2017年 冬の笹ヶ峰シリーズ 2月8日 大永山トンネル口から笹ヶ峰ピストン  


平成29年2月8日 大永山トンネル南口〜チチ山〜笹ヶ峰ピストン


カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図

数日前にWO嬢2号さんよりチチ山の別れ付近で雪の為撤退したとの連絡を受ける。数日後、伊予の鈍亀さん、ザイフリボクさんとこの仇討ちに
チチ山へ出かける事にした。冬季大永山トンネルから笹ヶ峰は数年前にマーシーさん、ペーコちゃんと歩いた事があるが、このルートのネックは
チチ山の別れまでスムーズに行けるかどうか雪の状態にかかっている。

途中チチ山展望所で沓掛・黒森とチチ山を眺めると雲がかかっているが真っ白でテンションが上がる。

今回も取り敢えずチチ山の別れまで行ってみて笹ヶ峰へ進むかどうか決めようと相談し07時に山根運動公園で待ち合わせて伊予の鈍亀さんの
車で大永山トンネル口へ行く。一応雪が深くて柔らかい場合を想定してワカンやスーパーワカンをザックに括りつける。

07時40分以前より這い上がりやすくなった登山口を上がり沢沿いに進む。この辺りの雪は大した事は無くアイゼンも装着せずに歩く。途中の滝
傍から沢に出る場所が凍結して注意しながら通過する。

08時23分土山越えに着き三叉路を左折して笹ヶ峰縦走路に進む。この辺りから雪が増えてくる。馬道の別れの細尾根では両側の木々がびっしり
霧氷で覆われている。こりゃ最高の冬山になった様だ。08時55分炭の道分岐を通過、登山道は真っすぐ延びているが縦走路はここを左側の尾根
筋に上がらなければならない。注意して見ると分岐付近の木に標識が掛かっている。

  
        沓掛山と黒森山                                    チチ山

  
  07時40分 大永山トンネル口から登山道へ入る          気温が低いのでツララが沢山下がっている

  
 08時23分 土山越えを左折する                      笹ヶ峰縦走路に入ると雪が多くなる

  
  馬道の別れへの細尾根は霧氷の並木道となっている        08時55分炭の道分岐 (ここから左に上がる)

炭の道分岐から尾根筋に上がり雪が多いのでアイゼンを装着する。以前高瀑の滝へ行った時にWO嬢2号さんが優雅に三脚を出して雪の中に
座っていたのを見て軽い衝撃を受けた。私も伊予の鈍亀さんも早速300グラム程の携帯三脚を購入していたので早速これを使ってアイゼンを装着
する。 やはり少し低くて不安定ではあるが椅子に座るとアイゼンの装着がやり易い。

ここから急な尾根道が続くが霧氷が沢山見られて元気が出るので時間を忘れる様だ。09時40分ブナ峠に到着してブナ太郎、ブナ次郎、ブナ三郎
と再会する。

ブナ峠の直ぐ上に「獅子舞の鼻」と呼ばれる四等三角点「迫割」(せりわり)があるが雪に覆われて三角点は見えなかった。迫割(せりわり)とは岩と
岩の間の窪みやコルの事を言うので、この先にある細尾根のコルが「迫割」と呼ばれていたので、そこから三角点名になったのだろう。ちなみに昔
の登山道は炭の道から急な崖道をこの迫割付近に這い上がっていたらしい。

現在の尾根道は伊藤玉男さんなど憧山会によって開拓されたと聞いている。

  
    簡易三脚に座ってアイゼン装着〜                     登山道の霧氷


        09時40分 ブナ峠に到着      ブナ太郎とブナ三郎


                         左手斜面にあるブナ次郎

  
  青空は無いがブナにも霧氷がビッシリ                 09時50分 四等三角点「迫割」(獅子舞の鼻」を踏む

獅子舞の鼻から少し細尾根が続くが両側には霧氷が迫り足元の雪はあまり沈まずに快適と言える。左手には冠山・平家平、右手には沓掛山・黒森山
が霧氷の間から見え隠れする。正面にはチチ山の別れやチチ山も霧氷の上に見えるが、暫く進むと前が開けるので少しの辛抱だ。

この展望所から見るチチ山の姿はピラミダルで凛々しい。笹ヶ峰の隣にあるついでの山的な取り扱いをされており四国百名山にも数えられていない。で
もこの展望所から見るチチ山はちょっと違うぞ。チチ山の別れからモミジ谷まで続く山塊は屋根の様に結構長く続いている。

  
  春はアケボノツツジのトンネルだが今は霧氷のトンネルだ       霧氷の間から沓掛山、黒森山    


  10時00分 迫割手前の展望所に出るここから見るチチ山はピラミダルでかっこいい 


            平家平                              冠山


       チチ山                                            沓掛山      黒森山

霧氷の細尾根からチチ山の別れへ

ここの細尾根は両サイドに木々が立っており危険は無い。但し冬場は雪が西から吹きあがって来る強風で雪庇となり歩きにくくなる場合が多い。
今日も少し雪が尾根に盛り上がっているが低い気温で下が固まっており歩きやすい。チチ山の別れへの斜面に近づくにつれて尾根が次第に広がっ
て行く。

