冬の笹ヶ峰 2016年〜2017年シリーズ


その1) 平成28年12月11日  笹ヶ峰・南尾根

冬の笹ヶ峰は四国屈指の霧氷の名所となる。瓶ヶ森と違い冬もアクセスが良いから寒風山登山口手前から右手に大規模林道「寒風・大座礼線」の広い林道を
20分程で南尾根登山口に到着する。単純な尾根なので道迷いも発生しにくいのでお勧めルートだ。


カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図

  
   笹ヶ峰・南尾根登山口広場                       09時50分 登山口を入る

  
急で深い笹の間に明瞭なルートが続く (ロープなども置かれている) 10時15分 岩壁を這い上がって尾根筋に乗る


  暫く笹道を進むと 10時35分 素晴らしいブナ林に出合えるのがこのコースの魅力だ

  
    さっそく霧氷が現れた                         前方はガスだが身持ちがより斜面となる

  
   モミの間を登山道が抜けている                     モミの小木にも霧氷が

  
                            霧氷街道を進む
   

                     ドウダンツツジやコメツツジの霧氷


            笹ヶ峰と呼ばれる位だから当然主役は笹だ    

  
山頂付近はさすがに気温が低い スパッツも無くトレランシューズだ   山頂標識が見える

  
  11時35分 山頂に到着                               石鉄蔵王権現の祠


ありゃ〜 WO2号さんが寒風山から縦走してきて笹ヶ峰山頂でバッタリ  高知の男性がおられてシャッターをお願いする

  
WO2号さんも笹ヶ峰のサンゴ霧氷に大満足そうだ      南尾根を歩いた事が無いと言うWO2号さんをブナ林にご案内する事に

雪が少なく霧氷だけの場合は南尾根ルートは上り1時間40分、下り1時間20分と実にお手軽な笹ヶ峰を楽しめるコースとなります


 その2 平成29年1月17日 笹ヶ峰・南尾根  雪に苦戦


カシミールソフトを使ったGPSトラックログ図


寒波襲来で山にも雪が降ったので東京の長兄が新居浜に帰って来る1月17日に合わせて高松を早朝出発し笹ヶ峰へ南尾根から霧氷を見に行く事にした。
西条の賀茂川から194号線へ入り寒風山トンネル近くになると道路に雪が残り凍結箇所もあった。トンネルを過ぎて高知県側に入り寒風山登山口への林道
も結構雪が積もっている。

大規模林道「寒風・大座礼線」に入ると車の轍(わだち)もなく四駆&冬タイヤのお陰で笹ヶ峰・南尾根登山口へ08時15分到着出来た。

  
大規模林道「寒風・大座礼線に入る」                    長又橋近くは慎重に運転する

  
  08時15分 笹ヶ峰・南尾根登山口に到着              08時30分 登山口へ入る

笹ヶ峰南尾根コースは何度も通い慣れているのでアイゼンやスパッツの面倒がないミツウマ・ガンショーのスパイク長靴で歩く事にした。雪が無ければ
30分で到達出来る尾根乗り換え岩場まで倍の1時間を要した。

  
急な笹道坂には数ヶ所ロープが敷設されている            荷造りビニールテープは残地テープとしては最低の物だ

  
09時30分登山口から1時間かけて岩場乗越しに到着        kazashi 流の後姿を撮る

岩場乗越しを過ぎても雪が登山道を覆いツボ足となる。雪を被った笹をストックで払いながら歩き10時20分ブナ林に着いた。天気予報は
午後から晴れる予想だったので、時々上空の日差しを待ってブナを撮影する。

     
      数回失敗を重ねて後姿を撮影                  感度来てもこのブナ林はいい


         日差しが現れたので急いで撮影  でもモノトーンには変わりは無かった


     ここのブナ達は元気そうで逞しい

ブナ林を抜けるとダケカンバの林となり、ルートを少し右手に振ってモミの樹を目標に進む。ツボ足が次第に深くなり思う様に歩けない。気温が
低かったので固めの雪を期待したのだが、新雪が降った直後らしくサラサラの雪が足をのめり込ませる。モミの樹付近だけ上から雫(しずく)が
落ちて凍るのか雪が締まっている。

