平成30年2月8日

興居島三角点セブンサミッツ  干支の山「犬吠山」(いぬぼうやま)へ
 (ごごしま)


プロローグ

平成30年は戌年(いぬどし)なので干支の山は「犬」の名が付けられたピークとなる。

犬は人間の歴史上最も身近な存在で愛玩動物として生活を共にして来た。しかしながら、「警察の犬」「犬侍」「イヌイネ」
「イヌガヤ」「イヌブナ」「イヌビワ」「イヌツゲ」と犬の名がつくと正当な物では無い、役に立たないとか価値が低いとか
何故かそのイメージは宜しく無い。

身近な物が一番大切なのにそれに気付かなず逆に蔑(さげす)んだりする傾向が人間の傲慢さかも知れない。
それと関連する
のかどうかはわからないが気高い山・神の住む山に「犬」の名が冠される事が非常に少ない。


四国にある干支の山は徳島県の「山犬嶽」(999.2m)、愛媛県新居浜市の「犬返」(579m)、それに同じく愛媛県松山市興居島
の「犬吠山」
(123.68m) 位だろう。高い山では雪深い2月の事でもあり新居浜滞在中に犬吠山へ行く事にした。

直前にカタックリさんやtakahama さんが犬吠山へ行かれた報告を聞くと藪山で魅力的な山では決して無い。興居島にある小富士
は少しだけ有名だけれどこの2つの山を登ってもさしたる満足感も無いだろう。


それならこの興居島にある7つの三角点を全て踏んだらどうじゃ?という発想が出てくる。地形図を眺めながらそれを実現する
にはどうすれば良いかという手段を次に考える。必然的に自転車を島に持ち込んで周遊しようって作戦になる訳だ。


興居島(ごごしま)セブンサミッツ周回図


カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図 興居島周回 

平成30年2月8日早朝、高松から持って来た電動アシスト自転車を積み込んで高速道路を松山ICへ、そこから環状道路を利用して
三津浜経由で07時頃「高浜港」へ到着。
港の直ぐ前にある伊予鉄高浜駅の駐車場は一日650円なのでそこに車を預けて自転車を
下す。


07時25分発のごごしまフェリーで興居島・由良港へ向かう。片道乗客料金240円、自転車130円と結構安い。小説坊ちゃん
で有名になった「ターナー島」(四十島)を眺めながら15分程で由良港へ着き先ず三角点「由良」を踏む事にする。


  
正面が興居島の「小富士」でその右側が「船越山」          興居島フェリーに07時25分発由良行きに乗り込む


夏目漱石の小説「坊ちゃん」で有名になった四十島=ターナー島 松は一旦枯れたので人為的に植えられたとの事

第一章 興居島北部の三角点巡り

「由良」〜「神崎」〜「犬坊峠」(犬坊山)〜「戸ノ浦」


カシミールソルトを利用したGPSトラックログ図 興居島北部三角点巡り 由良〜神崎〜犬坊山〜戸ノ浦


興居島サミット1)由良山 四等三角点「由良」 71.91m (藪山)

由良(ゆら)という地名は全国に数多く見られる。語源はどうも「ゆるい」という言葉から来ている様で緩やかな平坦地を
表すみたい。海岸にこの地名が多いので海辺の緩やかな地形、砂地、入江の意味だろう。


由良港の北側に三角点があり道路を峠部まで進めば何とかなりそうだ。海岸線道路を適当に右に曲がって山の方に進むと郵
便局があり引き返す。歩いて移動の場合は近道を探すが自転車だと元に直ぐ帰って出直す事が容易になる。


広めのアスファルト道路を進みながら三角点峰の見当をつける。どこも藪っぽくこの山へ入る適当な小道は見つからなかっ
た。結局峠部まで上がって道路の法面にある立派な石段を見つけて07時55分そこから取り付く事にした。

この石段は右手にある荒れたコンクリート跡に続く道だったのだろうが、そこの藪は深くて左手の小尾根伝いに続く踏み跡
を辿る。
ところが昔はあったであろう掘れこんだ道跡はイバラが密生し2重3重の鉄条網と化し途中から進めなくなった。
寒がりの為モンベルの防寒着を着て来た事を大いに後悔する。


