裏寒風周回 (フェニックス・パパと裏寒風周回 オオヤマレンゲを探して)

寒風山・西尾根登山口〜西尾根〜寒風山〜笹ヶ峰縦走路・オオヤマレンゲ自生地〜寒風山〜
裏寒風・トンネル口コース〜旧寒風山トンネル・西口




         裏寒風展望所から厳しい南西尾根の大岩壁を見る


プロローグ

今年のオオヤマレンゲは兜岩、石室越、赤石山荘などで見る事が出来た。西門山と稲叢山のオオヤマレンゲは讃岐乙女隊が
行ったと掲示板に出ていた。樫戸丸は木村さんが行ったと聞く。剣山や高ノ瀬は遠いし鹿ネットの中だ。あと残っているの
は・・・寒風山のオオヤマレンゲだ。


紆余曲折の膝痛克服 フェニックス・パパ (ナッチーパパ)

話はガラッと変わるが、堂山隊とコラボしてナッチーさんご夫婦と2年前の冬に笹ヶ峰に登った。その直後からナッチー・
パパが膝を故障して山に登れない身となっていた。ナッチーさんから話を聞くと相当深刻な状態だったらしい。そんな逆境
の中、紆余曲折の治療、セカンドオピニオン医者換え、やけ酒、手術、犬の散歩、迎え酒、リハビリ、の結果、今年になっ
て奇跡的に回復し山歩きが出来る様になった。この歳でこんなサクセスストーリーは稀なケースである為に「フェニックス
・パパ」と誰言うともなく呼ばれる様になった。


この不死鳥の様に蘇った彼の歩きを5月26日丸石〜石立山縦走で確認する約束をし、本人も張り切っていた。んがっ そ
の矢先、出発目前に帯状疱疹に罹り医者から1週間の安静を宣告される。世の中にはこんな拍子が悪い?タイミングの悪い
人間がたまに居る様だ。嗚呼無情・・・この為誰言うともなく「残念パパ」と呼ばれる様になってしまった。


この「残念パパ」と言う汚名返上の機会を与える話と、寒風山のオオヤマレンゲと話がここでやっと繋がるのである。名誉
回復立会人を伊予の鈍亀さんにお願いして判定員のエントツ山が膝にハードな裏寒風周回の計画を立ててナッチーさん夫婦
を誘う。


かくして令和元年6月24日ナッチーパパ裏寒風引き回しの刑が実行される事になり、05時高松でナッチーさん夫婦を載
せて山根運動公園へ向かう。車の中で話していると旦那さんは昨日、山の会で大座礼山へ行ってたと言う。その条件で今日
裏寒風を歩ければフェニックス・スタンダードをクリア出来ると言うものだ。


07時前に新居浜の山根運動公園で伊予の鈍亀さんと合流し、2台で寒風山に高知県側から向かう。その後、寒風山隧道を
愛媛県側・西口に進み、そこに私の車をデポして亀吉車で西尾根登山口に向かう。


裏寒風周回ログ図

カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図 (伊予の鈍亀さん提供) 上り:寒風山西尾根  下り:西トンネル口


行程1)西尾根登山口〜寒風山西尾根〜南峰・稜線〜寒風山 約2時間50分

寒風山・西尾根 (裏寒風

寒風山の西尾根は愛媛県側にある加茂川上流の谷川支流「竿谷」と「桂谷」の間に綺麗に伸びる尾根で距離は長いがなだら
かで歩き易い尾根だ。寒風山の主たる登山口は南側・高知県側、桑瀬峠登山口となっているので愛媛県側は「裏寒風」と俗に
呼ばれている。


交通の便が良い瀬戸内海側を表と考えがちな愛媛県人の鼻っ柱をへし折る痛快な表現だ。従って今回のルートは「裏寒風
周回」となる。


08時過ぎに西尾根コーナー広場に車を駐車する。みると伊予の鈍亀さん夫婦はスマホのジオグラフィカ設定作業をし、ナッ
チーさん夫妻は真面目に準備運動をしている。フェニックス・パパは普段堂山では空身で歩くからストックも持たないが、
正式に登山する場合は腰を保護する為に重めのザックで腰を固めダブルストックを持つ。


