北海道日本百名山4座目「十勝岳」2077m

2022年7月25日(月)晴れ

登山口:望岳台 無料駐車場、望岳台防災シェルターにトイレ、ワイファイ使用可 

登山ルート:望岳台〜十勝岳〜平ヶ岳〜鋸岳〜美瑛岳〜ポンピ沢〜望岳台周回  行動時間 約13時間15分


カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図  望岳台〜十勝岳〜美瑛岳〜望岳台

 

7月22日旭岳に登った後は天気が崩れて2日間近くの美瑛や富良野、空知川沿いの芦別(あしべつ)などで時間を潰した。7月25日は天気が次第に回復予報だったので前日までに望岳台の駐車場で雨の中車中泊をして様子を見る。


 7月23日 美瑛、富良野にて天候待ち  7月24日 芦別〜富良野〜望岳台で天候待ち

十勝(とかち)の呼び名は、十勝川河口に位置した集落名アイヌ語の「トカプ・ウシ・イ」(tokap-us-i=乳房・ある・所)つま
り川口が東西二つに分れており、底からお乳が出る如く流れが途絶えることがない事に由来するらしい。十勝川の河口にある大津
集落が道東の探検基地であったと言う。この十勝川の源流地にある山が「十勝岳」と名付けられた。

現在では昭和25年(1950年)石狩川水系の美瑛川沿いに開湯された白金温泉が観光地になり、近くの望岳台が登山基地とし
て利用されるようになった。
望岳台は秋にツアー旅行で家族と来た事がある。車が大渋滞で観光バスがUターンする場所が無く、
帰りはバスガイドさんが笛を吹きながら長い距離をバックで下った程の観光地だ。

以前レストランなどがあった展望施設は現在は「望岳台防災シェルター」として火山噴火時のシェルター施設となっている。
これは御嶽山噴火事故の教訓を生かす為に改装されたものだ。防災用具や非常食、ワイファイ設備なども整っている。

前日14時30分頃望岳台の駐車場へ着くと白装束の集団が望岳台記念碑辺りへ向かっている。その時は分からなかったが後から
調べると7月24日は美瑛神社・火祭り行事の日で、その採火式を行っていたらしい。美瑛町は明治時代に那智勝浦町からの入植
者が町の基礎を築いたが、その際故郷、熊野那智神社の分霊を「美瑛神社」として祠を祀った。そして十勝岳の噴火鎮静や安全、
美瑛町の発展を願って平成元年から「那智・美瑛火祭り」が毎年行われているそうだ。。




  
 望岳台防災シェルター (HPより)                 望岳台防災シェルター内部 (HPより)

   
前日雨の中白装束の人が望岳台で火祭りの採火式を行っていた  7月25日早朝 未だ雨が残っている望岳台駐車場


望岳台〜十勝岳 約4時間半

7月25日朝暗い内から登山準備をする。霧が少し出ている様だが雨は予報通り止んでいる。2日間休養したので04時00分望岳
台を出発する。大正15年の噴火によって流れ出た溶岩泥流跡に付けられた登山道へ上がる。両側には美瑛川の支流(源流部)沢が
流れる。左手は硫黄谷川、右手は富良野川となっており、その間の礫地にはオンタデやエゾノマルバシモツケの白い花がガスの中に
目立つ。大きな「望岳台の石碑」が立つ広い緩斜面を歩いていく。


するとす〜っと霧が晴れて前方に十勝連峰が現われた。美瑛岳や十勝岳の山頂部は雲が流れている。振り返ると美瑛や富良野の街や
畑が日の出前の薄暗い中に広がる。最初は左右にハイマツ帯がみられたが登るにつれて火山礫地が広がる。


