北海道日本百名山10座目 「黒岳」 三等三角点「温泉岳」(不明)1,984.38m
2022年8月7日(日)、晴れ
登山口:層雲峡ロープウェイ乗り場 層雲峡無料駐車場にて車中泊 トイレ有り
アクセス:北見方面から国道39号線を石北峠を経由して層雲峡へ
登山ルート:層雲峡ロープウェイ〜リフト)〜7合目黒岳登山口〜黒岳〜桂月岳〜黒岳〜7合目登山口〜(リフト〜ロープウェイ)
行動時間 7合目登山口ベースで 黒岳〜桂月岳ピストン 約 6時間45分
カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図 黒岳お手軽登山ルート
羅臼岳で一応北海道百名山9座は登り終えた。但し3座目の「旭岳」では山頂部にガスがかかり大雪山の雄大な山並みが見えず
不満が残った。そこで羅臼岳下山の翌々日まで天気が良さそうなので帰り道、「黒岳」にお手軽な手段で登って見る事にした。
羅臼岳下山の翌日、網走を経由して国道39号線を大雪山の東側へと回り込む。
16時頃層雲峡の公共駐車場(無料)に着き車中泊とする。何かの催し物があって花火が上がり思わぬ特をした。四国へ帰るメド
が付いたので新日本海フェリー8月8日小樽〜舞鶴を予約する。フェリー会社からの指示通り近くに有ったコンビニ「セイコー
マート」で料金を払い込む。今回の遠征では地元のコンビニ「セイコーマート」には大変お世話になった。
羅臼岳から黒岳登山口、層雲峡までのルート図 8月6日 層雲峡にて車中泊
層雲峡・黒岳ロープウェイ後方にある岩山 層雲峡公共駐車場(無料)屋上部で車中泊
車中泊の夜、花火のイベントがあった 翌朝、層雲峡神社で登山前のお参りをする
8月7日(日)早朝に車をロープウェイ駐車場(無料)に回して辺りを散策の師、始発06時00分のロープウェイに乗る。
勿論その先もリフトを利用して06時45分7合目付近の黒岳登山口に着いた。標高670mの層雲峡山麓駅から45分程で
標高1,300mの7合目登山口まで行けるんだからこれほど年寄りにとって楽な手段は無い。
ちなみにロープウェイ往復2,400円、リフト往復800円也。
ロープウェイは7分で5合目に着く 大雪山の山並みが見えて来る
ロープウェイ5合目駅からリフトまで少し遊歩道を歩く ツインリフトは15分間楽しめる
標高1,500m余りの7合目展望所からの眺め タカネトウウチソウのバックに石狩川沿いの雲海が広がる
7号目登山口〜黒岳 約 2時間
黒岳登山道口の7号目までは以前秋のツアー旅行で来たことがあった。土産物屋の前に入山届のノートが置いてある。そこから
整備された登山道が山頂まで続き歩き易い。花の一番良い季節は7月初旬なのだがそこそこの残り花を眺めながらつづら折りの
登山道を登る。日曜日なので登山者も多い。
層雲峡から木谷流れる石狩川と向かいの山々の間には雲が立ち込めて雰囲気はあるが山の同定は全く出来ない。向かいの山で
一番有名なのはニセイカウシユッペ山(1,883m)でその横に比麻良山ヒマラヤマ(1,796m)何て面白い名の北大雪
の山が地図に載っている。
06時45分 黒岳7号目登山口をスタートする 岩がゴロゴロしているが登山道は良く整備されていた
ニセイカウシユッペ山や比麻良山方面 南側だから雲海から頭を出しているのは烏帽子岳とか赤岳?
ダイセツトリカブト、ウサギギク、オオレイジンソウ、ホソバノヤマハハコ、チシマアザミ(ミヤマサワザミとよく似ている)
タカネトウウチソウ、ナガバキタアザミ、ハイオトギリ等を眺めながらゆっくりと歩く。いや〜長い間(24日間
山旅も振り返ればアッという間だった。
ウサギギクは高山の定番 この辺りではハイオトギリと言って付けまつ毛が長い
ウメバチソウも結構咲いている 基本岩道だが良く歩かれており整備もされている
ホソバノヤマハハコ ここの登山道にはチシマアザミが多く垂れ下がる
ダケカンバの根元にはコガネギク(ミヤマアキノキリンソウ)が咲いていた
ミヤマホツツジ(終盤) 雄しべがL字型に曲がっている 登山道の横に無造作に咲くミヤマキンバイソウ
ナガバキタアザミ オオレイジンソウ
ダケカンバの足元にナガバキタアザミが群生する 08時10分 チシマアザミが咲く9合目を通過
ダイセツトリカブト どんな花も色が白いのが時々現れる
チシマアザミの向こうに「まねき岩」と呼ばれる岩峰が並ぶ
タカネトオウチソウとコガネギク ミヤマトウキ?
