坂瀬川・中流から遡行して堂ヶ森周回するルート  令和元年(2019年)7月28日

プロローグ

坂瀬川とは (仁淀川水系・面河川支流)


  坂瀬川の場所  国道494号線から坂瀬林道へ入る

「坂瀬川」は仁淀川水系(面河川)に有り、東側の面河川本流(面河渓谷)が石鎚へ遡るのに対して、坂瀬川は五代ヶ森の尾根を
挟んだ西側を堂ヶ森へと遡る。


沢歩きを始めてからこの坂瀬川を遡行して東側の支流「樽ヶ関谷」沿いに主稜線へ上がり堂ヶ森へ至る。更に六分峠より西側の支
流「六郎谷」沿いの古道を下り坂瀬川へと周回するルートに興味を持っていた。


私がここを歩きたいと常に言っていた gakugaku さんからお誘いがあって、冬の焼岳遠征メンバー(しゅぼんさん、北川クン)、
更にナメ沢の帝王・弁天山さんと歩く事になった。


更に私が所属する香川の「山と元気の会」から真鍋さんを前日瓶ヶ森で拾って面河道の駅で前泊して翌日の集合場所(面河小学校
付近)に07時到着し他のメンバーを待つ事にした。何せ香川からこの坂瀬川入り口は遠いのだ。



坂瀬林道〜坂瀬川〜二俣〜樽ヶ関谷〜堂ヶ森〜六分峠〜六郎谷沿いの古道〜二俣〜坂瀬林道



坂瀬川入り口は「大成」の看板が目印

令和元年7月28日07時30分面河小学校前の広場に集合し、私は弁天山さんの四駆に乗せて貰い、国道494号線を割石川に
沿って少し下流側へ向かう。すぐに「四国最後の秘境・大成」の大きな看板が右手の道路分岐に掛かっており、そこから坂瀬川沿
いの林道へ入る。大成神宮への道と分かれて未舗装の「坂瀬林道」を進む。弁天山さんによると以前は酷い路面だったが、林業作
業で大きな車が通っているらしく結構快適な道だった。



 国道494号線から坂瀬川上流への入口  大きな看板がある



駐車場所は坂瀬林道・通行止めチェーンの場所 ここから20分で入渓ポイント

今回、山行を企画してくれたガクちゃんとしゅぼんさん、弁天山さんは既に1度歩いたコースだ。初めて組はエントツ山、北川クン、
真鍋さんだ。


07時55分林道に通行止めチェーンがあり、ここに丁度2台程の路肩駐車スペースがある。それぞれ沢装具の準備をして08時15
分通行禁止のチェーンを乗り越えて林道を上流へ向かって歩き出す。08時35分右手にプレハブの作業小屋があり、そこから左手に
沢へ下りる薄い道がある。赤テープもあるのでプレハブが撤去されても通行止め場所から20分弱歩いた左手を気を付けていれば入渓
ポイントは分かる筈だ。


  
 林道通行止めのチェーン手前に2台程の駐車スペース     林道はここで通行止めとなり一般入渓者は歩く事になる


            gakugaku さん   北川クン  弁天山さん  真鍋クン  しゅぼんさん 08時15分出発〜

  
 林業作業で道路は固められていた                08時35分 プレハブ作業小屋から左へ入渓する


坂瀬川中流入渓場所〜二俣分岐(ほぼナメ沢)約1時間10分

「わた」さんのレポを読ませて貰うと、坂瀬川の下流地域、取水口から我々が入渓した場所までにゴルジュ帯がある様だ。「わた」
さんはそんな場所から堂ヶ森を周回するというタフガイだが我々は下流からのハードな行程は1日では歩けない。


08時38分坂瀬川中流・入渓地点から平和なナメ沢が続く。私もナメ沢は歩いた事があるが、こんなに長〜くナメが続く沢は初め
てだ。これぞナメ沢の帝王「弁天山」さんお勧めの沢だけあって先頭でグングン歩く。


