北海道百名山 第3座目「旭岳」 一等三角点「瓊多窟(ぬたっく)」2,290.93m  

 2022年7月22日(金) 晴れ


カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図  姿見駅〜旭岳 往復

駐車場:旭岳ビジターセンター (無料)

登山口:大雪山旭岳ロープウェイ 姿見駅まで(10分)  往復運賃 3,200円

登山ルート:姿見ノ池〜金庫岩〜旭岳 往復

登山口標(姿見駅) 1,590m 山頂 2、290.93m 標高差 700m

往路:約3時間  復路:約2時間  合計 約5時間

姿見平花散策遊歩道 一周約1時間

稚内から旭岳登山口へ一晩で移動

 前日利尻岳から下山して稚内へ19時20分帰り着く。「天気とくらす」で大雪山系の予報は翌日だけAランクで、次の日から
2〜3日雨模様でCランクが続く。この為少しハードスケジュールになるが全体の登山スケジュールを考えて翌日「旭岳」に登
る事にした。


稚内でカーナビを旭岳ビジターセンターにセットする。北海道の移動では車の交通量が少なく、道路もまっすぐであまり街中を
通らない道路事情が少し分かって来た。基本的には夜間走行はしないとの方針だが、ここだけは少し無理な移動をする事にした。

途中で1時間30分程仮眠を取り翌朝(7月21日)05時30分に旭岳ビジターセンター駐車場に到着する。


7月21日利尻山を下山後、フェリーで稚内まで帰り翌21日未明までに旭岳ロープウェイ乗り場付近まで移動したルート図
(グーグルマップでは 車で4時間29分と表示されたが実際は6時間半程かかった)
   

元々コロナ前には旭岳からトムラウシ岳までの縦走を考えていた。2年間遠征を遅らせた間に72歳となり体力が落ちて来た事
で、無念だが重いザックを背負っての縦走は諦めて其々日帰り登山に切り替えた。ただ、天気が良く大雪山系が眺められるなら
ロープウェイを利用して旭岳から少し奥まで歩こうと考えていた。

7月22日旭岳ビジターセンター駐車場で出発の準備をして06時少し前にロープウェイ乗り場に向かう。既に多くの登山者が列
を成して並んでいたが、やはりコロナの時期だけにお互いの間隔は自然に空いている。06時30分の始発ロープウェイに乗り込
み10分程で登山口となる姿見駅に着いた。ロープウェイ乗り口の標高が約1,100mで姿見駅は1,590mなので標高差約
500mを10分で上がれるのだからまず下から歩く人は少ない。旭岳は北海道で一番標高が高い山なのだが、このロープウェイ
のお陰で登山入門の山となっている。

  
 旭岳ビジターセンター駐車場に車を置く        06時頃既に大勢の登山者がロープウェイ駅に並んでいる

  
 ロープウェイから眺めると天気は良さそうだ      姿見駅のテラスに出る 旭岳の山頂に雲がかかっている


既に旭岳5合目に当たる駅テラスから旭岳を眺めると天気は良いが雲が山頂部にかかっている。ここは以前家族旅行で来た事が
あり、時期が少し早かったのでその時は残雪もありエゾツガザクラやキバナシャクナゲの群生が盛りで周りの風景も記憶に残っ
ていた。テラスを下りて右手の遊歩道を石室近くの姿見ノ池展望台へと進む。

道すがらお花畑に咲いているエゾツガザクラ、チングルマ、エゾノマルバシモツケ、エゾイソツツジ等を眺めながら歩く。以前
ここに来た時にもお目にかかったノゴマが木の先端に留まって良い声で啼いていた。


07時25分姿見ノ池展望台に着いた時には未だ旭岳は何とか見えていたが、風が強く池にはさざ波が立って逆さ旭岳は見られな
かった。40分旭岳の東尾根基部からザレた斜面へと入って行く。左手の地獄谷からはモクモクと噴煙が上がっているのが見える。


 カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図  旭岳登山ルート 上り 3時間 下り2時間  姿見平周回 約1時間




  旭岳の山頂が見えるぞ  でも稜線にガスが吹きあがって来ている・・・

  
 チングルマは花が多いがエゾツガザクラは終盤みたい   マルバシモツケは今が盛り


  チングルマのお花畑の向こうに山頂に雲が現れた旭岳  


 姿見の池には残雪は無かった 噴煙を上げる噴気孔の上に旭岳が見える 右手の尾根に沿って登山道が続く


        ピンクがかったエゾノマルバシモツケが可愛い


  一見マルバシモツケと遠目に花が似ているが、こちらはエゾイソツツジ

  
   メアカンキンバイが岩の間に咲いている            ワタスゲとイワブクロ

  
   エゾコザクラが無造作に咲いている        おっ 今回も「ノゴマ」が囀(さえず)っているよ

池の右手に向かって旭岳から真西に延びる尾根の基部へと登山道を進むと直ぐに砂礫地となる。この辺りからガスが急に湧いて来
て旭岳の中腹から上は全く見えなくなってしまった。登山道は火山性の石ころで埋め尽くされてはいるが、幾筋かの踏み跡が付い
ており歩き易い。平日にもかかわらず多くの登山者が強風に煽られながら歩いている。

