別子銅山 「炭の道」を歩く

パート1)チチ山北面の炭の道 土山越〜馬道の別れ(舟窪)〜チチ山北面・炭の道〜西山越
パート2)笹ヶ峰北面の炭の道 天ヶ峠登山口〜天ヶ峠〜笹ヶ峰北面・炭の道〜宿〜西山越
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

別子銅山「炭の道」 チチ山北面と笹ヶ峰北面 土山越〜西山越〜宿〜天ヶ峠〜川来栖上部


カシミールソフトを使ったGPSトラックログ図 チチ山〜笹ヶ峰北斜面の「炭の道」



「炭の道」 パートII 天ヶ峠〜宿〜西山越え

笹ヶ峰北面の炭の道を歩く、帰りは笹ヶ峰〜寒風山〜裏寒風を下る

2018年6月16日(土) 
天ヶ峠登山口(川来須、旧寒風山トンネルへの旧194号線途中)〜天ヶ峠〜宿〜西山越〜笹ヶ峰〜寒風山〜
裏寒風・トンネル西口コース



カシミールソフトを使ったGPSトラックログ図  笹ヶ峰北面「炭の道」〜笹ヶ峰〜寒風山〜旧トンネル西口(伊予の鈍亀さん提供)


今年5月に土山越からチチ山北面の炭の道を西山越まで歩いた。今回はその西側、笹ヶ峰の北面に続く炭の道を歩く事にした。高知
からふーみんさんが参加してくれると言うので以前のメンバーと山根運動公園07時集合として西条へ向かう。


天ヶ峠の登山口は旧国道194号線の途中にあるのだが、随分昔の記憶を頼りに行くが植林の伐採作業などがあり以前と様子が変わ
っており良く分からない。取り敢えずユンボが作業する近くでマーシーさん達に降りて貰い、伊予の鈍亀さんと私で車を1台寒風山
西尾根の登山口広場に置いて引き返す。


分かりづらい入口付近と林業作業道に分断された炭の道

天ヶ峠登山口近くのスペースに車を停めるがやはりマーシーさんも取り付き場所で迷っている様だ。林業関係者の重機作業中なので
近くをウロウロする訳にもいかず100m程下がった場所から山際に入って道に出合う事とする。


08時40分電波施設のフェンスがある辺りが取りつき易く、そこから山に入って行く。すると5分もしない内にユンボで押された
作業道と出合う。霧が立ち込めた植林地帯の作業道を右手に詰めて行くと08時55分「炭の道」の合流点に着いた。間伐された杉
があちこちに転がっているが確かにしっかりした石垣が残っている。09時05分大きな岩を抱えた樹に出会うが枝打ちや伐採木が
沢山置かれているので中々道を追えない。


  
  08時40分 林業作業を避けて旧国道から斜面に取りつく  しばらく自然林の緩やかな傾斜を斜め右に進む

  
 5分程で作業道に出合う これを南へと進む            すぐに植林地帯に入る 良く枝打ちされた植林だ

  
  08時56分 石垣を発見して左上へ切りあがる        確かに石垣が積まれている (道を振り返った図)  


  09時05分 石垣の道を詰めると岩を抱いた樹に出合う  見覚えのある場所だ


09時10分右手に広葉樹が現われその方向に石垣の道が続いているので喜ぶ。しかしその道は直ぐに植林帯に入るとおびただしい
程の伐採木や枝で地面が見えなくなるほど覆われていた。まあ、寂しい事だが今となっては林業関係者には炭の古道など眼中には無
いのだろう。ノスタルジアに浸れない現実がそこに在る。