コル部から続く細尾根を2度程トラバースしながら高度を高めると見晴らしが良くなり先ほど通過した獅子舞の鼻を振り返ると、その向こうに西赤石
から二ツ岳へと東に続く赤石山系が見える。

やがて尾根がチチ山の主稜線へ飲み込まれて平らな斜面となる。ここが冬場には雪が溜まり難所となりスノーシューでも苦労するのだ。幸いな事に
今日は雪が締まっており各自持って来たワカンやスーパーワカンの出番は無くなった。その代わりに霧氷がとても素晴らしく斜面に取り組む気持ちも
高揚する。11時10分チチ山の別れ標識に到着した。

  
細尾根の樹林帯は霧氷のトンネルだ                   前方にチチ山の別れが見えてくる

 
細尾根が高度を上げると見晴らしも良くなり伊予の鈍亀さん達も先日歩いた冠山・平家平方面を眺める。 バックは獅子舞の鼻と赤石山系


   前方にはチチ山の別れが待っている  意外と昨日、一昨日に雪はあまり降らなかった様だ

  
   尾根が次第に広くなり主稜線に合体していく            さてここからいよいよチチ山の別れへの斜面が始まるぞ

  
数日前の苦労の跡  WO嬢2号からやまちゃん達のか           結構霧氷が発達している

 
  足跡を見てもわかる様に沈み込みが無く歩き易い  赤石山系を振り返る


         今日は美しく歩き易く、印象の良いチチ山の別れ斜面だ

   
  チチ山までに長い尾根が続くのが見える                沓掛・黒森から新居浜に落ちる「シャクナゲの尾」


      チチ山の別れ付近から東側の県境尾根、冠山〜平家平〜大座礼山を眺める

  
  さていよいよチチ山の南側へ入る                    11時10分チチ山の別れ標識に到着

霧氷のチチ山トラバース路


11時10分チチ山の別れから南側に回り込むと一気に景色が変わる。高知の山々は良く分からないが鷹ノ巣山の尾根が屏風の様に現れて、その
向こうに伊予富士と筒上山が並ぶ。ここから進むにつれて西側の寒風山、笹ヶ峰、石鎚が走馬燈の様にグルりと現れて来る。

このチチ山の南面トラバース道は笹原の斜面に付けられており無雪期でも大変歩きにくい。ましてや雪が積もって緩いと中々手ごわいルートになる。
今日は雪が締まっており多少左傾斜一辺倒なので足首は疲れるが文句は言えない。

次第に笹ヶ峰の胴体が鯨の様に現れて、これがチチ山方面から攻める笹ヶ峰の醍醐味だ。このトラバース道は後半、チチ山直下で少し樹林帯の中
を進み、それを抜けると12時25分、笹ヶ峰とチチ山の間にあるコル「モミジ谷分岐」に至った。



              チチ山の別れを回り込むと一気に景色が変わる


   チチ山トラバース路の雪渓を行くエントツ山 (伊予の鈍亀さん提供)


     トラバース道を少し進むと笹ヶ峰、寒風山が現れ、その奥に石鎚も見える様になる


        霧氷の向こうにボリュームのある笹ヶ峰  笹ヶ峰の東側は二重尾根の様になっているのがわかる

    
    青空になると霧氷が映える                      トラバース道にも霧氷が沢山着いている

  
    岩からは大きなツララが垂れさがる                  緑の笹と白い低木の霧氷と青空

  
   樹林帯を抜ける  雪に写す樹木の影も情緒がある          笹ヶ峰基部のモミジ谷

モミジ谷から笹ヶ峰へ

12時25分モミジ谷分岐に到着する。チチ山へは帰りに寄る事にして先ずは笹ヶ峰へ向かう。この辺りは笹ヶ峰二重稜線の谷間になっており雪が
吹き溜まっているので油断をするとズボリと腰まで埋まる。登山道は右の大きな稜線に沿って折り返し路が付けられているのだが、今日は雪が締
まっているので谷部から雪渓を歩く事にした。

笹ヶ峰雪渓を歩く

通常雪の無い時は笹が結構深いので登山道を外れる事は出来ない。一面が雪で覆われた冬場にしか歩けない笹ヶ峰雪渓はその昔、スキーヤー
も使ったゲレンデである。今でもたまにここにスキーを持ってきて滑る酔狂なひとも見かける。

ガシガシとアイゼンを効かせて雪渓を歩く。まるで残雪期の北アルプスを歩いている様だ。山頂から東に向かう二重稜線の間に沿って氷河の如く谷
間を埋め尽くす凍った雪を歩き13時00分笹ヶ峰山頂へ着いた。

