雪を求めて中国地方へ遠征 「大山」と「氷ノ山」

プロローグ

今年、四国の雪不足は冬山プチ歩きをする登山者にとって少し物足りない内に春を迎えようとしている。西日本全体的に
雪は少ないとは言え中国山地へ行けばそれなりに雪山を楽しめそうな気がする。そこで伊予の鈍亀さんを誘って伯耆大山
と氷ノ山へ出かける事にした。


第一部)大山 平成31年2月24日(日)
大山石の鳥居(登山口)〜夏山登山道〜弥山〜夏山登山道〜石の鳥居


カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図

坂出北インター近くのコメリ大駐車場で06時50分伊予の鈍亀さんと合流し瀬戸大橋を渡り岡山〜米子自動車道を繋いで
溝口ICを下りる。天気は申し分無いし、下道は雪がほぼ無かったが大山はそこそこ白い雪を被っていた。


ところが思いは皆同じで今季最後の雪山を求める登山者やスキーヤーで混雑しいつも使っている公営駐車場は満車で入れな
い。仕方なく行きに確認していた沢近くの広場に引き返して駐車する。


09時10分環状線道路から出発し、丁度その近くには横手道(旧作州街道)の「石の大鳥居」があったのでそこをくぐっ
て適当に歩き夏山登山道へブナ林をショートカットする。


  
公営駐車場が満車の為広い路肩に停める             出発点が横手道・石の鳥居となる 09時10分出発

  
ブナの「根開き」が沢山見られる                    左上の夏道に向かってテキトーに進む

09時40分標高1000m標識付近で夏道と合流すると登山者やスノーボーダーが沢山登っている。大勢の登山者に交じ
って
10時05分標高1,200mの休憩所に着くとマジックハンドの様なストックを持った登山者が居たので見せて貰う。
どうもピッケルとストックが一体化した様な道具だった。


グリベルのコンドルという製品でグリップ部分にピッケル歯を収納出来ると言うアイデア商品だ。しかしどう見てもピッケ
ルとしては頼りなく、ストックとしては一本470g程ありオーバースペックの様だ。ちなみに値段は一本一万三千円程と
の事。


  
標高1,000m標識付近で大山夏道登山道に合流         良い天気に誘われて登山者が多い

  
10時05分 標高1,200m標識に着く              グリベルの「コンドル」 ストックとピッケルを一体化したもの

10時15分「大山五合目」標識を通過。すると左手が透けてきて三鈷峰とその向こうに甲ヶ山(かぶとがせん)が見える。
そこから15分程で
6合目避難小屋に着くと大勢の登山者が休んでいる。この辺りから樹林帯は無くなり見通しの良い急登
となる。元谷に生えた樹林の帯が白い雪の上に並び美しい。


  
10時15分 五合目通過                     10時30分 6合目避難小屋 背負ったスーパーワカンは使用せず


元谷の樹林帯が美しい  去年下った宝珠尾根の向こうに三鈷峰や甲ヶ山が見える 

  
 樹林帯がほぼ終わる  登山者が大勢山頂を目指す      下側を眺めてもやはり登山者が多い


風雲児しんクンに遭遇

11時10分急傾斜を喘いでいると伊予の鈍亀さんから「しんクンがいる」と言う声が聞こえる。え?まさかこんな夏道で?
ホンマや! いつもの鉄兜は被っていないがザイルを背負っているのでどうせヤバい場所からの帰りなんやろ。想定外の出
会いに喜んでいるとしんクンが「シマさんも一緒に来てます」と言う。シマさんと言えばとしぞ〜さん同様にしんクンのヤ
マップで良く名前を聞いている。
後ろから直ぐに追いついて来たシマさんもそうぞう通りいい男じゃった。一緒に居た山女・マッキーさんも精悍でさすが大
山・北壁を弥山に這い上がって、剣ヶ峰を往復してきただけの事はある。若いって羨ましいと思った。


3人と別れを惜しんで先を行く伊予の鈍亀さんを追う。弥山に続く尾根には大勢の登山者の姿が連なっていた。しんクン達
が這い上がった北壁をしみじみと眺めながら歩く。



  マッキーさん シマさん、エントツ山、しんクン    シマさんとは初対面、しんクンと会うのは正月の石鎚以来やった

  
え? 今日のメインは北壁這い上がりより尻セードなの?      さらば 勇者達よ 皆に勇気とお笑いを!