少し引き返して左手の高みに沿って入り口のイバラを踏み越えて進むとスズタケの藪になりホッとする。島の藪での強敵は
イバラと蔓の連合軍か覆いかぶさる鬼シダ壁なのだ。島のスズタケ藪は茎が細めで掻き分ければ何とか進む事は可能だ。


平らなピークまで10分程もがいて進むとコンクリートの四角い構造物があったのでそれに上がって周囲を眺める。GPS
と地図を出して三角点のある方角に当りを付けてスズタケの中に突入すると08時15分四等三角点「由良」を見つけて
ホッとする。
最初から目的の三角点が見つからないとこの旅は成功とは言えないからだ。元来たルートを引き返し15分程
で自転車に帰る。


う〜〜ん 最初からキツい藪の洗礼を受けた。ザックや服に付いた藪ゴミを払って意気揚々と次に進む。

  
峠に延びる舗装道路に入る 電動アシスト自転車の強みだ     葦の大藪・・・ここは止めとこう

  
 結局峠部まで来てしまった                      おっ 立派な石段があるじゃん これって楽勝かな? 07時55分登山口

  
 う〜ん 気味の悪い場所だし・・・藪だし・・・              結局法面(のりめん)の上側に出て小尾根沿いに攻める

  
掘れ込んだ踏み跡に沿って藪を進撃                    キャイ〜ン ツタの絡まるチャペールで祈りを捧げて引き返す

  
結局イバラを乗り越えて高みへと進む羽目に         キャイ〜ン2  まあ冷静に考えると、ここへ来た人間が悪いんだから藪に責任は無い!

  
スズタケ藪はかわいいもんやで でもイバラがあるぜよ      おっ コンクリートの草焼き場? とにかく高い場所に上がって状況偵察や

  
どっこらしょ  コンクリート台の上からは由良湾が見えるぜ     地図とGPSを出して三角点の方角を見定める うん! この方向や

  
ここから藪台地に下りたくないよ〜                         08時15分 結構綺麗な三角点標柱を発見 

   
08時15分 三角点を踏む                         四等三角点「由良」

  
コンクリートブロックは比較的新しい 何故?               モノレール跡を発見し後を追う

  
 ワオ〜 複合藪に突入してしまったぞ                こんな所からガサガサ下りると鉄砲で撃たれかねないので軽トラをやりすごす

  
08時28分無事帰還する 前方にデポした自転車が写っている   入り口だけは立派なお化け屋敷だったぜよ

興居島サミット2)神崎山  四等三角点「神崎」 (藪・葦の要害)

さて海岸線の道路に引き換えし風は冷たいものの日差しを受けながら門田集落を抜けて神崎から北へと海岸線道路は延びる。
08時55分三角点の真東は海岸線から切り立った急傾斜なのですこし先にやり過ごすと果樹廃園らしき段々畑の跡があった
のでここから取り付く事に決める。斜面を見ると相当な藪だがまだサミット2つ目で弱気になる訳にもいかんじゃろ。

「神崎」(神崎)は神の住む岬の意で日本中ポピュラーな地名となっている。勿論この地名から派生した人名も多く、島国日
本にとって馴染みの深い名前である。

正面突破は難しく、左手から攻めがろうとすると足元に古いモノレールがあった。それに乗って両側の笹薮を掴みながらバラ
ンスを取って一歩一歩斜面を這い上がる。傾斜がキツい場所では藪の中に滑り落ちそうになる。


直ぐにそのモノレールが酷い藪の中に吸い込まれているのでレールから下りて荒れた段々畑の藪が薄い場所を選びながら進む。
イバラや蔓に襲われながら斜面に取り付いて行くと枝分かれしたモノレールに遭遇しこれに沿って上がる。
灌木ヤブの斜面を
這い上がっていくと09時30分稜線付近に着いた。


