平成27年5月5日 イノシシ連合の西赤石山への道
魔戸の滝登山口から串ヶ峰〜上兜山〜物住ノ頭〜西赤石山〜兜岩〜石ヶ山丈尾根を周回する


メンバー5人 : エントツ山、ペーコ、むらくも、アンジーパパ、佐々連
登山口       :  魔戸の滝登山口手前 (尾根斜面崩壊地の為通行止め地点) (魔戸の滝登山口まで歩いて約15分)


 この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図12500(地図画像)を使用したものである 
カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図 :串ヶ峰〜上兜山〜物住ノ頭〜西赤石〜石ヶ山丈尾根 周回

同じ様な山歩きにも色んなパターンがありそれぞれの個性が光る。むらくもさんは以前からつむじかぜさんとマニアックな場所を
良く歩いているのを知っていた。むらくもブログ・コメント欄にはアンジーパパさんや佐々連さん、坊主さんの様にこれまた藪好
きでへんてこりんな山歩き趣味の連中が集い破天荒な会話が交わされる。

HPやブログの運営は山を歩くのとは又別の要素・能力が求められるものだ。むらくもさんは私と違って実に鷹揚(おうよう)で
懐が広いのでご婦人方を視野の外に置いたいやらしい内容とは別に感心させられる事も多い。去年はるちゃんの卒寿記念里山歩き
にむらくもさん、佐々連さんが参加してくれた縁もあって、今回アンジーパパさんも興味を持っている串ヶ峰、魔戸の滝界隈を一
緒に歩く事になった。

初対面はアンジーパパさんとが一番古く、讃岐竜王山へ行った時鷹山公園駐車場でガーベラさん共々お会いした。その後も東赤石
や寒峰では元気なアンジーとも対面している。インテリっぽい風貌の割には藪歩きをされていると聞いてびっくりしたものだった。
佐々連さんは去年西赤石山へ行った時兜岩で初対面だった。真面目を絵に描いて切手と収入印紙を貼った様な人だとの印象だった。
むらくもさんはブログのイメージでは小太りのアクが強いオッサンって思っていたのだが、はるちゃんの里山歩きで会うと若くて
素直で好感度が少し上がった。天候の関係で日程が変更されペーコちゃんが参加となり心強い。


               むらくもさん 佐々連さん ペーコちゃん アンジーパパさん
 串ヶ峰にて  (奥に笹ヶ峰〜沓掛山の吊り尾根とその間に西黒森、瓶ヶ森が見える)


高速道路の新居浜出口から側道を来ると魔戸の滝登山口への川口(かわぐち)交差点急カーブが曲がれないので一旦山根公園へ出
て西側から曲がる方が行き易い。この角に私の親戚(親父の妹さん)があって、近くに我が家の畑などもあり子供の頃からの遊び
場だった。 種子川(たねがわ)はこの直ぐ上で西と東に分かれるので我々は子供の時から西の川、東の川と呼んでいた。


06時30分新居浜の山根運動公園時計台駐車場へ集合し私のラッシュで種子川の登山口まで行く事にした。佐々連さんとむらくも
さんは先般のはるちゃんとの里山歩きで一緒に歩いたがアンジーパパさんと歩くのは初めてだ。


林道は魔戸の滝登山口手前で尾根が大崩落しており3〜4年程前から通行止めとなっており工事現場手前に駐車して歩かなければ
ならない。数日前に林道の状態を事前偵察に来た時、工事現場の人と話すと現在法面の補強工事を行っており平日の工事中は人間
も通行止めにしているらしい。道路開通の時期を聞くが、法面補強工事と道路の管轄が違うので良く分からないが、自分達がやっ
ている法面工事は今年秋頃までには終了予定だとの事だった。

06時50分林道の広い場所に車を停めて準備をする。皆さんこれから藪を歩くと言うのにスパッツなど面倒だからと言って付け
ない。当然準備体操やストレッチ運動をする者も皆無だ。う〜〜ん さすがワイルドな連中だ。