08時42分ゴーロ帯が出て少しの間変化がある沢となるが直ぐに次のナメ沢となる。08時55分少しプチ釡をもった段差のある
ナメ沢が現れた。カメラで水中写真を撮るが凄く澄んだ清流だった。


  
08時38分 坂瀬川・中流入渓ポイント                何か幅の広い道路みたいやね

  
 最初は段差も少なくプレシャーが無いのが良い          多少ゴツゴツした岩肌だが基本ナメ沢だ

  
 08時42分 鉄砲水で流されて来たゴーロ帯となる       まあ、こんな変化もなければね

  
弁天山さんは相変わらず弁慶の七つ道具スタイルだ       水が澄んでいて気持ちが良い


        08時55分小規模な淵を持ったナメ滝

  
 若い北川くんは元気だ                         清流 坂瀬川  沢歩きで防水カメラは必携だ

09時00分前方が開けて左側に断崖絶壁がそそり立つナメ沢となる。丁度、面河渓で見る様な光景だ。その先に段差のある平滝が
あり皆で記念写真を真鍋さんにお願いして撮る。するとしゅぼんさんが「アカハラ」を見つけて裏返し写真を撮る。気持ちの良い段
差を上がって進むと09時07分堰堤が初めて現れて左手より乗り越える。堰堤の上側がゴーロ帯になっておりそこを抜けると09
時13分初めて小規模な釡を持った4m程の幅広い小滝となる。



 09時00分 左手に断崖を持つ開けた場所に出る  ガクちゃん 何かポーズを取ってるけど腰大丈夫かな?


絶壁広場の後ろ手にあるナメ滝で写真を真鍋クンに撮ってもらう 北川クン、しゅぼんさん、ガクちゃん、弁天山さん、エントツ山

  
 しゅぼんさんの手の中であばれるくん=アカハラ(イモリ)     先を急ごう

  
 09時07分 最初で最後の堰堤が現れる             堰堤の上側はゴーロ帯となっている

  
 坂瀬川中流域にはこの手の滝が多い                落差で言えば4〜5m 程だ

この小滝を抜けると再びナメ沢となる。09時20分デカい流木が沢を跨ぎガクちゃんが上に上がっていつものポーズをとる。この
上流部の岩が赤茶けているから鉄分を含んでいるのかな。樹木が両岸から覆い被さり良い雰囲気だ。
09時30分赤茶けた岩が変化
に富む小滝が現れ、何のプレッシャーも無く水しぶきを浴びながら小滝を這い上がる。
そこからゴーロ帯に入り09時35分「二俣」
分岐に到着し、10分程休憩する。


  
 再びナメ沢が続く                           ゴーロ帯には流された流木が多い ガクちゃん得意のポーズ

  
  岩盤の色が赤茶けている                      両岸から緑が迫る美しい沢だ


  09時30分 赤茶けの滝はゴツゴツしているので上り易い

  
 あ〜〜 気持ちいい〜〜〜                    しゅぼんさんは気が優しいので常に後ろから見守ってくれる

  
 09時35分 二俣に着く                        右手は今から進む樽ヶ関谷だ


二俣〜樽ヶ関谷〜主稜線  約3時間50分

この二俣ポイントで坂瀬川が東と西に別れる。右手(東側)がこれから進む「樽ヶ関谷」、左手(西側)は下山時に使う「六郎谷
と呼ばれている。分岐は大きな岩がゴロゴロした同じ様な景色である。ガクちゃんから帰りのルートの簡単な説明を受ける。


09時45分二俣を右手の樽ヶ関谷へと向かう。分岐付近は川幅が少し狭まり樹木も張り出して薄暗い狭い谷のイメージだが、5分
程進むと開けてきてナメ沢となる。
09時53分川幅に広がった高さが6m程の小滝が現われこの滝も少し深みを持ったプチ淵を伴う。
この緩やかな滝を左手から上がると上流部がゴーロ帯に変わる。
このゴーロ帯は岩盤やデカい岩が配置されて沢歩きの雰囲気を醸し
出してくれる。