しかし11時15分、モミの樹を抜けるとすぐにふかふかの沈む雪面となり足を抜くのが大変で思う様に進めない。息が切れるとストックを前に横倒し
にして浮力をつけてそれを頼りに足を雪から抜いて一歩一歩進んで行く。顔を上げて休みながら辺りの風景を眺める。南斜面は霧氷で飾られていた。

  
  中々雪が深いぞ                                霧氷が下の方でも沢山現れる

  
   笹原に出る                                キャイ〜〜ン 進まないよう〜〜


      寒風山方面は雲の中だ


       笹ヶ峰南尾根の門番 モミの樹が霧氷に覆われている

  
   ガスが強風で飛ばされて時々斜面が現れる            う〜〜ん まだ少ししか進んでいないわ

12時30分になると前方にドウダンツツジやコメツツジの低木帯となり、ここまで来ると南尾根の這い上がりも終盤となる。低木樹林帯を避けて
少し右手に迂回しながら進む。しかし雪が一向に締まってこずラッセルもどきは続く。山頂付近はコメツツジで覆われており、そこを抜けると台地
状になった山頂部が現れる。

笹ヶ峰山頂での出会い

この部分は気温も低く風に吹かれているので沈み込みが少なく、気楽な気持ちで13時00分山頂の標識部に上がる。山頂標識は四角い掲示板
の様な物と丸いポールがありどちらも期待通りの霧氷が付いている。 山頂の祠も岩部が全く見えないほど完璧に霧氷を纏(まと)っていた。

北部や東部は晴れていて眺めが良いが、西部と南部はまだガスがかかっており石鎚山や寒風山方面が見えない。でも雲が飛びそうな風模様だ
ったのでラーメンを啜(すす)りながら天候の回復を待つことにした。

するとどこからかヒョコヒョコと黒い物体がこちらに近づいてくる。人の気配も恐れずにザックに這い上がろうとしたりするので食べているラーメンを
進行方向に落としてやるとそれを舐めだした。暫くして食べれないと思ったのかまたヒョコヒョコと裏手に歩いて行った。どこへ行くのか気になり後を
付けると雪の割れ目から笹の中に入って行った。 後でこの動物の事を「ヤマネネット」に紹介すると、それはヤマネではなくスミスネズミだろうと
言われた。


  12時35分 笹ヶ峰南尾根もドウダンツツジやコメツツジまで這い上がるともう少しの頑張りや〜

  
    かんべんしてよ〜〜                           ストックのアンカーを頼りにヨロヨロと進む

  
    まあ こんな感じのドタバタ劇です                  冠山方面と高さが並ぶ

  
  あ〜〜 やっと山頂の標識が見えた                   13時00分 笹ヶ峰山頂にとうちゃこ〜


             お〜〜  久しぶりのエビの尻尾〜〜   


         むむっ 石鉄蔵王権現さんもムヒョ〜〜になっている

  
    まあ 一応シェ〜もせんとなぁ                           沓掛山と櫛ヶ峰

  
  あれ? ネズミがヒョコヒョコやってきたぞ ラーメンを舐めた    笹の中に巣があるんやろか スミスネズミが雪の中に帰る


スミスネズミが去ると、今度は北側から登山者が一人現れた。「エントツ山さん?」って言うのでよく見ると敏ちゃんだった。敏ちゃんとはこの
笹ヶ峰で以前マーシーさん、ペーコちゃんと大永山から来た時に弁天山さんとも偶然一緒に会っている。敏ちゃんはタケノコちゃんの山友で
一緒に三人で栂海新道を歩いた仲だ。

そうこうしているうちに雲がどんどん飛んでいき石鎚や寒風山方面が見えだした。これもスミスネズミと敏ちゃんのお陰だ。この冬場に笹ヶ峰
山頂で1時間も居た事がなく初めてゆっくり出来た。 14時05分敏ちゃんに別れを告げて山頂を後にする

