平成27年12月18日 河口(こうぐち)から二ノ岳(にのだき)へ
河口(こうぐち)〜二ノ岳〜前田峠〜千野々
二ノ岳 (にのだき) 1,156.43m
カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図 河口〜二ノ岳〜前田峠〜千野々
石鎚山へロープウェイで登る時に河口(こうぐち)の三碧橋を渡って三叉路を左折し下谷駅へ向かう。県道12号線を加茂川に
沿って進むと、川を挟んで左手には断崖絶壁がず〜っと並ぶ。この絶壁は石鎚ロープウェイの北側まで続きそのピークは二ノ岳
(にのだき)と呼ばれている。
石鎚ロープウェイから見た二ノ岳
マーシーさんとロープウェイへの道を運転しながらいつかこの断崖絶壁の上を歩こうと言っていた。
先日マーシーさん、ペーコちゃんと長沢山へ忘年登山をしたばかりだったが、今年中にここを歩こうと言う事にすぐ話がまとま
った。イージーなイノシシ達なのだ。
平成27年12月18日(金)マーシーさんの代休を利用して06時いつもの新居浜、山根運動公園の駐車場に集合する。私の折り畳み
自転車を乗せて下山口の千野々にデポする。
ンプを持ってい(ちのの)
下山口「千野々」
「千野々」(ちのの)の地名は中世の昔この地が戦場になって血に染まったという物騒な言い伝えがある。明治時代に瓶ヶ森北
面にあった鉱山の粗銅が東之川から前田峠を通ってこの千野々へ運ばれ、ここから西条へ馬車や車で移送されたと言う。以前は
吊り橋だったのが住友共電の大保木発電所が出来たのと連動して大正14年、赤いトラス橋が架けられた。
川の向こうには高嶺小学校跡を改装した「石鎚ふれあいの里」施設がある。
下山口の千野々橋 大正14年5月に完成とある、三角形を利用して支えたトラス橋
登山口「河口」(こうぐち)
07時、河口(こうぐち)・三碧橋を渡った左側の広い場所に車を駐車する。河口は一昔前、石鎚登拝が盛んだった頃の登山口
で旅館の建物が沢山残っている。三碧橋を渡り返すと手掘りのトンネルが2つ並んでいる。河口第三隧道と河口第四隧道でこの
2つのトンネルは現在使われていない。登山口はこのトンネルを潜った奥にある。
崖や急登をよじ登り07時20分上部にある「第六子安場王子社」へ這い上がる。ここの覗き行場からは河口が真下に眺められ
る。
同じコースになってしまう。
取り付き場所 河口(こうぐち)
カシミールソフトを利用したGPSトラックログ図
07時10分 河口(こうぐち)に到着 三碧橋を渡り返す 橋を渡った右に手掘りトンネルがある
河口第三隧道に入る 次の河口第四隧道も通り抜ける
第六子安場王子社への取り付き口(ロープあり) 第六子安場王子社
第六子安場王子社の覗行場から河口(こうぐち)を見下す
さて、地図を見ても崖だらけで果たして這い上がれるのだろうか。手分けしてルートを探す。私は少し左手から崖の間を調べて
いくが、いくら巻いて這い上がっても上には垂直の絶壁がそそり立っている。右手を探っていたマーシーさんからこちらが行け
そうですと声がする。
崖に沿って東に進み岩の弱点を付いてズリズリとよじ登る。尾根部に近づくと加茂川を挟んだ南側の三ヶ森筋の山々が雪を被っ
ているのが見える。
第六子安場王子社から上へ行くが絶壁で無理〜 岩場に沿って右手に迂回する
ずっと岩場が続いている 07時45分岩場に沿って斜めに上がる
ページちゃんも這い上がってくる 木が無かったら崖〜
こっちやで〜〜 岩場をずんずん這い上がって行く
三ヶ森付近だろうか 08時40分 岩棚の上部に着く ここからは尾根道となる
四等三角点「細野」 527.31m
08時40分やっと尾根部に這い上がる。登山口から1時間半と思いの他時間がかかった。尾根部は岩と植林の地で比較的歩き易
い。08時46分直ぐに三角点を発見する。
絶壁の真上なのだ。
09時30分頃になると岩場がひんぱんに出て来て右手の絶壁の横を歩く。アカマツ、天然ヒノキ、モミなど岩尾根とセットに
なる樹木が多く見られる。切れ落ちた岩盤の上に出ると下界が見えて急性高所恐怖症になってお尻がモゾモゾする。
る山は三ヶ森だろうか雪を被った姿を見せている。
尾根と言っても岩場と植林が続く 08時46分 三角点「細野」を踏む
四等三角点「細野」 向かいのお山
奥が三ヶ森辺りだろうか
こんな岩山に良く植林したもんだ 09時30分 ちょっと休憩ン絶壁の上
これが尾根道です 岩がせり出して空中に居るマーシーさん
石鎚ロープウェイへ通じる県道12号線が真下に見える
二人乗ってその岩大丈夫?