崩壊地の下を通り15分程歩くと魔戸の滝登山口に着くが、谷にかかる樽輪淵橋を渡り東側の尾根へと向かう。
荒れた林道跡を串
ヶ峰登山口まで滝を見ながら歩く・ペーコちゃんと私にはお馴染みの場所だが他の3人は初めて歩く場所になる様だ。むらくもさ
んがしきりに「いい滝だ」と感心している。むらくも家の近くに不動の滝ってのがあるんだが、香川の滝はここに比べると水量が
・・・・。


07時25分林道が尾根を回り込んだ場所にある串ヶ峰登山口に到着する。

  
尾根斜面崩壊の為車両通行止地点から歩く          15分程で魔戸の滝登山口を通過

  
次の尾根筋へ向かう途中魔戸の滝が見える             07時25分串ヶ峰登山口へ到着


地図にはもう少し尾根を回り込んで進んだ場所に破線道がある。この破線道は東種子川へも更に下がっているが現在はあまり
アテにはならない様だ。最初このルートで串ヶ峰を目指そうとしたのだが植林の為破線道は見当たらず結局斜面を這い上がる
羽目になった。
それ以来串ヶ峰へはこの尾根沿いに歩く事にしている。


串ヶ峰登山口〜尾根の岩回廊〜大岩展望所〜串ヶ峰   約2時間半


入口は少々藪っぽいが尾根に入れば踏み跡がしっかり付いている。植林の細尾根を暫く進むと尾根がデカくなり踏み跡が右手に
トラバースして延びる。途中に左へ上がる道もあるのだがこれも植林地帯の中を上がり上側で右手のルートと合体するのでここ
は右のトラバース道を進んだ方がわかり易いのだ。

尾根の右端まで進むとそこから急登が始まり、振り返ると新居浜が見える様になる。更に西側に続く道を進むと岩テラスに出て
向かいのボリュームたっぷりな石ヶ山丈尾根を眺めながら岩っぽいルートを上がって行く事になる。08時30分頃からシャク
ナゲの急登りが続き、やっとそれを越えると今度は第一笹藪地帯が始まる。

ありがたい事にここの笹藪は刈り払われておりあっという間にこれを抜ける。藪好きな香川の友人にとっては物足りない事だが
こちらは大いに助かった。この第一笹藪を過ぎると09時05分植林尾根にデカい岩が散乱している通過ポイント「岩の回廊」
がありここで初めての休憩とする。

今回は男ばかりの山歩きなので休憩におやつの配給があろう筈もなく・・・・・え? あるの? むらくもさんからピオーネ委託
配給のバウンドケーキが全員漏れなく振る舞われた。サンキュー

  
入口は少し藪っぽいが中に入ると踏み跡がはっきりしていた  尾根の西側へ出ると新居浜の街が見える

  
西側の岩尾根ルートになると石ヶ山丈のデカい尾根が見える               シャクナゲの急登を喘ぐ

  
 08時55分第一笹藪に入る あれ? 刈り払われているぞ      09時05分 岩の回廊にて休憩


短い休憩の後出発すると第一アケボノツツジが現れて全員を大いに喜ばせる。すぐに第二笹藪地帯に入るが何とここでも刈り払い
作業が行われており気が抜ける程快適な歩きをさせてさせて貰う。以前は笹藪の上側にワイルドなシャクナゲの急な岩斜面があり
ルート取りが要求されたのだが、ここも藪が刈り込まれて左側のルートへと誘う。


最後は大岩が現れて急な斜面を尾根まで這い上がると西側に大岩展望所がある。尾根ルートを少し外して09時30分大岩へ出る
と西赤石・兜岩や目指す串ヶ峰の山頂が見える。私やペーコちゃんは何度もこの岩場へ来ているので先っぽまで出るのに慣れてい
る。アンジーパパさんは靴が滑って大岩まで這い上がれなかった。

それでも尾根に帰ってすぐ上側に出ると今度は東側の岩展望所があって、そこでちゃんとアンジーパパさんの雄姿を撮る事が出来
た。そこから山頂へ至る第三笹藪も広く刈り払われていて何だかいつもと趣が違う。一体藪山の串ヶ峰はどこへ行ってしまったん
だ! 09時57分何の苦労も無く我が串ヶ峰山頂に到着した。

