平成26年5月18日(日)
びっくりしたな もう! シャクナゲ街道 雲早山〜高丸山縦走


四国一の花街道 雲早山〜高丸山尾根縦走


この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである 
カシミールソフトを使用したGPSトラックログ図  雲早山〜高丸山


                   雲早山〜高丸山縦走尾根、中間点のシャクナゲ

プロローグ :山仲間からの誘い

10年も山歩きをしていると色んなきっかけで山仲間が出来る。特に山のHPや掲示板をやっていると尚更だ。私と
トンちゃんの場合は娘さんと仕事でお世話になり「両親が山歩きを始めたから宜しくお願いします」と頼まれた。それ
が縁でその年の秋にサマンサや土佐のソクラテスと一緒に天狗塚へ誘って一緒に歩いたのが始まりだった。それ以来、
マーシーさんと共に野根山街道全行程完歩や妹背山などでテント泊を共にした。

そのトンちゃんから連絡が入り、雲早山〜高丸山の縦走にご一緒しませんか?とお誘いがあった。聞くとつるぎ今昔
乙女さんとストーンリバーさんがご一緒との事。


私とストーンリバーさんとの出会いは傑作で、サマンサと西三子山(にしみねやま)へ福寿草を見に行った時に途中で
相当後ろから「オ〜〜イ お〜〜い」と何度も呼びかけられたのがきっかけだった。どうも登山道が不安だった様で相
当前で先行する私達に道が正しいか尋ねたかった様だ。それじゃ一緒に歩きましょうと言う事になった。
それ以来、あちこちの登山口や下山口、山歩きの途中で会ったり掲示板へ訪問してくれる古い良き友となった。


つるぎ今昔乙女さんは裏寒風でストーンリバーさんと偶然会って、それ以来の山友となっているそうだ。上砂さんは
ストーンリバーさんの地元の山仲間でこれがご縁で私もあちこちでお会いし親しくなった。


山ですれ違う登山者は多いが、その後かけがえのない山友となるにはきっと何か因縁があるのだろう。私にとって、
はるちゃんやマーシーさん、高御位山さんもそんな因縁の一人だ。その他にもHPや掲示板を通じて多くの山仲間に恵
まれている。



誘いに応じてのこのこ出かけた雲早山〜高丸山縦走

平成26年5月18日塩江道の駅で05時40分に落ち合い、ダイヤモンド爺ちゃんの運転のラッシュで雲早トンネル
出口へ向かう。丁寧に乗っている白いラッシュは私のシルバーラッシュとは大違いで傷もなく室内もきれいなもんだ。
でも運転方法は私の方が上手だと思った。


穴吹橋を渡って左折した場所に銀行の駐車場があり、休日もロープを張らずに解放してくれる絶好の待ち合わせ場所と
教えて貰う。つるぎ今昔乙女さんやストーンリバーさんがここで良く合流するとの事である。


後部座席で酔わない様に上を向き色んな話をしながら山川から国道193号線に右折し、高越山の脇を抜け、神山付近
を通り過ぎて07時頃には雲早トンネル出口に着いた。先行車が2台ありカップルが準備されていた。しばらくすると
てっきりストーンリバーさんとご一緒だと思っていた上砂(あげすな)さんの車が到着。そして時間を置かずにストー
ンリバーさんがつるぎ今昔乙女さんと一緒に滑り込んできた。


聞くと、朝一番の出発はしんどいので前日から高丸山登山口までやってきて3人で車中泊したとの事を聞き恐縮する。
今日は登山口から初めてつるぎ今昔乙女さん、上砂さん、ストーンリバーさん達と一緒に歩くので楽しみだ。



シャクナゲの大爆発にびっくりしたなあ もう!

さて、07時07分いよいよ雲早山〜高丸山の縦走に向けて出発する。雲早山は3度目だがしゃくなげ尾根は初めて歩
く。ここはつるぎ今昔乙女さんが去年来た事があるので心強い。スーパー林道は雲早トンネル出口から通行止めなので
歩いて登山口へ向かう。途中、左へのヘヤピンカーブで道路が崩壊していた。

07時35分シャクナゲ尾根への取り付き点へ到着。特に登山口の標識は無いが、踏み跡が急な斜面に向かって見える。
左手前方に見える林道カーブ地点が尾根の端だと思われる。