  
09時45分狭いイメージの樽ヶ関谷へ入る             大きな岩が転がる沢を進む

  
 直ぐに雰囲気の良いナメ沢になる                  各自思い思いのルートを歩く


  坂瀬川の小滝は良く似た物が多い

  
 左手から簡単にクリア 暑くないのでわざわざ水に入らない   この滝の上部にはゴーロ帯がしばらく続く

  
勝手知ったる弁天山さんが先頭を引っ張る             10時13分又 長いナメ沢が出現 


先程から足元の岩盤が茶色になりやはり鉄分を含んでいるんだろうか。落ち葉が溜まって茶色い色に染色された岩なども見かけるが
・・・岩質はツルツルでは無くデコボコしている割には良く滑る。今回。モンベルのサワートレッカーと言うゴム底タイプの沢靴を
初めて履くが、「濡れた岩場でも優れたグリップ力を発揮するアクアグリッパーを採用しており、岩場の多いテクニカルなルートに
最適、水中の岩肌を捉える驚異的なグリップ力を発揮」とか言う謳い文句であるが、世の中に驚異的なグリップ力なんてものは存在
しない。私が力不足なのか良く滑った。


10時15分「赤ナメ」の美しい傾斜が上流に延びている。段差には面河渓流の七釜みたいにそれぞれ小さな堰があり、この辺りが
最も美しく楽しめた場所だったかも知れない。
一連の赤茶けた滝群が終わると、標高差の帳尻を合わす様にフツーの黒っぽい岩の滝
が連続する。


  
モンベルのサワートレッカー ゴム底タイプを初使用       面河の七釜みたいに小さな鎌を持つ滝

  
 茶色に岩盤は少しヌメっていて滑る場合がある         10時17分 岩の色がフツーに変わる

  
  北川クンは一番俊敏だ                       しゅぼんさんとガクちゃんコンビ  仲が良い

  
  この辺りは小滝が連続して面白い                10時25分ガクちゃんが「サイコロ岩の滝にかわらん」と言う

10時25分上部にサイコロ岩を持つそこそこの高低差を持った滝があるが、滝の傾斜は緩やかなので各自歩き易い場所を選んで上
に向かう


10時45分堰堤ブロック風の面白い滝が前面に現われた。余りの整然とした石組の為、真鍋さんは「これ コンクリート製ですか
?」と本気で聞いて来る。勿論岩の節理によってこんな整然とした堰堤風に仕上がったのだ。ここで少し行動食休憩の後、私は左手
から上がったが、ガクちゃん達は中央の溝に沿って這い上がっていた。


  
確かに滝の上部にデカいサイコロが転がっていた         サイコロ岩に向かって上るガクちゃん

  
 更に樋状の水路を上がる                   その上にも滝 傾斜が緩いのでここまで問題になる様な滝は無かった


 この辺りの岩は四角い節理になっており、階段状に競り上がって行く


 10時45分コンクリートブロックを積み上げた様な「節理岩の滝」が現れる

  
ここでちょっと行動食休憩                        初めてこんな滝を見る3人

  
 おらぁ 土佐っぽじゃけん 正面突破が好きにかわらん     じゃあ こちらは上品に隅の方から行かせて貰います


ゴーロ帯を暫く進むと11時08分先程見た岩節理を持った岩盤が右手にそそり立ち、その奥に初めて高低差を持った滝らしい滝が
大量の水を上から落としこんでいる。
「わた」さんはこの滝を直登していたが、我々は左手のトラバース道を這い上がる。すると滝
の上部も階段状になっていた。


