瓶ヶ森 大保子(おおふご)谷コース
行きは良い良い 帰りは怖い  扇山 月夜の下山


川来須ー大保子谷ー菖蒲峠尾根分岐ー瓶ヶ森ー菖蒲峠尾根分岐ー陰地ー扇山ー川来須


2007年   平成19年11月23日

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川来須ー大保子谷ー瓶ヶ森ー菖蒲峠分岐ー陰地ー扇山ー川来須
カシミールソフトを使ったGPSトラックログ図

この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)を使用したものである (承認番号 平15総使、第634号

サスカッチさんから掲示板にて大保子谷コースを歩かれて一度撤退し、今治のSYさんの助言を頂き再挑戦を果たす
これに刺激を受け、以前京都の大学山岳部よりこの大保子谷コースの照会があり気になっていたこのルートを歩いて見る事に

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これがサスカッチさんから頂いた大保子谷の概略図 参考になります (サスカッチさん作)
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図250000(地図画像)を使用したものである (承認番号 平15総使、第634号

マーシーを誘うと即「行きましょう!」と二つ返事 (まあ こんな面白い所誘って断る訳ないんだけど・・・)

ちょっと手ごわいルートなので暗いうちから四国中央市でマーシーを拾い新寒風山トンネル手前の川来須で国道を右に外れて大保子谷入口に車を駐車 この辺りの標高は約510m、ここから瓶ヶ森山頂 1,890mまで標高差 1,400m弱を這い上がるわけだ

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     堰堤に車を止めて歩く                      荒れた大保子谷の林道に入る

07時05分大保子谷の右岸に沿った林道を入る。すぐに土砂崩れがあり車は入れない。歩くに従って次第に明るくなりこの深い谷の両岸には植林の間に転々と木々の紅葉が見られる。暫く進むと対岸で野生ザルの集団が何やら大騒ぎしている。縄張り争いか色恋沙汰か?それともイノシシ隊への威嚇かな

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      扇山お斜面  野生のサルがうるさ〜い            第一橋

すれまでダラダラと高低差があまりない林道がヘヤピンを切り上に上る。07時25分林道が崩落している現場に到着。崩壊地のガレバを渡り荒れ方が益々酷くなった林道跡(?)を約1時間進むと08時20分 大保子橋に出た。かろうじて橋の両端は残っているが付け根は崩落してぽっかり穴が空いている。

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  黄葉の林道           西黒森から派生している斜面にはたくさんの滝が落ちている

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                       林道は荒れて藪化している

            
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                   大保子谷の風景

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     手前が落ち込んだ橋         橋を渡ると沢にそって遡行する
             

その橋を左岸に渡るり少し沢沿いを進むとサスカッチさんのレポにあった営林署跡があった。
トイレと風呂場の小屋があり、その向こうに少し大きめの小屋が見えたが、振り返ると崩壊が激しい。


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    橋を渡り沢を登って行く         営林署跡のトイレと風呂場

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     営林署跡は倒壊していた        そこから更に大きな岩がゴロゴロした沢を上がる

ここから15分ほどは営林署跡がある谷筋に沿って大きな岩がゴロゴロしている谷を高度を上げながら
進む事になる。

08時50分 最初の谷分岐に到着。ここは二股を左側(右岸)、つまり滝が遠望できる方へ入っていく。
0900時 滝に到着。(ここまで登山口から2時間)


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      第一沢分岐  これを左側へ進む

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    滝の右岸(向かって左側) を通る    結構高度感があるがロープなどが見られた

滝に向かって左側の岩場を這い上がる訳だがロープが架けられたルートがある。滝の上流に上がり15分くらい進むと
又、谷が分岐している。09時18分左側へ進み、分岐を入った場所からすぐに右側の斜面に取り付く。


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   又沢が二手に分かれているぞ    左の沢に入るとすぐ左岸(右側)の斜面に取り付く

やっと沢筋から離れて山に入る訳だ。最初は踏み跡が見つからず細尾根を這い上がっていくと登山道らしき踏み跡
が現れた。この踏み跡を注意深く探しながら西へ進む


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  岩にそって尾根筋の向こう側へ出る        確かに踏み跡がある

沢を外れてからは尾根の斜面にそって巻き道の様な踏み跡がある。注意深くその跡を追う。こういう時は二人だと
効率が良い。道を失っても慌てずに南西の方角へ登って行けば菖蒲峠への尾根に辿りつく。

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    大きなツララがあったので遊ぶ     更に斜面にそって踏み跡を捜しながら進む

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            明るい自然林の中に入る

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   笹が現れ菖蒲峠への尾根に向かっていく       次第に笹が深くなっていく

菖蒲峠への尾根が近づくと次第に笹が現れ、その笹の背丈が次第に高くなる。
11:00時 菖蒲峠の尾根に到着。目印としてここに「菖蒲峠」の標識がある。やっと見覚えのある場所に
着いた。尾根筋からは石鎚が私の方が瓶ヶ森より美人よとあでやかな姿態を見せていた


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           菖蒲峠への縦走路に這い上がると石鎚が顔を見せた
     