 
  雲早トンネルを出て左折した所で通行止めとなっている        登山口までスーパー林道を歩く

 
    崩壊地点で林道は左上へヘヤピンカーブする          シャクナゲ尾根とりつき点  前方のカーブが尾根の端


ものの5分も急坂を上ったろうか。さっそくシャクナゲが現れたので一同テンションが上がる。07時45分左手から
伸び上って来ている尾根筋に這い上がる。
するとどうだ! 尾根がまるでシャクナゲのトンネルと化しているではない
か。


 
登山口から20分程でシャクナゲ尾根の取り付き点に到着              初めは急登

  
        早速 シャクナゲが現れる                  おおっ  大量に咲いておますがな

 
      林道から10分程で尾根筋に到着                頭の上はシャクナゲの花火が上がっている


私とシャクナゲの相性は決して良いものでは無かった。藪尾根のシャクナゲとは進路妨害の敵対関係にあり、そんな薄
暗い場所で咲く花の数は少なく陰気なイメージだった。
ところがこの尾根ときたら歩くスペースがちゃんと保障されて
おり、通行を邪魔する様な枝が皆無で品行方正なのだ。おまけに花火がさく裂したが如くほとんどの樹が花で埋め尽く
されている。

もうトンちゃんもストーンリバーさんもつるぎ今昔乙女さんもキーの高い歓声を上げて一向に前に進まない。大きなカ
メラを構えたおっさんストーンリバーさんや上砂さんも右へ左へとアングルを狙って忙しい。何じゃ〜〜この光景は!!
 びっくりしたな もう !!


この山の素晴らしさは植林が見られず自然林の柔らかさに包まれている所だ。谷を埋め尽くす淡い新緑の海にシャクナ
ゲの真紅が見事に浮き上がっている。
嬉しさを倍の騒がしさで表現する同行者達は3歩進んで2歩下がるから全く前に
移動しない。

 
   頭上はシャクナゲの花天井            きゃ〜〜 わ〜〜 へ〜〜 すご〜〜い

 
  ピンクのシャクナゲ簾(すだれ)             白花シャクナゲすだれ 


         バックの若葉に生えるシャクナゲのピンク

 
上砂さんもおっさんストーンリバーさんも撮影に忙しい     シャクナゲのトンネルを歩く


08時05分少し広い場所に出たので記念写真を撮る。登り坂ではあるが傾斜は比較的なだらかである。

08時20分左手の谷が開けて向かいの尾根が見える。その間は新緑に埋め尽くされている。するとミツバツツジの
薄いピンクが現れ、シャクナゲとのコラボに又女子トリオから歳の割に若い歓声が上がる。

頭上を見上げると背の高い自然林の新鮮な葉っぱが陽の光に透かされ、その下にシャクナゲの濃い葉っぱと赤やピン
クの花がまるで天井絵の様に続いている。こんな尾根歩きは初めての経験だ。


08時35分崩壊した痩せ尾根を渡るとしばらく急登りとなる。この辺りには天然杉も生えている様だ。少々の登り
傾斜も全員テンションが上がっているのでちっとも苦にならない。


右手からも尾根が伸びて来て上部で合流する様で、又細尾根の急登が続く。先ほどから見えていた左手からの尾根と
の標高差も次第に近づいてくる。



                    シャクナゲにかこまれて記念写真

 
   シャクナゲ林なのに尾根は歩き易い                         大輪の花が迫る


         ミツバツツジと新緑をさえ凌駕する濃いシャクナゲ

 
            うっとり・・・・                           坂道も花に囲まれて苦にならない


    視界が開けて向かいの稜線が見える   シャクナゲってこんなにたわわに花を付けるものなの?

 
   08時36分 崩壊地を通過                        右手の稜線が次第に近づく


08時50分樹木が減って岩っぽい登りとなるが、そこを抜けると倒木が横たわる広い尾根が現れた。どうも剣山系で
よく見られる鹿の食害で荒れて殺伐とした風景である。不思議な事にこういう厳しい環境にあるミツバツツジの色がよ
り鮮やかな色彩を放つ様になる。この辺りから雲早山のピークが右手前方に見え、広くなだらかな稜線を歩く。


辺りにはブナの樹が程よく配置され、ミツバツツジが異彩を放つ足元には笹はほとんど無くなって土壌が露出している。

09時00分右手前方の木々に切れ間があり、そこから西三子峰の台形が見渡される。ストーンリバーさんとの出会い
の山であるが、この山の福寿草は一体どうなってしまったんだろう?