  
スミスネズミの次に現れたのは? 何と敏(びん)ちゃんやんけ     北斜面からやっとの思いで這い上がって来たらしい


        久しぶりの敏ちゃんとシェ〜〜

  
  敏ちゃんはワカン、私は鋲付き長靴だ                 石鎚山が見えて来た 左から西黒森山、瓶ヶ森


                       霧氷の向こうに石鎚山


上りに4時間半かかった南尾根だが下山は1時間40分

  
  14時05分 笹ヶ峰山頂を下る                       チチ山とチチ山の別れ

  
                   南尾根の最初は低木樹林帯を下りる


    寒風山と標高が並ぶ  寒風〜笹ヶ峰の縦走尾根を眺める   奥に伊予富士と筒上山が見える


                笹ヶ峰・南尾根の後半はモミの樹帯となる


                   モミの樹の向こうに冠山と平家平

  
    プチラッセルの跡を歩く                          苦労した跡が見えるわい

  
  14時55分  ブナ林を通過                           15時15分岩崖を下りる

  
  シリセードもギャラリーが居ないと盛り上がらない            大規模林道「寒風・大座礼線」を眺める

  
      15時45分 下山する                        いつの山行も愛車ラッシュに帰るとホッとする



その3) 平成29年2月15日 冬の笹ヶ峰 シメは堂山夕暮れ隊と


カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図

高松で日頃お世話になっている堂山夕暮れ隊のメンバーと霧氷の笹ヶ峰へ行こうと約束していたのが延び延びとなり冬山となってしまった。まあ雪と
霧氷の笹ヶ峰も良いわと2月12日(日)に決める。冬型気圧配置が強いので参加メンバーには10本〜12本アイゼンを使う旨連絡する。
この為、え〜ちゃんと kazashi さんは早速高松のベースキャンプで12本アイゼンを同じ日に購入したらしい。

所がその日に寒波襲来で天気が荒れる予報となり、天気が良くなる2月15日とした。笹ヶ峰南尾根はもう相当回数四季を通じて行ってるのだが、堂山
夕暮れ隊のメンバーは歩いた事は無く必要以上に難しく考えている様だった。木村さんご夫婦が来られなかったのが残念だったが代わりにkazashi さん
の参加が決まり、愛媛から伊予の鈍亀さんとザイフリボクさんが冬山アシスト隊として来てくれる事になった。

笹ヶ峰南尾根がキツイなどというイメージが定着している様だが、登山口の標高は1,120m程なので山頂1,860mとの標高差は740mしかない。
少し距離が短いだけに上り一辺倒ではあるが、これも潔い山歩きだと言える。


kazashiさん」、徳ちゃん、ナッチーさん・ジェントルパパ、え〜ちゃん、私、伊予の鈍亀さん、亀ハメハ大王、334男爵


第一ステージ: 登山口〜笹の急登〜尾根乗り換え岩壁まで

最初は植林地帯の中を笹の急登が続く。結構急な傾斜なのだが、周りに笹が茂り登山道のスペースが続くので道迷いは起こり難い。2度程
平らな地形を進むと自然林となるが相変わらず深い笹が続く。やがて正面に岩壁が現れて、15m程上部に右手からの尾根に乗らなければ
なららい。笹ヶ峰の南尾根は安全なルートであるが、唯一この岩場の這い上がりだけは注意が必要となる。

但し、この岩場にはロープも敷設してあるので慌てずにゆっくりとここをクリアすれば良い。

  
     09時10分 登山口出発                           最初は深い笹の急登りが続く

  
         笹の急登が続く                           後続も元気に来ている様だ

  
10時15分 岩壁部に到着                           岩場は右手に回り込んで支尾根に上がって行く

  
ロープもあるが念のためにスリングも用意する              ジェントルパパは転んでもニコニコしている


第二ステージ:岩壁上部尾根〜ブナ林〜ダケカンバの樹林帯

岩壁上部は細尾根となっているのでそこを上がるとなだらかな笹の斜面になり、ブナの木なども点在する樹林帯が続く。やがて右手に見事な
ブナ林が姿を見せる。笹原に雪が積もっていない時は笹原にあまり侵入せずすぐ横の登山道から眺めよう。