  
  節理滝の上部はゴーロ帯となっておりしばらく進む       11時08分 真鍋クンがまたコンクリートの壁(?)ですか〜


修行僧が居れば石仏でも刻みそうな岩壁だ  滝口は風化して節理が剥げ落ちている  「わた」さんはこの滝を這い上がったとさ

  
 大人しく左手から回り込んで滝上に出る              滝の上側も柱状節理で階段状になっていた


11時15分、これぞ滝〜って言うイメージの高低差がある滝が現れる。ここも我々は左手から巻道を使って上に出る。岩場に生え
たシモツケの花を眺めながら11時23分次の滝を這い上がるとナメ沢になっていた。


11時35分「半開きの扇滝」に出会うが、ここは右手から慎重に這い上がる。ガクちゃんが先頭で自己ビレイしながら初心者の真
鍋さんの為にロープを下してくれた。(感謝)
この滝は2段になっていて、中段には大きな岩がデンと座っていた。

        
       11時15分 三段の滝  初めて滝らしい滝が姿を現す  上れなくても眺めるだけで十分!

  
 ここは左手の杉林から這い上がる                  上の河原に出る


      滝口を覗きに行くと高知の精鋭部隊が途中から滝を這い上がって来た

  
 滝の上はナメ沢が続く                        11時32分 2段の滝に出会う


  美しい二段の滝  中間部が淵になっており三角岩が鎮座していた

  
 滝の中央部は滑りやすく右端を這い上がる            中段には三角の岩が留まっている

  
  中段から下を眺めるの図
                         上段から下を眺めるの図

二段の滝を上がると11時51分釡を持った滝が待っていた。ここは垂直の滝なので右手から巻いて上部へ出る。この辺りは川幅が
狭くなり木々が両岸から競りだして森の様相を呈する。


12時05分上流部に美しい滝が見える場所で昼食休憩に入る。15分程してザックを担ぐ時に改めて弁天山さんの装備を眺めて今
更ながらに吹き出す。沢初心者の真鍋さんは弁天山装備品をしげしげと眺めながら「沢歩きにこんな道具が要るんですか?」と聞い
てくる。一つ一つ体の回りに付いている武蔵坊弁慶の戦利品の様な弁天山御用達の沢装備を見て、又笑ってしまう。



 11時51分 水量豊かな滝に出会う   ここは右手から滝上に這い上がる

  
 滝の上部へ上がって沢を進む                    12時00分 森が谷筋に覆いかぶさって来る

  
  12時05分 美しい滝の前で昼食休憩とする                これが真鍋クン お勧めのアングル?  

  
弁天山沢スタイルに驚く真鍋クン (こんなに道具要るんですか〜)   防虫スプレーに殺虫スプレー ナイフに手鉤


12時26分最下部の一筋の滝を上り、上側の二筋の滝は落差があるので左手から迂回する。その上の三筋の滝は直接上り切る。
再びゴーロ帯にはいり水量が減って来る。この辺りからは沢の中まで草が入って緑色が目立つ様になり、崖に水が落ちる様な場所
をアスレチック歩きをしながら高度を上げて行く。


  
 下側の「一筋の滝」を這い上がる北川クン             中間の「二筋の滝」は直登は無理 

  
 二筋の滝は左手から迂回する                    その上にある「三筋の滝」は高低差が少ない


   12時30分 最上部の「三筋の滝」は近づくと「簾(すだれ)滝」だった  ここで滝らしい滝は終わりを告げる

    
 大きな岩をクリアしながら高度を上げる               周りの風景が森っぽくなり、水量も減って来た


 12時58分 水量が減った崖状の滝は滑りやすいので足場を確かめながら這い上がって行く

  
 どこまで水があるのかな?                      沢幅が次第に狭まって来るので1列縦隊で這い上がる 


13時10分両岸が藪っぽくなるとクガイソウが所々に出て来て沢の終焉が近い事を暗示する。針葉樹や笹が現われ、沢も小川の様
に細くなって来た。タカガワホトトギスやヤマアジサイを眺めながら狭い沢の源流近くへと向かう。


