平成26年8月11日〜14日
SEA TO SUMMIT 栂海(つがみ)新道を歩く   (パート 2)

親不知〜白鳥山〜犬ヶ岳〜黒岩山〜朝日岳〜雪倉岳〜白馬岳〜小蓮華山〜白馬大池〜蓮華温泉(3泊4日)


 SEA TO SUMMIT 栂海(つがみ)新道を歩く


この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである 
カシミールソフトを使用したGPSトラック・ログ図 栂海新道周回図

8月11日(第1日目):親不知〜白鳥避難小屋          歩行 約 6時間20分
8月12日(第2日目):白鳥避難小屋〜朝日小屋野営場    歩行 約13時間
8月13日(第3日目):朝日小屋〜白馬岳頂上小屋 野営場 歩行 約 9時間30分
8月14日(第4日目):白馬頂上小屋〜蓮華温泉        歩行 約 6時間
蓮華温泉〜JR平岩駅:糸魚川バス         (約1時間)
JR平岩駅〜JR糸魚川駅: JR大糸線電車    (約20分)
JR糸魚川〜JR親不知駅: JR北陸本線電車   (約10分)



第二部
    SEA TO SUMMIT 栂海(つがみ)新道から白馬岳へ (平成26年8月13日〜14日)


3日目 (朝日岳野営地〜水平道〜雪倉岳〜三国境〜白馬岳〜白馬岳頂上宿舎野営地)
4日目 (白馬岳頂上宿舎野営地〜白馬岳〜三国境〜小蓮華山〜白馬大池〜蓮華温泉)

いよいよ栂海新道の最終サミット 白馬岳へ

                    敏ちゃん  エントツ山  タケノコちゃん


平成26年8月13日
朝日岳野営地〜水平道〜雪倉岳〜三国境〜白馬岳〜白馬岳頂上宿舎野営地 (6時間30分)

夜空が美しいテン場だったが朝04時30分頃起床し、筍ちゃんに沸かして貰ったお湯で朝食(スープ)を作る。
さすが朝の空気は冷たいが、ユニクロのダウンジャケットとモンベルのズボン下を着ていたので格段寒くはなかった。

太陽は朝日小屋方面から昇っていたが、テン場からは残念ながら感動的な朝日は拝めなかった。テントやツェルト
を片付けて05時25分朝日小屋の前を出発する。

前日下って来た木道の坂道を「水谷のコル」まで少し上り返し、そこから右手に分岐した木道を進む。少し前に
リップさんがここに来た時は残雪の為この朝日岳の南側をトラバースする水平道は通行止めになっていたが、現在
は問題無い様である。


 
   05時25分 朝日小屋前を出発                      小屋の傍から白馬岳のシルエットが見える

朝日岳 水平道 (1時間20分)

 
   水平道への分岐 水谷のコル (ここを右に曲がる)        朝日岳をトラバースするルートは最初は岩などもある

時間的には25分程のセーブであるが高低差の無い違う道を歩きたいのは人情である。ここも遅くまで残る雪渓の
為湿地帯特有の木道の周囲をイワイチョウやハクサンコザクラが群生する雰囲気が良いルートである。


06時10分支尾根を横切る窪地を抜けて前方の支尾根へと続く。斜面にはイブキトラノオ、ニッコウキスゲ、ア
カモノ、オオバキスミレなどが沢山見られる。雪渓を越えて更に木道を進むと06時53分、朝日岳からの尾根道
に合流した。ここは地形的には尾根では無いが標識が立っているので水平道と尾根道の合流部と理解出来る。


 
   トラバース道からは白馬岳(左端)〜旭岳〜清水岳が見える         小さな尾根を繋ぐ谷間

 
  ここにもニッコウキスゲが咲いている                   遅くまで雪渓が残る日陰がちな場所

 
         オオバキスミレの咲き残り?                        ハクサンコザクラとイワイチョウ

 
        残雪がなければ安全な水平道                 ここの湿地帯にも木道が敷かれている

  
      この時期雪渓珍しいので眺める                  この辺りの窪地には雪渓が残っている様だ        

 
            谷間に続く木道                     06時53分 水平道が尾根道に合流

水平道分岐から雪倉岳へ     (約 3時間 )

朝日岳を振り返ると何となく特徴のない雪渓を持った丸い山体である。尾根道に合流しても更に木道は続く。しばらく
すると登山道は赤男山の右手をトラバースし、尾根に復帰する手前では赤男山の岩稜帯、燕岩を左に見ながら進む事に
なる。