左手の長い尾根の稜線には灌木が刷毛の様に立ち並んで美しい。足元の倒木にトンちゃんが屈み込んでいる。咲残りの
色褪せたカタクリの花を鋭く見つけて撮影しているのだった。小さく可憐な花は花好きな人間の前にだけその姿を容易
に現す様だ。


広くなだらかな斜面を思い思いの場所を気持ち良く歩いていると山頂への分岐に着き、高丸山への縦走路が前方に姿を
見せる。分岐から少し上り坂を進むと09時15分2頭の狛犬に守られた祠のある雲早山の頂に着いた。



 
    ちょっと花を大写しにしてみました                      荒涼とした急登

 
        倒木や岩を乗り越える                      この辺りの樹木は枯れて倒れている

 
         ブナとミツバツツジ                     上砂さんとエントツ山でサイズを測る(トンちゃん提供)


                      広々とした尾根を進む

 
          西三子峰が見える                      左手からの稜線が上部で合流する

 
トンちゃんが目ざとくカタクリの咲残りを見つけた              もう少しで雲早山の主稜線に出るやろね

 
雲早山主稜線に出て右手の山頂へと進む                 主稜線に出ると縦走尾根が現れる


雲早山(くもそうやま) 標高 1,495.9m   (二等三角点名:雲早山 標高 1,496.02m =国土地理院三角点データ資料)

雲早山は、西から剣山、一ノ森、天神丸、高城山と続く尾根と、東側の旭ヶ丸からの尾根、更には南側の高丸山からの
尾根の三つが合流した地点に位置する。眺望に優れており西にレーダードームのある高城山、南東には丸っこい高丸山
が見え、この雲早山と共に勝浦三山と呼ばれているらしい。国道やスーパー林道が無ければちょっと来れない場所であ
る。


雲早トンネル南口から約2時間ちょっとで歩いた訳だから極端に遅い訳ではないと思う。全員日頃の山歩きがゆっくり
歩いてもある程度のペースはキープ出来ている様だ。


以前2度訪れた時より更に見通しが良いと言うか、殺風景な山頂に変わっていた。しかし、荒れた場所に咲くミツバツ
ツジの色はそれと反比例して鮮やかで目に染みる。その真紅のカーテンの上には今から歩く縦走路や目的の高丸山が続
いていた。高丸山の方が60m程低いのだが、縦走尾根の中央部が少しくびれている位で尾根歩きとしては比較的楽そ
うな凹凸である。


ここで行動食休憩とする。みんな朝が早かったので適当に行動食を出しているとつるぎ今昔乙女さんから徳島名物「竹
ちくわ」が配給された。昔は結構安かったが今は値段が上がって1本100円するらしい。勿体ないから竹に付いてい
るヘタまで歯でこさげ取る。みんなで
記念写真をミニ三脚や石の上などに置いて撮った。

 
   雲早神社の祠には2体の狛犬が鎮座していた                カメラマンとカメラウーマン


          先ずはしぇ〜〜写真にご協力感謝    高丸山をバックに


              雲早山から縦走尾根と目的地の高丸山     ミツバツツジが美しい

 
      縦走路の前半はなだらかな尾根が続く            南側の西三子山(にしみねやま)は容姿端麗だ

 
        ちくわ三姉妹                             09時35分 雲早山に別れを告げる

09時35分いよいよ雲早山を出発して高丸山への縦走を開始する。

先ほど登って来たしゃくなげ尾根の分岐を通り越して主尾根を北東へ進み、ぐるり〜と右旋回して今度は南東へと進む
訳である。雲早山の北側には旭ヶ丸へ延びる尾根分岐があるが、右手にならかな谷を見ながら回り込むので難しくは無い。
この北から南へと旋回する前に荒れた斜面を下って行き、雲早山登山道のコルを09時50分通過する。

分岐にはパラボラアンテナの道標があってそれぞれの方角に山名が記されていた。登山道分岐から少し登った辺りがタ
ーニングポイントでこれを回り込むと雲早山が尾根の南端に張り出したピークである事が良くわかる。この辺りも相変
わらず植生は荒れて貧弱だが岩が露出した斜面にブナやオオカメノキが見られ、ミツバツツジが鮮やかな色を放ってい
る。平らな地形になると笹は後退しており、ワチガイソウやカエデの赤ちゃんが地表から頭を出していた。