沢山のキツリフネが咲く車道を少し上がって08時07分赤テープが張られた西尾根登山口を入る。西尾根は最初植林帯が続
くが、しっかりした一本の尾根なのでルートに不安は無い。ペースメーカーの私を先頭にゆっくりと歩く。数年前から縦走用
の呼吸法と歳相応のゆっくりペースを会得したので、この歩き方だと歩行時間はかかるが休憩は必要としない。


10分程歩くと植林帯の林床にはツルシキミが生えており少し殺風景さを緩和する。

  
登山口での夫婦二景  こら〜準備運動せんか〜〜         登山口にはキツリフネがわんさか咲いている

  
 08時10分 西尾根登山口を道路から入る            密生した植林帯を進む  (踏み跡あり)


三等三角点「谷崎山」 1,202.95m

08時22分尾根に岩場が現れると植林が消え自然林となる。寒風山は基本的に厳しい岩山で岩が尾根に現われるのは当然の
事だ。傾斜も急になり倒木も尾根に横たわっている。
時々白い花が尾根を染めている。樹林帯の密生地では競って点に伸びる
のでちょっと上を見てもエゴノキの花は見えない。ヒメシャラやナツツバキなども花が散ってその存在を知る。


岩尾根を進むと08時45分三角点「谷崎山」に着いた。三等三角点だけに少し大きめで形が良い。この三角点は植林尾根と
次の植林尾根の間にある岩尾根に見つける事が出来る。



  
 林床にツルシキミが現れる                      08時22分 早くも岩場が現れた

  
    自然林が主体の尾根は良い                  一見自然林の様だが周りに植林されているのが見える

  
 岩尾根の急坂を上る                          08時45分 高松組で三角点を踏む


  三等三角点「谷崎山」 1,202.95m  平凡だが既に香川県には無い標高だ


又植林が現れる

三角点を過ぎると岩尾根が落ち着き又尾根の右手に植林が現れた。この辺りの杉は手入れが行き届いてはいない様でラフなス
タイルで立っている。枝打ちのされた杉林は暗い中にも美しさがあるが、手入れがされていない杉は魅力が無い。09時02
分真北から来た尾根との合流点となり、ここから少し右に曲がって植林の間に続く尾根を進む。


09時15分シャクナゲと岩がセットで尾根に現れ出し一挙に荒々しい景色に変わってきた。そんな中でギンリョウソウが林
床からひょっこり頭を出している。最初は不気味とさえ思った花だが、見慣れると馬の顔みたいで多少可愛くもある。この辺
りからは植林も疎らになりリョウブなどの自然林が尾根の主体になる。傾斜が急になりシャクナゲが出てくると岩尾根然とし
て来る。


 
又 植林帯の尾根になる                      09時02分尾根のターニングポイントを通過

  
 植林帯がある尾根は広くて歩き易い                09時15分 岩場のサイン シャクナゲが現れた

  
  岩尾根となる                            ちょっとカワイイ ギンリョウソウ(銀竜草) ツツジ科ってか?

  
  岩とリョウブの尾根                          09時40分 優しい尾根も現れる

裏寒風のオオヤマレンゲ 現る!