広めの石垣道は植林地帯をジグザグに上がって行くので、業道によって寸断された「炭の道」を追って進む。

  
植林の向こうは自然林の森みたいだぞ                  09時10分 自然林の中に石垣の道が続く


  これぞ古(いにしえ)の「炭の道」(馬道)じゃんか

    
このまま「炭の道」が続くと思ったのじゃが・・・・・        10分も経たない間に次の植林地帯になる それも伐採木が・・・

  
 伐採木を乗り越える                          09時20分ブル押しの作業道となるが石垣道に切りあがる

  
 斜面がズレて道幅が狭くなっているが石垣は残っている    地盤が安定した場所では石垣がしっかりと残っていた

  
  石垣道を追って左へ切りあがる                  石垣道を追ってブル押し作業道を横切る

  
 09時30分 伐採木の障害物                    ワテの人生は障害物競争の如し

09時30分倒木を乗り越えると植林帯の上部へ出た様で道が少し落ち着いて来た。なだらかな傾斜に付けられた道は古道の雰囲気
を醸しだす。道には風化によって節理が剥がれた板状の岩が沢山転がっている。
10時05分道のコーナーに立つ黄色いプラスチッ
ク製の杭には天ヶ峠神社とマジックで書かれていた。10時12  分炭の道が四角い大岩を回り込む。


  
 09時37分 植林帯の上部に出て右手の山側が自然林となる   石垣の積まれた「炭の道」を振り返る

  
 植林が消えて自然林の中に道は続く               この辺りの石垣の石は節理によって四角い形をしている

  
  霧が辺り一面に立ち込める                      10時00分 落石が道を覆う様になった

  
  右手の高い石垣はコケが生えている             前方に四角い岩が現れるとその向こうで道がヘヤピンカーブする

  
  ヘヤピンカーブに黄色い杭が立っていた 天ヶ○神社?   10時12分 ここまでは確かな道が有った


10時15分頃から大岩や崩れた石が多くなり道がはっきりしなくなった。それぞれ別な場所を手分けして歩きながら道の痕跡を
探す。どうも土や石が上からズレて来て道を隠してしまっている様だ。こうなるとどこも道の様で、どこも道では無い様で・・・
10時30分霧の森に日差しが差し込んで幻想的な風景だ。天気が回復してきた様だ。

  
 10時15分 ドデカい大岩で道が途絶える                あちこち手分けして続きを探すが見当たらない

  
 それぞれに離れて展開して道を探す                 上部に又植林帯が現れるが道は見つからず


  10時30分 霧の森に陽の光が差し込み幻想的だ  見とれていないで道を探さなければ・・・

10時40分明確な道に出てほっとする。普段我々は道の無い場所を歩いているのに慣れているので、道を探して歩く効率の悪さに
は参ってしまう。
11時02分支尾根を回り込む場所にある平たい石に境界番号が刻まれている。ここで休憩とする。

  
  どこかに道が落ちとりゃせんやろか?              林業テープに惑わされる

  
 10時40分 道らしき場所に出る                 石垣は見当たらないが確かに道だ

  
 道探しの名人マーシーさんも首を捻りながら歩く         11時00分 支尾根を回り込む

  
 境界を表す文字が岩に刻まれている               兎に角 少し休憩しましょう  亀美さんからおやつが出てくる


休憩の後、沢に出くわすとそこそこ規模が大きい石垣に出会ったのでその上側へと進む。11時20分石垣があるがその向こうは
ガレ場になっており、ここから又道が不明となる。


植林地帯へ踏み跡が続くのでそれを進むが、これは明らかに炭の道では無いと気付く。目標より北側へ進んでしまったので無理をし
て急な斜面をお構いなしに尾根に這い上がる。


  
 境界杭の先にあるガレ場に向かって赤テープが見える     急なナメ沢を渡る

  
11時12分 大規模な石垣が積まれているのでその上に出る  う〜〜ん  微妙・・・

  
   山際に石垣が有る                           う〜〜ん  微妙〜〜

  
  細い道があったのでそれを少し北側に向かって進む      この道も植林帯で途切れる

  
  11時37分 炭窯が有った                     取り敢えず尾根に向かいましょ

  
   もうすぐ尾根だわい                         12時02分 尾根に上がる 天ヶ峠はもう少し南側だ

天ヶ峠(あまがとうげ)

12時02分尾根に這い上がって亀美さんよりおやつの配給を受ける。伊予の鈍亀さんと一緒に山歩きに行くと結構おやつの配給を
受ける。それが亀吉さんのザックに入っているのだろうが・・・ ふ〜みんさんからもよく手作りケーキを頂く。他の山行でもそう
だが女性はおやつのエンターテイナーだ。