 
      いよいよ尾根縦走路に入る                      殺伐とした尾根風景が続く


         雲早山(左端)から時計回りに尾根を回り込む

   
ミツバツツジ越しに縦走尾根が伸びていく                アングルを探して何処へでも パート1 上砂さん


      アングルを探して何処へでも  パート2 おっさんストーンリバーさん


                たくましい生命力のミツバツツジ

  
  ここのブナは総じてヒョロ長い (バックは高丸山)          雲早山から次第に尾根が回り込む


       高丸山に向かってなだらかな尾根が続く

   
        タムシバの花も咲いていた                    明るい場所であまり見た事ないテンナンショウ


                         美しい雲早山の南斜面


             高丸山を眺める谷合の景色はどこを切り取っても絵になる

  
09時50分 雲早山登山口分岐 ここが高丸山への縦走路起点だ   前方は旭ヶ丸への分岐尾根 これを下るとスーパー林道
ダイヤモンド父ちゃんのオシャレな赤いザック                 に出る

 
  ブナの古木のコケに生えるアオベンケイ                         ワチガイソウ

  
              雲早山を真横から見る                予想以上に歩き易い尾根道

 
       誰か コンタクトレンズを落とたらしいぞ           この中で果たして何本が樹になれるんだろう
    いや カエデの赤ちゃん写真の撮影中だった


雲早山に着いた後続の登山者に向かってヤッホ〜の女性合唱

10時30分になるとそれまで平坦で殺風景だった尾根に樹林帯の緑が増えて来る。一旦下り坂になり、又平坦な尾根道
となりメリハリのある尾根歩きとなった。この辺りからは前方には常に尖ったピークが見える様になる。現金なもので花
が少なくなると急に皆の歩きが早くなりいいペースだ。

雲早山が見える小ピークに来ると女子隊が振り返って「ヤッホー〜〜」と叫んでいる。どうも雲早山に団体登山者がやっ
て来た様で、その人たちに向かって精一杯の若い声で叫んでいるのだった。「こりゃ 追いつかれてオバサンとバレたら
詐欺やで」と先を促す。


老眼で遠くが良く見える連中からは前方の尖(とん)がりピークにシロヤシオが咲いているとの報告が入る。良く見ると
確かに白い花が沢山見える様だ。

足元にkyoさんのHPにあった菜の花みたいな花が咲いており種が下界からもたらされたのだろうか。その後すぐに細尾根
を通過するが灌木が左右に沢山生えているので危険性は無い。
これを抜けると急な登りになった。


前方が開けて高丸山までの稜線が姿を現す  手前の山塊が1,334mピークから続く縦走尾根中間部

 
 雲早山に後続登山者集団が到着した様だ              樹林帯になり縦走路最下点へと下って行く

 
      前方に尖ったピークが見える                         何や この花は?

 
縦走尾根のランドマーク 1,334mピークの先にあるトンガリ頭  ここからコルに向かって少し下がって行く
左上に高丸山が見える



    シロヤシオの花が楽しみなトンガリピークに向かって進む

 
         10時47分 細尾根を渡る                 登り坂になると又シャクナゲが出て来た


10時50分尾根を登って行くと又シャクナゲが現れ、次にミツバツツジ、その次にシロヤシオの花が出て来て三種混合・
花の競演となった。又、今昔山ガールトリオから歓声が沸き起こり歩みがのろくなり孫と歩いている程のスピードである。
シャクナゲの豪華絢爛な色を見た後なのでシロヤシオの花がやけに清楚に感じる。とは言え、この空を埋める純白をバック
に見るミツバツツジやシャクナゲも又おつなものである。贅沢この上ない山歩きである。




                         シャクナゲとシロヤシオ


                           ミツバツツジとシロヤシオ


 
            清楚なシロヤシオ                         ヒメシャラとシロヤシオ

 
        痩せ尾根をピークに向けて登って行く                  見上げるとシロヤシオ


               何処まで行ってもシャクナゲが現れる

縦走尾根の中間点 1,334mピーク付近

リョウブとシロヤシオの細尾根を登って行くと谷筋の向こうに雲早山方面が見渡す展望所に着きカメラの撮影隊が忙しく
なる。11時15分標高1,334mのシャクナゲピークを上がりきると前方に更に尖ったこの高尾根の南ピークが現れる。
この辺りは縦走尾根のほぼ中間点に当たる場所であるが、少しだけ標高が高いのでシロヤシオもハンカチを折った様な形
で咲き切っていないものが多くなる。トンちゃんは縦走尾根に入ってから日焼け対策で白いベールを被ってまるでイスラム
教徒の様である。