  
ピオーネさん ありがとうでごんす           岩が尾根を覆っているのでチェックポイントになる

  
  アケボノツツジが青空に映える           むむっ 第二笹藪地帯も笹刈りが行われていた

  
 従来より左手へルートが付けられていた        大岩展望所に到着


串ヶ峰直下の大岩展望所からの眺め 西赤石、兜岩 その向こうにチチ山・笹ヶ峰〜沓掛山 更に奥には西黒森と瓶ヶ森


   ここまで来ると串ヶ峰は近い (後ろは串ヶ峰)

 
石ヶ山丈尾根と奥に沓掛・黒森〜シャクナゲの尾    さあさあ 次へ行くで〜〜(大岩から下りる)


西の大岩へは行かんかったけど東の大岩でピースサインのアンジーパパさん

  
左の岩越しにアケボノが続く              最後の笹藪地帯も刈り払われていましたがな


    串が峰にようこそ  まあ藪山ですけどバックの景色はそこそこええですけん


         新居浜の角野地区から見た串ヶ峰は大女の肩には見えない


串ヶ峰〜上兜山〜物住ノ頭〜西赤石山 約2時間

10時から10分程時串ヶ峰で憩を取る。その間を利用してスプレーペンキで山頂標識を化粧する。見るとポールと標識を繋いだ
ボルトがガタガタになっており、これも来年辺りにそろそろ銅板標識に取り換える必要がある様だ。

さて、今度は尾根伝いを上兜山へ向かう。最初この尾根に来た時は灌木に覆われており傷だらけになりながら歩いたものだった。そ
れが10年ほど前に「イリタマゴゴケ」という珍しいコケ(地衣類)が発見されて以来急にこの灌木尾根に道が出来た。まあ私とし
てはここにオオヤマレンゲを発見した事の方が嬉しいのだが・・・ 」

この尾根は全体的に灌木に覆われているので見通しはあまり無いが
2か所程の岩場に出るのでそこだけ見通しが良くアケボノの時期
にはピンクに色づいた上兜が見られる。途中のシャクナゲ藪の近くに下兜へ下りる尾根分岐があるのだが、ここに
新しい分岐標識が
立てられていた。



10時30分上兜山に到着し、ここで又少しだけ休憩する。以前無くなっていたと思われたワイワイしゃもじを近くからペーコちゃ
んが発見し標識の下に結び付けようとするが握り部分の先が無くなっているので針金のひっかっかりが悪くなっていた。上兜山は

側が垂直に切り立っており流石のむらくもさんも下を覗く時は掴んだ木の枝を離さない。下側には鉱山の名残りでガレ場が見える。

  
例年はもっとピンクに染まるんだがなあ・・・      おりゃ? 下兜への新しい分岐標識が立っている

  
上兜山へ向かう                   お〜 これが上兜山の標識ね


むらくもさんは以前つむじかぜさんと訪問済み アンジーパパさんと佐々連さんは初めてだ

  

下兜のでべそが見える その下は船木地区               絶対掴んだ木は離さんぞ〜  赤星山も見えるわい


さて、上兜山からから主稜線にある物住ノ頭までは結構大きなピークを越えながら上り坂を進む事になるが、右手の西赤石や左手
前方には前赤石の鋭い岩峰が見えるので退屈しない。
ここも岩場に出ると着た尾根を振り返り串ヶ峰が支尾根の先っぽである事や
上兜山の右手には別の尾根(かけさこの尾)が延びており下兜山の出っ張りが良く見える。


讃岐の三人衆はどうもこの下兜と上兜を繋ぐルートに興味深々である。地元以外の人でここに興味を持って貰う事は実にありがた
く思う。種子川(たねがわ)から串ヶ峰への笹藪は刈られていたが、この尾根は整備されておらず野趣溢れる歩きが楽しめる。

住ノ頭へ上がる手前に小振りだがお気に入りのブナ林がある。
藪をかき分けると11時20分物住ノ頭に到着した。

物住ノ頭(ものずみのあたま) 四等三角点「高原」(1,634.56m)