這い上がった尾根の位置をGPSと地図で確認するとやはり天ヶ峠より少し北側の又兵衛岳へ至る尾根筋だった。最近はGPSで自
分の位置を知ることが出来るので非常に便利だ。尾根を南に進み天ヶ峠を目指す。途中で大岩の展望所に出て行き詰まった。西側が
開けて扇山、西黒森、瓶ヶ森が見える。折角だから少し展望を楽しんで右手からこの大岩をトラバースして尾根筋へ出る。少し尾根
を進むと12時25分やっと第一目的地である「天ヶ峠」に到着した。

そこは標識もお地蔵さんもなく石積みが有るだけの素朴な場所だ。この峠から西側に石垣が積まれた炭の道」が川来栖方面へ下って
いる。次回は逆に天ヶ峠からこの道を辿って不明だった場所を明らかにしようと話し合った。


  
      西黒森山   瓶ヶ森                 扇山    12時15分尾根の岩展望所より

    
              エントツ山とマーシー                 ふーみんさん 伊予の鈍亀さん

  
 大岩展望所の手前から右に下りて岩横をトラバースする        細尾根を南に進む


          12時25分 天ヶ峠に到着する  石垣がなければ見逃しそうな場所だ

  
  バタバタしたけど一応天ヶ峠まで着いた             天ヶ峠から西に石垣道が伸びていた  次回の課題


笹ヶ峰北面の炭の道に入る

さていよいよ天ヶ峠から笹ヶ峰北面の炭の道へと入る。この道もチチ山北面の「炭の道」同様ほぼ水平に付けられているので道は追
いやすい。リョウブなどの灌木藪の間に残る踏み跡を辿る。こちらはチチ山北面よりは地形が緩やかなので崩壊地が少なく歩き易い
印象だった。所々急斜面に細い獣道が付いた場所はあるが、伊予の鈍亀さん達やふーみんさんには古い言葉で言えば「お茶の子さい
さい」大した場所では無い。

ちなみにお茶の子とはお茶会に出る和菓子の事でさいさいは囃子言葉。お茶の和菓子を食べる様に簡単な事の喩えとして使われるが
さて今の若者には理解できるかな?。

左手の尖った又兵衛岳付近や右手の丸っこい笹ヶ峰を眺めながら歩いていると12時50分シャクナゲのちょっとした岩場が現れた。
岩場に架けられた丸木梯子は朽ち果てている様で本気で踏まないのが良さそうだ。そこを抜けると水の無い沢部に出る。こんな場所
は上から土や岩が落ちて来てガレ場になって足元が悪い。でも今日の仲間にはスリングを出す場面も無さそうだ。