が・・・その稜線には猛烈な葦が生えており入り込む隙間さえも無い。不幸なことにスマホのジオグラフィカで確認するとこの
葦の中に三角点が存在すると訴える。う〜〜ん

生い茂る葦の隙間を匍匐(ほふく)前進して三角点を探す。どうもここはイノシシにとって格好の寝床になっている様で柔ら
かい土で覆われている。


09時40分葦ジャングルの下に三角点「神崎」標柱を発見して思わず「チョーレイ」と叫ぶ。強烈なスマッシュが決まった
快感にも匹敵する三角点標柱の発見だった。しかし残念な事に三角点標石を埃まみれになりながら手探りで探すが硬い物に触れ
る事は無かった。国土地理院の基準点成果等閲覧サービスではこの三角点は「正常」と記されているのだが・・・


まあ、ここは三角点標柱をタッチして終わりにしよう。又藪に苦労しながら10時06分海岸線まで無事帰還する。

  
古代インドの水の神をルーツとする弁財天神社             門田地区にある濱宮神社の鳥居

  
08時55分 ミカンの段々畑跡から取り付く ここしか無い      前半はスズタケ藪に覆われている

  
モノレールの上をミスユニバース直線歩き                 落ちるとこんな世界が待っている

  
元はミカン畑であったであろう荒地、藪の薄い場所を選んで進む  モノレールの支線を発見しそれに沿う

  
 モノレールも藪に突入するのでそれを追って上に進む        次第に灌木藪になる 

  
稜線部が近づくと猛烈な葦藪となる                     匍匐(ほふく)前進するっきゃないのう 辛いわ〜

  
暗いから地図もGPSも出せない スマホ・ジオグラフィカだとこの辺りdんだけど・・・  有った 会った 遭った 逢った 在った〜〜

  
09時40分三角点標柱をタッチ             三角点標石は手探りでも見つからない  スマン 根気の無いオレを許してケロ

  
まあ一応山にきたんだから景色も楽しまにゃ ぐっすん        帰りは葦藪を迂回して・・・イノシシさん お騒がせしました

  
   帰ろ かえろ〜  ♪                             三角点があったであろうピークを振り返る

  
   単線フリーウェイに乗って下山する                    10時06分無事海岸線に帰還する

  
登山口(?)のすぐ先にはお堂が祀られていた              海岸線を快調に走る  あの山が犬吠山かな?

興居島サミット3)犬吠山(いぬぼうやま) 三等三角点「犬吠峠」123.68m (やや藪)

 

さていよいよ本日の主目的「犬吠山」へ行く事になった。犬吠山の読みは「いぬぼえやま」か「いぬぼうやま」か良く分から
なかったが環境省の中四国地方環境事務所の書類には「いぬぼうやま」となっているのでこれを適用させて貰う。


直前にカタックリさんが正当なルートでヤブ尾根を歩き上り2時間もかかったと掲示板に投稿があり恐れていた干支の山だ。南
斜面にはミカン畑が広がり最悪ここを通らせて貰えばそれまで時間はかからないと踏んでいた。何せ3つ目のサミットで往復3
時間以上もかける訳にもいかないのだ。


犬吠山の南側は入江になっており地図を見ると防波堤に囲まれて貯木場と記されている。私が若い頃由良湾沖で米材やカナダ材
を荷役して筏を組んでこの貯木場へ運んでいたのだろうが現在はその面影は無い。

磐神神社への入り口標識を過ぎて少し進むと
ミカン畑がありツアー客がミカン狩りをしている様だ。気持ちの良い潮風に吹かれ
て軽快に電動自転車を走らせていると右手前方に懐かしい北条の腰折山と恵良山のツーショットが見える。更に海岸線を進むと
小さい神社がありここで地図を出して確認する。どうも馬磯集落を過ぎてしまった事に気が付き引き返す。


10時35分犬吠峠への分岐点まで引き返し舗装道路を峠方面へと進む。昔は今みたいに海岸線には道路は無く北の馬磯集落と
南の門田集落の間はこの峠部を越えていたのだろうか。道路の左手にはミカン畑が広がりビニールハウスの中では仕事中の人が
作業をされていた。