  
 登山道に入るとオンタデが霧の礫地に咲いている        霧の中に望岳台の記念碑が立つ

  
    前十勝〜上ホロカメットク山〜富良野岳                    十勝富士〜十勝岳


        正面に十勝岳 その右が前十勝  間に幾つかある噴火口から噴煙が上がる


  ズームアップすると十勝岳と前十勝の間が噴火した様子が分かる

  
 振り返ると空知川と奥の芦別川沿いに雲海が流れている  この辺りのマルバシモツケは終わっている花が多い


         今回の縦走路 反時計回りで十勝岳〜平ヶ岳〜鋸岳〜美瑛岳

04時50分「白銀荘」の分岐標識に着くと右手の白銀荘方面から単独の男性が来られたので「天気が回復して良かったですねぇ」
と挨拶を交わす。白銀荘は西側の吹上温泉にある温泉宿で食事抜き3100円で宿泊や700円で日帰り入浴も可能な十勝岳の登山
口でもある。

足元にシラタマノキやマルバシモツケを見ていると、左手に硫黄谷川が切れ込んでいる。今回の周回で最後に美瑛岳からこの沢を渡
って帰ってくるのだ。05時18分美瑛岳方面への分岐標識が立つ。特徴のない場所だけに標識が無ければ分岐とは思えない。

この分岐を過ぎると周りが荒れた草地となっておりルートを間違わない様に登山道にはロープが張られている。傾斜が少しキツくな
ってコガネkギク、マルバシモツケ、シラタマノキなどがある溶岩っぽい岩が出て来る。


  
 04時50分右手より白銀荘からの登山道が合流する       左手は硫黄谷川の源流部が切れ込んでいる 

  
 シラタマノキは白い実を見ることが多いが花が咲いている   オンタデは富士山でも良く見られた火山性の砂礫地に多い


 中富良野付近に太陽の陽が差し出した  望岳台は大岩の向こう側に隠れている

  
 05時18分美瑛嶽分岐を通過 帰りにこの場所に帰って来る  溶岩っぽい急斜面の礫地にロープが張られている

  
 コガネギク(ミヤマアキノキリンソウ)が急斜面に咲く       上方に小屋が見える

05時35分しっかりした避難小屋に着く。中にはヘルメットなど噴火時に備えた備品が置かれていた。避難小屋を過ぎると
「前十勝コース立入禁止」の標識が立つ。恐らく火山活動や登山道がザレている為に通れないのだろう。急斜面の前方に青い空
に向かって白い噴煙を上げる前十勝、その奥に十勝岳が見える。振り返ると太陽を浴びた富良野から美瑛の平地が広がっている
が雲が沸いて上がって来ている様だ。足元の岩場にはリンドウと産毛が目立つイワブクロが咲いていた。


急斜面の溶岩帯に付けられた登山道を辛抱して這い上がると右手上方にた前十勝岳(1,790m)と噴煙が見えて来る。06
時25分火山泥流がなだらかな尾根状になって岩場から砂礫地に変わる。


  
 05時35分避難小屋があった                  中は土間と板間、ヘルメットや避難用具が置かれていた

  
 前十勝コース立入禁止の標識が立つ                05時45分 岩の急斜面を上がる コガネギク


  振り返ると望岳台付近まで下から雲が湧き上がって来ていた

  
      美瑛方面は雲海の下                    十勝岳と前十勝  こちらは雲で無く噴煙だろう

  
     エゾオヤマリンドウ                          イワブクロ

  
 06時25分 一旦肩部に上がる                    右手には前十勝の間に谷間が延びる

  
  火山の泥流地帯に沿って上がって来た                  前方に前十勝とその奥に十勝岳

 暫くすると又急傾斜となり、傾斜に沿って高度を上げると06時50分右手前方に土饅頭の様な前十勝とその向こうに鋭い形をし
た十勝岳が姿を現す。更に進むとテラス状の平地に十勝岳登山道の標識が立ち、左手に美瑛岳が見え稜線に雲を飛ばしている。こ
の場所の美瑛岳側(左手)に昭和火口が有る。彼方には大雪山系の山々が見えるが土地勘が無いので山の同定は出来ない。

テラス状の肩部に上がってからはまるで砂漠の様な回廊が十勝岳へと続いている。左手には大きなスリバチ火口が凹み美瑛岳と美
瑛富士、その彼方に旭岳方面が見える。この辺りは平べったい台地の為視界が悪い時にはルートが不明になるので登山道の標識が
要所に立てられ、登山道に沿って石が置かれていた。


