から遠いけど最高の野営地だった

  
  兎に角 かさばるものから片付けよう  野菜ちゃんぽん         綺麗な夕焼けは見られなかった

その後、又山荘まで水とポカリスエットを買いに上がる。う〜〜ん もう歩きたくないのに・・・
山荘への行き帰りにテントに居る人に一言二言声をかけながら自分のテントに戻り外でお湯を沸かし寂しい夕食作りをする。食事の後。
テントの中で地図を出し次のテン場までの時間計算をするが、どうしても今日五竜山荘まで行けなかった事で、明日は冷池山荘のテン
場までは届きそうにない。前日白馬岳の山頂を踏まなかった事で今朝2時間のロスが出た結果を少しだけ後悔する。


まあ、小屋泊まりの出費は痛いが、写真で見るあの雰囲気満点のキレット小屋で泊まる事にしようと考えながら眠りに着いた。



後立山連峰縦走 第2部 唐松岳〜五竜岳〜八峰キレット〜鹿島槍ヶ岳〜爺ヶ岳〜種池山荘〜柏原新道〜扇沢 は      ここ  


             目次に戻る           トップページに戻る