10時40分道路の終点に来て行き詰まった。なるべく私有地のミカン畑を通りたくなかったがここは他に選択肢は無い。5分
程で作業道が切れてその場所から犬吠山に取り付く事にする。入り口は多少藪っぽいが中に入ると灌木帯でそんなに苦労する事
も無く東側から延びてくる尾根と合流する。その合流場所に大き目の枯れ木などを置いて目印にする。
ターニングポイントは下
山時には別な景色となり見逃す事となるので必ず目印を置くのが鉄則だ。


スペースのある尾根を詰めると10時52分三等三角点「犬吠峠」に着いた。予想通り山頂は何の展望も無く地味な干支の山だ
った。


帰りはターニングポイントはうまく左折する事が出来たが、その後に少しルートを間違えて藪に突入してしまい苦労してイバラ
を踏み越えて11時05分登山口へと帰還する。ペーコちゃん形見のGPSは地図上で自分の歩いた軌跡を見る事が出来るので
道が分からなくなって元に帰る時は非常に便利だ。更に5分程で自転車に帰りピューっと海岸線へ戻る。


  
  犬吠山のこちら側はミカン畑となっている                 10時18分 磐神神社の入り口を通過

  
ミカン狩りのツアーかな?(この場所は既に犬吠山を通り越していた)  北条の腰折山と恵良山がセットで見える

  
10時27分調子に乗って馬磯地区まで来てしまい引き返す     10時34分山手に入る分岐まで帰る ここから終点まで入る

  
 舗装された農道を山に向かって犬吠山の裏側へ回り込む    10時40分農道の最終部に自転車を止めてミカン畑を奥へ進む

  
こういう場所は私有地なので気後れする                 上側で農道に出てホッとする

  
未舗装の作業道の峠部へ着いた                   10時45分 右手に山への入り口らしき場所がありそこに上がって行く

  
入り口部はジャングルの様に木々が密生しツタが下がる        高みを目指すと次第にスペースが出て来る

  
   前方の尾根部へと回り込んで行く                 左から延びる尾根部に合流し、目印の倒木を置く

  
少し藪っぽいピーク部に着いて辺りをうろつく               う〜〜ん  この辺りが三角点の位置だ


    10時52分 平成30年干支の山 三等三角点「犬吠峠」=犬吠山を踏む

  
   三角点の周りは比較的見易い場所だ                  この白っぽい樹の左手に三角点がある

  
   ちょっと無理して景色を眺める(松山方面)             ターニングポイントの目印から左に曲がる

  
  確かにこんな景色だった                        う〜〜ん こんな景色は見覚え無い・・・ちょっと右手に進んでいた

  
藪に突入して左手に進路を変える                     笹薮とイバラを乗り越えて作業道に出る

  
入り口より少しルートを間違えた様だ 11時05分下山口       ミカン畑へ向かって下がって行く

  
 農道の最終点へミカン畑を通らせて貰う                 11時10分 自転車に帰る ここから25分で往復した事になる
 
  
興居島北部の西海岸沿いをサイクリング

海藻を干しているおばちゃんに「それヒジキですか?」と聞くとにこにこ顔で「はいヒジキですよ」と答えてくれた。地元住民
の平和な生活の中に怪しいよそ者が無言で現れるとやはりその人物像がわからないだけに多少なりとも不安感を与えてしまう。
何でもない事だけど、よそ者はなるべく地元の住民と会話を交わすべきじゃと思った。


馬磯集落を過ぎると海岸道路は北端部「頭崎(つむりざき)」手前で峠を越えて西側へと進む。道が有れば「頭崎」にある灯
台(頭埼灯台=この場合は崎では無く埼)まで歩こうかと思ったが蔦やイバラで覆われた斜面が続くので諦める。


11時30分峠を越えて島の西側をクネクネと南下して北浦地区に入る。右手に見える海峡は釣島水道で広い意味では安芸灘に
入り、そこは西の関門海峡や豊後水道と東の来島海峡を結ぶ航路の要所で貨物船や小型タンカーが走っている。
目の前に点在する
島が平安期から戦国時代まで有名だった忽那(くつな)水軍の本拠地、中島を中心とする忽那諸島だ。


