今治の里山シリーズ

仙遊寺(58番札所)から天道ヶ頭(てんとがとう)〜フスベ岩 周回

プロローグ

フスベ岩や天道ヶ頭は2005年今治のしまなみ隊「はるちゃん、楠さん」からレポを頂いていた。当時はるちゃん達は
天道ヶ頭へ3度行き、その3度目に行った時にフスベ岩を発見したと言う物だった。

フスベ岩に行きたいと思いつつもこの場所だけでで遠征するのも土地勘が無いので二の足を踏んでいた。その後もリップ
さんやバリーさんも行かれていたのだが、最近になってヘキチョウさんが仙遊寺から面白い周回レポを紹介してくれたので
長年の思いを果たす事が出来た。


笠松山から見た天道ヶ頭(てんとがとう)春分や秋分に夕陽がこの山へ沈むと言う 2017年ヘキチョウさん提供写真


ヘキチョウさんとパパが歩いた仙遊寺から天道ヶ頭〜フスベ岩周回ログ図

 
2021年3月ヘキチョウ隊がフスベ岩を訪問したレポを頂く フスベ岩から下りて仙遊寺への帰りは自転車を利用した様だ

 

令和3年3月14日

仙遊寺〜作礼山(三角点)〜城ガ谷(三角点)〜鷹取城址〜天道ヶ頭〜フスベ岩
〜鉄塔保線路(四電・今治線)〜遍路道〜仙遊寺         ( 歩行時間 約9時間 )

   
    カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図 仙遊寺から天道ヶ頭、フスベ岩周回
 

土地勘が無い場所なのでカーナビ頼りに仙遊寺の下側、帰りに利用する遍路道との合流点に08時過ぎに到着し準備する。こ
こは広場になっており、お寺まではまだ少し距離があるのでお参りの人は上の駐車場を利用している様だ。

08時30分仁王像が立つ立派な山門を潜って縦走を開始。標高が300m程ある中腹なので今治市内や瀬戸内海が霞んで見
える。
仙遊寺は七世紀後半に天智天皇の命で当時伊予の国主であった越智守興(もりおき)により創建されたと言う。正式名
は「作礼山・千光院・仙遊寺」とされ四国霊場58番札所となっている。

お寺の名前は奈良時代の前後にかけて長年伽藍を整えた阿坊仙人が突然どこかへフラ〜っと遊びに出て居なくなってしまった
言い伝えが由来だと言う。弘法大師さんが例によって井戸を掘りこのお寺の再興に尽くしたとされている。又、明治の初めに
宥蓮(ゆうれん)上人が日本最後の即身成仏となった事でも有名らしい。

四等三角点「作礼山」(されいざん)

本堂でお参りをすませて裏山の作礼山へコンクリートの石段を上がる。上の広場には住職さんの家族用だろうかモダンなテン
トが木に吊るされていた。まさかここで座禅はしないやろねえ


例によって石柱、石灯籠、石仏が並ぶ山道を進みながら北側への縦走路をチェックする。少し荒れ気味の山頂に「麗水観音像」
が立ちその奥のピークに09時02分四等三角点「作礼山」を踏む。


  
08時30分 仙遊寺近くの道路に広い場所がある       立派な山門があり仁王さんが立っている

  
     今治方面が霞んで見える                   本堂でお参り 高野山真言宗のお寺

  
 しまなみ方面 手前の平地に霧が棚引く             奥のコンクリート階段を上がる

  
まさかここで座禅をするんじゃなかろうね              この辺りが縦走分岐となっている (馬頭観音様か)

  
 「麗水観音」 色んな観音様があるもんだ            09時02分 三角点 作礼山を踏む


  四等三角点 「作礼山」(されいざん)  280.95m


いよいよ天道ヶ頭への尾根縦走が始まる 

行程1) 縦走尾根から最初の林道まで約30分

09時15分先程確認した縦走尾根分岐まで帰り馬頭観音像の近くから藪っぽい尾根を北へ進む。尾根にはほぼ踏み跡は見
当たらないがカシやコナラの雑木が立つ里山特有の雰囲気だ。少し歩くと笹藪が現れて心配するが、これも直ぐに消えた。

足元には背の低い笹が生え、縦走路入り口から15分程で植林帯に入る。笹の背丈が次第に膝位に高くなって藪っぽい場所
も出てくる。地図をチェックすると前方に実線の林道が横切っているのでそれに向かって下る。