物住ノ頭とは奇妙な山名だが伊藤玉男さんの「赤石の四季」巻末地図によると南側の日浦谷が上流で別れて西側が「枯木谷」東側
が「物住谷」と呼ばれて雲原越〜前赤石へと延びている。そしてこの辺りを「物住山」(ものずみやま」と呼ばれていたそうであ
る。川や渓谷の源頭部を頭(あたま、かしら)と言うので「物住ノ頭」ものずみのあたまと名前が着いたそうな。

三角点名の「高原」については良くわからない。串ヶ峰の尾根登山口から約4時間でこの主稜線まで這い上がった事になる。ここ
で一休みする。

  
上兜山にも新しい標識が設置されていた         アケボノツツジが美しい


     上兜山と下兜山の揃い踏み

  
 物住ノ頭へはまだまだあるぞ (左端は前赤石)    アップダウンも結構ある

  
 上兜山の次のピークを振り返る            ここの尾根は笹刈りは行われていない

  
  上兜山と大女の肩、串ヶ峰             ブナが見えると物住ノ頭は近い

  
   左手には前赤石が見える              11時20分 物住ノ頭にとうちゃこ〜


5人も一緒に歩くと最後部とはあまり話も出来ないので休憩の時間が親交を深める場となる。山歩きでは一癖も二クセもある連中
だが性格が私と違い皆さん素直なので付き合い易く旧知の間柄の様だ。何と言っても我が心の故郷とも言える「串ヶ峰」に讃岐の
三人衆がまさか来てくれるとは思っても居なかった。ありがとうございます。

物住ノ頭から西赤石は結構近くに見えるのだが、途中でピークなどもあり雲ヶ原からでも結構長く感じる。山は見る方角によって
様々な形に変貌する。新居浜から見る西赤石は地味だが、この物住ノ頭から見る西赤石は端正でカッコいいので大好きだ。雲ヶ原
に立つと歩いて来た串ヶ峰から上兜〜物住ノ頭の稜線「大女の肩」が良く見える。



物住ノ頭から  左斜面が物住山、正面が西赤石と兜岩、奥にチチ山・笹ヶ峰〜沓掛・黒森 更にその奥に西黒森・瓶ヶ森と石鎚

  
カラマツの新緑が美しい                           雲ヶ原の標識  奥が物住ノ頭と前赤石


   雲ヶ原より 串ヶ峰(左端)と上兜山(正面の出っ張り)       物住ノ頭〜串ヶ峰藪漕ぎ線

西赤石山 、 二等三角点「銅山」(1,625.75m)

12時10分最後の上り坂を越えて西赤石山へ到着する。普段はもっと登山者がいる筈なのだが、今年のアケボノが不作とあって
登山者は少ない。風が涼しいので西側のテラスで食事にする事になった。
何だかみんな休憩がとても嬉しそうだ

吊り尾根から覗く石鎚山を眺めながらリラックスする。兜岩〜石ヶ山丈尾根の下には故郷「新居浜の町」が広がる。故郷をこんな
に高い場所から眺める山がある事は幸せだと思う。


ここで下山ルートを相談する。石ヶ山丈尾根を下りるか、造林小屋跡から種子川沿いに魔戸の滝へ下りるか・・・・結局3人共ま
だ歩いていない石ヶ山丈を下る事になった。



          二等三角点「銅山」っても実は西赤石山なのだ  やっと着いたぜ


    西赤石の西展望所にて景色を眺めながら昼食をとる   アケボノは裏年でちょっと寂しい


西赤石山〜兜岩〜石ヶ山丈尾根〜林道石ヶ山丈線〜車デポ地  約4時間


12時30分手早く昼食を済ませて兜岩へと下る。今年のアケボノツツジは花付きが悪い裏年だが、個別には美しい樹もある。
一応兜岩から西赤石の北面を眺めて兜岩基部から東へ下りる。ここは兜岩から直接石ヶ山丈へ下りるのが面白いのだが今日の
大事なお客さんの服を破く訳にもいかないので大人しいルートを選んだ。

兜岩の基部から種子川上流の造林小屋跡へのルート途中につむじかぜさんが置いた分岐標識があり、これを左に進むと兜岩をト
ラバースして石ヶ山丈尾根へ出る踏み跡がある。少々岩っぽいルートではあるが少しでも踏み跡を外すととんでもない岩と藪に
往生する事になる。