11時45分道の分岐に出て少し進んだ所で地図を確認すると東側の由良への分岐だったので引き返して右手の海岸へと下りて行
く道を進む。


11時55分地図を見ると高戸山の横に来たので自転車を道に置き荒れた畑の道を抜けてヤブだらけのピークに上る。高戸山の位
置が地図上でもはっきりわからず117mと記されたピークがそれだと決めて上って来た。平らな山頂は藪でそこが高戸山かどう
か確証は無い。無駄な捜索を切り上げ20分程で自転車に帰る。
後から「おやまに行こう」さんのHPで確認すると117mピークは高戸山では無く、高戸山には展望所があった。


  
  ヒジキを沢山天日干しをしていた                     頭崎(つむりざき)方面はこんな藪・・・行けるか〜〜

  
頭崎の峠部から興居島の西海岸へと進む                  忽那諸島かな

  
  釣島水道を航行する貨物船と小型タンカー 奥は忽那諸島         前方の湾は北浦地区

高戸山と思ったんだけど・・・ どうも違ってたみたい

  
農道から高戸山方面にミカン畑の廃園沿いに歩いてみる事に    12時00分 荒れたミカン畑の作業道を進む

  
ガビ〜〜ン  又藪かよ〜                           藪を抜けると少しマシな尾根に

  
 高戸山への期待が高まる                           あれ? ピークは笹薮じゃん  

  
    展望所なんて無いし・・・   かえろ 帰ろ〜           15分程で失意の元、ミカン畑の作業道跡に下りつく

  
    お待たせ〜〜                              前かごには予備バッテリーを積んでいる  海まで一直線〜


興居島サミット4)四等三角点「戸ノ浦」53.86m

12時22分興居島の中央部で西に突出した岬手前に着くと目指す三角点「戸ノ浦」とその向こうに「釣島」が見える。この
三角点攻略は2つのルートを候補にしており、峠部から地図上に尾根付近を延びる道があればそれを歩くか、もし道が無けれ
ば距離が長いのでこれを諦めてる。次の手はは南側の海岸線まで下りて戸ノ浦鼻付近から取り付くかを現地で決める予定にし
ていた。



 12時22分 戸ノ浦鼻を見渡せる場所に出る  三角点峰は定かでは無い  奥に釣島 その向こうに霞む島は由利島


先ずミカン畑と尾根との境界に沿って続く道へ入ってみる。しかしミカン畑が終わると尾根は猛烈な藪になり相当の時間ロス
が予想された。このルートはよそう・・・
12時30分自転車に帰って作業道を海岸線へと下る。

  
主農道から外れて作業道を下る                      ミカン畑の手前に自転車をデポして畑の境界を歩いて進む

  
ミカン畑が終わると藪尾根で道は無かった                元の場所まで引き返し自転車で海岸まで下る策に変更

海岸線は湾になっており次の目的地、船越山と小富士が見える。防波堤の内側に付けられた道が切れるまで詰めてここに自転
車をデポし一つ手前のピークから三角点「戸ノ浦」を攻略する。


12時40分作業場の様な建物の間を抜けると荒れた畑跡がありそこから藪斜面に取り付く。蔦が主体の藪を抜けると稜線部
は比較的平和なスペースになっていた。尾根を下って2つ目のピークに上がって三角点を捜索すると13時00分四等三角点
戸ノ浦」を発見する。付近を探すと少し離れた場所に三角点標柱が転がっていたので標石の近くに復帰させる。