 
      雲早山が谷沿いにいい形で見える                  カメラマンがシャクナゲを追う


                         岩場に咲くシャクナゲ

 
            シャクナゲの急登                              雲早山

 
      即席ちくわフラワーズ                             奥のトンガリピークが姿を現す


                   シャクナゲに360度囲まれるストーンリバーさん

 
   若くて元気の良いシャクナゲの花                    雰囲気が良いのでみんなで右斜面を下って撮影

 
 標高が高いので花が未だ咲き切っていない              白い日焼け防止ベールを被ったトンちゃん急登を喘ぐ


沢筋に咲くユキワリソウ

11時25分尾根道が正面の岩ピークを避けて右手にトラバースするが先行する私は構わず岩尾根を直登する。このピー
クからは歩いてきた尾根道が見渡す事が出来てすこぶる痛快である。吹く風が心地よく皆がトラバース道から裏側へ這い
上がって来るのを待っていると、下からゴゾゴゾする音がして「エントツ山さ〜〜ん 花がありますから下りてきて下さ
〜い」と叫んでいる。

「もう花はええですわ 写真を後から見せてもらいます〜」と大声で返事をすると「下りて来ないと帰りの車に乗せませ
んから〜」と返事が返って来る。こりゃもう脅しだわい。仕方なく声のする方へと下って行く。すると急傾斜の沢筋に岩
場がありそこに雪割草の群生地がある。この花は東赤石や石鎚の三角点尾根西コル部にある花畑で見たことがあるが、沢
山可憐な花を咲かせており脅されてここまで下りて来た甲斐があった。



    
11時30分 岩尾根ピークに直登する (尾根道はトラバース)    岩尾根から縦走尾根を眺める


 
 岩尾根には赤い色をした蕾も沢山みられた      雲早山の写真を撮っていると崖下からお声がかかった

 
   折角岩尾根を這い上がったのに脅迫に負けて又崖下に下りると愛らしい花が咲いていました


      沢部に咲いていたユキワリソウ (ストーンリバーさん提供)


ここで上砂さんのストックが写真撮影に夢中で1本どこかに置いて来た事がわかった。そこで、近づいて来た後続の団体
さんの先頭に雪割草の咲いている事を先ず教えて上げて、その後に誰かストックを拾ってはいませんか?と切り出す。
ギブ・アンド・テーク戦術である。
先頭の方から後ろへ伝えて貰うと後続の方が拾ってくれていた。お礼を述べて団体名を聞くと「日本山岳会です」と言う。
で、どこの日本山会ですかと聞くとやはり日本山岳会ですと答える。よっぽど誇りを持っている組織だ。
「たとえば徳島支部とか・・・」と更に詰め寄ると「日本山会・四国支部です」と答えが返ってきた。この恐れ多い団体
が雪割草の咲く沢筋へ下りるのと交代して11時50分先へと進む。
(注・ひょっとして日本山岳協会と言われたかも知れません。なにせ良く似た名前なので・・・)

出っ張り尾根で昼食休憩

岩っぽい細尾根を抜けて少し上ると峠部へ着いた。峠を下った場所で食事にしようと相談したが、縦走尾根を右側に外れ
た場所の雰囲気が良かったのでここで時刻も12時となり昼食タイムにする。私の昼食は定番の「もちもちあんドーナツ」
だけだが、ここではストーンリバーさんから四国中央市名物のエビちくわやトンちゃんからも差し入れを頂く。ありがたや
 ありがたや〜


この尾根の外れにあるピークにはコウヤマキやシャクナゲがあり、雲早山が見渡す事が出来る。さて和やかな休憩時間を
過ごして12時25分いよいよ縦走の後半へと出発する。


 
   岩の細尾根を抜ける                         峠部に向かって荒れた急登となる

 
         峠から右手に登山道を外した絶好の休憩所があったのでここで昼食とする

 
   思い思いの木陰で腰を下ろす                    北側に見える雲早山が尾根の肩部であるのが良くわかる

おじょもさんに遭遇

峠部を下って行くと岩の多い細尾根が続く。12時40分シロヤシオの樹が多くなり右手に緑に覆われた大木が茂る窪地
が現れた。縦走路はこの窪地を時計回りに回り込んで先の1359mピークへと続いて行く。このテント泊に適した窪地
が気になるが、先ほど峠で先に出た団体を含めて多くの登山者が休憩していたので尾根部をそのまま進む。