11時25分山頂への緩斜面に着くと冬場にはあまり見たことが無かった木道が現れている。やはり例年よりは雪が少ない
のだ。
別山を覗くとクライマーがザイルを伸ばして這い上がってくる。岩場が露出して見るからにヤバそうな場所がある。

12時00分弥山三角点に出て剣ヶ峰方面を眺める。去年はここを歩いてユートピア方面へ下ったのだが、今年は雪が少な
くヤバそうな感じだ。


  
 大山北壁   弥山と剣ヶ峰                     足元の雪が割れてズレかけている

  
 木道がこんなに見えるのも冬場は珍しい              う〜〜む シェーも板に付いたもんだ


 別山は岩がむき出している  クライマーも結構見られた

  
別山から這い上がってくるクライマー  別山って岩尾根ピークだ   高度感がある  バックは孝霊山(高麗山)


 弥山避難小屋付近は休憩中の登山者で一杯なので先に三角点へ行く事にする 孝霊山と弓ヶ浜は霞んでいる

  
  弥山三角点に向かう                         弥山三角点から避難小屋広場を振り返る


  弥山三角点から剣ヶ峰  今日は眺めるだけ   左奥は振子ヶ山か野田ヶ山か

  
 三角点で伊予の鈍亀さん                        同じく三角点でアラコキ コンビ

12時20分避難小屋付近に帰って昼食にする。鈍亀さんは小屋の中に入って昼食だが、私はアイゼンを外して又着けるの
が面倒なので外で食事を取る。
近くには老クライマーが海外の山へ登った話を仲間にしている。そこへ北壁を登って来た若
いクライマーが来てくだんの老クライマーに敬語で話しかけている。このグループでは結構幅を利かせている歴戦の勇士の
様だ。ふと高御倉山さんの事を思い出した。



  三角点付近から大山北壁を眺める   下方に見える岩が別山ピーク

  
  こりゃ何じゃろかい?                         方位版には見える山名が記されている

  
12時20分 登山者が少なくなったので昼食にする  避難小屋の前でカップヌードルをすすりながら行き交う登山者を眺める

12時50分避難小屋を後にしてドンドン下り、途中で登山道を外れて石の鳥居へと下り14時25分車に帰る。大山は天気
の良い冬場に来ると5時間程の歩きで大いに雪山の雰囲気を楽しむことが出来た。


  
12時50分 山頂避難小屋を後にする                ダイセンキャラボクも少し霧氷状態が残っていた

  
殆どの登山者は下山中で登って来る人は少ない          今年はやはり雪が少なくブナ林が目立つ


    さらば大山よ  来年も来れたら良いのだが・・・

  
         ドンドン下りる                      ブラックダイヤモンド ネーベ アルミアイゼン ちびる〜


      ブナが雪の上に影を落とす樹林帯を下る

出発点の横手道にある大山「石の鳥居」は岡山の日野方面から大山寺へ訪れる参道入り口として立ち、高さが7m、周囲2mも
あるそうだ。鳥居の根元や横に立つ標識もブナ木と同じ様に「根開き」現象が見られた。よくブナは水を吸い上げるのでそこが暖
かくなり雪を融かすとか言われるが、どうも木の幹や標識、鳥居などが太陽を浴びて熱を持ったり、雪からの反射熱などで基部の
雪を融かす様だ。

  
石の鳥居も太陽の熱と雪の反射熱で「根開き」になっていた  14時25分 車に帰る


さて、大山を下りてから氷ノ山へ行くか相談して決めようと言ってたのだが、何も相談する事無く惑わず次の雪山を求めて
氷ノ山へ向けて出発する。



第二部)氷ノ山  平成31年2月25日(月)


わかさ氷ノ山スキー場駐車場〜氷ノ山キャンプ場登山口〜氷の越〜赤倉山〜氷ノ越〜氷ノ山〜三の丸〜西尾根〜
スキー場ゲレンデ横〜わかさ氷ノ山スキー場駐車場 8時間10分



カシミールソフトを使ったGPSトラックログ図

前日、大山から日本海沿いに鳥取に出て、一般道を氷ノ山へと進む。道路には雪は無く快適なのだが、山の中に入り道路沿
いに雪が出て来ると私はテントを張る場所が心配になる。運転手の亀吉さんは自分たちは車中泊なので「何処にでも(テン
トは張れますよ」と呑気なものだ。オートキャンプ場があるので最悪そこでお金を出してテントを張ろうと考えていた。