08時45分8合目の標識を通過する。霧で見通しが利かなければザレ場の斜面など同じような景色で写真を撮る気もしない。持
って来た魚眼レンズも登場の機会が無さそうだ。
09時になると大きな溶岩の岩場が出て来る。歩いて来た尾根を振り返るとコル
部の旭平付近が何とか見えて雪渓の筋が確認出来る。



   尾根の取り付き、砂礫地の登山道に入る  姿見ノ池と奥にロープウェイ駅  ガスが麓から吹きあがって来る

  
 地獄谷の噴気孔を左手に見ながら登山道を進む        尾根の正面にもガスが下りて来た

  
 噴気孔が次第に眼下になって行く                  地獄谷を挟んで旭岳から北西に落ちる尾根も霞んでいる

  
 多くの登山者が登っている                     火山性砂礫地にお馴染みの「ヒメイワタデ」

  
 08時45分 8号目標識を通過                           風とガスの赤茶けた尾根

   
 09時になると大きな溶岩が尾根に現れる                 「イアヒゲ」が岩から垂れ下がって咲いている


       上も下もガスが這いますが尾根の基部付近だけは何とか雪渓が見えます 

 09時16分9合目の標識を通過する。登山道はザレ場なので花は少ない。そんな中でイワツメクサの塊が眼を引く。右手にニセ
金庫岩が現れると肩部に着きルートが左へ回り込む。霧濃い時にここで特に下山中ルートを誤り遭難する事もあると言われるター
ニングポイントだ。このニセ金庫岩は斜めに傾いており近くにも岩が並んでいるので目印になる。

一旦平らな稜線を進み右手にカーブすると最後の山頂への急登となる。すると左手に四角い大きな岩が見えて
恐らくこれが(本物)金庫岩だろう。溶岩の塊にニセとか本物とか名付けるのは人間の常だ。


  
 09時16分 9号目の標識を通過                 「エゾツメクサ」 大雪山系の砂礫地に咲き葉に縁毛がある

  
 登山道の曲がり角に沢山有る四角い岩(ニセ金庫岩?)    稜線が一旦左へカーブして山頂へ続く


               これがホンマモンの「金庫岩」だ

  
         お〜〜 「チシマクモマグサ」が咲き残っていた
 

 旭岳 一等三角点 「瓊多窟(ぬたっく)」 標高2,290.93m

 
09時33分登山者が多く休憩する平らな山頂部に着いた。山頂標識の手前にはコンクリートで固められた綺麗な一等三角点があ
る。昨日、利尻山の長官山で探した一等三角点「利尻山」の不遇さに比べれば雲泥の差だ。

一等三角点名は旭岳では無く「瓊多窟(ぬたっく)」と言う。何でも大雪山の事をアイヌ語で「ヌタク(プ)カムウシュペ」(曲が
った川の上にいつもある物)とか呼ばれていたそうだ。その中から「ヌタク」(高台)を取り出して漢字をあてはめたのだろう。
四国にも天賓阿礼とか変わった三角点名があるがここの点名も捻(ひね)ったもんだ。

霧の中記念写真を少し順番待ちして撮って貰う。う〜〜ん 確かに「てんくら」Aランクの日で雨は降らないが霧は想定外のアン
ラッキーだ。真上に少し青空が見えたので霧が引く事を期待して天候の回復を待つ。ここに来たからには是非「北海道の屋根」を
眺めたい。暇なのでそこら辺をウロウロしていたらメアカンキンバイが咲いているのを見つけた。


  
 旭岳のなだらかな山頂 この上だけ青空が見える         周りはガスに覆われて何も見えない


  北海道百名山3座目「旭岳」山頂   横に一等三角点 「瓊多窟(ぬたっく)がある


          ここの三角点は明治33年(1900年)に設置されたとの事

   
 山頂標識周りの配置はこんな感じ               山頂にはメアカンキンバイが群生している


  これが山頂で1時間程待って撮れた一番の写真   縦走路へ向かう人も少し居た


大雪山系の遠望は望めず下山する

寝不足の為に霧の中へ踏み出す気力もなく年寄りの計画は簡単に萎(しぼ)んでいく。10時40分霧が晴れる様子も全く無いの
で大雪山系の遠望は諦めて姿見平でお花畑を楽しむ事にして下山開始する。

霧の中に浮かぶ金庫岩やニセ金庫岩を眺めながら砂礫地を下る。どういう気象条件なのか旭岳の基部付近だけが霧が薄く雪渓など
も見えるのだが、その下側は又霧雲に覆われている。