 
尾根道に合流と言ってもトラバース気味の湿地帯             朝日岳を振り返る  結構丸っこい山だなあ


登山道は一旦尾根に復帰すると07時45分前方に雪倉岳の北側にデカい頭が左に張り出した前衛峰を見据える歩きと
なる。この辺りには青紫色をしたミヤマクワガタの咲き残りがあった。相変わらずマツムシソウ、ウメバチソウ、ダイ
モンジソウなどを眺めながら尾根筋を歩く。

 
        木道が更に続く                   ザレ場を抜ける

 
    むむっ  コブダイみたいな面構え              赤男山の燕岩


        雪倉岳の前衛峰と言うか北端の出っ張り  この左を巻いて行く


08時18分今度は前方のデカい山塊を左手からトラバースしていく。ここにはグンナイフウロ、タカネシオガマ、ア
ズマギクなどのお花畑が斜面に展開する。08時30分頃大きな雪渓がありその下方を渡るがそこにウルップソウが沢
山見られるが紫の花が残っている株は見当たらずがっかりする。

 
雪倉岳の北端部を左側へ乗越していく             左斜面をトラバースして上がっていく


    斜面のお花畑から赤男山(手前)と朝日岳(奥)と前朝日(左奥)

09時10分登山道は一旦なだらかな砂礫地の尾根部へ復帰しコマクサの咲残りを楽しめるがすぐに前方で又左側へト
ラバース気味に進んで稜線へと変わる。ここに来ると前方の景色は丸くてデカい「雪倉岳」となる。


 
   タカネマツムシソウとバック左が朝日岳               前方に雪渓が現れ雪倉岳への尾根が見える

 
    稜線部に復帰して正面向こうの雪倉岳へと進む         砂礫地にはコマクサが咲き残っている


丘のようななだらかな斜面を歩いていると09時55分「雪倉岳」(標高 2,610.9m )に着いた。雪倉岳の山頂はなだ
らかな砂礫地で三角点の横に四角い黒御影石の様な物に山名が彫り込まれていた。霧の中に青空も出て来て白馬岳や
剱岳・立山方面が幻想的に現れる。


 
   雪倉岳の横長いなだらかな山容が正面に見え出した       足元にはタカネナデシコの鮮やかなピンク

雪倉岳 (標高 2,610.9m)

 
   雪倉岳の平べったい山頂部 (霧が出たらヤバそう)              朝日岳を振り返る

  
    09時55分 雪倉岳の三角点山頂                     敏ちゃん、たけのこちゃん お疲れさん 


雪倉岳から白馬岳 (実歩行時間  約 3時間20分)


     雪倉岳まで来ると南側に白馬岳(中央)と旭岳のセットがどっしりと構える


                  右手奥には立山・別山と剱岳が見える

暫く山頂の景色を楽しんだ後、ハイマツの間に続くガレた登山道を南へ下る。砂礫地の登山道には先ほどからイブキジ
ャコウソウがピンクの花を咲かせている。


なだらかな尾根に延びる一本の登山道を辿って鞍部まで下がると10時45分立派な雪倉岳避難小屋を通過する。辺り
の草原には沢山のマツムシソウが風に揺れ、ライチョウがどこともなく現れ岩の上で泰然としていた。


  
  おっ ライちゃんが悠然と岩の上におるぞ               イブキジャコウソウって伊吹山だけじゃなく北アルプスに多い


   霧にむせぶ白馬岳への登山道 (正面は鉢ヶ岳・2,563m)    ガスっぽい稜線を眺めるたけのこちゃん

 
  10時45分 雪倉岳避難小屋を通過               避難小屋付近の斜面はイブキトラノオ、マツムシソウのお花畑


尾根の登山道が鉢ヶ岳(2,563m)を左に巻く頃には一段と霧があたりに広がって視界が不良になる。この斜面には大き
な雪渓が残っており11時00分この雪渓を渡る。


いつものイワイチョウ、ハクサンコザクラと共に今まで花をあまり見なかったハクサンイチゲやシナノキンバイ、アオ
ノツガザクラもここでは花を咲かせている。


 
       砂礫地の稜線を乗り越える                    鉢ヶ岳の左側(東)をトラバースしていく

     
  雪渓の残る鉢ヶ岳トラバース道                     この辺りはハクサンイチゲやシナノキンバイが咲いている

 
  トラバース道はなだらかに尾根へと向かう          鉢の鞍部に出ると正面に白馬岳のデカい山塊と右手に旭岳が見える

11時30分トラバース道は「鉢の鞍部」で稜線に上がる。稜線の砂礫地には又やや花期が終わって寂しい色をしたコ
マクサが見られる。霧が少し晴れ前方に白馬と旭岳の吊り尾根が現れた。この方向から白馬岳を同定するランドマーク
「旭岳」のトンガリ頭は丁度笹ヶ峰と沓掛山の関係に似ている。


