平成26年6月23日 
魔戸の滝登山口〜三角点「赤松」〜下兜山〜上兜山〜串ヶ峰〜魔戸の滝登山口 周回
(串ヶ峰の標識メンテナンスとオオヤマレンゲを見る旅)


最近むらくもさんのブログで下兜山と上兜山の周回話が話題に上がっていた。新居浜の高速道路側道から鉄塔保線路を経由して
ピストンするのが一番簡単なルートだ。この時期串ヶ峰のオオヤマレンゲが気になるので魔戸の滝登山口から種子川(たねがわ)
に下りて三角点「赤松」から西に延びた尾根を這い上がり下兜山〜上兜山〜串ヶ峰を周回してみる事にした。

魔戸の滝登山口から下兜山〜上兜山〜串ヶ峰周回ログ図


この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである 
カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図 (一部ログが飛んで直線になっております)

平成26年6月23日06時10分魔戸の滝登山口手前の斜面が大崩落の為通行止めになっており、崩落地手前の駐車スペースに停めて
串ヶ峰登山口の尾根筋まで歩く。荒れた林道が尾根の東側へ続いており、地図を見ると破線で昔の道が東谷川(種子川)の二又分岐まで
続いている。

長年使われていない為に藪となっている林道を種子川(たねがわ)に向かって下りる道を探しながら歩く。結局明瞭な道は見つからず、何か
の調査か林業関係者の赤テープが張られた場所から07時20分取り敢えず下りて見る。最初は踏み跡が暫く続くのだが途中でそれも無く
なってしまった。仕方なく下りやすいスペースを選んで川へと進む。後からログを確認するともっと北の方角へ向かわなければならなかった様
だ。どちらにしても明瞭な道は無さそうだった。

07時45分種子川に下り着く。この辺りは川幅も狭く水量は多いが場所を選べば渡渉が可能である。GPSで位置を確認すると想像していた
場所より上流だったので沢沿いを下る。地図ではこの沢沿いにも破線で道が記されているがそれらしい物には行きあたらない。15分程沢を
下るとしっかりした鉄の橋が左岸にあったがすっかり藪に覆われていた。

それから下流は地滑り地帯となり大きな植林杉が沢に傾(なだ)れ込んでスケールのデカい障害物競争となる。この先で種子川が二俣にな
っておりそこまで進まなければならない。少し左岸側に踏み跡があったので沢を迂回して下っていると08時45分川の分岐下に着いた。

  
  崩壊地の手前に駐車して06時10分出発                06時30分 魔戸の滝登山口

         
梅雨の時期なので特に水量が多い  轟轟と音を立てる        06時50分 串ヶ峰登山口 この尾根を越えて進む

  
 07時20分 テープの場所から川へと下る                10分程で道が無くなった

  
適当に下って行く  この斜面は植林などもありあまり藪では無かった  07時45分 沢に下りる

  
           沢沿いを下る                        藪の中に鉄の橋が残っているが道は見当たらない

  
 周りの植林が沢に傾(なだ)れている                そこを過ぎると歩き易い沢に  左岸にテープや踏み跡もあった


   08時45分 種子川(たねがわ)分岐に到着 (下流側から撮影) この左側の斜面を這い上がる


種子川・沢分岐点から四等三角点「赤松」へ  (約2時間)

左岸の沢迂回踏み跡を辿って下っていると沢の二俣分岐を過ぎてしまった。少し沢を引き返して沢の合流点へ進む。今下りてきた右側の
沢は串ヶ峰の両翼に向かう短めの沢で、左側の沢はグルリと串ヶ峰北尾根を回り込んで上兜山との間に源流部を持つ長い沢だからこちら
が本流になるのだろう。

ここから上流に向かって左手の沢へと入り、直ぐに斜面に取り付く。この斜面を這い上がって尾根沿いに進めば下兜山登山道との合流点で
ある四等三角点「赤松」に出る筈である。

08時50分滑りやすい岩棚に気を付けながら左手の沢入口へと入る。入口はクロズルの様な蔦がびっしり生えて苦労したが、斜面まで進ん
で行くと藪もそれ程でもなく急な斜面を鋲付長靴で這い上がる。

小木やシダ、赤松の生える急斜面を過ぎると09時20分穏やかな尾根となり境界杭と赤いプラスチック板が現れる。すると植林地帯となり木に
赤ペンキで「公団」と描かれている。恐らく「森林開発公団」(緑資源公団)だろう。ここから右手が断崖気味の細尾根場所もあるが総じて歩き
易い植林尾根を北東へとなだらかに上って行く。