霧氷の出来る気象条件は非常に微妙な物らしく、あれだけ立派な霧氷があったにもかかわらず山頂標識にはエビの尻尾はほぼ見られなかった。
例の折り畳み三脚を出して昼食休憩を30分取る。一人の時は一人で食事はいかにも寂しいので景色を眺めたらすぐ山頂を去るのが常なのだが、や
はり山仲間がいると心に余裕が出来る。


  
   12時25分 モミジ谷分岐標識に到着              笹ヶ峰へのアプローチは変則二重尾根になっておりその谷筋を入る

  
 夏山登山道を歩かず雪渓沿いを進む                  チチ山から低い支尾根が南側に延びているのが分かる

  
  一旦稜線部に上がってみる                        山頂まではまだ少しある様だ


             チチ山をバックに雄大な笹ヶ峰の雪渓だ


                    一旦稜線部へ這い上がる


                       後は雪渓に沿って山頂へと向かう


             笹ヶ峰雪渓を歩くエントツ山 (伊予の鈍亀さん提供)

  
   チチ山方面を振り返る                            13時00分 笹ヶ峰山頂へ到着

    
     一等三角点「笹ヶ峰」 1,859.60m              西黒森     瓶ヶ森    石鎚山


 寒風山・伊予富士   手箱山  筒上山   岩黒山   西黒森  瓶ヶ森 石鎚山


                笹ヶ峰山頂にて   (ザイフリボクさん提供)

   
   折り畳み三脚に座ってワカサギ釣り                    13時40分 チチ山へ向かう


笹ヶ峰〜チチ山〜チチ山の別れ〜獅子舞の鼻〜大永山トンネル口へ帰る

笹ヶ峰山頂から東へ雪渓を下りモミジ谷へと向かう。途中でシリセードを楽しみながら14時にモミジ谷を通過し、少し来たトラバース道を進んだ後
チチ山へ向かう登山道へと入る。閑散な樹林帯に入り霧氷の急登を這い上がると稜線部へ出る。笹ヶ峰を振り返ると雪に埋もれた雪渓部が西に
傾きかけた太陽の光を受けて鈍く輝いていた。

チチ山付近は笹が繁っているので太陽の熱で雪が融けて居る場所もある。チチ山稜線からは北側の眺めが良く、沓掛・黒森から延びる「シャクナゲ
の尾」が眺められる。2年前にペーコちゃんと新居浜の山根からテントを担いでここまで歩いて来た懐かしいこの尾根を感慨深く眺める。

大岩を抜けて14時35分チチ山の祠がある山頂に回り込む。尾根の西側を見ると霧氷がビッシリだ。ここからチチ山の別れまで稜線上を進みたい所
だが途中で岩場があり一旦トラバースして下の尾根筋まで下りる。しかしそこからも尾根筋は灌木帯の藪が続き結局は登山道をトラバース道まで
下りるしかない。

チチ山トラバース道に合流して15時20分チチ山の別れまで帰りつく。



                   笹ヶ峰雪渓を下る

  
   シリセード 気持ちいい〜                           むむっ  まさに鈍亀じゃん

  
    ここの雪渓は2段階になっている                   下の雪渓を下る


    チチ山から小さな支尾根が笹ヶ峰へ向かっているのがわかる  地形を見ると面白い

  
   大岩へと向かう (これはチチ山山頂では無い)                最後は急登を這い上がる


      尾根筋に出ると笹ヶ峰の山頂部が眺められる 二重稜線で谷間に雪が積もり上部は雪渓になっている

  
   尾根筋には笹が露出しているが霧氷もある              往路で歩いたチチ山南面も霧氷が広がる

  
   沓掛山の南面笹原には雪があまり見られない 黒森山から右に落ちるシャクナゲの尾


                14時35分 チチ山に到着

  
     今日は笹ヶ峰とチチ山に来れてシアワセ            いや〜 わたくしもここまで来れるとは思ってなかったわ〜

  
  西に向かう稜線も霧氷に覆われてる                    笹ヶ峰の姿も今日はお別れね

  
   チチ山尾根は絶壁で行き詰る  右にトラバースする       14時50分 チチ山トラバース路に合流

  
 15時20分 チチ山の別れに帰りつく                  「ここから大永山トンネルまで又歩のね」「それがどしたん」


チチ山の別れから大永山トンネルまでは上りは3時間半かかったが、下りはそれでも2時間程かかった。途中でアイゼンを外したり付けたりを
2度程繰り返しアイゼンを外した時には3度程喜劇の様に転んでみんなに笑われる。 

マーシーさん、ペーコちゃんとこのルートを冬に歩いたのはもう5年も前の事となる。懐かしいこのコースを又歩く事が出来て伊予の鈍亀さん、
ザイフリボクさんに感謝。 山友との歩きは楽しくていいもんだ。

5年前(2012年)マーシーさん、ペーコちゃんとの大永山〜笹ヶ峰の登山記は  ここ   

   

        目次に戻る              トップページに戻る