  
天ヶ峠からの入口部は確かに道がはっきりしている       すぐに灌木帯に入るが歩くスペースは問題なし

  
 前半は傾斜が急なのでザレ場が多い               地盤が安定すると道筋が見える

  
 ザレ場、ガレ場があるが昔はどんな状態だったのだろう?   道筋がはっきりしている場所ではこんな具合

  
 又兵衛岳方面 天ヶ峠の北側尾根                 笹ヶ峰はまだまだ遠くに見える

  
 12時50分シャクナゲが出てくると岩盤が現れる  丸木橋が見える    でも この丸木橋は無理〜〜〜  

   
この岩棚にも丸木橋があるがここも朽ちていた          ザレ場を大きく上に迂回する

  
 12時57分 大き目の涸れ沢を渡る                まあ道と言えば道やろねえ 今では馬が通れない


  13時02分 沢を過ぎると岩盤が露出した崖部を渡る

  
  安定した斜面の風景はこんなパターン               上からズレた土砂が堆積している


13時10分 石垣が現れると「炭の道」の匂いがする


造成中の林道に出会う

13時12分大き目の石垣が現れるとその先がやはり水の無い沢部で結構荒れている。水平には進めないので一旦斜面を下って又上
り返す。ここにミズタビラコが咲いていたので写すがボケてしまっていた。コンデジ撮影で特に小さな花等はモニターで見るとちゃ
んと写っている様に見えるのだが帰ってパソコンで見てがっかりするケースは多々ある。このミズタビラコも伊予の鈍亀さんが撮っ
た写真を頂くことにした。 ミズタビラコ(水田平子)の花は同じムラサキ科のヤマルリソウに似ている。もっと良く似た花にキュ
ウリグサ(胡瓜草)と言うのがあり、これは葉っぱを揉むとキュウリの匂いがするそうだ。このキュウリグサの別名が「田平子」(
タビラコ)と呼ばれ、それに似ている水辺に咲く花って事で「ミズタビラコ」の名前が誕生した。花の名前って結構イージーな命名
が多い。


13時30分頃になると地盤が安定して植林杉なども見受けられる。すると前方が開けて支尾根の向こうに沓掛山が大きく」構えて
いる。どうもこの辺りは大規模な伐採地で前方にブルドーザーで押した道があり二又に別れているのが見える。足元には「炭の道」
の石垣が残されているがこんな伐採地跡はイバラだらけとなっている。


13時40分ユンボが置かれた作業道の二又に出る。近くに若い作業員が居たので「炭の道」の事を尋ねたが「どこにもこの先道な
ど無いですよ」とサッパリ話が通じない。下の作業道ではブルドーザーが作業中なので上の作業道を進む事にした。


さて10分程上の作業道を進むと沢部でこの道は行き止まりとなった。その先にも踏み跡や道は有りそうにもない。ここから一旦沢
筋近くを下る事にする。左下にはブルドーザーがガラガラと音を立てて道を作っている様子だ。この先に下りるとやはり「炭の道」
が現れた。結局、この辺りの「炭の道」はブルドーザーによって消滅しているのだ。


  
  結構高い石垣が築かれている                   13時15分 又 涸れ沢に出合う

  
 沢を渡り先へ進む                         ここに咲いていたミズタビラコ 伊予の鈍亀さん撮影

  
 13時25分 又 涸れ沢が現れる                 沢を渡れば地盤が安定

  
  13時35分 植林地帯に入る                   すると前方が開けて沓掛山が見える (伐採地)


   13時40分 前方にユンボが見えて道が二又に分かれているぞ  下の道が水平だが先でブルドーザーが動いていた

  
  伐採地でも足元の石垣を追う                   結局 造成道に下りる  右手、上側の道を進む

  
  造成されて消えた炭の道を歩く                   13時53分 上側の道が谷部で行き止まりとなる


13時55分沢部からブル作業で分断していた「炭の道」へと入る。10分程植林地帯を進むとちょっとしたザレ場があり、そこに
は丸太が置かれたり赤テープが見られた。
14時07分石垣が現れると「あ〜ここには未だ炭の道が残っている」と嬉しくなる。

14時25分手入れのされていない植林地帯になると笹が足元に現われる。すると森の中にガレ場があり見覚えのあるクリークを横
切る。以前ここを歩いた時には一面荒れた斜面だったのだが、今は見通しが悪く森が復活して来ている様だ。


先の方で沢音が聞こえて来た場所で物好きな仲間達は少し休憩を取る。歳を取るとやはり少し休憩をしないと元気が出ない。と言っ
ても長い休憩はもう歩く気力が失せてしまうので禁物だ。


  
左にブルドーザーの音を聞きながら下の道の延長線上へ降りる 13時56分沢筋から「炭の道」が続いておりホッとする


  14時05分 少し荒れた岩場にはテープやロープが置かれていた


  石垣が現れると往時の「炭の道」が蘇る   ここは石垣が2重に積まれている 分かれ道?

    
 植林地帯の平凡な「炭の道」になる                 う〜〜ん どの辺りまで来たかな?