09時48分霧の漂う尾根の左手にオオヤマレンゲの蕾を目の良いナッチーさんや伊予の鈍亀さんが見つける。ほとんど蕾だ
が目的の花が現れた事を喜ぶ。更にシロドウダンのぶら下がる急登を進むと又大山蓮華の蕾があった。最初の一つを見つける
と不思議と二つ目が容易に見つかるものだ。


10時00分から笹が足元を覆う様になり、亀吉さんがダケカンバの間をドンドン進む。すると3本目のオオヤマレンゲの花
が咲いていた。一瞬青空が見えダケカンバが美しい。笹原を這い上がると10時08分広場の展望所に出る。ここから裏寒風
の岩峰を見上げる事が出来るのだが又、ほぼ霧で覆われていた。但しここからは寒風山の本峰は見えない。


更に笹に覆われた斜面をトンネル口ルートの合流点に向かって樹林帯を這い上がって行くと10時18分立派なオオヤマレン
ゲの自生地があり大きな花が見られた。この4番目のオオヤマレンゲがいわゆる「裏寒風の大山様」と呼ばれて登山者が上か
らここまで下りて見物する樹だろう。少し時期が早かったがみんなでこの天女花を楽しむ。


  
  シャクナゲの荒っぽい尾根に変貌                 霧の中に天女花の蕾を見つける

  
  咲いてる花もあるわよ                        シロドウダンを潜る

  
 又 オオヤマレンゲの蕾があった                   10時00分 足元に笹が出てきた

  
 ダケカンバに青空が良く似合う                    10時06分 3本目のオオヤマレンゲ

  
 10j樹10分 展望所に出るが待っても霧が抜けない      主林帯の斜面へ入って行く


  10時18分 4本目のオオヤマレンゲがあった  これが裏寒風の本命だろう

  
   咲いている花や蕾もそこそこ有る                ここが裏寒風のオオヤマレンゲと言われている樹だろね

トンネル西口ルート分岐

オオヤマレンゲの樹を過ぎると、なだらかな笹のスロープに大岩が現われ踏み跡が左側を巻いている。少し濃いめの笹を上る
と10時34分見覚えのある「トンネル口分岐」に着いた。ここのダケカンバには2本の分岐テープがあり、岩山が迫るので
特徴的な場所だ。以前、マーシーさんや伊予の鈍亀さん達と炭の道を歩いた後に夕方ここを下ったのだが、西尾根へのルート
に自信が無くトンネル西口へと下った場所だ。この分岐付近は地図を見るとなだらかな斜面で、西尾根への明確な尾根が未だ
現れないのでジオグラフィカ地図でルート判断は難しい地形だ。

この分岐岩場の岩棚に何か白い花が咲いているので確認に行くとイヨノミツバイワガサだった。この花は赤石山系でワンサカ
見られるので珍しくも無いが、岩棚にチョコっと咲いている姿は風情を感じさせるものだった。何でもシチュエーションって
大事なものだ。


  
 10時25分 大岩の左側を巻いて踏み跡が続く         深めの笹原を上がって行く


10時35分  トンネル西口分岐への合流点  正面の岩壁と右手の樹に巻かれた2本のテープが目印だ

  
合流点からトンネル西口へのルートを見る(笹薮っぽい)     正面の岩にはイヨノミツバイワガサしか咲いていなかった

橋本整備道で稜線へ

さて分岐からは崖みたいな岩場を這い上がるのだが、大いに橋本整備のお世話になる。長年寒風山界隈で登山道の整備に尽く
されて来た橋本さんも高齢になり山に登れなくなった様だ。登山者が当たり前みたいにして利用しているロープや階段だが、
それを取りつけたりメンテナンスをする作業や費用や苦労を知る人は少ない。最後には多少過剰気味な整備活動の為に環境省
の役人に目を付けられたと本人から聞いていたが、特に冬の寒風山登山の安全に寄与した功績は大だ。橋本整備に感謝しなが
ら10時47分主稜線に上がる。


  
 橋本さんが取り付けてくれたロープがある             このロープは下り用

  
 10時47分 寒風山の南峰の肩に這い上がる          寒風山 南峰の稜線を本峰へ進む


寒風山

寒風山は1,763mの山頂標識ピークを差すが、南側にも1,750mのピークを持つ双耳峰だ。この南峰は細尾根の為広
場が無いのであまり行く人が居ない。裏寒風から上がって来るとこの南峰の肩部に出て来るので嫌が応にもここを通らなけれ
ば本峰へ行けない。但し南峰ピークは藪いているので一旦登山道へ下がり寒風山へ向かう。
途中、キバナツクバネウツギやウ
スノキが咲いていた。