帰路は手堅く同じ尾根を引き返し海岸へと下る。13時20分作業場を抜けて海岸線に出ようとすると大きい熊の彫り物が置
いてありちょっとびっくりさせられる。


  
    海岸線まで下りる 船越山と小富士が並ぶ            12時40分 海岸線防波堤道路の端に自転車をデポ

  
左の尾根に上がって尾根伝いを右の三角点峰へ移動する      みかん畑跡地の奥から斜面に取り付く

  
もう多少の藪ではビックリしないわ                       ここの藪はツタと灌木が主体

  
 斜面に岩があったので藪より岩だとそっちへ向かう           10分程で尾根に出るとこれが快適〜〜

  
コルを過ぎて三角点峰に出ると少し藪っぽい               藪を避けながら尾根を進む

  
 13時00分 三角点を発見                         近くを探すと三角点標柱が転がっていた


        四等三角点「戸ノ浦」  これが興居島北部4つ目の三角点  次は南部へと移動する

  
 尾根伝いに同じ道を帰る                           海岸線に向かって下りて行く

  
この山が最初に這い上がったピーク 三角点峰はこの右側にある     びっくりしたなぁ もう〜〜〜

戸ノ浦から船越までの西側海岸線は「鷲ヶ巣(わしがす)海水浴場」となっており美しいビーチが続き、その向こうに船越山
と小富士が並ぶ。


  
  鷲ヶ巣の砂浜が船越まで続く (海水浴場になっている)       カモセ島と鷲ヶ巣地区  奥が戸ノ浦鼻と三角点峰「戸ノ浦」


第二章 興居島南部の三角点巡り   船越〜黒崎〜小富士


カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図 興居島南部の三角点巡り


興居島サミット5)船越山  四等三角点「船越」 122.79m (小籔)

船越(ふなこし)という地名も島国日本に多い。半島や島などで、陸地の幅が狭くなりくびれている所に付けられた名前で、昔そこを
舟をかついで越したところから名付けられた。
その名の通り興居島を北と南に分ける括(くび)れの場所へ向かって海岸線を進む。北
側の海岸線から眺めると船越山と小富士が兄弟の様に並んでいる。


この括(くび)れ部分を西側から東側の由良湾サイドに移動すると学校がある。興居島小中学校で平成21年に由良地区と泊地区にあ
った学校がここに統合されたらしい。この学校を越してグランドに沿って右側の山手に続く細い作業道を自転車で入って行く。

山の斜面はミカン畑になっており作業されている人の声が聞こえる。
左手にミカン畑の作業道が山に向かっているが作業している私有地らしき場
所は通りにくく、この路地を突き当りまで行く。学校のグランド裏で舗装道は切れて「弘正寺」遍路道の標識が立っていた。

13時40分この場所に自転車を留めて左手のミカン畑の間に続くモノレールに沿って石段を登って行く。10分程一直線に上り詰め
ると灌木帯の小籔となり急斜面が続く。この急斜面を直登すると13時55分稜線部に上がり着いた。この辺りにある大岩を下山の目
印にして、そこから左手の高みに向かうと直ぐに三角点標木が転がっており近くに四等三角点「船越」を発見する。

船越山は犬吠山とほぼ標高は同じだが、海沿いから一気に上る船越山の方が標高が高い様に感じる。同じ道を下って14時12分自転
車に帰り着く。



    次の目的地、興居島南部の船越山と小富士が並ぶ

  
興居島北部と南部を繋ぐ括(くび)れ部、船越地区にやって来た    船越の登山口は学校の南側に沿って農道を詰めた場所だ
ここから島の東側へ移る                            目印は「弘正寺」遍路道の道標 13時40分ここから登る

  
ミカン畑の間に延びるモノレール作業道を歩かせて貰う        沢山のミカンが投棄(?)されている 味見はしないぞ!