  
 肩部へ上がると美瑛嶽が雲を飛ばす                美瑛嶽の左手をズームすると大雪山系の山


  肩部を振り返ると雲海が広がる 登山者が二人標識の辺りへ上って来た


 スリバチ噴火口の向こうに稜線に雲を飛ばす美瑛岳と奥に美瑛富士、 更にその左奥に大雪山系の山が並ぶ


  右端の十勝岳に向かって砂漠の様な溶岩泥流跡を進む 奥中央が平ヶ岳、左が鋸岳


    十勝岳に向かって石が置かれた登山道を進む 最後は右手の崩壊地付近から尾根に向かう

 
左手の谷間に残雪を見ながら進むと07時45分十勝岳の取付き部に着く。遠くから斜面の筋が見られたが、ここに来ると襞(ひ
だ)の其々が火山灰などが風雨に晒されて風化し抉れた筋になっているのが分かる。最初はこの襞に沿って付けられた登山道は上
部では溶岩の砂礫地急斜面となり08時05分前十勝へ延びる北西尾根部へ登り着く。


  
 07時45分 十勝岳の基部に着くと火山泥流の斜面が風化して大きな襞(ひだ)を造っているのが分かる

  
   襞(ひだ)の右端に沿って上がって行く             やがて火山礫の急斜面となる

  
振り返ると谷部に沿って雪渓が残っているのが見える      08時00分 尾根部に上がる  
 

十勝岳 2,077m

尾根筋に上がると急にガスが出て来て「叉、旭岳の再来か〜」と心配する。十勝岳の山頂へ近づくにつれて安山岩質のゴツゴツし
た岩山となってくる。
08時28分北海道日本百名山4座目「十勝岳」の山頂に立つ。

十勝岳の名は南側、十勝川の源流にある山って言う事で命名された。。美瑛岳への縦走路が見えにくいのでガスが切れるのを山頂
で待っているとス〜っと晴れて上空に「うろこ雲」が現われた。
2005年十勝岳温泉から西側の富良野岳〜上ホロカメットク山
を周回したのだが雲がかかって良く見えないのが残念だ。


  
 むむっ ガスが出て来たよ〜〜                   山頂直下は岩の節理が風化している 山頂標識か?

  
  08時28分 日本百名山4座目十勝岳山頂に着いた      上ホロカメットク、富良野岳方面はガスで見えない・・・


         暫く山頂で待っていると上空の霧が晴れておろこ雲が流れる青空になった


         懐かしい上ホロカメットク山や富良野岳は依然ガスと雲の中
 

十勝岳〜平ヶ岳〜鋸岳〜美瑛岳  約 3時間40分 

美しいうろこ雲が飛ぶ十勝岳と何となく過ぎた「平ヶ岳」

15分程待っていると縦走路が見えだしたので山頂から東へ岩場を下っていく。すると空一面に美しい「うろこ雲」が広がって
しばらく基部から十勝岳を眺める。平ヶ岳は牛ノ背から笹原を取った様な丸い尾根で砂漠のような平地を雲がかかった美瑛岳方
面へと向かう。09時に東側へ続く「新得コース」の分岐標識を過ぎて少し進むと2008mピークの「平ヶ岳」を通過する。
平らな地形のピークらしき場所を無理やり平ヶ岳と名付けたのだろう。数年前のサイト記録では山頂標識があったけど現在は見
られなかった。


  
 十勝岳を下り雲に覆われた美瑛岳へと進む           まるで牛ノ背の様な丸く平らな平ヶ岳の尾根


            十勝岳を振り返る  ワオ〜 何じゃこの風景〜


   暫くその美しさに立ち止まる  それにしても十勝岳は岩を積み上げた様なピークだ事

  
09時00分 東側、十勝川水域の新得コースへの登山道分岐  うろこ雲は強い南風に乗って広がっている様だ


 前方に二人が立っている場所が標高2008mの平ヶ岳なのだが・・・ 三角点も無いし立派な山名は無用と思われる

  
 右手の杭が標高2008m 山頂標識は無い           次は右手に見える鋸岳へと向かう


鋸岳

平ヶ岳平原の肩部へ進むと前方にギザギザの鋸岳が見えるが、その向こうの美瑛岳には雲がかかっている。美瑛岳の爆裂火口付近
の地形は複雑で鋸岳のピークから北西へギザギザの細い岩尾根が十勝岳のスリバチ火口へなだらかに落ちる。その北側にももう1
本岩尾根がポンピ沢の手前に沿って少し延びている。