ブナ林を過ぎると細いダケカンバ林の右端になだらかな登山道が少し続くが、すぐに前方が開けてモミの樹が見える

  
天気が良いとこの辺りから寒風山が見える                 樹林帯の中をゆっくりと登る


     10時55分 太陽の光がSUNSUNと降り注ぐ笹ヶ峰南尾根のシンボル ブナ林に到着


    伊予の鈍亀さんから掲示板に貼って頂いたブナの霧氷


           ブナ林の下部で記念写真を撮ってすぐに登山道へ復帰する

  
  344男爵もブナのパワーを貰う                     登山道からチチ山の別れをバックに立つブナ

  
  11時20分ダケカンバ林を抜ける                     11時30分 前方が開ける


第三(ファイナル)ステージ : 笹原に出てモミ林を抜けると南尾根の真骨頂、雄大な雪原をひたすら上る。

左手には寒風山、右手には冠山〜チチ山の山塊を眺めながら痛快な歩きを堪能出来る。
山頂手前がテラス状になっている為、山頂は直接見えない。やがてドウダンツツジとコメツツジの低木林を避けながらテラスに出ると、眼前に山頂
標識が突然現れて登山者をホッとさせる。

山頂まで出ると西側が開けて石鎚山、瓶ヶ森、西黒森、更には岩黒〜筒上〜手箱の三山も見える。又、当然の事ながら寒風山から伊予富士も縦走
尾根と一緒に眺める事が出来る。東側にはチチ山から続く予土県境尾根沿いに冠山〜平家平方面が並び、彼方には剣山系の山々が雪を被っている。

  
      普段は笹原、冬は雪原になる                  間隔をあけてモミの樹が点在する


                11時40分 モミの樹の間を登山道が抜ける


                     寒風山の向こうに伊予富士も顔を出す


               12時10分、モミの樹帯を抜けて雪原を進む

  
  左手上方に低木樹林帯が見える                          急な雪斜面を歩き続ける


   高度が上がると石鎚から瓶ヶ森、西黒森山、奥に岩黒山、筒上山、手箱山  手前に寒風山、伊予富士が見える


   流れ星さんが寒風山へ行かれており望遠で我々の姿を捉えたと掲示板に貼って頂きました ありがとうございます


            右手にはチチ山の別れから冠山と平家平、その左奥に大座礼山

  
 12時40分 笹ヶ峰の山頂標識が姿を見せる                行け〜〜冬の笹ヶ峰 ・堂山夕暮れ登頂隊


               横一列に並んで山頂を目指す堂山夕暮れ隊

  
 エビの尻尾を眺める堂山夕暮れ隊の長老               風が強いので風紋が出来ている


   伊予の鈍亀さん、ザイフリボクさんのアシストで無事登頂出来ました 


   12時50分   笹ヶ峰に到着〜〜   石鎚が良く見えるぞ

  
        西風を背に受け昼食中のメンバー                チチ山と東側の風景

  
  石鉄蔵王権現の祠もそこそこ霧氷で化粧されている         沓掛〜黒森〜櫛ヶ峰


下山はスピーディ、雪山でも2時間はかからない

笹ヶ峰南尾根は上りが敬遠されがちで、寒風山〜笹ヶ峰を縦走する人もほとんど寒風山から笹ヶ峰へ向かって歩かれている様だ。そしてこの
南尾根をささっと下りて林道を1時間程かけて寒風山登山口まで歩くパターンとなっている。

  
  13時30分 下山する                            ナッチーさんがグングン下りてくる

  
   渋滞の原因は徳ちゃんか〜〜                    344男爵の「孫のそり」は雪が柔らか過ぎて不発だった

  
    徳ちゃん もっと胸を張らなきゃ!                       さらば 石鎚よ


   チチ山の別れをバックに下山する堂山夕暮れ隊 プラス kazashi バーナード


     コラ〜〜  上りで一度も先頭に立たなかった連中が下りになると一目散やんけ

  
   いや〜  今日は満足だったわい(kazashi)                    モミの霧氷も良かったわい


          あれ? 下りはソリで先頭をぶっちぎりって言ってたよね

  
      14時10分 ブナ林を通過                      14時40分 岩崖を無事下りる

  
           笹の急坂を下る                        15時13分 溝に落ちながら無事下山


堂山夕暮れ隊を冬の笹ヶ峰・南尾根に引っ張り上げ霧氷を見るプロジェクトは伊予の鈍亀さん、ザイフリボクさんの協力で無事成功した
(写真は伊予の鈍亀さん提供)



    え〜ちゃんの笹ヶ峰・南尾根は      ここ   

    kazasih さんの 笹ヶ峰・南尾根は    ここ   

  


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