 
  砂礫地にはやはりコマクサが咲き残っていた               ガスっぽい稜線を白馬岳へと進む


   白馬岳の西側斜面は比較的なだらに見える   (右は旭岳)

 
  三国境へ向かってなだらかな砂礫地を登る                     振り返ると 長池 と 鉢ヶ岳


     正面が二重稜線になっている   この辺りから白馬大池への尾根が分かれている


12時15分なだらかな稜線の最後が白馬岳と認識、その手前が2重稜線となっておりその辺りが小蓮華岳・白馬大池
・蓮華温泉への分岐「三国境」に違いない。小蓮華岳への細長い尾根部は白っぽい。
15分ほど稜線を進むと成程稜線
が二つ両側にありその間が窪んでいる・

三国境とは   

三国境は「みくにざかい」或いは「さんごくざかい」と読み、山の解説書には「さんごくざかい」としている様だ。越中(富山県)、越後(新潟県)
、信濃(長野県)の文字通り国境(くにさかい)の地点である。古くからこの様な三つの境界場所は「みくに」と呼ばれる場合が多いので私
は「みくにざかい」と呼ぶことにする。


12時45分標識櫓が組まれた「三国境」(2,751m)に到着する。栂海新道の寂しい歩きに反してここまで来ると大勢の
登山者が行きかっている。静かな山も良いが賑やかな山もいいもんだ。特にここからは白馬大池方面へ歩かれる登山者
が多く見られた。
庭石の様に丸く積まれた岩に座って休憩と昼食タイムを20分程取りいよいよ白馬岳山頂へ向かう。


     霧が晴れて小蓮華山から白馬大池へ続く長い尾根が姿を現した
   

              二重山稜の窪地を三国境へと進む   正面右が白馬岳

 
 12時40分 三国境(みくにざかい)に到着                        ここで昼食休憩


白馬岳 (しろうまだけ) (標高 2,932.2m)  日本百名山

三国境を13時10分頃出発すると今までの丸くてなだらかな稜線がここで一変して左側が鋭く切れ落ちている。イワ
ギキョウの咲く岩稜地帯と砂礫地を立ち昇るガスを受けながら登っていく。この山頂も他の多くの山と同じように幾つ
かの小さなピークを踏んで行く。左側が切れ落ちた稜線上に登山道が霧の中に延びて行く。すこし傾斜がなだらかになっ
たと思ったら14時00分 セメントの丸い山頂標識のある「白馬岳」
(2,932.2m) に着いた。


  
   ガスのかかる白馬岳の馬ノ背を進む                       岩稜地帯をトラバースする


  白馬岳の西側に並ぶ旭岳 (2,867m)  この山が尖っているので遠くから白馬岳を見つけるのに便利だ

 
     ずっと左手が切れ落ちている                         山頂が近くなった

  
 日本海から3日かけてやっと白馬岳までやってきた          たけのこちゃん  お疲れ〜〜


            栂海新道歩きの集大成 白馬岳でシェ〜〜〜


白馬岳〜白馬山荘〜白馬岳頂上宿舎  ( 歩行 約 30分)

海抜0メートルから2,932.2mの白馬岳までテント泊の装備で三人共3日間這い上がって来た。場合によっては
白馬三山を念頭に置いていたのでまだ達成感は持てなかったがホッとする。山頂には子供連れの家族などで賑わってい
た。ガスであまり展望が効かないので天気予報の情報を得るべく白馬山荘へ稜線を下る。

白馬山荘
白馬山荘は800人収容の営業小屋でテントの野営地は無い。明治39年開業という歴史のある山小屋だが、登山者が
多い為小屋も綺麗で個室やレストランなどの施設も充実している。開業時は測量用の石室利用権を得て使用したらしい。


15分程下ると左手に洒落た白馬山荘のレストランがあった。二人はこの「スカイプラザ白馬」に入って早速生ビール
をやっていた。
現地情報では天気は翌日午後から崩れるらしい。予報では当日も雨が降る筈だったとの事。