相変わらずガスの中を登山者が上がってくる。中には大きなザックを背負った縦走グループも居て、明日も明後日も雨予報なのに
気の毒な気持ちになる。普通遠征などは飛行機の手配とかグループの休みの都合とかで日程が予め決められている。私みたいにテ
キトーで行き当たりばったり(臨機応変?)な人種は少ない。

  
10時40分 展望を諦めて下山する事に        金庫岩は上からみると成程「スフィンクス岩」だ

  
登山道が左にカーブして、そのコーナーにニセ金庫岩群がある  尾根は広くて歩き易い

  
 左手下の旭平には雪渓が見える             地獄谷の上部 雪が削った急斜面になっている


  一瞬ガスが飛んだのでシャッターを切る 大きいザックで縦走される登山者もいる(明日は雨なのに・・)


五合目辺りに来ると尾根に若い声が木魂して賑やかだ。見ると下からジャージ姿の学生が登って来る。引率の教師の中には相撲取
りみたいな体系の人がハアハア息を吐きながら先頭を歩く。後続の生徒は元気そのものでピクニック気分で歩いている。姿見ノ池
が見える所まで下ると今度は幼稚園児も歩いている。何か学校行事の日なんだろう。



 お昼前と言うのに下から大勢の高校生が上って来た  登山道の尾根が左に湾曲している  右が地獄谷の噴気孔     


            地獄谷の噴気孔

  
迫力のある噴気孔  殆ど水蒸気だが黄色い硫黄がこびりついている   尾根登山道は姿見ノ池横を抜けている


姿見平の花散策 

一旦姿見ノ池展望台に着いて、そこから右手の地獄谷噴気孔展望所に寄る。結構噴気孔の近くまで遊歩道があり、展望所には旭岳
は元々富士山の様な形だったが約2,800年前に火山爆発が起こり山頂から西側が崩れて現在の形になった。崩れた爆裂火口は
地獄谷と呼ばれ火山の内部が露出していると看板に記されている。

その後遊歩道を反時計回りに花の写真を撮りながら歩く。中腹から沢山の噴気が上がる旭岳はまさに火山の山だ。
「鏡池」とその
下側にある「すり鉢池」の回りには沢山の高山植物が花を咲かせている。この二つの池を合わせて「夫婦池」と呼ばれているらし
い。

この辺りからロープウェイ駅までがチングルマなどの群生地が多く自慢のお花畑だ。四国でもよく見るアキノキリンソウはここで
は「コガネギク」と呼ばれ四国のそれより線が太く見応えがある。


  エゾノマルバシモツイケと姿見ノ池  山頂は雲の中だが山腹までが映っている

    
 先ずは地獄谷噴気孔展望所に行く           その後 反時計回りで姿見平を散策

  
エゾツガザクラ もう少し時期が早いとピンクの絨毯になる   チングルマとエゾツガザクラがコラボする

  
 雪渓の傍にポツンと残るキバナシャクナゲ         ミネズオウ (ツツジ科の花だ)

  
 イソツツジも沢山咲いている             マルバシモツケとコガネギク(ミヤマアキノキリンソウ)

  
  コケモモ                       ミツバオウレン

  
 アオノツガザクラ                    エゾコザクラ


  すり鉢池(左)と 鏡池(右) 二つ合わせて「夫婦池」


           鏡池と地獄谷噴気孔  旭岳は雲の中

   
 池の周りは花が特に多い               この季節の主役はチングルマとエゾツガザクラだ


  13時45分 ロープウェイ姿見駅に帰る          

14時20分ロープウェイで下り、下の売店で近くの日帰り温泉を聞く。一旦車に帰り着替えを持って駅から一番近い高級な旭温
泉「ホテルベアモンテ」1,140円でゆっくりと湯船に浸かる。ホテルの駐車場には違う人種の高級車が留まり贅沢な旅をされ
ている様だ。上を見てもキリが無く、下を向いてもキリがない。まあこれ位が分相応の人生か〜

  
 旭岳温泉「ホテル ベアモンテ」で日帰り温泉に入る   その後、旭岳遊水公園にて車中泊


この後、次の百名山「十勝岳」だが悪天候で登山不向きの為、2日間天候待ちとする

さて、最低2日間は天気が悪いので山には登れない。日帰り温泉に入った後、近くの道の駅を検索し「大雪山遊水公園」で車中
泊とした。実はここが少しマイナーな気がしたのでその前にひがしかわ道の駅「道草館」で車中泊をしようと行ったのだが、こ
こはモンベルショップや土産物店があるが駐車場が混み合っており、街中でザワザワ感があるので諦めた

そこで又「大雪山遊水公園」に引き返したのだが、静かでトイレも有りこちらが正解だった。この後次の十勝岳天候待ちで近くの
美瑛や富良野の観光気分に切り替える。