それからも岩尾根は続く ペーコちゃんも這い上がって来る
四等三角点「前田」 975.11m
10時頃から樹林帯が多くなり雪が足元に増えて来た。時々境界割出の杭と地主の名前が書かれた黄色の杭が見られる。
55分右手が開けて石鎚が見える場所に出た。三角点が有る筈なので手分けして探すが見つからない。しかし絶好の石鎚礼拝所
に違いないので石鎚に向かって拝む。
すぐ左上にピークがあるので三角点を探しに植林の坂を上がる。三角点がありそうな場所を又手分けして探すがどこにも無い。
GPSで三角点の場所を確認するとやはり先程の場所らしいので又斜面を下る。
中に三角点「前田」を発見した。
境界杭と地主さんの名前が入った杭がある 雪が結構積もっている
植林の急登を上がる お〜〜 石鎚遥拝所じゃんか
成就社と石鎚がバッチリ見える
11時12分 四等三角点「前田」 三角点からも石鎚が眺められる
二ノ岳 三等三角点「長滝」 1,156.43m
雪深い植林の急登を再び上り返して二ノ岳を目指す。11時30分雪と岩の殿堂部を這い上がると更に急登が続く。次第に傾斜
が緩くなって11時55分三角点を見つける。ここが石鎚ロープウェイ、成就社駅と対峙する「二ノ岳」の山頂で、三等三角点
名は「長滝」だ。周りは小木の藪で石鎚は立木に殆ど遮られてあまり展望は良くない。
滝は絶壁の事も言う場合があるので長滝とは長い絶壁の意味があるのかも知れない。向かいのロープウェイ駅から見ると絶壁の
上にある平地に立った。
植林と岩の尾根が続く 雪が深くなる
大岩の尾根 植林の急登
11時55分 殺風景な二ノ岳に到着 三等三角点「長滝」を踏む
ここが「二ノ岳」(にのだき)だ。 奥の灌木を伐採すれば見通しは良くなるだろう
前田峠 約950m
10分程休憩の後、植林の尾根を東北東へ下る。地図上には前田峠まで破線で道がある事になっている。赤テープなども結構あ
り、微妙な道が植林の中に続く。
んの名が刻まれている。この人は菖蒲峠にあるお地蔵さんも寄進しているこの辺りの地主さんだろう。
岩を縫って植林の中を尾根道が延びる 植林の中を下る
下って 下って 又 下る 明治三十年に立てられた前田峠の石碑
前田峠は古くから高知の寺川と西条を結ぶ峠道で、明治時代には瓶ヶ森北面の銅山で精錬された粗銅を東之川からこの峠を通っ
て前田集落〜千野々へ運ぶ仲持道だったらしい。
さて雪が思ったよりも深いので高森まで上るのに時間がかかりそうだ。昼食を食べながらどうするか相談する。この調子なら高
森到着は16時になる。そこから藪尾根を下ると暗い中の藪下りが予想された。マーシーさんは翌日岡山の岩場へ遠征する事も
あって今回は大人しく前田峠から古道を歩いて千野々まで下る事にした。
5〜6年前なら3人共高森へゴーだったろうが、今は分別が出来る様になったと言うか歳を取ったというかあっさりと諦める。
「ここからどうする? 高森まで行く? 」 「 NO (ノー)!と言えるイノシシ達」
12時50分前田峠を北に下る。10分もしない内に荒れた沢筋に出てザレた斜面を倒木を避けながらクリアする。右手上方に
は雪を被った高森とそれからの尾根が見え3人は諦めた筈のその山を恨めしげに眺める。
現れる。ザレ場をクリアするとはっきりした道が続く。
尾根筋を越えて13時35分分岐に出る。ここで地図を出して右のイノウチ谷へ進むか、左の前田集落への古道を歩くか少し相
談して左の道を選択する。
12時50分 前田峠を北側へ向かう 崩壊地となっている沢部
高森が見えるよ〜〜 又 崩壊地が現れる 結構地盤が崩れやすいのだろう
沢部のザレ場を越える 13時34分古道分岐、ここは真っ直ぐ左手の道を進む
綺麗な沢を渡る 13時40分ザレ場を這い上がる(ロープ有り)
生活の匂いがする沢を通過 石垣の上に住居跡が見える
13時50分石垣が現れ集落の匂いがすると左手上部に家の跡が見えた。すると古森神社の鳥居があった。少し休憩の間神社の
周りをぐるりと見て回る。
ョートカットして14時50分千野々橋に出る。
13時53分古森神社の鳥居に着く ぐるりと神社を回ってみる
お地蔵さんの横を通って舗装道路に出る 林道「前田線」
トンガリは龍王山 龍王山 1,040mピーク 高森
林道をショートカット 14時45分林道を外れて千野々へ向かる
地元の人が利用している通路を歩く 千野々へ下山
14時50分 千野々橋を渡る デポした折り畳み自転車
千野々橋を渡った場所に二人を待たせてデポした自転車でヒイこら河口まで帰る。車で行くと傾斜はあまり無い様に見えたが
結構傾斜も距離もあり立ち漕ぎをして急いで車に帰り二人を回収する。あ〜しんど
当初予定の高森までは行かず少し中途半端な歩きではあったが念願の二ノ岳へ崖上を歩けて満足だった。