白馬岳まで到着した安堵感から取り敢えずテント場を確保すべく更に下方にある「白馬頂上宿舎」のテン場申込書へ下
る。途中で紫の花を持ったウルップソウに出会い嬉しくなる。なにせここまで花を残したウルップソウに会えずガッカ
リしていたのだった。

村営白馬頂上宿舎
白馬頂上宿舎は白馬村の村営施設で収容人数は400人余り、個室もあるそうだ。山岳救助隊の宿舎にもなっているの
で心強い。


 
    南に稜線を下がると白馬山荘の建物が見える          白馬山荘から更に下側、雪渓の下に白馬岳頂上宿舎

 
        綺麗そうな白馬山荘                     レストラン スカイプラザ白馬でさっそく生ビールを飲む二人

 
  村営白馬岳頂上宿舎が下の狭い尾根筋に立っている         お〜〜〜 やっと豪華なウルップちゃんに会えた

テン場受付で再度天気予報を確認するがやはり翌日は午後から天気が崩れると言う。3人で相談して今回の栂海新道は
この白馬岳で打ち切る事にした。


私としても白馬岳から南側は「後立山連峰」の歩きとして残しておく事は歓迎だったし、お盆に実家で過ごせない状況
は出来れば避けたかったのだ。


予想通り白馬岳の野営地は相当混雑しており、15時00分奥の方へスペースを探して2張分を確保する。敏ちゃんと
私がテントとツェルトを設営している間に筍ちゃんは「ちょっと旭岳まで行ってきます」と言って消えた。忙しい奴ち
ゃで


風を強く受ける場所だったので念入りに細引きでツェルトを補強する。ここには大き目の石が沢山転がっておりツェル
トを安定させるには苦労せずに済んだ。筍ちゃんが帰って来るまで乾杯のビールを調達に行ったり、他の登山者から天
気予報の情報を仕入れたりして過ごす。その間にもテントを担いだ登山者が次々現れ、通路が通れない程テントが張れ
そうな空間が全て埋められた。


  
   白馬岳頂上宿舎の野営地  下には隙間が無い        う〜〜ん  上側にもあまりスペースが残ってないぞ


     何とか端っこに2張分のスペースを確保   ファイントラックのツェルトIIロングを張る  正面奥が白馬山荘と白馬岳

 
      隣の赤いのが敏ちゃんのテント                   テン場受付の自動販売機で缶ビール2本調達

 
        栂海新道にカンパ〜〜イ                   テントでの夕食は貧しくとも楽しく


夕方から冷たい風が吹きはじめ天気が崩れる方向に振れている事を暗示する。筍ちゃんが旭岳から帰ってきたので敏ち
ゃんのテントに入って乾杯の後夕食とする。
外は寒くて自分のツェルトに帰っても外に出る気がしなかった。




平成26年8月14日 (最終日)
白馬岳頂上宿舎野営地〜白馬岳〜三国境〜小蓮華山〜白馬大池〜蓮華温泉
 (約6時間)

栂海新道の登山を白馬岳で切り上げても、下山して親不知へ帰り更に四国への長い旅が残されている事に変わりはなか
った。
05時00分起床するとまだ天気は崩れていなかった。さっさと朝食を済ませて05時40分テン場を出発し白
馬岳へ上り返す。昨日混み合っていたテントは既に相当数減っていた。みんな朝が早いなあ。


白馬岳頂上宿舎テン場〜白馬岳(しろうまだけ)〜三国境(みくにざかい)   (歩行 約 1時間10分)

 
  05時40分 テン場はもうほとんどテントは残っていない            白馬岳へ登りかえす


          白馬岳から南側  前日見えなかった杓子岳、白馬鑓の姿が現れる

06時25分白馬山頂へ再び立つ。昨日より展望が良く、杓子岳から鑓ヶ岳への尾根を眺め、きっと来年はここを歩く
ぞと心で呟く。
東側の鋭い切れ落ちを眺めて改めてこの花の山の厳しさを認識する。


       白馬岳山頂手前から厳しい白馬主稜(登山道ではない)を見下ろす

 
   06時30分前に白馬山頂に戻る      食糧を切り詰めたテント泊の場合、あまりザックは軽くならん


             ミヤマツメクサとイワギキョウ  背景は小蓮華山

 
   白馬岳の切れ落ちた東側稜線と小蓮華山        雪倉岳と奥左手に朝日岳


白馬岳北尾根の二重山稜(私には三重山稜に見える)左手のハイマツが切れた辺りが三国境(みくにざかい)