わかさ氷ノ山スキー場近くに来るとさすがに道路の周りは雪が積もってテントを張れそうに無い。幸いにして無料駐車場が
あり、そこのアスファルトは晴天の為雪が融けていた。
日曜日の夕方なので登山者も少なく車も2台しか居なかった。

風の少なそうな隅っこに車を停めて貰ってテントを張る。自立式ダブルウォール「ファイントラック・カミナドーム」の設
営は簡単で中にザックなどの道具を入れるとペグを打たなくても安定する。あ〜〜良かった これで寝床は確保する事が出
来た。


  
沢山の風車が並ぶ日本海沿いの国道バイパスは快適だった    何とか明るい内に氷ノ山駐車場でテントを張れた


     無料駐車場からキャンプ場内をウロウロし登山口を見つけるまで1時間を要した

翌朝(2月25日)06時過ぎに起きてお湯を沸かし山専ボトルに入れながら質素な朝食を取り、ゆっくりとテントを片付
ける。
07時20分やっと準備を整えて駐車場を出て舗装道路をキャンプ場登山口へと進む。

 
 お湯を沸かして質素な朝食の後、テントを片付ける   さて氷ノ山・無料駐車場を07時20分出発する

道路標識は「国道482号線」となっている。この482号線は米子市〜京都府宮津市を結ぶ一般国道で途中で岡山県(真
庭市)や兵庫県(豊岡市)などの山間部を他の国道と重用されながらクネクネと続いている。でもこの若桜(わかさ)町の
県境部は通行止めになっている様だ。

登山口になっているオートキャンプ場は雪に覆われて車も入れず冬季は閉鎖していた。(後からHPを良く見ると営業は4
月上旬から11月下旬までとなっていた)
07時45分国道からオートキャンプ場へ入る道路には雪の高い壁になっており
除雪もされていない。雪壁を乗り越えてトレースが続く小高いオートキャンプ場の敷地に入る。右手後方には下山尾根にな
る「わかさ氷ノ山スキー場」のゲレンデが見える。


  
国道482号線をキャンプ場へ向かって歩く            キャンプ場分岐 右に入ると道路は除雪されていなかった

  
スロープを左に回り込んで上がって行く              正面がコッテージなどがあるキャンプ場で、左奥が登山口  


右奥から氷ノ山国際スキー場のゲレンデが見える  尾根筋からあれに沿って下山してくるのだ

08時20分斜面の杉林に続く氷ノ越登山口へと入る。雪に覆われた小さな沢は水が流れている部分だけが雪解けになって
おりこれを「谷割れ」と言うらしい。

標識類が沢山見られて斜面には大きな「氷ノ山と山岳信仰」の説明板が立てられており、氷ノ山の名前の由来が天照大神が
旭日に映える樹氷を見て「ヒエの山」と称された事、江戸時代には鳥取から若桜(わかさ)を経て但馬(たじま)へ抜ける
「伊勢道」として元伊勢参りに利用されていた事、更には氷ノ山は古くは「須賀の山」と呼ばれて山頂に須賀の宮神社があ
り主に因幡(鳥取)側に住む人々の信仰の山であった事などが書かれていた。。。


08時50分、つく米(まい)川の支流谷を詰めて急傾斜を這い上がると一旦平らな場所に着く。つく米川は日本海に注ぐ
一級河川千代川(せんだい)川の支流八東川(はっとう)川の上流部である。
ここにツキノワグマの生息看板が立っている。
氷ノ山はツキノワグマがたくさん生息しているらしく、登山道には無数の新しい足跡が残されていた。


  
08時20分キャンプ場登山口の植林帯に入る           標識や案内板は十分過ぎるくらい各所に立てられている
登山口から氷ノ越まで 1.5km、氷ノ山の山頂まで3.6km  登山口から200m入った場所が町道登山口からの道と合流らしい