  
     もう滝とは言えない                       笹が両岸から迫って来ても水が未だ流れている

  
 針葉樹が現れて標高が高くなった事を感じさせる         クガイソウやヤマアジサイが沢山咲いていた

  
 しつこくナメ沢(?)が現れたぜ                 タマホト〜〜(タマガワホトトギス)と略して呼ぶとガクちゃんに笑われた

  
もう稜線が近いにかわらん                       所々 沢が笹に覆われているいる場所もある


13時24分後続のガクちゃんとしゅぼんさんを振り返ると、バックに堂ヶ森の台形が見えた。足元の水を追うと益々堂ヶ森から東
に外れてしまうので13時27分沢から外れて笹斜面を稜線へ向かう事にする。笹を掴みながら足を思いきり前へ蹴り出して急斜面
を這い上がる。
13時37分堂ヶ森〜鞍瀬の頭間の主稜線縦走路に上がり着いた。

入渓時点から5時間で主稜線へ着いた事になる。 長い様で短いようで、やっぱり長〜〜い。



13時24分 ガクちゃん、しゅぼんさんを振り返ると バックに堂ヶ森が見えた  結構東側へ這い上がって来たもんじゃのうし

  
まだ水場として使えるほどの水が流れている            13時27分 沢から外れて稜線へ笹漕ぎ開始〜〜

  
 えっさ ほいさ どっこいさ  沢歩きと笹漕ぎは親戚みたいなもんや   13時37分 堂ヶ森への主稜線へ這い上がる


主稜線〜堂ヶ森〜六分峠  約1時間半

カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図  六分峠分岐から六分峠のルート図


主稜線を少し堂ヶ森へ進んだ場所で沢装備を解く。私は底がゴム製の沢靴だったのでヘルメットだけ脱いだ。ライフジャケットは
少し暑いが沢ザックに縫い付けているので外す訳にも行かない。
真鍋クンは靴をザックに入れ忘れたらしくガッカリしていた。
北川クンは帽子を入れ忘れる。老練なガクちゃんやしゅぼんさんはバッチリ登山の格好だ。


堂ヶ森への縦走路にはササユリが咲いており喜ぶ。堂ヶ森避難小屋分岐を通過して14時16分堂ヶ森山へ分岐に到着。ガクちゃ
んやしゅぼんさん、弁天山さん達は堂ヶ森山頂に固執しないが、初めて来る真鍋さんを山頂へ案内する。勿論北川クンはとっくに
山頂を踏んで引き返して来るのに会った。


14時20分懐かしい堂ヶ森の三角点山頂を踏む。ここは以前、梅ヶ市にバイクを停めて石鎚まで縦走をしたのだが、堂ヶ森山頂
でバイクのヘルメットを被ったままだと気が付いた。その時は石鎚まで見通せたが、今日はガスって鞍瀬ノ頭も見えない有様だっ
た。


    
 堂ヶ森に向かって縦走路を歩く                    沢装備を解く

  
  堂ヶ森避難小屋が左斜面に見える                おっ ササユリが咲いている

  
14時11分 お地蔵さんがあった                    縦走路から堂ヶ森へ行く

  
 三等三角点「堂ヶ森」 1,689.35m 土壌が流れている   懐かしい堂ヶ森山頂  石鎚方面はガスで見えない


堂ヶ森の登山道(縦走路)は山頂の南斜面を巻いている。そして今回の沢ルート樽ヶ関谷と六郎谷の間にある南支尾根(白骨林が
ある尾根)から山頂へピストンする。その後、グルリと西側の稜線へと回り込み梅ヶ市や保井野登山口へと下って行くのだ。