 
二重山稜のその又左側をトラバースして三国境へ出る   06時50分 三国境(みくにざかい)に着く


三国境〜小蓮華山〜船越ノ頭〜白馬大池 (歩行 約 2時間)

06時50分三国境に着き、小蓮華山方面の細長い尾根に向かう。最後の日なので余力を残す必要もなく快調に飛ばす
。白馬岳を振り返ると東側の切れ落ちが良く見える。この尾根は風が強いのかハイマツと石屑で構成されているのです
こぶる展望が良い。
左手には昨日歩いてきた雪倉岳が想像通り優しそうで特徴の無い丸っこい形を見せている。この展
望尾根から眺める後立山連峰の岩峰は迫る霧と相まって迫力満点だ。



   越中、越後、信濃の三国境    ここで昨日歩いて来た雪倉岳への登山道(正面)と別れる

 
  三国境を右手(北東)の小蓮華岳への尾根に進む          小蓮華山への尾根はなだらかに続く


   小蓮華山の尾根から白馬岳を振り返る   杓子岳と白馬鑓が左に見える  (赤ウィンドブレーカーは敏ちゃん)

 
小蓮華山は奥側のピーク 画像縮小ソフトで赤が強く出たが実際は茶色の斜面   尾根の北側は花崗岩のザレ石で白っぽい


     鉢ヶ岳(左)と雪倉岳     こんな形の山は遠くから同定に苦労する


       白馬岳から南に続く後立山連峰   次第に雲が競りあがってくる 

小蓮華山 (標高 2,766m)

07時30分小蓮華山(2,766m)を通過する。三角点は岩屑の中にあって白馬岳の展望所らしいが生憎先ほどからガス
がかかって良く見えない。北側はまだガスが出ていないので平凡な形の雪倉岳が大きく構えている。そこからは
ハイマ
ツや草に覆われたなだらかな稜線をタカネナデシコの鮮やかなピンクを愛でながら白馬大池へと下っていく事になる。

 
       小蓮華山の山頂にて          小蓮華岳の山頂には剣が立てられている

 
   尾根を回り込んだ所に白馬大池が見える      尖った船越ノ頭を目標に下っていく

 
    タカネナデシコが沢山咲いていた        今回の最後のピークになる船越ノ頭

船越ノ頭 (標高 2,593m)

前方に登山者の影があるピークが見えその「船越ノ頭」を08時20分通過する。ここから白馬大池までのハイマツ坂
は別名「雷鳥坂」と呼ばれているが残念ながらライチョウさんには出会えなかった。しばらくすると前方に大きな池が
あり、その左側には茶色い「白馬大池山荘」が見える。ここにもコマクサが咲き残っており、チングルマの髭が大池と
雪渓をバックにメルヘンチックな風景を演出する。


 
    船越ノ頭  今回の山行 最後のピークだ              フナッシーから小蓮華山を振り返る


            船越ノ頭から北西側  雪倉岳(正面)と朝日岳(右奥)

 
     ここにも砂礫地にコマクサが咲いている           白馬大池とその畔にある白馬大池山荘

 
     チングルマの綿毛と白馬大池                    でも同時にチングルマの花もたくさん残っている


08時50分大勢の登山者で賑わう白馬大池山荘の広場に到着。筍ちゃんが売店からコーヒーを買ってお盆に乗せて
サービスしてくれたので休憩所に座ってのんびりする。
近くではボーイスカウトの制服を身にまとった少年が手旗信号
や独特の掛け声でやり取りしていた。若い生命力ってのは眺めていて気持ちが良いものだ。


 
     コーヒーをどうぞ〜〜                          ボーイスカウトが集まっていた

白馬大池〜蓮華温泉 (歩行時間 約 2時間)

蓮華温泉から平岩へのバスは13時30分となっている。2時間ほどの距離だが温泉に入りたいので09時30分出発
する。相変わらずボーイスカウト達は手旗信号や意味不明な掛け声を遠くの仲間と交わしている。


   
     ボーイスカウトが何か」叫んでいる                  あいつら 何やってるんだろうねえ (蓮華温泉分岐)

最初は沢筋のゴーロを下りダケカンバなどのの樹林帯をトラバース気味に下がると10時20分「天狗の庭」と呼ばれる
展望所に到着。そこからは左に鉢ヶ岳、中央に雪倉岳が見える。