最後はオニシモツケ(終盤)の登場 山頂直下の石畳を歩く
黒岳 1,984.38m (三角点は見当たらず)
08時50分 黒岳山頂に着くが、期待していた大雪山系は雲に隠れている。旭岳もトムラウシ山も山頂はガスで展望を得ら
れなかった。それが心残りd黒岳へやって来たのだがここでも大雪山にフラれた様だ。それでも寒い風w避けて40分程山頂
で天気の回復を待つがちっとも進展がなさそうだ。ここで帰るのも何とも勿体ないので09時30分西側へ下って雲がかかって
いない桂月岳へ行く事にする。
08時50分過ぎに強風の黒岳山頂に着く あ〜〜やっぱり雲に覆われているよ〜
見渡す大雪山系の山では唯一標高1,938mの桂月岳だけが何とか山頂まで見える
取り敢えず持ってきたバナナを両手に記念写真を撮って貰う 親子連れは吹きっさらしの山頂で寒そうに食事をしている
黒岳〜黒岳石室〜桂月岳〜黒岳 約 2時間35分
ハイマツ帯を進むと半袖半ズボンのトレランカップルに出合う。こちらは防寒具に身を包んでいるのに若いってええなあ・・・
ハイマツ帯定番のゴゼンタチバナも咲き残っている。そこを抜けると黒岳石室に向かって急傾斜の下りとなる。両側にある岩場
からはチッチッツと言うナキウサギの声が聞こえる。右手に雪渓で埋まった池がありチングルマやヨツバシオガマが咲いていた。
09時30分 黒岳から縦走路を下りて行く 終盤ではあったがコマクサが咲き残っていた
ハイマツ帯の足元に定番のゴゼンタチバナ 北海道の山ででお馴染みになったイワブクロ
黒岳石室へ向かって下る 桂月岳にも雲がかかる 縦走路の両側に残雪の窪地(池?)がある
左手の残雪 この岩場でナキウサギの声が聞こえた 右手の残雪 ヨツバシオガマとチングルマが咲いている
縦走路の両側はお花畑になっている 一面の華 コガネギク、チングルマの綿毛、ヨツバシオガマ
黒岳石室手前が登山道の四差路となっており、直進方向=北鎮岳2.7km、左方向=北海岳2.7km、右手方向=桂月岳
0.5kmとある。
で素通りする。ここの管理人さんはテレビでも見た事があるが、どうも女性登山者と話をするのが好きなのか私が桂月岳へ
行って帰るまでずっとテラスの女性達と話をしておられた。
桂月岳 1,938m 名付け親は「大町桂月(おおまち けいげつ)」(高知県出身の詩人、随筆家)
桂月岳は大町桂月によって付けられたと言う。高知県出身の本名大町芳衛」雅号の桂浜月下漁郎を略して桂月と呼んだ。つまり
自分の雅号を山の名としたらしい。桂月岳竹への登山道にコマクサが群生しておりお得感がある。10時50分山頂付近に着く
が標識は無く取り外された跡があった。山頂からも先の稜線部は雲に覆われて良く見えないので一番高い岩場で登山者に写真を
撮って貰い黒岳へ引き返す。
石室前の四差路 北鎮岳、北海岳、桂月岳、黒岳の分岐標識が立つ 黒岳石室を抜けて桂月岳へと進む
黒岳石室〜桂月岳間はコマクサ群生地となっていた 終盤だったが咲き残りを楽しませてくれた
近づくと結構急傾斜を登って行く 右手から山頂へと回り込む
南西方向の山々も相変わらず雲に覆われている 黒岳は桂月岳から見ると断崖の上である
桂月岳から右手の縦走路と黒岳(左端のピーク)を眺める
「桂月岳」山頂近くのテラスで記念写真を撮って貰う バックは凌雲岳(2,125m) 右手は上川岳(1,884m)
ウラシマツツジが紅葉しかかっている 雲ノ平方面 向こうの山々は雲に覆われている
ミヤマリンドウ フツーのリンドウ
山頂に標識が抜けた跡があったが、石室近くに置かれていた イワギキョウ 後ろ向きだが前には回り込めない
11時25分黒岳石室の四差路に戻り黒岳に帰っていると腕に腕章を付けた若い山岳パトロールの人が行ったり来たりして
スマホで本部に画像を送ったりしていた。言葉は中国人訛りの日本語だったので学生アルバイトだろうか。この青年は大体
同じ時間にリフト駅から黒岳に出発するのを見かけ、途中でもスマホを長い間操作しているのを見かけた。後で彼の所属す