  
 石柱や馬頭観音広場から南へ下る尾根に入る         最初は自然林 道は当然無いが歩行上悪くはない

  
 まあ たまに笹薮もあるけど長くは続かない            こんな尾根が続けばいいのだが・・・

  
 暗い植林帯になる                          林床に笹が生えるがそんなに問題は無い

  
 地形が平らな植林帯は進む方角を確認する          う〜〜ん 微妙な笹薮だが、茎が細いので足が抜ける

  
09時42分林道へショートカットする為に尾根を左に外して下る  9時45分林道に下りる


行程2) 最初の林道合流点から三角点「城ガ谷」、鷹取城主を経て次の林道合流点
      (天道ヶ頭への取り付き点)まで  約 1時間20分

四等三角点「城ガ谷」 286.30m

 09時45分未舗装林道に下りて次の尾根筋がある東側へ進む。地形図を見る限りではこの実線で描かれた林道は不思議
な事に西も東も袋小路になっている。まあ兎に角この林道を5分程歩くとヘアピンカーブの場所が次の三角点「城ガ谷」
への尾根取付き部になっているのでそこから山へ入る。この尾根も基本植林されているが09時55分笹薮が出て一瞬たじ
ろぐが、三角点まで南へ一本尾根なので我慢して抜けると平和な植林尾根になりホッとする。

すると明らかに周りより窪んだ山道が現れた。尾根筋にこんな道があると安心安全なのだが、微妙に尾根を外している道は
ときどきとんでもない方向に進むので注意が必要だ。道は尾根をそんなに外さずに続く道に沿って歩くと10時05分四等
三角点「城ガ谷」286.30mに着く。

三角点から広い尾根が続いているので地図やコンパスを確認せずに出発するとどうもおかしい。スマホ地図を確認すると間
違って東側へ下っており引き返し南への縦走尾根に戻る。ここから鷹取山城址を経由して次の林道合流点までほぼ南へ進む
のだ。


  
 林道へ下りて東へと進む                   地形図を見て次のヘヤピンカーブまで歩けば良い事が分かっている

  
 09時50分ヘヤピンカーブに差し掛かる              この辺りから右手(南側)の山へ入って行く

  
 基本植林の尾根筋となる                      うぎゃ〜 藪じゃん (09時55分) 

  
 笹薮はすぐ終わり平和な植林尾根となる             微妙な位置に道がある

  
 歩き易い植林と自然林の尾根筋を進む              10時05分 四等三角点「城ガ谷」を踏む


       四等三角点「城ガ谷」 286.30m

鷹取山城址 (標高 約320m)

三角点から続く尾根の最初は木々が繁っていたが、途中から歩き易い尾根になった。しかしその先でより標高が高い北西尾
根との合流地点が近づくと尾根が無くなり急斜面となる。灌木の生えた岩のある斜面を這い上がると矢竹とヒトツバの藪が
現われた。そこを突っ切ると10時38分「鷹取山城址」の立派な石碑が矢竹に囲まれて立っていた。

戦国時代に正岡紀伊守経長が治める山城だったが、豊臣秀吉の四国征伐の命を受けた小早川隆景の軍勢によって攻め滅ぼさ
れた。
先程見た石碑は城主正岡家の家老であった清水氏の子孫によって照和38年に立てられた事が石碑の裏側に書かれて
いた。


  
 歩き易そうな尾根に進むと間違って東へ向かっていた     三角点に引き返し南の方角への尾根を進む

  
  多少藪っぽい場所もあるが概ね歩き易い尾根が続く     少しの間植林帯が現れ中世城郭の掘切の様な段差がある  

  
 尾根が少し荒れた地形になる                    前方に向かって上り傾斜となって行く

  
 ここも中世城郭の堀切みたいな地形となっている       岩が露出した急傾斜を前方の別な尾根へと合流していく

  
 左手が少し開けて古谷の多伎(たき)神社方面が見える    矢竹だけに真直ぐに生えている

  
  岩場があるのでヒトツバも生えている              鷹鳥山城家老の子孫が立てた記念碑が立つ           


  10時38分 鷹取山城址にとうちゃこ〜〜
  

城跡から南への尾根は最初笹薮だが尾根部は刈り払われており、途中から灌木帯になる。11時00分この尾根の南端肩部
に出る。このまま尾根に沿って下ると、次の天ヶ道への尾根取付きが外れるので右手に向かって林道へと下る。10分程で
少し西側の沢筋に下りたので、沢の向こう側に有る林道へ上がる。