 
      最初は沢筋の道                             右手に朝日岳から五輪尾根

 
     ダケカンバの登山道                           雪倉岳が木陰から見える


                    天狗の庭あたりから見える雪倉岳

  
  10時25分 天狗の庭という見晴らし台があった                    雰囲気の良い森の中を歩く


更に斜面をトラバースして高度を下げていくと11時20分「レンゲの森」という看板があった。右手上には蓮華温泉
の源泉部らしき水蒸気が見え、11時32分小さな木橋を渡ると露天風呂の案内版があり広場の横に標高
1,470mにある
「蓮華温泉ロッジ」に着いた。
ここから五輪尾根を経て朝日岳への登山道もあるようだ。

  
    11時20分 蓮華の森 標識を通過                   蓮華温泉の源泉だろう

 
     源泉から流れてくる小川を渡る                     白馬岳蓮華温泉ロッジに到着

先ずはお風呂〜〜 と三人で温泉に飛び込んで、さっぱりする。お昼の時間なので温泉は我々だけでゆっくり出来た。
髪がゴワゴワで何度も洗う。今回の山行はあまり暑くなかったので比較的快適だった。たけのこちゃんは若く新陳代謝
が活発らしく、敏ちゃんのテントに入って「臭い〜〜」と大声を張り上げていたから最高のお風呂だったろうねえ。
やっぱり文明人はお風呂を我慢出来るのは3日くらいかな。その後食堂で私はカレー、二人は丼ぶり物を食べる。スイカ
も注文して三等分に切って貰った。


 

13時30分発の糸魚川バスに乗り1時間ほど山の景色を見ながら揺られる。14時40分JR大糸線「平岩駅」に着き
ここから20分程かけて電車で糸魚川駅へ出る。席は空いていたのでザックを入口付近に置いて座席に座る。風呂上りな
ので周りを気にせずに済んだ。

糸魚川駅はそこそこ大きな規模でホームを移動してJR北陸本線の下り線に乗る。席は空いていたが昇降デッキで車窓を
眺めながら15時50分親不知駅へ着く。


 
    糸魚川バスで大糸線(大町〜糸魚川)平岩駅へ向かう      JR平岩駅は小さな規模だ

 
        JR平岩駅プラットホーム                     JR大糸線の電車内

 
         糸魚川駅のホーム                       何か終わった感がさみしいねえ   

旅はそう簡単には終わらず、JR親不知駅にタクシー乗り場や電話番号は無く、ザックを背負って国道を歩くハメにな
る。道の駅「親不知ピアパーク」という大きな施設があり沢山の人で賑わっていたが、ここにもタクシーは無い。電話
番号を調べてタクシーを呼び16時58分天険コミュニティ広場に置いてあった敏ちゃんの車に帰り着くいた。


 
         JR親不知駅のホーム                    親不知駅はホンマ小さくてタクシー会社の宣伝もない

 
   海岸線の旧国道をトボトボ歩く                       16時58分 車に帰り着く

たけのこちゃんが初日に親不知海岸にスマホを忘れたのだが、すれ違った観光客が親不知観光ホテルに届けてくれて
いた。傑作な話だがこの連絡が北アルプスに遠征中のスローシャッターさんから敏ちゃんの携帯にメールが入ってい
た。送受信記録からホテルの人がスローシャッターさんに連絡してくれていたのだった。

ホテルへ挨拶に行きスマホを無事回収。お礼にお土産を買おうとするが一種類しか置いてないという。「栂海新道」と
言うお菓子みたいだったのでホテルの支配人に「どんなお菓子ですか?」と聞くが「このお菓子は白馬山荘にも置いて
あるんですよ」と中身の説明が無い。 マスター! 1種類しか置いてないんだから試食くらいしなはれや〜

結局、この銘菓「栂海新道」はきんつばでそんなに甘くはなく会社で好評を博したのだった。




栂海新道・・・・想像以上に快適な尾根歩きだった。

親不知から黒岩山まで(標高差 1,623.6m)は野趣あふれる尾根歩きが楽しめたし、黒岩山から朝日岳までは
雪渓の残る高層湿原の御花畑を巡るなだらかな楽園である。その後白馬岳の荒々しい北アルプス然とした風景といい実
にバラエティに富んだ登山ルートだと感じた。

私が登山靴を忘れたり、たけのこちゃんがスマホを親不知海岸に忘れたり、初日に雷雨や風雨でスケジュールが狂ったり
とハプニングがあったが歳の違いを乗り越えて楽しい歩きが出来るって山歩きの良い所だとつくづく思った。

たけのこちゃんと敏ちゃんに感謝



栂海新道 第一部  親不知〜朝日岳は   ここ  

    

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