る大雪山GSS(グリーンスタッフサポート))山岳パトロールのブログを拝見すると、監視員が動植物の様子やゴミ捨ての
状況を逐次レポされていた。
青空が出たので大雪山系を振り返るが、やはり厚い雲に覆われていた
。
黒岳に向かって帰る ハイマツ帯の中に生えるこの広葉樹低木は葉っぱがミヤマハンノキによく似ている
12時過ぎに黒岳に着き、少し青空が出たので展望を期待するが青空は黒岳の上だけだった。諦めきれずに北側へ出たりして
時間を潰すが変化がなさそうなので下山する。ちなみに北側に国土地理院基準点成果表に表記された三角点「温泉岳」は見つ
ける事が出来なかった。
12時05分 黒岳に帰り着く 青空が多くなったので少し遠望を期待する
青空がある内に順番を待って記念写真を撮って貰う でも縦走路の向こうは雲が取れない
時間待ちに黒岳の北側へ行ってみる事に 三角点は見えないし遠望を見えない
まあ 旭岳やトムラウシ山よりは青空が現れて少し展望も見られたので良しとしよう 大雪神社奥ノ院の祠
黒岳山頂〜七合目登山口 約1時間10分
12時20分頃山頂を出発し登山道を下っていると子供を含めて大勢の登山者が登って来る。中には軽装で歩く観光客の中に
90歳位のお爺さんがいて家族に励まされながら息を切らせていた。
まねき岩がモアイ像の様に立っている テント箔縦走者を見ると複雑な気持ちになる
3万年前の噴火で堆積した凝灰角礫岩を石狩川が削って出来た断崖絶壁が見える 奥がニセイカウシユッペ山や比麻良山らしい
小さな子供もこの山では結構見かけた 整備された登山道だ
7合目の売店でオコジョとムササビの縫いぐるみを買って13時30分リフトに乗る。帰りの方が眺めが良かった。
5合目のロープウェイ駅に乗って14時10分層雲峡駅に着いた。ツアー旅行で見たことのある銀河流星の滝を見物した後、
高級そうなホテル層雲閣で日帰り温泉に入る。未だ明るいので旭岳の帰りに寄った「大雪遊水公園」にて車中泊とした。
黒岳7号目売店で買ったナキウサギ(押したらチッチと言うかキュッキュ) ムササビは居間に吊るして飛ばしている
層雲峡の石狩川対岸の山や断崖を眺めながらリフトに揺られる
やっぱりリフトは楽ちんや〜 当然ロープウェイも下山が早い〜
層雲峡 銀河の滝 落差120m 層雲峡 流星の滝 落差90m
層雲峡温泉 ホテル層雲閣で日帰り温泉 露天風呂で今回の遠征最後の温泉を満喫する
今回の遠征最後の夜は大雪遊水公園で2度目の車中泊 翌日 大雨の中小樽から行先を新潟に変更して早めにフェリーに乗る
黒岳、層雲峡から小樽への移動ルート
プロローグ
3年前に計画した北海道百名山の遠征だったが、コロナ禍の為延び延びになっていた。意を決して臨んだ北海道だったが、そこそこ天候
にも恵まれて満足の行く遠征となった。7月15日高松を出発し、今日8月8日小樽から新日本海フェリーで舞鶴行きに乗り込む予定にして
いた。帰りに青森へ渡り東北の山にも寄ろうかとも考えたが、東北は雨が降り続いて水害が発生している様なので直接四国に帰る事にし
たのだった。
その雨が北海道にも近づき小樽港に着いた時には凄い状態で車から出る事をためらう程だった。フェリー乗り場には新日本海フェリー新潟
行きが入港した所で、舞鶴・敦賀方面も豪雨災害が発生しているとのニュースを聞き急遽新潟港へのフェリーに変更手続きをして乗る事に
した。
新潟に8月9日昼過ぎに着いたが陸路四国までも長かった。途中敦賀あたりで高速道路が土砂崩れで不通箇所があり一般道へ下ろされる
が、その一般道のう回路も土砂崩れの工事で通行規制があって大渋滞など中々苦労して高松に帰ったのは8月10日朝となった。
2022年 北海道百名山の旅 ルート図
ちょっと長い旅でしたが、退職後の時間を利用して年金生活者の身分に応じたエコトラベルは楽しく満足のいくものとなりました
日本百名山巡りで心配していたコンビニ、ガソリンスタンド、コインランドリー、道路状況に関しては問題がほぼありません。特にゴミ捨てでは地元
セイコーマートさんにはお世話になりました。(一部観光地ではゴミ箱が設置されていないコンビニはありましたが・・・)