10時47分左手からの尾根と合流してそこに石柱が2つありその内の1つが四等三角点「赤松」だった。ここまで来れば一安心、切株に腰を下
ろしておにぎりを一つ食べる。

  
    上流に向かって左手の沢へと入る                  入口は岩場なので少し奥に入る

  
 クロズルの藪を潜って斜面に入る                     自然林の歩き易い急斜面となる

  
  まあ これくらいの状態なら良いコンディションと言える        右手には谷を挟んで沢を分ける尾根が見える

  
  09時20分 尾根境界杭が現れる                   植林に「公団」とペンキで書かれている

  
   公団No.2と記されている                        これも○に団だから公団の杭だろう

  
  左手からの尾根と合流した様だ                      奥側にあった三角点 


   10時47分 四等三角点「赤松」に到着  (標高 957.65m)


三角点「赤松」〜三角点「甲」(かぶと)〜下兜山  (約1時間25分)

ここから下兜山へは以前歩いた道ではあるが、冬で雪が積もっておりほとんど記憶が無いが、退屈な植林地帯を黙々と歩く。所々で
尾根を右手にトラバースしたりするがテープなども見られて地形の割には道は外しにくい。

ここの三角点は記憶では山頂には無く手前の登山道にあるので霧で薄暗い植林地帯を見逃さない様に注意して歩くと12時05分三等
三角点「甲」(かぶと)
が右手にあった。ここの三角点の石標は抜かれて倒れており、代わりに新しい電子三角点が埋められていた。

この三角点から下兜山のピークは岩山なので植林が切れて岩と自然林となる。右手から回り込んで山頂に着くと懐かしい祠と対面した。
冬に来た時はここから瀬戸内海が見えたのだが今にも雨が降り出しそうな天気なので展望は望めなかった。


  
  三角点まで到着して本日初めての休憩と食べ物を取る       薄暗い植林尾根の登山道

   
  シカの奴 こんな所にも出没してやがる                 リョウブは鹿にやられえ枯れているもの多い

  
      左が植林で右が自然林                       三角点石標が倒れており電子三角点があったぞ


  12時05分 三等三角点「甲」(かぶと) 標高 1,233.59m

  
  三角点からは急に岩が増える                      岩尾根を山頂に進む


    船木(ふなき)の山    下兜山山頂の祠


下兜山〜上兜山  (約1時間50分)

下兜山から上兜山へは最初の下り口さえ間違わなければ比較的簡単な尾根ルートである。ここは山頂から真北に細尾根を急降下する。
総じて尾根筋には植林が少なく自然林の中を歩けるので気持ちが良い。地形的には左(東側)が切れ落ちており右(西側)がなだらなか
な植林地帯となっているので迷ったら左の急傾斜に沿って進めばいい。

標高差300m余りを3つのピークを越えて上兜〜串ヶ峰尾根に至る約2時間弱の旅である。以前歩いたルートではあるが、その先が長い
のでのんびりと歩く訳にはいかない。

12時23分急傾斜を真北に下りて行くと途中で虎ロープなども置かれていた。一旦急傾斜を下りると平坦な尾根道となり一部植林の中も歩
くが概ね緑豊かで明るい自然林と右手が植林のパターンが続く。ここにもリョウブの木が多いがほどんど根元が鹿にかじられている。

13時10分頃から霧が出てきたてGPSで位置と進む方角を確認しながら少し掘れこんだ上り坂を歩くと背丈の低い笹が現れて標高が高く
なって来た事を感じる。13時30分もう少し標高を上げるとブナなども見える様になる。

13時40分前方の木々が少し開けてその間から上兜山の岩峰が姿を現す。それまで全く上兜や串ヶ峰方面が見えないので尾根が近くに
なった事をやっと知る。最後は左へ膨らんで尾根部に近づくとシャクナゲが多くなる。何か作業用のビニール袋が木に吊るされていたが、す
ぐ近くに草刈り機が置かれていた。

13時56分以前上兜山で会った船木の親子が取り付けた上兜山〜串ヶ峰の分岐標識がぶら下がっており、そのまま尾根を左に進み14時
06分上兜山に到着した。途中この時期特有のウスノキやドウダンツツジを見る。

  
  12時23分  下兜山頂から真北に急坂を下る             最後は虎ロープなども置かれていた

  
 平らな自然林となる                              中々雰囲気の良い尾根だ

  
13時15分 笹が現れる                            シャクナゲも出て来た

  
  次第に高度を上げる                            13時42分 前方にやっと上兜山が見える

  
  最後の急登が始まる                           尾根分岐に近づくと草刈り機が置かれていた

  
13時56分 物住ノ頭〜串ヶ峰尾根に上がる              串ヶ峰が待っている

  
  西側には西赤石と兜岩                          ウスノキ


14時06分 上兜山に到着  ここで「もっちりアンパン」を一個食べる


上兜山〜串ヶ峰  (約 30分)  串が峰のオオヤマレンゲ

14時15分上兜山から串ヶ峰へと向かう。稜線はガスがかかって何も見えない。14時40分串ヶ峰手前に咲いているオオヤマレンゲの
花を観賞する。数年前に蔦が絡まって弱っていたのだが蔦を払ってあげたら元気になったのだ。こんなマイナーな場所にあのオオヤマ
様が咲いてくれるのだ。