この林道は落ち葉が積もっているがどうも舗装道路の様だ。右手に進めば「窓の峠」へ行くが、ここは反対側の東に向かっ
て少し歩き次の尾根への取り付き部へ移動する。地図をみるとこの車道はふすべ岩から谷筋を下山した時に出会う道だった。
高縄半島
の山間を縫う林道は土地勘がないと分かり辛い。

  
 稜線部のヤダケは刈り払われていた                天道ヶ頭(てんとがとう)方面が見える

  
 真砂土に見える細尾根を下る                ヤダケも再度現れる (戦国時代に矢を作る為に植えられたのか?)

  
これは間違いなく鷹取山城の堀切だ                 シダが生えた植林帯も少しの間存在する

  
 こんな尾根が最高なんだけど・・・                  11時00分 意識的に尾根を右に外して林道へ向かう

  
  植林帯を次の尾根取り付き部を目指して下る         ちょっと目測を誤り右へ下りすぎた様だ 11時10分沢に出る

  
 沢を渡って車道へ上がり左(東)へ進む              前方のガードレールから右へ未舗装林道を進む


行程3)天道ヶ頭(てんとがとう)取り付き尾根から天道ヶ頭まで   約2時間

11時15分いよいよ目的の天ヶ道への尾根歩きスタート地点に立った。この尾根の西側には「窓の峠」を繋ぐ車道が南北
に通っており、更にその間にも一本林道がある。ヘキチョウさんは以前窓の峠から天道ヶ頭へ歩いた時にこの林道を横切っ
て支尾根に取り付いていた。だからその時と同じ尾根を利用する為にこの林道を途中まで歩いて支尾根に取り付いていた。

ここは同じルートを歩くのは芸が無いので直接天道ヶ頭へ続く尾根を歩こうと考えた。
尾根取付き部は等高線が緩んでおり、
こんな場所はクセモノで必然的に藪が存在する。

小川にかかる小さなガードレール手前から林道を5分程歩き尾根の取り付き部に差し掛かる。案の定藪で一瞬入るのを躊躇
(ためら)われたが、まあこんな場所は多少のガマンをすれば抜けられると踏み、細枝と彦生えの藪に突入する。基本的に
は荒れた植林帯なので何とかなりそうだ。

20分程灌木やシダ、蔦の藪を掻き分けて進むと11時50分今度は尾根が荒れて来て崖が現れる。迂回するのも面倒なの
で安全な場所を選んで這い上がる。崖の上に出てホッとし給水休憩をしようとザックを下ろして中身を広げていると不安定
な傾斜の為ザックが崖下に転がり落ちてしまった。ショック〜〜 

ここは普段見知らぬ場所を歩くときに携行している10mのお助けロープを使って又崖を下ってザックを回収する。


  
11時15分 ガードレール手前から右の未舗装林道に入る  少しの間林道を進む

  
 11時20分 うへ〜〜 ここから取り付かなアカンの?  植林帯なのに彦生えの藪が続く

  
 まさに藪ツバキ!!                 作業道みたいな窪地を越える

  
  ツタも現れるが笹やシダは無い            11時45分 急斜面になる

  
 11時50分崖を這い上がる             上でザックを落としてお助けロープで下り回収する

  
 12時10分崖上の尾根筋に上がり進んでいく      又 崖の大岩が現れた


しばらく岩尾根を進むと12時20分最後の崖が現われそこを這い上がると尾根の合流点に出て安定した地形になる。そこ
には基準点の様な標石があり、恐らくこの辺りがヘキチョウさん達が「窓の峠」側の支尾根から到達した場所だろう。

前方には天頭ヶ頭の肩部が見えて、東側が谷間で少し開けているので桜井方面も眺める事が出来た。霞んで良く見えないが
恐らく唐子山、霊仙山、笠松山で瀬戸内海に浮かぶ島は比岐島と平市島だろう。