  
  アケボノもそれなりに咲いている            オオカメノキの花が目立つ


         平成27年5月5日の西赤石北面  もうこれ以上は期待出来ないかな


  兜岩から東側を眺めると今日歩いて来た串ヶ峰から上兜〜物住ノ頭まで一望出来る

笹刈りの快適な石ヶ山丈尾根

兜岩トラバース路を抜けると笹藪の斜面となり見事に笹刈りが行われている。
この事は先日ペーコちゃんと笹ヶ峰から周回した
時に知っていた。この笹刈りが行われているので石ヶ山丈尾根を歩くのは「今でしょ」となった訳である。笹の旺盛な回復力に
は定評があり、この笹刈りルートもいつまで持つかよくわからないのだ。


快適な藪無し尾根となってはいるが、大量の刈られた笹が縦に置かれているので前回同様結構後ろから悲鳴が聞こえる。13時
07分ピークを越えた辺りに植林の日陰があったので少し休憩する。むらくもさんによると今日は何だか休憩時間が少ないと言
う。へ〜〜 そんなもんですかねえ。恐らく私は普段から足の遅さを休憩時間をカットする事でカバーしている習性があるんで
しょうねえ。
休憩の後すぐに石ヶ山丈尾根の唯一とも言える展望岩へ着いて西赤石と兜岩を眺める。ここは東平から上部鉄道の
一本松停車場を経てそのまま尾根伝いを上るとここに出る場所だ。

西赤石山を眺めながら
時間の流れの不思議を想う。つい先ほど迄5人で食事をしていたあの空間は存在するのに、その時過ごし
たの時間と言う物は既に過ぎ去った過去になり永遠に元には戻らないのだ。

  
  まあ一応兜岩には上がっておかなくちゃ       兜岩基部を下る (少しヤブっぽいが踏み跡はある

  
 12時53分 石ヶ山丈、造林小屋分岐        兜岩トラバース道

  
石ヶ山丈尾根の笹藪は刈り払われている         もう 休憩があまり無いんだから〜〜


  13時25分 石ヶ山丈大岩展望所にて  それぞれのザックを背に兜岩と西赤石を眺める

石ヶ山丈尾根は結構ボリュームがあり地形も変化に富んでいるので最初に歩くと結構間違い易い。でも万が一の時は両サイドに道が
ある。西側は上部鉄道跡とその上に牛車道がずっと続いているので安心だが結構傾斜が急だ。東側にも林道があちこち延びていて少
々複雑だがこちら側は傾斜が幾分なだらかではある。

大まかに言って尾根の急傾斜面は自然林で緩やかな斜面は植林地帯となっている。この石ヶ山丈もそんな尾根なので迷ったら植林地
帯と自然林の境目を進むと良い。

笹刈りの尾根を下ると急に平坦な岩と自然林が現れる。植林地帯が多い石ヶ山丈に於いては不思議な空間だ。だが、ここには笹が無
く当然刈り払われた道も無いから初めて来た人は少しルートに不安がよぎるだろう。でも良く見ると
右手に植林が現れて、その境目
に沿って進めばまず間違いは無い。


  
  笹藪がある場所では笹刈りが行われている            13時42分 大岩が点在する自然林地帯

  
美しい自然林の平坦地                           大岩の横を進む

  
テープもあるが平坦地のど真ん中を進む                ピオーネさんからの差し入れ第二弾〜〜〜 グッドタイミング〜

ちょっと分かりづらい四等三角点「別子」(べっし) 1,056.24m

崖をトラバースして右手に下ると掘れこんだ道となり、又笹が少し現れる。前回ペーコちゃんと歩いた時には地図を持っていなかっ
たからこの辺りにある三角点「別子」を踏み損ねた。今回は5人も居る訳だから何としてもこの三角点を通過しなければ・・・


当たりを付けていた場所をGPSで見るとまだ先の方である。そこからルートを外して西側の尾根部を進む。時々GPSと地図で確
認するがむらくもさんが自分のGPSを見ながら「もう少し先です!」と自信たっぷりに断言する。
この全てにあやふやな男がそう
断言するには相当の根拠に基づいた自信がある様だ。どうもGPS地図に三角点位置をインプットしているらしい。
この男の指示に
従って更に進むと14時27分三角点を発見し5人で足跡を印す。