11時00分寒風山に到着する。残念ながらガスで展望は無いが目的は西尾根の歩きとオオヤマレンゲ鑑賞だから誰も不満は
無い。時間が早いが昼食にする。と言っても我々の昼食はおにぎりかパンを齧るだけである。ナッチーさんご夫婦はお湯を使
って我々よりワンランクアップの昼食を取っている。登山の方もワンランクアップを願いたいものだ。


  
 稜線を寒風山(本峰)へと進む                    キバナツクバネウツギ


 11時00分  寒風山に到着   ガスで展望はありません


行程2)縦走路のオオヤマレンゲへ (往復 約1時間)


さて、近くに高知の窪川からはるばる来られた我々と同年代の単独女性がおられて話をする。単独登山者は休憩中になると寂
しいものだから私は単独登山者には極力話しかける様にしている。中には孤独を楽しむ風変わりな単独登山者も居て迷惑がら
れるが、ほぼ話しかけると心を開いてくれる。山の話は性別や年代を超えて盛り上がるものだ。


我々がオオヤマレンゲの話をしていると土佐の女性が「私も見たい どの辺ですか?」と聞いてくるので説明をするがもう一
つピンと来てない様だ。最初、この女性に「どこから登られましたか?」と聞いた際に「トンネルの所からです」と答えた。
我々はてっきりこのトンネルを裏寒風のトンネル西口と思い込んでいた。話が通じないので良く聞くとトンネル口とは高知側
の正規登山口の事だった。(確かにあそこもトンネル口には違いない)


そこで裏寒風のオオヤマレンゲの場所まではちょっと無理かなと思った瞬間、亀吉さんが突然「ここから10分位笹ヶ峰へ行
く縦走路にオオヤマレンゲがあったやね」と言い出した。最初は{え?}と思ったが、確かに炭の道から笹ヶ峰〜寒風山へ進
む途中、ピーク近くの切り通し部でオオヤマレンゲの樹があった事を思い出した。

亀吉さんは早速スマホの地図を出して場所を節くれだった手で指さす。「10分では無理だけど15分か20分では行けると
思います」ってな事になって皆で行く事になった。これも高知の女性と話をしなかったら実現しなかった天女花確認行動だっ
た。


寒風山から笹ヶ峰へ向かうと最初に岩場を下ってその先に1,651mピークがある。その手前の尾根乗越し部にオオヤマレ
ンゲの樹があるのだ。冬にこの乗越しが雪で埋まると大変な場所になる。(ここにも橋本ロープがある)
11時15分寒風山
を出発して20分でこの切り通しへ着く。確かにオオヤマレンゲの樹があったがほぼ蕾のままだった。(一花だけは既に盛り
を過ぎて色褪せたのが有った)土佐の女性に折角来たのに申し訳なかったねえと言うとかわいい蕾が見れましたと言ってくれ
た。

ところか寒風山へ帰る途中でトラバース路でオオヤマレンゲが咲いているのを見つける。12時15分寒風山へ帰って土佐の
女性からお蔭で花を見れましたと言われて良かったと思ったし、我々もこの女性のお蔭で2か所花の場所を確認する事が出来
た。


  
  寒風山から笹ヶ峰縦走路へ出る                   マイズルソウが登山道に咲いている

  
  ガスで笹ヶ峰方面は殆ど見えない             岩場を下って一旦右手に下りて、次に尾根を乗越す所に大山蓮華がある

  
 ここのオオヤマレンゲは蕾だった                  シャクナゲの残り花

  
  帰りに縦走路で見つけたオオヤマレンゲ

  
  ツクバネソウとタニギキョウ                      トチノキの花?