  
7分程でモノレール道が終了しテキトーにそこから這い上がる    この斜面は快適な状態だが傾斜はムーチョきつい

  
途中で作業道が横切るが構わず直登する                 稜線付近には下山の目印にした大岩が転がる

  
 稜線に上がって左手の高みへと進む                   三角点の標柱が転がっているのを発見

  
 13時56分 三角点「船越」を踏む                     標柱を三角点近くに立てて記念写真を撮る

  
目印の大岩まで引き返し斜面へと右折する               ミカン畑へと急な傾斜を下る


ミカン畑に出ると眼下に学校と船越地区、奥に朝着いた由良湾と由良地区が見える  気持ちの良い景色〜〜

  
モノレール終点部から作業道に沿って下る               学校のグランドへ向かってミカンを横目で見ながら石段を下る


興居島サミット6)黒崎山   四等三角点「黒崎」56.61m (大藪) 大蛇伝説もあるでよ

船越から海岸線を南下して泊港も通り超し一気に興居島最南端にある三角点・黒崎を目指す。黒崎という地名も良く聞く名で、九州の
黒崎と同じく昔ここで石炭が採れていたと言う。興居島愛好会のHPによるとこの黒崎には雄の大蛇が棲み対岸の三津に棲む雌の大蛇
と四十島(ターナー島)あたりで密会を重ねていた(らしい)。大蛇の密会ってセクシーさを感じないわ。地図上には破線の様な物が
記されているがこんな物はアテにならない。とにかく電動アシスト自転車で行ける所まで突っ込む作戦だ。


県道筋を離れて実線の舗装作業道がほぼ地図通り延びており終点近くに自転車を置く。その後はミカン畑の作業道を尾根筋まで進み簡
易電波塔の様な施設まで少しの間だが踏み跡があった。


14時30分電波施設から東側に尾根沿いを踏み込むが大藪となり三角点の発見が危ぶまれる。イバラ、蔦、葦の複合ヤブ尾根を出来
るだけ外さずに歩き地図とGPSで三角点近くを確認して捜索する。


14時50分執念で三角点を発見し写真に収める。藪から覗くとターナー島と対岸の三津浜が見えた。15時おぞましい藪尾根を電波
塔まで引き返し、更に自転車へ帰ってラストとなる小富士へと向かう。


  
幹線道路を東に外れて農道を詰める、ミカン畑のモノレールに沿って上がる  稜線部から左へ進むと白い電波塔の様な施設があった

  
14時32分 電波施設の裏手から三角点藪探訪が始まる       往路は大岩の右手を迂回して尾根に復帰する

  
  嫌な葦藪は避けて進むぞ                         夏場にはこんな場所へは来たくない 冬だって・・・

  
 ツタの壁に閉口しながら潜って通過                    う〜〜ん GPSと地図によるとこの辺りに有りそうだ


 14時47分 四等三角点「黒崎」を発見  三角点礎石が藪の奥にあるので踏みにくい


   まあ一応藪から背伸びして風景も撮っとかんとなあ  おっ ターナー島と高浜港が見える そのバックは経ヶ森

  
  見覚えのある葦藪を通過                         帰りは尾根の東斜面に沿って歩く

   
  ちょっと藪を避けすぎて尾根に這い上がる               14時58分電波施設に帰り着く シャバダバダ〜〜

  
自転車は前方に見える作業小屋の下側に留めている         整備されたミカン畑 人は居なかった


興居島サミット7)三等三角点「小富士」 282.43m (整備登山道)

さて、興居島三角点巡りの最後はマトモな山「小富士」を残しておいた。食事で言えばおいしい物を最後に残すって事よね。て言
うか最後に楽をする? 今までは気が抜けない藪山だったが、何せ登山道がある山って気楽なもんだ。

ところが、泊港のフェリー乗り場まで引き返し小富士の登山道を探すが良く分からない。フェリー乗り場の向かいにある介護施設
の事務所で登山口を聞くと「すぐ裏側です」と言われる。


成程、よく見ると路地に小さな標識が有った。フェリー乗り場に自転車を置き、15時10分小富士登山道を出発する。石垣の間
に続く石段を登り細い路地の間に延びる登山道を進む。民家を抜けるとミカン畑になり一つ作業道を横切ってセメント道が上に向
かって続く。15時20分正面に大きな「小富士登山道」看板があり山頂まで700mとある。


そこから山道となり両側に石垣が残った畑跡(果樹園跡?)になっている。登山道の入り口付近とは違い多少ワイルドな道が続く。
山頂まで430m、280mとそれぞれ鉄製の距離標識があり石段なども見られる。登山道以外は笹薮で更に130m、80mを
過ぎて15時45分鳥居前に出る。