六分峠への分岐

14時44分ササユリを見ながら梅ヶ市・保井野分岐に到着する。さて、ここから六分峠へは一体どこから進むのだろう?少し梅
ヶ市への登山道へと下るとガクちゃんが「ここからですよ」と言う。「え? どこに道があるの?」「ここに確か分岐標識があっ
たにかわらん」と言いながら笹薮を掻き分けると確かに錆びた鉄製標識が斜めに立っていた。でも文字などは全く消えて読めない。
恐らくこの標識は梅ヶ市と堂ヶ森の古い標識で、たまたま六分峠への入口の目印にしていると思われる。

肝心の踏み跡さえ全く分からない笹薮の海じゃんか。「エントツ山さんの大好きな藪にかわらん 先頭をどうぞ」と来たもんだ。
聞くと少し前方の1,468mピークを左にトラバースするルートだと言う。14時47分、嫌々ながら先頭に立たされて猛烈な
笹藪を分け入る。足元がかすかに抵抗の少ない場所を選んで進む。後ろから北川クンがスマホのヤマップを出して「そちらで間違
いないですよ」とルートを確認してくれる。


5分程笹薮を泣きながら歩くと少し笹薮の背丈が引くなり、踏み跡も次第にわかる様になって来る。1,468mピークから南に
下がる支尾根上を歩いて、一つ小ピークを左手にトラバースしてコルに出ると、15時03分そこには「六分峠」の錆びた鉄製標
識が立っていた。この標識とて文字などは既に無く、ガクちゃんや弁天山さんによって「六分峠」だと知らされる。交通機関や道
路が整備される以前、久万(くま)と丹原を結ぶ峠だったらしい。こう言った峠は至る所に残ってはいるが、現在ではほとんど利
用する人は居ない。


  
縦走路へ帰る  奥は五代ヶ森(ごよがもり)              ササユリは標高が高いだけにまだ花の状態が良い


梅ヶ市・保井野登山道へ向かって西へ下る 奥は1,468mピーク  六分峠へのトラバース道はここから見ると確かに存在する

  
14時45分 保井野分岐から梅ヶ市の尾根道へ進む       梅ヶ市登山道は広く刈り込まれていた

  
六分峠への入口目印にしている錆びた標識           ヒェ〜〜〜〜  何じゃこりゃ オラが先頭かい!!

  
 灌木帯に入ると笹の背丈が幾分低くなる             まあ これなら踏み跡と言えるぞなもし

  
 14時58分 足元が低い笹になっている             六分峠手前のピークを左に巻く

  
 15時03分 無事「六分峠」に到着する  真っ直ぐの尾根筋との三叉路分岐になっている  ここでしばしの休憩〜〜

六分峠〜六郎谷〜二俣 約1時間20分


カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図  六分峠から二俣まで

六分峠で5分程休憩の後、15時10分笹の生えた斜面を六郎谷へと下る。薄い踏み跡を辿ってジグザグに斜面を下り15時16
分六郎谷へ下り着き、直ぐに左岸へ渡渉する。赤テープなどもある緩斜面を進むと支流部の小さな沢を渡渉し、モミジガサの群生
地を抜けると左岸の植林帯に入る。


15時36分ガクちゃんに付いてルートは一旦右岸へ渡るが、3分後に又左岸に渡り返す。六郎谷はあまり水量も変化も乏しく遡
行の対象としては少し魅力が無いみたいだ。
15分程左岸の植林帯とも自然林ともつかない沢沿いの踏み跡を辿る。

