びっくりしたなもう ! 第二弾 ミヤマキリシマ編
平成26年6月8日〜9日 九重連山とミヤマキリシマ
第1日目 長者原駐車場〜タデ原〜雨ヶ池〜坊ガツル(幕営地)
北千里浜〜坊ガツル
第2日 坊ガツル〜大戸越(うとんごし)〜平治岳〜大戸越〜北大船山〜
法華院温泉〜諏蛾守(すがもり)越〜長者原
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである
カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図
四国のアケボノツツジを上回るスケールのミヤマキリシマを以前からこの目で見たいと思っていた。計画は長者原より坊ガツル
へ行き、そこでテントを張って基地として日本百名山の久住山と平治岳のミヤマキリシマを堪能しようと言う物だった。
6月7日(土)夕方高松を出発。三崎から佐賀関へ渡りカーナビを長者原ビジターセンターに一般道でセット。ところがカーナビ
のソフトが古くて山の中へ導かれ、温泉の石畳の路地で行き詰ってしまった。何とかバックで脱出しやまなみハイウェイの看板
に出てほっとする。夜中に着いたので長者原の駐車場は比較的空いており、テントを設営するのも面倒なので車中泊をする。普
段狭い四国の山道では小型ラッシュは威力を発揮してくれるが、車中泊となると結構キツいものがある。
6月8日(日) 日本百名山 久住山へ
朝04時過ぎに何度か目で眼が覚めて出発の準備をする。天気は曇りだが雨の心配はなさそうだ。05時50分駐車場を出発、広
い交差点を渡ると、ビジターセンターの右手に犬の像があり、そこから土手沿いへの階段を上がり小規模な川に沿って少し下り
橋を渡る。そこからはダデ原と呼ばれる湿原地帯で木道沿いの道が少し続く。湿原を抜けると森の中に入り、湿っぽい登山道を
「坊ガツル」の標識方面へと進む。
登山道は「九州自然歩道」と名付けられた沢に沿った道で溶岩が固まった様な黒っぽい石がゴロゴロしている。所々に現在地を
示す標識がある、なだらかな傾斜を上っていく。左手にはオオヤマレンゲの樹があり蕾がみられた。
長者原駐車場にて準備 手前は指山、奥は三俣山だろうか 忠犬ナナ公像のある土手に上がる
タデ原湿原の木道を東側の山手に進む タデ原を越えると雨ヶ池越への標識に沿って登山道へ入る
池などのある湿っぽい樹林帯に入る 倒木にはコケが生えて水気が多い
少し大き目の沢筋に出る(ここで渡渉はない) 所々に現在地地図があり安心だ
時として整備された木の階段などもある 土石流沢を渡る (水は無かった)
07時02分水が無い沢を渡ると右手に三俣山の一部が林の間から顔を覗かせる。
が、標識が随所にあり登山道もしっかりしているので不安は無い。
07時33分雨ヶ池と呼ばれる広い池(湿原)が左手下に見える。ここは平治岳方面からの登山道分岐になっている様だ。木
道の平地になるとミヤマキリシマが道の両側に出迎えてくれた。足元には水が流れて木道が無い所では道が掘れこんでいる。
ここで少し青空が出てうれしくなり庭園の様な美しい登山道で鼻歌が出る。
そこを過ぎると又リョウブなどの樹林帯に入り下り坂となるが、水が豊富で火山灰質のぬかるみとなりドロドロ状態である。
08時02分遠く眼下に坊ガツルの平地が見え、それに向かって下って行く。この辺りになると登山者も増えてみんな足場が
悪いので四苦八苦しながら歩いている。最後の最後に申し訳程度の石畳が敷かれていた。
火山灰質の土壌だから泥濘(ぬかるみ)となる おっ ミヤマキリシマが現れた
三俣山の一俣部だろうか 雨ヶ池湿原と思われる木道を歩く
湿原部を振り返る 中々感じの良い場所だ
ぎょへ〜〜 出た〜 ネリアンロード!! 坊ガツルが眼下に霞む
岩がゴロゴロした九州自然歩道を坊ガツルへ向かって下りる 中央に石が敷き詰められている場所が・・・
この辺りにはリョウブの樹林帯 坊ガツル手前になると石畳がある
08時30分樹林帯を抜けると坊ガツルが見渡せる高台となって、道が中央を流れる川へと向かう。
向かう広い道があったが、近道の沢を横切る道へ進み靴の泥を洗う。
マイズルソウやリンドウの咲く平地を抜けて、08時45分坊ガツルのテン場へ到着。そこは近くにトイレや水場が設置
された炊事場などがあり、草地の中で最高の幕営地だった。テントは全部で20張りほどだったが十分にスペースがあっ