平ヶ岳の広い斜面の尾根部を下り、コル部から振り返ると平ヶ岳平原への斜面は沢山の襞(ひだ)模様が出来ていた。縦走路を離
れて前方に突き出た鋸岳ピークに向かう。登山者が二人鋸岳に立っているが丁度雪庇(せっぴ)の様に見える。09時20分ピー
クに着くがここも山頂標識が見つからず、そこから奥は踏み跡も無く切れ落ちていそうなので縦走路標識へ引き返す。



 前方の登山者が二人立つ場所が鋸岳ピークだ  左奥が美瑛岳

  
平ヶ岳を下りコル部から振り返ると風化で縞模様となっている    鋸岳の危うげなピークに立つ登山者


   鋸岳から十勝岳を振り返る  縦走路は斜面下部に戻って左へトラバースする

  
 鋸岳の山頂標識は見当たらない                  若い単独女性に追い抜かれた トラバース路を下る


美瑛岳への縦走路は鋸岳の崩壊した尾根を避けて一旦右手に下って行き、再び尾根部へと復帰する。 09時26分尾根筋から分
岐標識を通過して鋸岳をトラバースして傾斜を下る。

09時50分1,800mのコル部より鋸岳を振り返ると雪渓が鬼の顔みたいにユーモラスな形に残っている。このコルからも次
の尾根部へ向かい緩やかにトラバース道が上がっている。メアカンキンバイ、イワブクロ、イワヒゲ、イワギキョウ、コケモモ、
コガネギク、シラタマノキなどが足元に咲く登山道を上がって行く。



  
 鋸岳の南斜面にトラバース路の標識が立つ            鋸岳の東側稜線部へ向かう

  
  鋸岳の東斜面にはオニが笑っている様な雪渓が残る     ここから次の尾根に取り付き左回りに美瑛嶽へと向かう

  
 メアカンキンバイとイワブクロ                            シラタマノキ

  
         コガネギク                      オニ笑い雪渓をバックにヨツバシオガマ

  
  イワギキョウ                               イワヒゲ

10時30分標高1,896mピークを過ぎた辺りで登山道が一旦尾根筋に出る。見通しが良い岩尾根のコル部から眺めると尾根
がグルリと左に回り込み、丁度向かいに人形の様な残雪を持った美瑛岳の岩山が見える。この間に広がる鋭い谷間は爆裂火口で、
そこが美瑛川の支流、「ポンピ沢」の源流部になっている。十勝岳付近のなだらかさに比べて美瑛嶽の火口縁は厳しい形をしてい
る。

  
 鋸岳から歩いて来た方面を眺める                 これから美瑛嶽へと回り込んで行く尾根筋


  切れ込んだ爆裂火口の向こうに美瑛岳が見える (左のピーク)


お花畑

11時頃、湾曲する尾根の東端に出るとつい最近まで雪渓が残っていた様ななだらかな地形に一面チングルマやエゾツツジ等のお
花畑になっている。ここは新得町に属す地域で十勝川の支流オプタテシケ川の源流地になっている。十勝岳は同じ火山性の山でも
礫地が多く花も殆ど見られなかったが、美瑛岳手前の東斜面は雪渓が遅くまで残る為か草が覆い花の山となっていた。
尚もイワヒ
ゲ、エゾツガザクラ、アオノツガザクラ、オヤマリンドウなどが現れて写真撮影に時間を忘れる。


  
  チングルマが綿毛になって風に揺れる            北海道のミヤマアキノキリンソウはコガネギクと呼ばれ美しい


    チングルマの群生


               東斜面に咲くエゾツツジの群生

   
 エゾコザクラはもう終盤                          イワヒゲが岩からヒゲの様に垂れ下がる


      アオノツガザクラとせり科の花はハクサンボウフウか?