  
 沢筋の雪が融けている これを谷割れと言うらしい       こんな大きな案内板が各所にある

    
春米(つくまい)川の支流の谷に沿って登る             斜面の樹林帯を登って行く

    
08時50分 一旦平らな地形になる ここは右手の斜面へと進む   ツキノワグマが生息しているらしいぞ

  
ゲッ この足跡は?!                          熊 クマ くまもんやで〜〜〜

  
 旧伊勢道に関する説明板 

氷ノ越 (旧伊勢道」の峠

氷ノ越登山道には沢山の標識が置かれて安心感がある。09時10分この氷ノ越登山道は「旧伊勢道」だったとの解説標識
が立っている。平たく言えば三重県の伊勢神宮の地が定まる前に、京都府福知山付近に暫定的に伊勢神宮が置かれていたら
しく、ここが「元伊勢」と呼ばれた。
江戸時代や明治時代に鳥取の米子方面からこの元祖・伊勢神宮への参拝の道がこの氷ノ越だったとの事。天皇の先祖の神と
して威厳のある伊勢神宮は天照大御神(アマテラスオオミノカミ)を祀る「皇大神社こうたいじんじゃ」=「内宮」と、衣
食住、産業の神、豊受大御神(トヨウケオオミノカミ)を祀る「豊受大神宮」=「外宮」(げぐう)があるが、この元伊勢
にも同じ様に内宮と外宮が存在する。


ここから又急斜面を這い上がると鋭い三角屋根の避難小屋が見えて09時30分氷ノ越に着いた。氷ノ越は鳥取県と岡山県
の県境尾根にある。

四国に住む我々にとって兵庫県と言えば姫路や神戸など瀬戸内海側のイメージが強いが、有名な城崎(きのさき)温泉のあ
る日本海側も又兵庫県である。昔は兵庫県の北部は但馬(たじま)と呼ばれて、元伊勢道は因幡の国(鳥取県)から但馬
(兵庫県)を通って元伊勢のある丹波(京都府)まで通じていた。兵庫県側には石畳も残されている。


氷ノ越の避難小屋横には大きなイグルーが作られていて中に入って遊ぶ。南東方向には目指す氷ノ山のシンボル避難小屋も
見える。


  
旧伊勢道に関する説明板                       急傾斜を峠に向かう

  
09時30分 氷ノ越に到着 避難小屋がある            避難小屋のすぐ横には巨大なイグルーが作られていた


  ここなら安眠できそうやで ツタンカーメン亀吉      発掘された時にシェーの形でいよう


  目指す氷ノ山が見える  目印は避難小屋だ

赤倉山  1,332m

氷ノ越から北側を見るとなだらかなブナのスロープが魅力的だったので赤倉山までピストンする事にした。この歳になると
「次来た時に行こう」などは禁句で、どの山もう来れない可能性が高い場所なのだ。


雪は結構多いが適当に締っているので歩き易く、周りの雪景色とブナを見ながら09時50分細い赤倉山の山頂に着いた。
四国にもブナ林は結構あるが、比べものにならない位中国地方のブナ林は規模が大きい。若干細身だが背が高くて数が多い
ので遠くからでも雪山に映えて見応えがある。
北側には扇ノ山らしき雪山が見えるがその他の山々は馴染みが無いので良く
わからない。南側には尾根が遠くの氷ノ山まで続いている。


  
 天気が良いから反対側の赤倉山へ行きましょう         この山域はブナが素敵です


  赤倉山斜面はブナが魅力的だった  亀吉さんは私より脚力が強い

  
 赤倉山の山頂部は細長く狭かった                 帰りは反対側の山頂へ出た後、少し近道で帰る


 赤倉山からは氷ノ越へ下りて氷ノ山までの尾根筋が見渡す事が出来た

10時15分一旦氷ノ越まで下りて尾根を氷ノ山へと進む。なだらかな尾根には雪庇も少し見られ、各ピークでは見晴が良
い。
先日テレビで見たNHK・BSの氷ノ山は無雪期なのでうっそうとした樹林帯を歩いていたが、雪の季節は見通しが良
く痛快な縦走が楽しめる。
帰りに下るスキー場へのルートを右手に確認しながらゆっくりと雪山を楽しむ。

11時15分雪に半分埋まった大きな看板があり、ここが仙谷(せんだに)コースへ下る分岐らしい。トレースが無い所を
見るとこの時期はあまり歩かれないルートだろう。
少し歩くと前方に岩峰が現れた。甑(こしき)岩と言うらしい。
甑(こしき)とは米や豆を蒸す道具の事で成程、蒸し器の様な形をしている様だ。この岩を左に巻いて前方へ出ると氷ノ山
に向かって最後の急斜面となる。


  
 赤倉山に別れを告げる                        氷ノ山への尾根に入って進む

  
 モデルがええけんのう  知るか〜                尾根を左に回り込みながら氷ノ山が次第に近づく

  
 右手下方には下山するスキー場が見える             場所によっては雪庇が残っていた


    雪庇の上に立って氷ノ山をバックに鈍亀さん 赤と黒がトレードマーク

  
11時15分仙谷(せんごく)コース分岐の看板は雪に半分埋まっていた 方角的に右端の山がスキー場で有名な鉢伏山だろう


   正面に黒い岩山 「甑(こしき)岩」が現れた  どっちを巻くのか  それとも這い上がるのか?