裏寒風・トンネル西口へ下る

行程3)寒風山〜裏寒風〜トンネル西口  約2時間45分

 
      カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図   裏寒風・トンネル西口への下山ルート図

西尾根分岐から次の目標、展望広場まで10分弱

12時25分寒風山の山頂を出発し南峰へ向かう。途中鈴なりのウスノキを眺めながら尾根分岐を下る。又、橋本ロープのお
世話になりながら12時42分西尾根との合流点(分岐)に着く。確かに2本のテープがなければ右手の西尾根へは下りにく
い地形だ。と言ってもトンネル西口へのルートも注意が必要だ。


西尾根分岐から笹薮の真ん中に踏み跡が薄い尾根を少し下る。ところがこの尾根はやがてとんでもない岩尾根となって崖の為
に歩く事が困難だ。だから思いの他上部で一つ南側の尾根へと「尾根換え」が必要となる。このトラバース路が一部ガレ場や
踏み跡の薄い場所があり下りにこのルートを使うとややこしいのだ。


最初の笹藪尾根を3分程下ると、左手の斜面に向かって踏み跡が下りて行く。笹が深いのでザッと見ると道が切れる様に見え
るが、よ〜〜く見ると笹の間に踏み跡が確かにある。踏み跡が無い場所はルート間違いと考える方が無難だ。腰までの笹を踏
み跡に沿って下ると12時50分広い展望所テラスに下り着く。しかし今日はガスの為遠望は見られない。真上には鋭い大岩
壁がそそり立つ。これから進む左手(東)方向には桑瀬峠から見える寒風山の南岩壁が突き出し、その下に桑瀬峠が霞んで見
える。


  
12時25分  さあて、出発するかのう  ガスで何も見えんわ   ウスノキがたわわに実をつけている

  
 下山も橋本整備ロープのお世話になる               二つ目のロープ場を下りる


   12時41分 西尾根との分岐に着く  目印は木に付けられた2本のテープ (西尾根へはここから右手に下りる)

  
 笹の深い尾根を少し下る                       左上には険しそうな岩壁がそそり立つ

  
  尾根を左に少し巻く  笹は深いが足元には踏み跡がある    尾根筋へ回り込む

    
 今度は斜面を右手に下る                     前方に尾根の肩部が見えて来る (ここを左にトラバースしていく)

  
 振り返ると岩峰が見える                       左に見える岩峰は桑瀬峠から見える南岩壁だ


展望テラスから隣の尾根までトラバース道が続く 約1時間弱

テラスから5分程左手の大岩壁の真下まで下る。登山道を少し外れて岩棚を覗くとそこにウツギとユキワリソウが迎えてくれ
る。
ユキワリソウという名前には無雪期に咲く花として少し違和感がある。春に雪を割って花を咲かせるって意味では一般に
雪割草と呼ばれるミスミソウやスハマソウの方がピッタリくる。どちらかと言えば夏前に咲くんだから素人考えとしてはサク
ラソウで良いと思うんだけど・・・
兎に角、「ユキワリソウ」はこの時期湿った岩場で良く目にする可憐な花である。

13時05分岩場から登山道に帰って少し下がるとガレ場となる。登山道らしくない足場だが、ここは辛抱して5分程この
ガレ場を下る」事になる。下方に出るとそこから左への草地斜面のトラバース道となる。

 このトラバース道は草地の斜面で以前、上の稜線登山道にある梯子段から岩に沿って下りるとここに着く。フシグロセンノ
ウが沢山咲いていた場所だ。一見草地だが足元は石が沢山転がるザレ場となっており、この突き当りに「ケルン」が積んで
ある。ケルンから13時17分直角に下へ向かって下る。途中で獣道が涸れた小沢を左に渡るがそちらに行かないでそのまま
小沢に沿って下る。