  
  岩尾根を這い上がって行く                     崖の縁をそ〜〜っと歩く

  
 危険という程では無い岩尾根は退屈しない            これを這い上がれば尾根の合流点に着く筈だ

  
 12時25分 やっと平たい尾根になった               天道ヶ頭方面を眺める  恐らく手前の肩部だろう


   霊仙山から笠松山〜世田山を眺める  沖に霞む島は比岐島と平市島だろう

  
 歩いて来た尾根筋も見える                     天道ヶ頭への尾根筋は分かり易い
  

12時30分西側へ延びる支尾根へ踏み込まない様に気を付けながら尾根を南側へ回り込む。植林のコル部を越えると明瞭
な細尾根となり境界石が見られる様になって快適だ。風化した薄茶色の真砂土と松、コナラ、カシが痩せた尾根に並ぶ景色
が続く。この山塊はフスベ岩がある関係で石灰岩質だと言われているが、尾根を見る限りは風化した花崗岩、砂岩に見える。

   
 コナラ類の雑木が並ぶ                        コル部にだけ植林が現れる

  
   真砂土っぽい尾根が続く                    境界石が急に増えて現れる


  
  明瞭な尾根なので安心して歩ける                土壌が風化して荒れている 

  
  クルリンパの木                            荒地が続いたが、前方に植林帯が見えて来た

フスベ岩分岐

13時前になると植林が現われ、南西尾根との合流点に差し掛かり南東方向の尾根に乗る。植林帯の尾根合流点は地形や
方角が分かりにくいので注意が必要となる。
13時13分フスベ岩との分岐点に着く。分岐の境界標石にはヘキチョウさんの
レポ通り「二六」の数字が刻まれていた。

フスベ岩へ下る尾根は結構明瞭で黄色や赤のテープが見て取れる。


  
 荒れ尾根だが植林帯となる                     境界標石が続く

  
 結構枝打ちされた植林が立つ                   13時11分 左にテープがある尾根分岐に着いた

  
 縦走尾根から左にフスベ岩に行く尾根分岐         この分岐の境界石番号はヘキチョウさんのレポ通り26(二六)だ


天道ヶ頭  二等三角点「古谷」 510.21m

フスベ岩分岐から天道ヶ頭へは真南の一本尾根で植林帯と山頂部は自然林となっている。10分程で三角点「古谷」に着いた。
古谷は麓の多伎岐神社がある地名から取られている様だ。しかし、折角由緒ある山名があるのだから三角点名も「天道ヶ頭」
とすれば良いものを。

「お山に行こう」さんのHPによるとこの山名の由来は「お天道(てんど)様の通り道」(太陽の通り道)から来ているとの
事。古くから農耕が盛んだった朝倉地区の人々が春分と秋分の季節にこの山へ太陽が沈むのを季節感を持って眺めていたのだ
ろう。この山頂でも神事が行われていたらしいが今はその面影は無い。歩いて来た尾根をフスベ岩分岐へと引き返す。


  
 植林帯を南にある天道ヶ頭へと進む                次第に植林が減って来た

  
 もう辺りに高い場所は無いからこの奥が山頂だ         13時21分 三角点「古谷」を踏む


  「天道ヶ頭」(てんとがとう)の山頂にやっと来る事が出来た。 標高510.21mが本日の里山歩き最高点だ


行程4)天道ヶ頭からフスベ岩を経て林道へ下山  約1時間45分


  
あ〜〜 結構ここまで長かった〜〜                 フスベ岩分岐へ5分余りで引き返す

いよいよフスベ岩へ

13時31分フスベ岩分岐に着き、東尾根へと下る。植林帯の細尾根でルートは明瞭な上にテープも沢山有って安心する。
すぐに微妙な尾根分岐があるので注意して右手の尾根へ向かって下らなければならない。この辺りには黄色いテープが多く
残置されていた。

13時35分境界標石「二四」から右手の尾根へ進む。これもヘキチョウさんのログ図に記載されている通りだった。植林
と自然林が混在する尾根を東へ歩くと石灰岩の様な岩が現われこの辺りがフスベ岩の匂いがする。

岩崖を乗り越えると13時50分そこに憧れの「フスベ岩」が現われた。しまなみ隊のはるちゃん・楠さんやリップ姐、更
にはヘキチョウさん・アトリエBBパパさん、バリーさん達が度々紹介してくれた場所に出会えて感激する。

今治の朝倉地区を背景に石灰岩質の大きな岩盤が剥き出し、そこには毎年3月末に多伎神社(たきじんじゃ)の人が氏子さ
んと張る注連縄(しめなわ)が厳かな雰囲気の場所となっている。