14時48分串ヶ峰へ到着して暫く食べ残したアンパンを暫くお祀りしてまたザックに仕舞い下山を開始する。今年の5月10日に標識メンテ
ナンスに来ているのでまだペンキは綺麗だ。


  
  お〜〜 今年も咲いて待っていてくれた〜                 蕾もあるでよ

  
    やっぱ 貴婦人の風格あり                         清楚な純白


   オオヤマレンゲは一つの樹に蕾から最盛期を過ぎて色褪せた花まで仲良く並んでいる


 14時47分  串ヶ峰   5月10日にペンキを塗っているので今回はメンテなし

串ヶ峰〜魔戸の滝登山口  (約3時間)

さて15時近くになって串ヶ峰に居る自分がちょっと前までは信じられなかっただろう。それ程串ヶ峰はイメージ的に実に遠い山だったのだ。
それが標識を立ててそのメンテナンスに訪れる様になりこの藪山がより身近な存在になった。西側の下山口から笹藪へと下りて行く。

山頂から暫くは笹藪が続く。途中で北側へ続く尾根分岐を真っ直ぐ西尾根へ入る。串ヶ峰はこの西尾根と北尾根があるお蔭で新居浜から見た
姿が威風堂々とした形の山に見えるのだ。(本当は物住ノ頭から延びた大女の肩なのだけど・・・) やがて右手の岩に沿って下りていくと15時
05分大岩展望所に出る。ここから串ヶ峰を振り返ったり西赤石や兜岩を眺める気持ちの良い場所なのだが生憎のガスで何も見えない。

ここからシャクナゲの急斜面を下りて大岩の傍を抜けて行く。15時30分また笹藪となり10分ほど深い笹の中を進むと笹が切れて馬酔木や桧
の並木と大きな岩が尾根筋に出て来る「岩の回廊」だ。すると15時50分又笹藪が始まり下側で何故か笹藪を直角に曲がるルートが付けられ
ている。そしてそれ以上ルートを外さない様に虎ロープなどが張られているのだ。

この笹藪を過ぎるとそれからは笹藪は現れず、灌木・低木の藪道に変わる。16時15分尾根に植林が現れ右手が広くなだらかな植林地帯に
なっている。最初に魔戸の滝から串ヶ峰に登った時は尾根道を知らずにこの辺りに北側から這い上がって来た場所だ。少し灌木帯も現れるが
主に植林帯の中を凹んだ道が暫く続く。

16時40分大き目の岩が現れるとシャクナゲと灌木の道に変わる。それを抜けると尾根が南がの絶壁に沿って岩っぽい展望所に出る。17時
02分岩のテラスに出るとルートがそこから右にヘヤピンカーブする。そこから暫く真北へ植林の中をトラバース道が続く。

17時15分北側の尾根道に入ると後は登山口に向けて一直線に下って17時38分尾根登山口に下り着いた。ここから朝下りた林道と沢方面
をしみじみと眺めた後、トボトボと魔戸の滝登山口と崩壊地を通って18時30分車に帰り着いた。

  
  14時48分 むむっ これを入らなきゃ帰れないのね        まあ 深い笹藪でも下りだからね

  
  あっと言う間に大岩展望所に着いた                   ここから尾根を外してシャクナゲと岩の斜面を下る

  
  15時30分 また深い笹藪が現れる                   15時45分 通過目印になる「岩の回廊」

  
  又 深い笹藪となる                            そこを抜けると16時15分植林帯となる

  
次にシャクナゲ地帯を抜けると16時30分又植林帯が現れる        灌木地帯や岩尾根と何でもござれの串ヶ峰尾根だ   

  
  ヤマツツジの鮮やかな色に気持ちが和む                尾根の南側にある崖に沿って進む

   
  今日の相棒 現地調達に杖  ロープがある崖          このテラスがターニングポイント 右から下りて左に進む

  
  植林地帯を横切るトラバース路                      尾根に入れば後は一直線に駆け降りる

  
 17時38分 串ヶ峰登山口の尾根道に下りる              西谷川にかかる「樽輪淵橋」 (魔戸の滝下流)

  
          崩壊地を抜ける                       18時30分 ラッシュが待っていた


下兜〜上兜〜串ヶ峰をぐるりと周回する地図上で計画した日帰りルートをきっちり歩けた満足感に浸りながらラッシュで山を下りた。


  
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