13時28分膝の高さに生えた笹のトラバース道になると登山道に横たわる大木があり、それに「トラロープ」が巻きつけ
られているからルート上の目印となる。


すると水がほぼ流れていない沢があり、岩場に気を付けながら沢を渡る。ここにイブキトラノオが咲いていた。この沢を渡
ると木に「早く渡る」と書いた札が掛かっていたので、最後尾でグズグズ花の写真を撮っていたフェニックス・パパに指示
通り早く渡れ〜と急かす。
13時36分二つ目の沢を渡ると草の急斜面となり小さなお花畑だ。

  
 展望テラスから左手の踏み跡を辿ってトラバース路を進む   斜面に付いた踏み跡を辿る

  
最上部テラスより5分程下るとお花畑岩場がある           今の時期はユキワリソウとウツギだ


                      岩場に咲いた可憐なユキワリソウ 

  
 桑瀬峠と目線レベルが並ぶ                     13時05分 ガレ場を下る

  
ガレ場下りは5分程だが長く感じる                 13時10分 ガレ場から左へ外れてトラバース路に入る

  
 草地のトラバース路を進む                     草地だが足元はザレている

  
 13時17分 ケルンが積まれている                このケルンから右手に下がっていく

  
小さな沢の向こうに獣道が続く (これは間違いルート)      ケルンからザレ場の草地をそのまま下る

  
 笹のトラバース道になる                       13時30分 下山ルートの目印になる木に巻かれたトラロープ

  
 トラロープの直後に沢を渡る                     イブキトラノオが咲いていた

  
  沢を渡った所に「早く渡る」の標識がある            お〜〜い 絶好調男! 早く渡れってよ〜〜

  
 笹の斜面に沿って道が続く                     二つ目の沢を渡る

  
  フェニックス・パパもコケる事も無く歩いてるよ〜       お花畑の草地斜面  この先で下山尾根に合流する


  13時43分 尾根合流の目印となる標識が岩に掛っている
 

尾根分岐 (岩に標識) 裏寒風尾根からトンネル西口 約1時間30分

13時43分岩に「← 左 頂上へ」と書かれた標識が岩に掛けられている。ここが尾根替えのターニングポイントだ。
望テラスからこの岩場標識までがトラバース道で約1時間弱を要した。


この岩に掛けられた「左 頂上」標識まで来ると後は一本尾根を下るだけとなりホッとする。この尾根は寒風山から南に下が
った場所にある大岩壁から南西に旧国道まで延びている。岩尾根だけに二つの岩棚展望所や鎖場などもある面白い場所だ。


最初は低い笹が生えた尾根を時々大岩を避けながら尾根を下って行く。すると岩の回廊を抜けて14時00分テラスに出た。
振り返るとヤマボウシの花が咲いていて寒風山・南岩壁が頭上に覆いかぶさる。そして桑瀬峠が丁度目線に見える。このテラ
スの特徴は岩にツメレンゲが生えている事だ。
この岩テラスは迂回路はなく、岩尾根を直接下る。その為に3m程の崖が二箇
所あり、それぞれにロープが置かれておりこれを伝って下りる。


  
13時43分 下山尾根分岐を通過する                 最初は笹が生えた尾根が少し続く

  
 この岩壁は桑瀬峠から見える南岩壁だ               桑瀬峠と丁度同じ位の高度になった  奥は鷹ノ巣山


       真後ろに聳える南岩壁


  平成22年 しまなみ隊より頂いた上の尾根展望所よりの写真

  
 振り返るとヤマボウシが咲いている                 ここの岩場にはチャボツメレンゲがある

  
 ドウダンツツジの葉が虫コブに                    岩場の先に出て尾根筋を下る

  
  岩尾根を下る                             ロープが設置されている

  
「絶好調〜〜」 掛け声はええから早よ下りて来い〜〜!     下の段にもロープ場がある


岩を下って樹林帯の尾根を進むと14時17分、次の展望テラスに着く。ここからは北側の迫力ある岩峰尾根が眺められる。
最初に下り始めた尾根が険しい岩場になり、ルートを変えざるを得ない訳を知る事が出来る風景だ。しかし人を寄せ付けない
美しさを感じる。修験者ならこんな場所に神を感得するのかも知れない。このテラスは先が有る様に見えるのだが崖で行き詰る。
従ってヤマボウシの花が咲く左手の急斜面へと一旦下り、そこから尾根を外さない様にして復帰する。シャクナゲの生える岩
尾根を右へ左へと避けながら尾根を下って行く。