  
 15時10分 左手の谷へ向かって笹の斜面を下る       ジグザグに下っていくと六郎谷に近づく

  
 15時16分 六郎谷へ下りると直ぐ左岸へ渡る          左岸沿いを歩き、左岸の支沢を渡る

  
 モモジガサが沢山生えている                    15時27分左岸の植林帯を下る

  
 15時34分 左岸の支沢を渡る                  15時36分 ガクちゃんが右岸に渡って手招きする

  
15時40分 直ぐに左岸へ渡り返す                 左岸沿いの荒れ気味の植林帯を下る

  
 多少荒れているがあくまで左岸を進む               15時55分 一旦沢沿いに出るとこの後、伐採地が待っている


伐採地で道が不明となる

15時55分沢際から左手の植林伐採地に入ると道が不明となる。以前伐採地でイバラに悩まされたと言うが、今は植林された杉
の幼木とケタニグサやクロズル、イバラと完全に藪化している。ここは六郎谷に下りて沢伝いに進んだ方が良さそうだが、みんな
は沢装備を解いているので沢以外の道を探すが見つからない。面倒なので適当に藪に突入して左手へと進む。

地図の破線ルートを確認すると、伐採地をもう少し左手へ回り込む様になっていた。そして、沢をクロスして林道へ出るルートは
二俣より少し上流の樽ヶ関谷からヘヤピンカーブへと破線が延びている。だから六郎谷をそのまま二俣まで進まないのだ。


16時15分やっとオカトラノオが咲く下側の道らしきスペースに下りた様だ。道は一旦右手に振った後、左手に向かって進む。
16時25分二俣の少し上流部の沢(樽ヶ関谷)に付いてホッとして少しだけ休憩する。この場所は地形図にも破線があり、左岸
を少し上がると16時35分坂瀬林道のヘヤピンカーブ付近に出た。


  
 16時00分 伐採地跡が植林されている様だ           ケタニグサやクロズル、イバラの藪を進む

  
 植林された幼木の葉がチクチク刺さってくる             16時15分 道に出る

  
 伐採地に植林されている様だ                      オカトラノオ

  
 16時25分二俣の少し上流部の樽ヶ関谷に着いて休憩〜〜    16時32分 対岸に渡る

     
  対岸に渡ると直ぐ林道へと上がる道がある           16時34分 坂瀬林道のヘヤピンカーブに出る


坂瀬林道〜通行止め場所(車) 約 45分

16時35分坂瀬林道を下って出発点へと帰る。道路脇には結構植林地がありこの林業作業の為に未舗装の林道だが大型トラックに
よって踏み固められている。17時03分見覚えのあるプレハブ小屋が建つ入渓地を通過し、17時20分通行止めチェーンが架け
られた出発点に帰りついた。


  
二俣上流部から林道へ出た場所 モデルは北川クン         キツリフネが咲いている

  
植林伐採作業などで一般車両が通行止めになっている     17時03分 入渓地を通過する

  
 17時20分 林道通行止めのチェーンに帰り着く        2台程の駐車スペース 他に少し林道を下がった場所に
                                       車を留める事が出来る路肩スペースがある
 

集合場所の面河小学校前で皆さんと別れて、初めて松山周りで高松に帰る。国道33号線に新しい三坂峠を通らないバイパスが出来て
いたが、そのまま旧道を走る。以前からとても歩きたかった坂瀬川中流から堂ヶ森の周回を沢仲間達と楽しく歩く事が出来、満足の旅
となった。


ガクちゃんの「褒めよ称えよgakugaku ツアー」に感謝 
今回はこのルート経験者の gakugaku さん、しゅぼんさん、弁天山さんの案内で
心強かった。 沢歩きとしては坂瀬川中流からは初級な
ので初めての人も比較的安全に挑戦出来る周回ルートです。

坂瀬川遡行の参考ブログ

 今回一緒に歩いた北川(S.Kita) さんのヤマップ記録

 今治山岳探検隊 坂瀬川〜六郎谷〜堂ヶ森〜樽ヶ関谷 2015−5−5 (我々と逆ルートです)

 「わた」の世話ないよ 坂瀬川下流域・ゴルジュ遡行 2018−6−17   (しんクン半泣きの上級者コースです)

 「わた」の世話ないよ 坂瀬川下流から樽ヶ関谷〜堂ヶ森〜六郎谷〜二俣を1日で周回 2016−8−22
  


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