  
 正面突破もありそうですが・・・・・                  ちゃんと左手に巻き道がございました


  氷ノ山の斜面を上りながら歩いて来た尾根と氷ノ越〜赤倉山を振り返る

  
 ひん曲がった老木に共感する亀吉                    山頂避難小屋が近づいて来た


氷ノ山(ひょうのせん)=須賀ノ山 一等三角点「氷ノ山」 1,509.77m

11時35分氷ノ山の山頂に着く。有名な三角の避難小屋があるが、残念ながら基部は土が露出していた。氷ノ山は鳥取県
地方では信仰の対象とされた山で昔、須賀の宮権現が祀られた須賀の宮神宮があった様で「須賀ノ山」と呼ばれていた様だ。
そして氷ノ越の北側にあった現在の赤倉山を氷ノ山と呼んでいたらしい。


兵庫県側では氷ノ山を標の山、豹の山、氷の山などと呼ばれていたので、陸軍省測量部が大正初期に地形図作成の時に兵庫
県側の呼び名を採用して「氷ノ山」と記入したとの事。
結局、人間の付ける山の名なんて結構いい加減なもので由緒とかを
主張する事はほぼ虚しい。
小屋の中には2組程の登山者が休憩中だったので、我々もここで昼食とする。


11時35分 山頂に着く あれ〜〜  避難小屋の周りは雪が融けている  まあそのお蔭で一等三角点を拝む事が出来た

  
この山行では三角点はここだけにしか無い           避難小屋の中で山専ボトルに入れてきたお湯でカップヌードルを食べる

  
旧火口と言われる「古生沼(こせぬま)も雪に覆われている    避難小屋は二階から入れる様に梯子が置かれている


12時15分小屋を出て三の丸への尾根道をなだらかに下って行く。右手にはキャラボクらしき樹があるがほぼ雪に埋もれ
ている。駐車場で昨夕会った登山者から結構壺足で大変だったと聞いていたが、そんな事もなく快適な尾根歩きを楽しめた。


12時40分天然ヒノキの樹林帯に入る。枝が雪に押されてマンモスの牙の様な形になってしぶとく上に伸びている。これ
が1月に霧氷モンスターへ変身するのだろう。



 山頂から下山する三の丸方向(正面奥)を見る  左手の小屋はトイレだが冬季は使用不可 チシマザサはほぼ雪に隠れている


         広がる雪原と青空歩きを大いに喜ぶ亀美さん


なだらかに下って行くが起伏はある   千年キャラボクも雪に埋まっている

  
     氷ノ山がドンドン遠ざかって行く                雪尾根に珍しい樹林帯が見える

  
12時40分 常緑針葉樹の林へ入る これがスノーモンスターになるのだが、枝が圧雪の為にマンモスの牙となっている

  
なだらかな尾根にも風が強いのか雪庇も残っている        う〜〜ん  下山なのに上りとはこれいかに?


   氷ノ山を振り返る  結構起伏がある


           何にしても気持ちの良い尾根歩きじゃのうし   三ノ丸が次第に近づく


         中央奥が扇ノ山(おおごのせん)かなあ?  

  
「三ノ丸」 1,465m

小高い丘から何度振り返っても氷ノ山の避難小屋が見える。こちらから歩くと中々氷ノ山が近づかないので滅入ってしまい
そうだ。
13時15分「三の丸」ピークの標識に到着する。ここで小屋にいた二人組がスノーシューを履いて追いついて来
た。三ノ丸には展望デッキや小振りだが避難小屋もあった。