  
 枝打ちされていない笹薮の道が少しだけ出てくる        14時27分 見覚えのあるザレ場が現れる

  
 14時30分 大規模なクリークを渡る  以前はザレ場だったが今は森になっていた

  
  クリークを過ぎた場所で休憩〜〜                 チチ山北面よりは楽だったよね


宿と西山越

14時47分水場に適した沢部を抜ける。その後は枝打ちされた植林地帯の中を笹の生えた広めの道が続く。

大ブナを過ぎると沢近くに整備された木の階段を上がり、見覚えのある笹ヶ峰登山道にもなっている木橋を渡る。平坦な植林地帯
を進むと15時05分「宿」に到着した。笹ヶ峰登山道の途中にある宿は以前からその地名が有名だが、今はおびただしい植林の
平地で何も昔の面影が残されていない。東平の別子銅山遺構などもそうなんだが、木造の建造物は長い間残らない。レンガ作りの
土台と植林の中に「病院跡」とか「社宅跡」とかの看板が頼りとなる。この宿も小さい標識が無ければ見逃してしまう。


宿から西山越へ向かう道筋には沢山の炭が地面に落ちている。別子銅山で使う木炭は火力の必要性から一般家庭で使う炭より短時
間で半焼き製品にしていたそうだ。

15時32分本日の「炭の道」ゴール「西山越」に着いた。ここで伊予の鈍亀さん達の念願だった舟窪からチチ山北面〜西山越〜
天ヶ峠〜旧国道登山口までの「炭の道」(馬の道)歩きがほぼ繋がった。


    
 休憩後 沢へ向かう                          自然が残された良い沢だ


              沢を渡り、又炭の道の石垣を探しながら歩く

  
 左:植林  右:自然林のパターン                   笹ヶ峰なんだから笹が有っても仕方なし


   何でもない風景なんだが今日のテーマは「石垣」だから・・・


      15時03分 大ブナに出合うと嬉しい  もう登山道は近い

  
  向こうに整備された階段が見えるぞ               15時05分 見慣れた木橋を渡る  ここは笹ヶ峰登山道だ

  
  ただっ広い場所にこれでもかと杉が植えられている          宿付近の登山道標識


 何も残っていない場所だが、標識でここに「宿」があった事がわかる  高知方面の集積地・ナスビ平も石垣でそれを知る

  
  西山越へ標識に従って進む                     西山越への炭の道

  
  ホラ 炭が落ちているよ                       ホンマや 炭俵が壊れて落ちたんやろか


  15時32分 ついに西山越で4人の「炭の道」チチ山北面と笹ヶ峰北面が繋がった  バンザ〜〜イ


帰りは笹ヶ峰から寒風山へ

はるばる高知から参加して頂いたふーみんさんは当初、ここから近くの笹ヶ峰登山口(吉井方面)へ帰ると思っていた様だ。
んがっ! 我々の歩きはそんな判で押した様なヤワな歩きはしない。


ここから笹ヶ峰に登り、更に寒風山まで尾根を歩き寒風山西尾根を下ると言う周回だ。これならデポする車の距離が短くて済み理
想的な縦走だ。誤算は天ヶ峠までの道中が意外と手間取り西山越の到着が1時間程予定よりオーバーしてしまった。
まあ私の歩き
には誤算と言う物はフツーに存在する。日も長くなったので何とか明るい内には下山出来る可能性は無い事も無い。アカン時はラ
イトを点けて下りれば良いと気楽なもんだ。

15時35分西山越を出発し、丸山荘への道すがら天ヶ峠や又兵衛岳のデコボコ尾根を眺めながら歩く。16時00分丸山荘で少
し休憩する。私が中学生の時は学校登山が盛んで課外授業一環として西条までバスで来て、それからこの丸山荘で一泊し、立川へ
下った。当時1学年500名近くいたから丸山荘も賑やかだった。



 西山越から丸山荘への登山道もブナが見事だ


  丸山荘手前から天ヶ峠や又兵衛岳方面を眺める  この後ガスで何も見えなくなった


 中学時代に丸山荘に全学年登山で泊まった思い出の場所だ  今はソーラーパネルがある


笹ヶ峰から寒風山へ

笹ヶ峰の北斜面をジグザグに上り16時55分笹ヶ峰山頂へ到着し祠にお詣りした後寒風山へ向かうそれまで良かった天気は笹
ヶ峰から寒風山へ向かうと急にガスが湧いて来て縦走路は霧に覆われて残念な歩きになった。笹ヶ峰や寒風山への縦走は珍しくも
ないのでこの記録では割愛する。