さてここで小休止を取り、すぐに瓶ヶ森へ向かうことにする
瓶ヶ森へは
近道で尾根を直接這い上がって山頂を踏む事にする。 雪が結構深くてブヒブヒ喘ぎながら
笹や潅木を掴んで這い上がる
1200時に女山山頂に着く

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      瓶ヶ森へ縦走路を進む          途中から直接尾根に取り付く

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     振り返ると西条、東予が眼下に見える     西黒森山が左手に眼の高さで見える

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      霧氷越しに石鎚山の姿を望む
     


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        帰りに通るであろう扇山への尾根道を眺める

山頂には瓶ヶ森林道から登ってこられたペアがいて、「一体どこから来たの?」と聞かれたのであの谷
から這い上がって来ました〜」と言うと呆れられた

ここでしばしの昼食タイム

     
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        笹ヶ峰方面(左は黒森ー沓掛、 奥が赤石山系)

      

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       北斜面には雪が残っている           瓶ヶ森山頂の蔵王権現さん

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       大保子谷から瓶ヶ森へ登った感慨にふけるイノシシ2匹 (帰りの事は頭にまだ無い)


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         瓶ヶ森から石鎚山

       

私は予てから狙っていた「西黒森から尾根を川来須まで下りよう」と主張するが、マーシーは「扇山へ回りましょう!」と反論。マーシーの決心がいつになく堅そうなので私が折れる事に。

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          霧氷越しに下山                 霧氷を眺める 

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       大保子谷への分岐まで引き返す              西黒森

そうすると先は長い。 食事の後山頂のペアとお別れして転がるように先ほどの菖蒲峠分岐まで引き返す。
12時45分 この分岐を後にして尾根を北に向かい途中から尾根を外して三角点「陰地」に向かう。
陰地までの支お根は踏み跡もあり暖かい陽射しに照らされた木々が美しかった


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        支尾根に取り付く           蔭地までの尾根風景

1400時 三角点のある「陰地」に到着 ここまでは順当な進展でひょっとしたら薄暗い内に下山できるかも・・・・ 
甘かった


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      蔭地までの尾根               ちょっと藪いている所も

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            ブナもある           陽を浴びた尾根

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       蔭地三角点            藪尾根は続くよ どこまでも

陰地から扇山へ向かう尾根は最初のうち地図でみるより複雑で、北側の支尾根へとイノシシ達を誘う。
  おかしい?  一つ北側の尾根に登り返して進む。  おかしい・・・

更にもう一つ北側の尾根まで苦労して引き返す。

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  西黒森が縦走尾根の右手に見える        ぐひゃ〜 スゴイ藪 

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ちょっとルートを間違え復帰を目指す       又もや スゴイ笹薮に閉口

ヘロヘロになって主尾根へ出ると作業道のようなものが尾根を横切っていた。

この急坂を登ると2mを越す猛烈なスズタケとの戦いとなる。

大登岐山―黒岩山―野地峰以来の迫力ある藪に苦戦する

GPSで位置を確認しながら扇山近くにやってきた。あれ? 広い未舗装車道があるじゃない

この道路を横切り少し高台に上がるとまさに「扇山」山頂に着いた 時間を見ると16時40分
  もう明るい下山は絶望的となりライトを準備する


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扇山手前に道路があった ガックリ    扇山山頂に着いたぜ! これからが問題・・・

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これが明るい内の最後の写真となった

扇山から川来須に下りるルートには道は無い (後から荒獅子さんのHPに登山記があった=これを
チェックしておくべきだった)

薄暗い崖のような傾斜を適当にGPSで大体の位置を確認しながら下りていくのだが、支尾根に当た
らない。
いきなり崩壊地か伐採地に行き当たる。崖をおりると伐採地に出れるのだが、こんな場所を
下りたら車に遠くなるのでまた

進路をき北北東に取る。 崖を迂回し、ガレバを越えてライトを頼りにひたすら低い方向に向かう。
遠く下の方に道路の黄色い電灯が見えるがどの辺り蚊見当もつかない

車のヘッドライトもたまに見える

いわゆる一つの支尾根に乗れた。

これの沿って最後の急降下と思いきや、幸か不幸か一つの作業道にぶつかった。

一か八かこの作業道に沿って左へ下るが途中から道はほぼ並行に西へ振る。すると以前上の方で出くわした
伐採地に出た。 アチャー もう引き返す訳にはいかない

意を決してイバラに苦しみながら伐採地へ下りる  月がとっても綺麗だった

この伐採地を下りきると途中から鉱山跡の粕を棄てた様な砂地となりこれを更に下ると作業小屋があり
伐採された木が辺り一面に散乱している

マーシーが下り口を見つけて川床まで下りる

この川は加茂川で向こう岸に渡れる様に人工の堰となっていた。対岸の道路に這い上がると これが
いつも車で通っている国道194号線とわかってホットする

ここから車デポ地まで遠いとおもいきや10分程上流へ歩くと大保子谷への車道分岐があった。 
何だ〜〜  初めからこの伐採地を下りれば良かったのだ・・・・・まあ こういうヘマはいつもの
事なのでさしたる後悔も反省もなく車へ帰る

駐車場に帰って「面白かったなあ〜」と二人で今日の山行の充実感に浸る

大保子谷から瓶ヶ森 良かった サスカッチさん、今治SYさん ありがとう


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