2005年にはるちゃん・楠さんが天道ヶ頭を訪れた際にふすべ岩を2度目の捜索で見つけたレポを私の掲示板にレポを頂
いていた。その中で当時以下の愛媛新聞の記事を紹介していたので抜粋する。

「『旧越智郡朝倉村.現今治市古谷』

川上巌(かわかみのいわお)高さ2丈、幅3丈は、同市の頓田川支流.多伎川の上流にある多伎神社の奥まった山頂近くにあ
る巨岩のことで『フスベ岩』とも呼ばれた。

昔から日照の時.この岩の前で木葉を焼いてふすべる(いぶす)と必ず雨が降るとされ.雨乞いの神として崇敬された。江戸時
代には今治藩の祈願所となり
.雨乞い神事の際には藩から多伎神社および川上巌に使節の参拝があったとされる。」

と言う事らしい。
このいわく深い最終目的地をじっくり眺めながら感慨深く近くを徘徊する。

  
13時31分 分岐に帰り、いよいよフスベ岩へ向かう  尾根は明瞭だが2か所程支尾根分岐がある

  
 大きめの境界標石が立つ (25番)           3分程で微妙に尾根が右に曲がる

  
 13時35分前方に標石24番の所から尾根を右に下る ここもヘキチョウさんの地図にある通り境界標石24番だ

  
 フスベ岩方向には黄色のテープが残置されている      分岐を過ぎると比較的明瞭な尾根が続く

  
 植林帯の尾根を進む                 ここにも違ったタイプの境界杭がある

  
 尾根に植林が減って来る                 ハナシバの様な低木が出て来る

  
 おおっ! 石灰岩が現れたぞ (尾根分岐より15分程)  岩を回り込んで下る


 13時53分 ついにフスベ岩に来ることが出来た


   今まで全く展望が無かった天道ヶ頭付近で唯一展望があるのがこのフスベ岩だった

  
レンギョウの花がフスベ岩の下側に咲いていた      遅ればせながらやって来たエントツ山とフスベ岩

  
 フスベ岩の周りを歩き回って見る       この岩の前で藁(わら)をふすべて7日間雨乞いの神事を行っていたらしい


フスベ岩から下山する

さて、のんびりと構えていたが14時15分休憩を終えてふとこれからのルートの事が頭によぎる。今まで沢山残置されてい
たテープがプッツリここで切れており、続きが見当たらないのだ。見渡してもはるちゃん達が設置したと言うロープも見当た
らない。ひょっとしたら一旦上側の尾根筋に下山ルートがあるのかも知れないと上側へ出るがその雰囲気は無い。仕方なく
フスベ岩付近から5m〜10m下の崖に沿ってグルリと回って見る。すると最後に到達して右手の繁み近くにロープを発見
する。

  
 下山ルートが分からないので右手から捜索開始      時計周りにフスベ岩の下側をグルリと回る

  
 フスベ岩の下側も石灰岩質の岩となっていた      半周してフスベ岩の右手下方にトラロープ発見!

14時30分椿の花が地表に散らばるロープ場を伝って谷へ下る。カゴノキや椿が生える急斜面にしっかりしたトラロープが
続く。落ち葉が堆積して急斜面を覆っているので滑るわ滑るわ・・・約20分程で沢に下り付く。
テープが対岸の植林帯斜面
へ上がっているのでそれに従うが、結局又沢筋に下って右岸沿いに踏み跡が続く。


  
 アオキの葉っぱで下山ルートが隠されていた          長いロープが急斜面に渡されている

  
 斜面の途中には岩もある                       カゴノキの横をロープが延びる


  いや〜〜  滑り易い急坂が連続する  ロープ様々だ

  
 どこまでも続く様な長い傾斜とロープ                やっと傾斜が緩くなる

  
  いや〜〜 長かったなあ                     14時50分 やっと沢筋が見えた

  
  少し荒れ気味の沢だが水は少ない                テープは対岸の傾斜へ上がって行く様に残置されていた

  
 結局下山ルートは植林斜面を沢近くまで下る           沢沿いに右岸を下る  
 

右岸沿いの支沢を渡り笹薮の中に続く踏み跡を歩くと直ぐに本流を左岸に渡渉する。植林帯を歩くと15時16分舗装道路に
着いた。この車道は天道ヶ頭へ取り付く尾根筋近くで少し歩いた道の続きで、更に進むと多伎神社へ至る。