               ミヤマリンドウ

  
       コケモモ                             エゾノマルバシモツケ

  
 一旦火口縁に出て又向こうでトラバースになっている       雪渓の上側ピークが美瑛岳

  
チングルマの咲く斜面をトラバース気味に進む     右手(東側)は雪渓が残る新得町オプタテシケ川(十勝川源流)


  美瑛岳東火口縁から爆裂火口を眺める  ここからポンピ沢への開口部が西側へ下る

  
   エゾイワツメクサ                          礫地を回り込んで行く

  
  美瑛岳の標識と矢印がある  もうすぐだ            最後の急斜面を上がる

  
  むむっ あの尖がりが美瑛岳か                こんな場所にもコケモモやマルバシモツケ、イワヒゲが生えている

 

美瑛岳 2等三角点「帯経しけ」 2,052.2m

11時54分北側の美瑛富士との分岐を通過する。そこから西側へ急斜面を稜線部へ上がって行くと12時22分狭い岩場に美瑛
岳の山頂標識と三角点が有った。点名が「帯経しけ」?となっている。どういう意味? 帯経は経書を携える事、しけは師家だっ
たら座禅の師、とすると「お経本を持った座禅の僧」って事? でも信仰の山でも無いから・・・分からん!! 東側のオプタテ
シケ山の三角点名が「美瑛岳」なんて付けるからこの山に付ける点名を捻ったのかなぁ



  12時22分 「美瑛岳」に登頂する。 狭い山頂には二等三角点「帯経しけ」というヘンな名前の三角点が設置されている

  
 他に登山者が居ないのでバナナ写真を自撮りする        展望も無いので北海道チーズパンでも撮る


美瑛岳〜ポンピ沢〜雲ノ平〜硫黄沢〜望岳台  約 4時間35分

ガスに覆われて誰も登山者が居ない寂しい山頂からバナナ写真を撮って12時40分下山する。暫くは美瑛岳から西側に続く尾根
沿いに下る。火山性の礫地が急傾斜になっており、そこを下ると比較的なだらかな尾根になる。十勝岳は無機質な岩山であったが
美瑛岳は尾根を下ると直ぐにハイマツ帯となっており、イワブクロ、イソツツジ、ゴゼンタチバナ、ウサギギク、イワギキョウ、
ミヤマリンドウ、ハクサンボウフウ、マルバシモツケ、ウコンウツギなどが咲いている。


  
 美瑛岳から尾根を西側へ下る                    登山道はちゃんと分かるようについていた

  
 霧で展望が利かないが尾根筋なので安心する          ナナカマドや背の高いハイマツ帯が出て来る

  
  ウサギギク                                    ミヤマリンドウ

  
  ゴゼンタチバナはハイマツ帯に多く見られる             ノゴマの雌かな?

  
        イソツツジ                          エゾノマルバシモツケ


ポンピ沢へ下る

 13時55分美瑛富士小屋へのトラバース分岐標識を通過する。背の高いハイマツ帯とナナカマドに囲まれた狭い登山道を潜って
下ると眼下にポンピ沢が見える。この肩部の標高は地形図を見ると1,600mとなっている。ポンピ沢は石狩川の支流、美瑛川
の源流で、
この沢を境に十勝岳と美瑛岳の裾野が分かれている。ここから高度差200mの急傾斜を笹や灌木の生える沢まで一気
に下る。

   
 13時55分 美瑛富士小屋分岐を通過                  ウコンウツギ

      
  ハクサンボウフウの根はヒグマの好物らしい            ナナカマドとハイマツの細道を進む


 14時17分 眼下に石狩川水系美瑛川の源流地「ポンピ沢」が見える この沢を渡れば十勝岳の裾野となる

  
 崖っぽい急斜面を下る                  20分程で笹や灌木の生い茂った平坦地へ下る

ポンピ沢に下るとルートは少し分かり辛い。少し上流部へ進むと標識があり14時45分渡渉する。霧が少し晴れて見通しの利く
橋から振り返ると美瑛岳の肩部から下った尾根や最後の激下り斜面が見える。