  
13時15分  三ノ丸ピークに着いた       高い所ならどこでも直ぐに上がりたがる鈍亀夫婦 三ノ丸展望所


    お互い体が硬くなってしもうたのうし   小屋で会った二人組がスノーシューでやってくる

  
三ノ丸にも避難小屋がある やっぱり冬場は厳しい場所なのだ  三ノ丸から少し下ると又小屋があるぞ


更に少し下った「坂の谷分岐」から右手に回り込むとトイレ使用可の立派な休憩所があり、ここでアイゼンを着ける。
県境
尾根はここから南へ続いていくが、登山道はゆっくりと西へ回り込み、やがて北西方向の細尾根に向かう。左手にはなだら
かな県境尾根が南へ向かって延び、右手には氷ノ山や赤倉山が谷を挟んで眺められる。この辺りは美しいブナ林が広がって
いる。


  
トイレ付きの立派な休憩所ががる ここでアイゼン装着〜  標識によると三ノ丸から200m来た地点で、下山口まで3.0kmとある

  
 ここにも登山道の案内板とツキノワグマの説明板もあった   なだらかな尾根筋はもう少し続く


                       三ノ丸と氷ノ山


      赤倉山と氷ノ山   この辺りのブナが美しい


       左手の県境尾根に点在するブナ林

  
 今朝歩いたキャンプ場登山口付近と赤倉山           県境尾根を外れて志尾根を右手に回り込みながら下る


              ブナ林を細尾根へと進む


14時を過ぎると左右が切れ落ちた細尾根となり、樹林帯が始まる。14時20分スキー場のリフト最上部に出る。さて、
ここからどんなルートで下って行くのだろう? トレースを追うとゲレンデの左側を微妙に続いている。まあ左端だからス
キーやスノボー客の邪魔にはならないだろうがこれでいいにだろうか?と遠慮しながら下る。


  
 14時03分 細尾根に入る                      左が針葉樹林帯、右が灌木帯となっている


  歩いて来た赤倉山(左端)から氷ノ山の尾根を眺める   支尾根が幾つか見られる

  
 おおっ 下に何か見えるぞ  14時20分           わかさ氷ノ山スキー場のチャレンジコース最終リフト場だった


  このスキー場に沿って一番下まで下るのか〜  結構長いよね

14時30分一旦樹林帯に入るが15分程激下りの後、又ゲレンデに出る。中央部にゲレンデ施設の小屋がある。破線はゲ
レンデを横切っている様だがやはりそれは気が引ける。そのまま左端を下って行く事にする。


右手には今朝歩いた赤倉山と氷ノ山に続く尾根が並ぶ。15時00分リフトが頭上を横切って行くので手を振る。そこから
ゲレンデが左へ少し曲がって下がって行くので同様に左端を尻セードで下る。


  
 ゲレンデの左端に向かって下る                   そこから急な樹林帯をゲレンデに沿って下る

  
  ちょっと気になるゲレンデを覗く                   そして又 樹林帯を下る

  
 14時45分 スキー場の中間施設横に出る            ここからはゲレンデの左端を歩く


 登山口の氷ノ山キャンプ場と赤倉山から氷ノ山の尾根が一望出来る

  
  スノーボーダーが軽快に滑り下りて来る             ドンドン下る  少し尻セードもするが何か後ろめたい

  
 リフト下をくぐる スノーボーダーに手を振ると答えてくれた    やっぱ料金を払わずに尻セードは気が引ける

15時15分わかさ氷ノ山スキー場のハウス前に到着、すなわちそこが氷ノ山・三ノ丸登山口って事だろう。道路際でアイ
ゼンを外して少し国道482号線まで下り、そこから15時30分駐車場へ帰る。


  
15時15分 スキー場の入口施設に下り着く            道路に出てアイゼンを外す

  
 氷ノ山・鳥取側無料駐車場に帰り着く                帰り支度をして岐路につく

この駐車場からわかさキャンプ場登山口〜氷ノ越コース〜氷ノ山〜三ノ丸〜三ノ丸コース〜わかさ氷ノ山スキー場登山口
の周回は約8時間だった。天気に恵まれて快適な氷ノ山を歩く事が出来た。やはり天気の良い日を選べる退職者は贅沢な
遠征が可能だ。すまんのう 多くの労働者達よ 我々も40年以上働いて来たのだから許しておくれ

四国へは鳥取方面へ出てほぼ全線開通の鳥取自動車道〜中国自動車道〜岡山自動車道〜瀬戸自動車道とスムーズに帰る事が
出来た。


四国に雪が少なくなっても中国地方に遠征すればまだまだ雪山を楽しめるという旅だった。

     
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