その車道を進むと左手に「箒(ほうき)桜」の看板が立っている。その謂われを読むと、江戸時代の末期に今治藩主松平氏
が雨乞いの為に多伎神社と奥ノ院(ふすべ岩)にて祈祷の折にこの地で休憩した時に神官が近くの桜の枝を折って休憩所を掃
き清めた。その記念に手折った枝を挿木にして成長した桜が箒の形をしたので「箒桜」と名付けられてと言う。
(現物は落雷で枯れてしまっている)


  
 本沢の右岸沿いに支沢を渡る                    笹薮の中に踏み跡がある

  
 15時13分 谷の本流を左岸に渡る                荒れ気味の植林帯を下る

  
15時16分 舗装道路に出た アトリエBBパパはこの付近に自転車をデポした様だ 道路を歩いていると左手に大きな看板がある


  今は枯れてしまった「箒(ほうき)桜」の説明書きだった


行程5)四国電力・「今治線」鉄塔保線路で仙遊寺へ帰る

 15時27分車道から左手へ四電・今治線の鉄塔保線路を利用して出発点の仙遊寺へ帰る。先ず51番鉄塔を経て一旦車道
へ下る。(51番鉄塔15時30分)


  
 15時27分 車道から「今治線」鉄塔保線路に入る       15時30分 四電今治線51番鉄塔通過

  
  15時32分 車道に下りる (最初に歩いた車道では無い)  暫く車道を歩く (52番鉄塔への保線路は見当たらなかった)

15時47分車道から53番鉄塔への保線路へ入る(53番鉄塔15時51分)15時55分木橋を渡ると道があり、それを
クロスして柿畑の横を抜ける保線路に入る。この保線路は先の植林帯で沢部が荒れておりルートが不明な場所がある。竹が倒
れて道を塞ぎ、四電の保線路とは思えない整備不良の場所だった。

16時20分何とか支尾根にある54番鉄塔に辿り着く。それ以降も荒れた植林地帯で保線路を繋ぎながら17時00分次の
55番鉄塔を通過する。


このルート最後となる56番鉄塔(17時26分)までは荒れているヶ所もあるが何とか保線路を外す事無く歩く事が出来た。


  
       53番鉄塔への保線路を歩く              15時51分 53番鉄塔通過

  
  次の鉄塔へ向かい木橋を渡る                 15時56分 一旦道路に出て向かいの柿畑に続く保線路へ進む

  
 植林帯の中に保線路は続く                     沢付近から荒れてくる  木橋も壊れている

  
 沢沿いの保線路は竹が倒れてヒドイ状態だった         何とか竹藪を通り抜ける

  
 16時18分 尾根にある54番鉄塔へ上り着く          その下りは伐採林で道をショートカットして歩く

  
 何とか鉄塔保線路アングルを確認しながら道を進む       53番から55番鉄塔までは少し分かりにくい保線路だった

  
  アケボノスミレか?                          荒れた植林帯の中を歩く

  
  竹藪を越して急坂を上がる                     17時00分 やっと55番鉄塔を通過する

  
 荒れ気味ではあるが保線路は見失う事は無かった       植林帯を上がる

  
 尾根の外れに向かう                          17時26分このルート最後の56番鉄塔に着く

  
 フスベ岩以来の展望を眺める                     尾根筋を北東に保線路を下ると道に合流する
                

56番鉄塔から尾根筋に付けられた保線路を下ると17時33分広い遍路道に合流する。遍路道は階段状に整備されて仙遊寺
へと続く。曲がり角に出ると「四国の道」標識が立ち仙遊寺0.7km、国分寺5.9kmとあった。その後も五郎兵衛坂を
上がり17時55分デポした車に帰り着いた。


  
17時33分 広い道に下り着く                    そこから遍路道が仙遊寺へと続く これを歩く

  
曲がり角に「四国の道」標識が立つ 仙遊寺まであと700mだ〜   最後はまともな道を歩けるのね

  
  遍路道遊歩道を進む                        この急坂は「五郎兵衛坂」と言うそうだ


                       と言う事らしい


          17時54分 車をデポした広場に帰り着く

今回、ヘキチョウさんより仙遊寺から天道ヶ頭とフスベ岩を周回するルートを紹介して頂いたお蔭で長年の念願だったフスベ
岩を面白いルートで訪問する事が出来た。ありがとうございました。


    
     目次に戻る              トップページに戻る