  
植林地帯の少し掘れこんだ道を進む                   左の尾根筋へ移動して14時27分 三角点「別子」を確認

石ヶ山丈(いしがさんじょう)分岐

三角点から適当に植林地帯の踏み跡を下ると石垣が現れ前回より少し西側の石ヶ山丈分岐へ下りた。この分岐は四つ角になっており。
南は今歩いて来た石ヶ山丈尾根を経て西赤石山へ、北に下がると旧端出場発電所・沈砂池を経由して犬返し〜立川山〜えんとつ山へ
至る。東側には魔戸の滝上部へ通じる踏み跡があり、西側は上部鉄道跡を経由して角石原〜銅山峰へと至る。

  
左:自然林  右:植林               14時43分やっと石垣が現れる


  14時50分 石ヶ山丈分岐に到着


14時50分分岐標識を確認後、少し別子銅山の誇る「上部鉄道・石ヶ山丈跡」へ案内する。


ここは明治26年から44年までの間(18年間)銅鉱石を角石原(銅山峰ヒュッテがある場所)からこの石ヶ山丈駅まで約5.5
kmをドイツ・クラウス社の蒸気機関車で運んでいた歴史遺産の場所である。(後に日立製作所などの日本製蒸気機関車も使われた)
鉱石は石ヶ山丈から株鉄道の駅である端出場まで索道で吊し下していた。
今は高く築かれた石垣やプラットホーム跡が往時を偲ばせる
だけで深閑としている。


エントツ山の上部鉄道を歩いた記録は   ここ


  
結構広い敷地を持った石ヶ山丈駅跡                   最後の休憩を石ヶ山丈駅跡のプラットホームで取る



旧端出場発電所・沈砂池跡


上部鉄道分岐に戻って更に下側にある旧端出場発電所沈砂池跡へ進む。水力発電は水を上から落としてタービンを回す訳だから高い
場所から水を一気に落とす必要がある。そこで銅山川から水をはるばる日浦通洞〜第三通洞を使って東平へ通し、そこから導水路を
石ヶ山丈まで設けたのである。川水には細かい砂が含まれているのでいきなりこれを流すと発電機のタービンの羽根が痛む。この為
に砂を沈めて上澄み水を597.18m下の発電所まで落とす為の溜め池がこの石ヶ山丈沈砂池と言う訳である。

明治45年から昭和45年まで使用された発電所だから私が中学校の時はここに水が満々と溜められており、悪ガキ友達と遊びに来
た記憶がある。


エントツ山の旧端出場発電所、導水路歩きの記録は  ここ  

  
貯水池の廻りを巡らせた煉瓦は残っている        15時20分 貯水池の水門跡

  
貯水池跡の石段を下りる                15時25分魔戸の滝方面へ続く怪しい道を進む


「林道・石ヶ山丈線」を下って車に帰る

さて、ここからデポした車まではそんなに距離は無い。一旦貯水池の下に出てそのまま尾根を下ると崩壊地の上側の鉄塔尾根に出る。
その間に一本林道をクロスするのだがこの林道がどこから何処へ続いているのか良く知らない。ペーコちゃんも勘違いして東に続く荒
れた道が車をデポした林道へ下りると言うので安全策を取ってこれを歩く。

すると大きく道は迂回して元居た場所のすぐ下まで戻って来てしまった。まあそんなに時間をロスした訳でもなくこの道の全容を知っ
たので個人的には良かったと思った。まあこんなヘマは今日参加の皆さんが日常的にやってる事だからお互い様って事で許してね

16時10分林道石ヶ山丈線は魔戸の滝林道に合流し崩壊地の下を抜けて16時23分車に帰った


   
ペーコちゃんの案内で遠回りの林道歩き〜         16時10分 林道石ヶ山丈線は魔戸の滝線に合流

   
崩壊地の下を抜ける                16時23分 車に帰る  お疲れ〜〜 



ペーコちゃんと地元の山を香川の山仲間 むらくもさん、アンジーパパさん、佐々連さんと歩けて大満足の一日となりました


佐々連さんの今回の山行記は    ここ  

むらくもさんの山行記は      ここ  



             
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