たので適当な場所を選んでモンベルのドームシェルターIIを設営する。
第一目的地の坊ガツルへ着いた 正面がテントサイトだ
小川を渡り、靴の泥を洗う 坊ガツルの幕営地
今回の宿はモンベル・ドームシェルターII (フライは無い、ポールはテント内で設営する)
してサブザックを準備。近くにいたテント仲間に天気予報を聞く。ガスがかかってはいるがそんなに天気は悪くはないの
だか予報は午後から崩れると言う。そこでミヤマキリシマの平治岳を翌日に回して先に久住山へ行くことに決定。雨が降
るのが信じられない天気だったので雨具は持たずに傘だけサブザックに入れる。
09時40分テン場を出発して高層湿原に敷設された木道を法華院温泉へ向かう。湿原にはサワオグルマが黄色い花を付
け、足元にはかわいいハルリンドウが空を向いて咲いている。まず売店で景気づけにモナ王アイス(200円)を買う。
登山客で溢れた山荘を抜けて、沢の右岸に沿って登山道が谷筋に続く。右手には三俣山の南峰と西峰の斜面、左手は中岳
・天狗ヶ城から延びた尾根筋の岩だらけの突端部に挟まれた北千里浜へと続く登山道だ。10時06分砂防ダムを抜ける
と傾斜が結構キツい岩の細い山道となる。そこを抜けると視界が開けて坊ガツルを振り返りながら谷筋の岩場が続く。
こんな谷筋の地形だが岩は黄色いペンキだらけとなっている。右手にはゴマドウ岩と呼ばれる斜めの節理を持った岩壁が
聳える。笹の間にピンクのミヤマキリシマが岩場の荒々しさを和らげている。
坊ガツルの湿原にはハルリンドウが咲いていた 黄色い花はサワオグルマらしい
法華院温泉山荘には大きな靴のモニュメントがあった 法華院温泉を抜けて砂防ダムの谷筋へ進む
右手の三俣山斜面にはゴマドウ岩という岩壁が聳える ここの谷間にもミヤマキリシマが咲いていた
谷の最後は岩だらけ ペンキだらけの岩
谷部で一本道なのにペンキ岩が続く 谷を上がった所から砂地の平地となる
10時35分ケルンの積まれた谷の峠部に着くと、そこからは川床の様な水平部となる。
正面部から左へルートが曲がる。このコーナーが諏蛾守(すがもり)越分岐となっており、相変わらず黄色いペンキが
峠へ向かっている。
諏蛾守(すがもり)越分岐への砂礫地 諏蛾守(すがもり)越分岐
諏蛾守(すがもり)越分岐で平地は左へほぼ直角に曲がり、今度は右手に硫黄山、左手に天狗ヶ城の西斜面の間に南へ
進む砂の平原=北千里ヶ浜へ入る。さながらジュリアーノ・ジェンマの映画で見たマカロニウェスタンの荒野みたいだ。
この辺りはどちらを向いても岩だらけであるがマイズルソウやコイワカガミが数多く咲いている。このルートの終点は
「久住分れ」と呼ばれる峠部へと至る。平原部が終わるとなだらかな岩斜面となり、またおびただしい黄色のペンキが
現れる。リップさんによると以前ここで霧に巻かれて硫黄山方面へ迷い込み遭難事故があったのでこんなにペンキだら
けになっているのだろうと聞く。確かに人間の命が一番大事なのだが、限度と言う物を越えている様な気がする。
右手にせり出した奇岩を過ぎると上から多くの登山者とすれ違った。
北千里ヶ浜 右手に硫黄山 硫黄山からは煙が上がる
高台から北千里ヶ浜を振り返り眺める マカロニウェスタンの風景だ
右手には奇岩がある そこからもペンキ道が続く
正面の久住分れに向かってペンキが続く
四国で見るより立派なマイズルソウ イワカガミは四国でもお馴染みなのだが・・
11時35分幾分ガスった「久住の分れ」に到着する。ここは「中岳・久住山」、「牧ノ戸峠」そして「北千里・すが
もり峠・法華院温泉・坊ガツル」の三叉路分岐になっている場所だ。
右手にある久住山避難小屋を覗いた後、裏手からコケモモの花咲く路地を尾根に上がり「星生山(ほっしょうざん)へ
行く事にした。
11時35分 峠の鞍部にある「久住の分れ」に着く 分岐から右手に少し下ると久住避難小屋がある
「星生山」(ほっしょうざん)標高1,762m
この頃から霧が流れ出て来て天気が下り坂になった。「星生崎」と呼ばれる岩山ピークを越えるとお目当ての星生山は
まだまだ尾根の向こうに霞んでいる。
コケモモの花が沢山見られた
12時35分星生山(標高1,762m)に到着すると沢山の登山者がおられた。しかし何故かこの頂きには虫が多く