  
 ポンピ沢を少し上流に進む                     対岸に分岐標識が見えたので渡渉すると道があった

  
望岳台への標識が外れていたので分かる場所に置き直す   藪っぽいが登山道が望岳台へと続く


右上のピークが美瑛岳の西側肩部(1,800m)、そこから左の丸い1,608mピーク手前を経由してこの沢(1。400m)まで激下り

 雲ノ平

15時10分ポンピ沢の下流で別れた支沢を渡る。ここはほぼ水は無く火山灰の窪みに雪渓が残り、鉄階段が設けられておりそこ
にエゾコザクラが咲いている。崩れやすい斜面に取り付き花を撮影したのだが、直ぐ後、写真が撮り易い場所に沢山のエゾコザク
ラが咲いていた。

十勝岳の山頂近く吾は荒涼たる火山礫地だが、この沢に近いなだらかな裾野を歩くと美瑛の街や畑が広がり足元にはイソツツジ、
エゾコザクラ、シラタマノキ、ウコンウツギ、エゾツガザクラが群落を作って快適な歩きを楽しめる。この場所一帯が「雲ノ平
と呼ばれているらしい。北アルプスの雲ノ平とは比べようも無いがここもしょっちゅう雲やガスが湧く場所なのだろう。

  
 前方に水の無さそうな沢が見えた                 火山灰が掘れ込んだ沢が上方へ延びている


  沢に向かって脆い火山灰地質なので鉄階段が付けられている 雪渓の上に土が被っている様だ

  
 沢部は雪渓の空洞が出来ていた                ザレ場で苦労してエゾコザクラを撮る


  振り返ると美瑛岳のピークと爆裂火口を囲む岩山が見える    山頂でのガスはまるでウソの様だ

  
  この辺りはイソツツジが群生する                  シラタマノキも栄養が良さそうだ

  
 望岳台に向かって丘陵を一つ越えていく                富良野の森の中に開拓された農園が見える


    エゾコザクラの群生地が斜面に広がる


 ウコンウツギは四国のキバナツクバネウツギに似ているので余り興味深いと思わなかったが北海道と東北地方にしか咲かないらしい


       前方に朝歩いた十勝岳への登山道が見えて来た  その前に一つ沢がある

エゾシロチョウ

雲ノ平の終盤、エゾノマルバシモツケに見たことの無い白い蝶々が飛んでおり時々一心不乱に蜜を吸っているので撮影した。先程
もエゾコザクラで吸蜜していたのでスマホで「北海道の白い蝶」と検索するとウスバシロチョウが出て来たので掲示板に貼ると昆
虫博士アカリプタさんからそれは北海道の固有種「エゾシロチョウ」だと教えて頂いた。


  
エゾコザクラに白い蝶がとまっていたが・・・             今度はマルバシモツケで吸蜜していた


   アカリプタさんに「エゾシロチョウ」だと教えて貰った  北海道の固有種らしい
 

沢の右岸に出るとそれに沿って少し下った後、量の少ない硫黄沢川(美瑛川の源流地)を渡渉して16時30分十勝岳の登山道
に合流する。疲れた足を引きずりながらなだらかな広い礫地を下り17時15分望岳台の駐車場へ帰り着く。



  硫黄沢川の右岸に出て少し下流に下った後、渡渉する   望岳台までは未だ遠い

    
 硫黄沢川の上流は昭和火口、鋸岳となる              下流は白銀温泉付近で美瑛川に合流する

  
 16時30分 十勝岳登山道との分岐点に帰り着く        後は無心で望岳台へと下る


  17時15分 やっと十勝岳望岳台防災シェルターの建物駐車場へ帰り着く  今日も13時間15分か〜 長かった〜
 

最寄りの日帰り温泉「白金温泉・大雪山白金観光ホテル」まで下るとホテルの下側に郵便局の広い駐車場があった。トイレや観光
案内看板もありどうもここは白金温泉観光センターとなっている様だった。ホテルの豪華な温泉に入った後、ここで車中泊をし
て次のトムラウシ山登山口へ移動する。


次は北海道日本百名山「トムラウシ山」だ〜〜〜