  
 樹林帯の尾根を下る                         14時17分 下の岩展望所テラスに着く


   平成22年 しまなみ隊から頂いた下の岩展望所よりの写真  この南西尾根はちょっと歩けんやろねえ


   同じく平成22年しまなみ隊より頂いた下の展望所が崖行き詰る写真  奥は伊予富士

  
 フェニックス・パパも順当に遅れてやって来た          下の展望所テラスは左にトラバースして下がる

  
 展望所から一旦左へ下りて、下側で尾根に復帰する       シャクナゲの岩尾根は右手を迂回する

14時35分岩尾根の急斜面となり慎重に下って行くと「鎖場」が現れる。鎖場を下りて少し左へ進むのだが、以前夜にここ
を下った時に私は真っ直ぐに下りて途中で滑落しそううになった場所だ。昼間見れば何て事もない場所だが、やはり夜は危険
が潜む。


その後は14時50分一ヶ所だけ岩をロープで下る場所があるものの平和的な尾根激下りとなる。最後は左手の沢筋へ向かい
15時05分沢のガレ場を渡ると道路が左手に見え、寒風山隧道西口に下り着いた。


  
 結構急な斜面だがナッチーさんはバランスが良い       岩尾根をドンドン下る

  
 伊予の鈍亀さん達は藪尾根のスペシャリストだ          おう 銀の竜が仲良く並んでいる

  
 14時40分 鎖場が現れる           昼間に通れば何て事もない 私は夜に左に進まず、この木の間を滑った


              Vサインはええから早う下りて来〜〜〜い

  
 その後もドンドン下る                          傾斜は急だが樹林帯なので安全だ

  
  最後のロープ場   ナッチーさん              何となくどこか危なげに見えるフェニックス・パパ  先入観か?

  
 細尾根の下りが続く                          羽根が生えてないけどフェニックスだ  膝も痛くないらしい

  
 サワルリソウ(ナッチーさんに教えて貰った)                  オトシブミや〜〜

  
 沢を渡ればゴールは近い                       石垣フェチの亀美さん

  
  15時07分 道路が見えた〜                   15時08分 伊予の鈍亀さんが待っている


  バンザ〜〜イ   もうこれで夫婦一緒にどこでも行ける!! フェニックスにも賞味期限があるので大事に膝使ってね

登山道は自然の山の中にある訳だから条件が悪い。人の歩きが途絶えるとすぐに草木が生い茂り踏み跡を隠す。裏寒風くらい
のワイルドルートを危険だから通行禁止などにしていたら何時まで経っても四国の登山者はステップアップしない。


今回、ナッチーパパの復活ぶりをこの裏寒風周回歩きを通じて皆で確認出来た。まあ、歳なんだから無理は禁物とは言え、次
第に減りつつある同年代の山仲間の中で一人脱落から踏み留まって事を嬉しく思う。



付録

3年前の秋に堂山仲間で裏寒風をトンネル西口から上がった。その時に作成した「裏寒風・上り地図解説」を当時のメンバー写真と共に
掲載させて頂きます


   裏寒風・トンネル西口コースを上りに使った場合の解説図  (カシミールソルトを使ったGPSトラックログ図)


    三年前の堂山・裏寒風登山隊   え〜ちゃん 木村さん夫婦 ナッチーさん夫婦  徳ちゃん


      裏寒風・トンネル西口   下の岩展望所にて


              裏寒風・西口コース  上の岩展望所にて

堂山隊でも歩けた裏寒風! 恐るるに足らず !! 東赤石の八巻岩峰、前赤石、石鎚東稜コースと同様に日本アルプス歩きを目指して
ドンドン歩きましょう!

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