飛び交っており、写真を撮ってすぐに引き返す。
た。
この山域にはコケモモが多い 星生崎の尾根を進むと前方に星生山が見える
岩のゲートを潜る 牧ノ戸峠へ至る西千里ヶ浜
一旦尾根の倶楽部を抜ける 正面が星生山 星生山への稜線は岩だらけ
12時35分 星生山の山頂に到着 山頂には虫が多いが多くの登山者が休憩していた
星生山の稜線はアルプスの岩稜歩きが味わえる イワカガミとマイズルソウ、コケモモが多い
星生山を振り返る 岩のゲートを潜る
星生崎のコーナーを左に折れて下る 久住の分れ(正面)、久住避難小屋(右下)
13時20分久住の分れに着くと益々天気が崩れてガスも相当かかって山の姿が良く見えない。取り敢えずここまで来
た以上標識に従って久住山へと向かう。
「久住山」(くじゅうさん) 標高1,786.5m
登山道は中岳への上りから久住山への分岐標識に沿って右へ直角に切れ上がる尾根へと進む。この頃から雨が激しく降
り出しカッパを持って来なかった事を後悔する。場違いな傘を差しながら岩がちな久住山の頂きに13時45分到着。
東京から来られていたおじさんが2人居たので写真を撮り合う。ここも雨に濡れながら即退散する。下山中、多くの団
体登山者に遭遇した。
中岳、久住山分岐の標識を右折 雨具を持っていないので傘を差して歩く
久住山の頂が見える 13時45分 久住山 傘を差してのしぇ〜はやりにくい
「中岳」(なかだけ) 標高1,791m
中岳分岐まで帰って東側の尾根へと緩い傾斜を上がっていくと天狗ヶ城と中岳の分岐標識があり、右手の中岳方面へ進
むと「御池(みいけ)」と言う少し大きめの火口湖があった。登山道はこの池の右畔を回って前方のコルへと続いてい
る。
14時30分御池を回り込むと、今度は左手へ中岳への標識に従い登って行く。途中で分岐の様な場所があるので目印
のケルンを積もうと岩を持ち上げると気味の悪い尺取虫が無数に岩にへばりついている。この尺取虫が悪名高いミヤマ
キリシマの花を食い尽くす(クジュウフユシャク)と言う蛾の幼虫だ。
しい数の尺取虫が蠢(うごめ)いている。
15時00分中岳の山頂に到着するが相変わらず視界は不良である。ここで二人の単独登山者に会う。
岳から鉾立峠を経由して法華院温泉へのルートを考えていたのだが、登山者の意見を聞くと雨の時は滑りやすく危険な
のでやめた方が良いと言うし、霧も濃く見通しが悪いので急に弱気になり元来た道を坊ガツルまで帰る事にした。
久住山を下ると多くの登山者が登って来た 中岳分岐付近の「空池」に水が溜っている
天狗ヶ城への尾根、 ここを右手の池に向かう 中岳にはこの「御池(みいけ)」の畔(ほとり)を回り込む
御池(御池)を振り返ると先ほどすれ違った登山者が見える ぎょへ〜〜 ミヤマキリシマの大敵 尺取虫
中岳の稜線部も岩だらけ 15時00分中岳山頂 雨は止んだが霧が深い
「天狗ヶ城」
御池を越えると右手の「天狗ヶ城」の山頂が見えたので寄り道をする。天気の良い日なら中岳から直接この山頂へ至る
近道の尾根が見えた筈なんだがなあ・・・・ 15時30分寂しい天狗ヶ城の山頂に到着する。登山者が居ないので恒
例のしぇ〜写真は撮れず。
中岳を振り返る 御池(みいけ)から天狗ヶ城が見えたので気になる
分岐から尾根を上がり15時30分天狗ヶ城の山頂を訪問 久住の分れへの近道(トラバース道)へ右折する
16時00分久住分岐まで帰り、北千里ヶ浜を通過し「すがもり越分岐」を右に曲がる。法華院温泉への谷へ入り岩道を
下る。薄暗い樹林帯の登山道を抜けると砂防ダムが見えてやっと帰って来たとホッとする。法華院温泉の横を抜けて17
時50分坊ガツル幕営地に帰り付いた。
16時00分久住の分れから北千里ヶ浜へと岩道を下る ペンキの塗り方がいかにも雑だ
ケルンの積まれた北千里ヶ浜 坊ガツルへの川床道を進む
谷筋の岩道を左手の三俣山斜面を時々見上げながら下る 登山道最後の板橋を渡り右折する
法華院温泉への土石流を防止する大き目の砂防ダムがある 17時30分 法華院温泉山荘を通過してテン場へ向かう
酔った山ヤのおっさん達が大きい声で夜半まで自慢話を繰り広げてうるさくて仕方がなかった。私にとってテン場の敵は
こういう大酒のみのおっさんと、大型テントでトランプをして騒ぐ男女混成の大学ワンゲル部の若者達だ。
第2日 ミヤマキリシマの平治岳・大船山は ここ