石鎚大権現神社らしく表札には「石鎚山吹上山大権現」とある。吹上(ふきあげ)とは周囲よりも小高い場所や井戸水や温泉が噴き
出す場所の事を差す。でも吹上山大権現ってのは聞いたことが無い。ひょっとすると小富士は昔「吹上山」と呼ばれていたのだろう
か。そして遠く石鎚山も見渡せるこの場所が古くからの石鎚遥拝所だったのかも知れない。


東側を振り返ると対岸の三津浜から松山の街があり、手前には先ほど歩いた黒崎山も見える。山頂に行くと周りは竹林で情緒も何も
無い場所だ。メリハリの無い山頂には航空標識のポールが白と赤のツートンカラーで立っている。裏側=西側を覗くと休憩ベンチが
あり釣島からポンポンと小さな島が二神島まで続いているのが見える。所で三角点はどこじゃ? 竹藪の中を覗くが見えない。
15時50分反対側の竹藪に三角点標柱を見つける。


今まで瀬戸内海の島の山、特に香川県を訪れたが有名な山の山頂は見晴しが良く痛快だった。この小富士ときたら気持ちよさ、爽快
さが起こって来ない。
標高が低いので仕方がないか・・・

ここまで帰りのフェリーの時刻表は見ていない。そこそこ遅くまでフェリーがあるので時間に縛られると山歩きが窮屈になるからだ。

山頂で初めて帰りのフェリー時刻表を見ると次の泊港発は16時10分となっている。上りに40分かかったが、下りだとまだ20分
あるので
ひょっとすると間に合うかも知れないぞ。小走りで小富士を駆け下りる。

12分程で泊港に下りて待合所に入るが切符売り場の様なものは無い。トイレ横のフェンスに繋いでおいた自転車を押してフェリーに
乗り込む。どうもこのフェリーの切符は船内で買うみたいだ。懐かしい昔のバス車掌さんが吊り下げていた料金カバンの男性が居たの
で切符を買う。

16時10分のフェリーには黄色い帽子を被った小学生が沢山乗り込んで来た。え? この子達は一体何処に住んでいるんだろう。
海風を受けながら興居島を眺めて藪歩き三昧の一日を振り返る。

  
15時10分老人福祉施設の裏手にある路地の登山口を出発            セメント階段を上がる

   
生活道だけにお年寄りの為に手摺が置かれている          民家を抜けると一本作業道を横切りセメント道が続く


    10分程で小富士山登山道の大きな標識に出合う  奥に山頂まで700mの鉄製標識がある

  
 急にワイルドな道になってきた                      両側には石垣が組まれており且つては畑か果樹園だったのだろう

  
山頂まであと430m                              山頂まであと280m

  
山頂まであと80m うれぴ〜〜                       山頂直下、石鎚神社の鳥居 奥に石鎚山・吹上山大権現とある

  
対岸の高浜と右下に先ほど歩いた黒島山が見える          事実上の山頂標識となる航空標識ポール


西側展望所から見る釣島 その奥に小市島〜中島〜横島〜二神島が続く 左奥が周防大島


  15時50分 北側、竹藪の中に興居島7番目の三等三角点「小富士」があった


 興居島の南東端の岬「黒崎山」と四十島瀬戸を隔てて三津浜港と背後に松山の街  奥に石鎚が見えるのかも知れない

  
 潮風を受けたミカンは甘くなりそうだ                     16時10分の泊港発フェリーに間に合った

  
   小学生が沢山乗り込んで来た                       小富士を後にする


  
  黒崎山          小富士山        船越山               さらばターナー島よ 


自転車を利用した興居島三角点セブンサミッツ作戦は多少のひっかき傷を負いながらも無事ここに満足の内に終了した。
藪歩きの哲学は 「藪は永遠には続かない」って事だ。 


使用した物: 娘の箱バン(トヨタ・ノアボクシー)、パナソニック電動アシスト自転車+予備バッテリー
カシミールから印刷のA4サイズ地図3枚+全体1枚(東経北緯線付き)カメラ、GPS、フェリー時刻表、コンパス、スマホ(ジオグラフィカ使用)


   
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