黒戸尾根ー甲斐駒ヶ岳から早川尾根を経由して鳳凰三山を繋ぐ山旅 (4日目)
カシミールソフトを使用したGPSトラックログ加工図
第四日目(最終日) 平成29年8月24日
鳳凰小屋〜ドンドコ沢コース〜青木鉱泉
水平距離 11.92km 沿面距離 12.46km 累積標高(+)478m
累積標高合計 2,226m
行動時間 06時30分〜13時50分 = 7時間20分
カシミールソフトを使用したGPSトラック加工図 鳳凰小屋〜ドンドコ沢コース〜青木鉱泉
朝5時過ぎに起きてテン場を見るともうテントは少なくなっている。山歩きの朝は皆さん早い。テントを撤収して鳳凰小屋の前に行く
と既に伊予の鈍亀さん達は支度をして待っていた。
06時30分小屋の右手にある登山標識に従ってドンドコ沢コースへと入る。小屋付近は草が生い茂り(お花畑か?)沢も小さくて美
しくはない。
しき岩峰が見える。アザミは何処にでもあるが、上から見ると驚くほど芸術的な形をしている。
どこかに松脂(まつやに)がありズボンを汚す 昨夜混雑していたテン場はもうガラガラだった
06時30分昨夜の食料消費分だけ軽くなったザック ドンドコ沢コースを青木鉱泉へと進む
ドンドコ沢の上流はあまり美しくは無い 石が多いけど明瞭な登山道
06時45分 沢筋に出る 振り返るとオベリスクの尖塔が見える
しばらくは沢の中についた登山道を進む アザミの造形は素晴らしい 花火か蜘蛛の巣の様だ
五色ノ滝
06時52分左岸に渡渉して山道に入って行く。灰白色の幹をした針葉樹はシラビソだろうか。四国ではシラベと言われる樹だそうだ。
07時15分五色滝の標識があり急な坂を下ると富士山が突然前方に現われ皆を喜ばす。この場所を少し下ると右手に滝への脇道がある
。初めて出会う滝なのでザックを置いて見物に出かける。07時30分五色の滝が姿を見せ、落差70mと言われる花崗岩の岩盤からそ
こそこの水量が落ちている。途中で張り出した岩盤に跳ね返った後流れ落ちる様で水量的に滝壺は無い。
林帯の細尾根を下る。
06時52分左岸へ渡渉する この辺りはまだ標高が高いので針葉樹林帯となっている
樹に五色滝〜鳳凰小屋の標識が掛かる 整備された坂を下る
滝下に出て滝の高さの目安にする 結構落差がある 下から見上げても中々握力がある
サラシナショウマ? トリカブト
白糸ノ滝
08時05分更に針葉樹林帯の細尾根を下る。何せこのドンドコ沢コースは地蔵小屋から青木鉱泉まで1,200m強の標高差があるの
だ。合間の草地には初めてレイジンソウやシモツケソウが現れる。岩っぽい急傾斜を下ると白糸の滝分岐がありザックを置いて右手の展
望道へ入る。滝見台は危なっかしい崖っぷちにある大岩で、その上に立って記念写真を撮る。大岩に登った亀吉さんは「何をとろとろし
よんぜや」と亀美さんに手を貸す。新居浜の男は気は優しいのだが口は悪い。その悲しい伝統を亀吉もエントツ山も立派に受けついてい
るのだ。
ガレ場を流れる沢の上流部に白糸ノ滝があり、角度的にはちょっと不満な展望所だ。でも沢まで下りると相当時間がかかるので切り上げ
て登山道へと帰る。
細尾根の樹林帯を下る 尾根筋を外れて右手に下る
レイジンソウとシモツケソウ 岩の間を下って行く
白糸の滝 展望岩から沢筋に下りると時間がかかりそうだ
紆余曲折の後、最後には息ぴったりのポーズを決める ザックデポ地へ帰って急な坂道を下る
鳳凰ノ滝
岩っぽい急傾斜の山道をドンドコ下ると09時35分支沢部が崩落して登山道を飲み込んでいる。ここは相当右上から回り込んで時間と
体力を無駄に消費する。
に滝が見え、更に右手にも水量の多い滝が落ちてツインフォールになっている。滝見登山道の下側にも滝の水が飛沫を上げている。
登山道が崩壊地に飲み込まれている 大迂回をして道が付けられていた
鳳凰の滝 右か左か両方か? 地形図にはこの滝は載っていない
滝見登山道沿いにも結構な滝が足元に見られる 10時20分 滝分岐に帰る
10時20分分岐に帰って登山道を下っていると10分程下側に分岐標識が立っている、どうもこの分岐から直接鳳凰の滝への別ルート
がある様だ。