  
  丸山荘を見下ろす ガスが湧いてきて沓掛山は見えなくなった  笹ヶ峰登山道を歩くのは何年振りだろう


 16時55分 笹ヶ峰の祠にお詣りする  社の中には石土蔵王権現、右手にあるのは不動明王

  
出発〜 「アレ 腰が立たんぞ」 無理もない唯一70歳越えやから  コメツツジ

  
  マイズルソウ                     ドウダンツツジ (シロドウダン)
  
  
  17時45分 橋本整備ロープを上る         この岩場に来ればやっと半分を過ぎたかな

  
 寒風山手前のトラバース道  雪だと難儀する場所    結局ガスで何の展望も無かった笹〜寒風縦走路

18時35分裏寒風の下山口へと入る。ロープが置かれた急傾斜を下りた時点で西尾根にうまく乗れずに旧寒風山トンネル口への
ルートに切り替える。寒風山西尾根は上った事しかなく下りの分岐に関しては少し自信が無かったのだ。マーシーさんと二人だけ
だと冒険が出来るのだが人数が増えると安全策ってのが鉄則だ。ガレ場を注意して下り、途中ユキワリソウを見物したりしながら
尾根を一つ左側に乗り換える。この辺りまでは薄明るいのでルートを確認しながら下山する。


  
  18時35分 裏寒風下山口を下りる               しばらくは橋本整備道が続く

  
 ロープを伝って崖状の斜面を下る            18時45分 う〜〜ん  西尾根は予想以上の笹薮だ 進むの止めよや

  
 ユキワリソウがボケました                      19時03分 ガレ場を落石に注意しながら下る

19時15分緩やかな傾斜地のターニングポイントを注意深く右に下がり、見覚えのあるロープが巻かれた木を乗り越える。
19時30分岩に標識が置かれた場所を通過すると後は尾根を一直線に下がる事になるので一安心だ。数度ここを歩いているが夜
に下るのは初めてなので注意を払いながらゆっくりと下りる。


20時25分やっと鎖場を通過してゴールが近くなる。ここを下りた場所が崖になっており滑って樹の枝に捕まって這い上がる。
みんなが眺めていたが戦場カメラマンは居なかった様だ。


20時50分旧寒風山トンネル口に無事下山する。先程から下にライトが見えていたのだが、車の近くで昆虫採集をされている人
がいたのだ。世の中には夜に崖を下る人間も居れば、夜に山の中でライトを照らして昆虫を集める人間も居る。人生色々だ。


  
19時15分フシグロセンノウが咲く緩斜面のターニングポイント  19時20分 ダケカンバのチェックポイントを越える

  
小沢を渡って左へトラバースする                  19時30分 大岩に付けられた標識 ここから尾根を下る


19時46分  三日月の夕暮れを全員で感傷に浸る  日没から真っ暗になる前が何とも言えず寂しい気持ち

  
 まあ一人ぼっちじゃ無いけん                      20時25分  鎖場を下る

  
 亀吉さんのライトは強力だ 軍用だろうか?           20時50分 旧寒風山トンネル・西口に無事下山

ここから旧国道沿いに伊予の鈍亀さんの車をデポした西尾根登山口まで歩き、天ヶ峠登山口に置いたエントツ山の車に合流する。
それから新居浜の山根運動公園で解散となる。高知から来られたふ〜みんさんには気の毒な歩きになったが、別子銅山・炭の道を
マーシーさん、伊予の鈍亀さん達と楽しく歩く事が出来た。


  炭の道 パートI 父山北面の炭の道 土山越〜西山越の記録は       ここ    
  以前のエントツ山・マーシーの 笹ヶ峰北面 炭の道
 記録は            ここ       

    

   
        目次に戻る              トップページに戻る