い水で顔を洗うと気持ちが良いので帽子を沢水に浸けて水を頭から垂らしながら歩く。沢筋には花がある。マルハタケブキ、センジュガ
ンピや茎のひょろ長いタカネビランジも咲いている。下から女性を引き連れ先頭を歩く男性リーダーから鳳凰の滝分岐について質問され
た。よく一人の男性が大勢の女性を引き連れているグループに遭遇するが、そこそこ年配の方たちなのでハーレム山行のイメージは無い。
カニコウモリ ここの甲羅はデカい 10時30分 鳳凰の滝、沢沿いコース分岐
10時43分 沢を渡る デカい岩がゴロゴロする沢
キツリフネ マルバタケブキ
マルバタケブキ「街道
標高が低いと茎が長くなっているタカネビランジ 下から登山者のグループが近づく
南精進ヶ滝
11時07分登山道沿いに圧巻の滝が見える。滝の途中に滝壺があり落差50mと言われる以上に落差を感じさせる。尾根を隔てて北側、
大空川(いしうとろがわ)渓谷には落差121mの精進滝があるのだが、この滝を「北精進ヶ滝」と呼び南精進ヶ滝と区別している様だ。
ドンドコ沢コースはこの厳しい滝道を避けて迂回する登山道もあるが、やはりこの滝は見ておきたいものだ。
11時07分 南精進の滝 途中に釜がある ちょっと写真が長くなるけど・・・・
最後の滝ですけん単独で写真を ほんならワシも単独で・・・・
この滝に満足して急な登山道を下ると11時20分南精進ヶ滝分岐の標識があり、滝を通らないルート分岐になっている様だ。
も岩っぽい山道が続くと標高が下がって来たのか11時50風頃には辺りはブナなどの広葉樹林帯となっていた。暫く歩くと登山道は尾
根の右手を巻くトラバース道となり次第に平坦な川沿いに近い場所に出た。
こりゃまたワイルドな登山道だわい 11時20分 南精進ヶ滝を通らない別登山道との分岐
シメツケボク OR サバオリボク 標識横に休憩所あり
まだまだ気を抜けない登山道が出現する 11時42分 大岩の横を通る
ソバナとブナ やっぱり広葉樹林帯が明るくていいわ
センジュガンピ 12時15分 なだらかなトラバース道を進む
12時35分平坦なこの辺りは道が不明な場所もあり地図を出して確認したり、手分けして道を探ったりする。丁度山の会で道の偵察に
東京から来た登山者に出会い下流部の道について尋ねる。するとこの直ぐ下にある砂防ダムを右岸に渡ると林道があると言う。そこで少
し下流へ進んでダムを探すがそんなものは無い。一旦涸れ沢を渡り左岸に出ると登山道が見つかった。説明する人の距離感は大事なもの
で「すぐ近く」とか「すぐそこ」とか言う表現はその人の主観が相当入るものだ。
12時35分 休憩を取りながら地図でルートを確認する 12時45分 標識に出合うがこの後もルートが分かりづらい
涸れ沢を渡り左岸に出ると登山道があった 後は遊歩道の様に快適な登山道を歩く
平坦で快適な登山道を進むと13時25分「小武川第三砂防堰堤」の礎石がありやっとダムに出合う。左岸の斜面が大崩壊しており工事
中で、登山道は一旦堰堤を右岸に渡り林道を下った後に又仮設橋を左岸に渡り返す。
着した。
伊予の鈍亀さんは数社のタクシー会社の電話番号をチェックしており数社に電話して1時間待ちで来てくれるタクシーを手配してくれた。
待ち時間を利用して青木鉱泉の食堂で山菜蕎麦を食べる。
小武川第三砂防堰堤の礎石 13時25分 堰堤下を右岸に渡る
左岸が崖崩れの為に登山道が不通になっているのだ 架設の橋を渡って左岸に帰る
あとは遊歩道の登山道をゆっくりと歩く フシグロセンノウか
青木鉱泉の標識 もう近い 13時50分青木鉱泉に到着 一階が食堂になっている
タクシー待ち時間を利用して山菜蕎麦を食べる おいしかった 休憩所近くを抜けてタクシーの待つ駐車場へ移動
気さくなタクシー運転手と話をしながら尾白川渓谷登山口へ帰り、近くの温泉「白州・尾白の森べるが」で日帰り温泉に入りさっぱりした後、亀吉さん
の運転で新居浜へと帰る。
タクシーで登山口の白州尾白川渓谷登山口へと帰る 白州・尾白の森「べるが」で温泉に入る
黒戸尾根から早川尾根を繋いで鳳凰三山まで、亀吉さんの70歳記念登山としては申し分のない素晴らしい縦走だった(写真はネットより)