広場の南端にある小ピークを越えると、反対方向から数人の登山者が斜面を登って来たので挨拶をする。するとトンちゃ
んが「おじょもさ〜ん」と最後部の大男に向かって声をかける。あんりゃ? 片手にデジカメ、両手にダブルストック姿
はまさにおじょもちゃんちゃこじゃあ〜りませんか。おじょも隊のおっさん達と一緒にお供をするのは正真正銘(しょう
しんしょうめい)の山ガールではないか。ええなあ・・・・。


おじょもさん達は高丸山出発隊と雲早山出発隊の二手に分かれて途中で車のキーを交換すると言う縦走方法を取っている
との事。単純な尾根縦走ならではの縦走法である。


 
                           峠部を下ると岩の多い細尾根となる

 
     ブナの巨木やヒメシャラが現れ右手が窪地となってくる    シロヤシオさん  待ってたホイ


      12時42分 大勢の登山者が休憩する窪地を右手に眺めながら尾根部を回り込む

 
  むむっ  あの体型はまさしくおじょもさん                   あんりゃ  女性は皆若い〜〜〜

       
         おじょもさんのグループと記念撮影 (ダイヤモンド爺ちゃん提供)


シロヤシオとブナの尾根

初々しくはにかむ山ガールに別れを告げて1359mピークへの登りに取り付く。この付近は特にシロヤシオが群生して
おりブナの樹と相まって美しい景色を醸し出し、又またみんなの歩みがのろくなる。特に尾根の向かって右側の斜面が大
ブナとシロヤシオで美しい景色を形作っている。

13時00分植生の乏しい荒れたシャクナゲ尾根の登りとなりやがて1359mピークに至る。この頃になると右手前方
に高丸山の本体が見え隠れする様になるがゴールまではまだ尾根が続いている。


ピークを過ぎると又なだらかな尾根となりブナやシロヤシオが現れる。下から雲早トンネル口で先行された若いカップル
とすれ違う。もう高丸山へタッチして折り返されて来た様だ。二人とも立派なカメラを提げているので「良い写真が撮れ
ましたか?」と聞くとピストン縦走の為、往路では写真を撮らずに帰りに写真を撮りながら歩くと言う。確かにこの尾根
縦走は車を2台使わない限りピストンせざるを得ない。さもなければおじょもさんみたいに二手に分かれて途中でキーを
交換するしかなさそうだ。

幅の広い尾根をゆっくりと下っていくと13時30分岩場に山芍薬が咲が咲くコル部に着いた。




 
                 ブナの巨樹                   ブナ林の中にマツハダ(シロヤシオ)が群生する

 


                ストーンリバーさんご提供のシロヤシオ写真

 
   小学生の時に描いたお星さまの形をしている              まるでボタンザクラの如く・・・・


          葉っぱも花も柔らかい色だこと

 
                           ブナを見上げてもシロヤシオの花が


                         頭上を覆うブナとシロヤシオ

 
  13時05分 荒れた上り坂を上る                     高丸山の西の肩が見えるぞ


                 最後の大きなコル部に向かって下っていく

 
     高丸山の山頂部が正面に見えてきた                  まだまだ続くシロヤシオ


            いや〜 シャクナゲも凄いがシロヤシオも凄いぞ〜〜

 
   コル部の岩場に咲くヤマシャクヤク                  13時30分 ヤマシャク岩場を通過

高丸山への最後の詰め

さて、ここから高丸山本体に向かって最後の登りが始まる。高丸山の手前に一つ顕著なピークがあり、これを越えて更に
進むと高丸山の西の肩部に至る。縦走路は次第に岩や細尾根となり又シャクナゲがご挨拶に現れる。雲早山やその手前の
ピークを振り返りながら急坂を喘ぐ。13時50分根っこが地表に出た急傾斜を登ると高丸山手前にあるピークに到着。
ここで雲早山や縦走路を振り返りながら記念写真を撮る。


見上げると高丸山の山頂部が台地の様に左へ延びている。その西側ピークを見据えながら岩が露出した最後の細尾根急登
を這い上がる。ここにはアケボノツツジが少し色褪せながらも咲き残っていた。14時05分西の肩に到着して、笹枯れ
の尾根を東に進み高丸山三角点(標高1,438.6m)には14時15分全員で一緒に到着した。


   
次第に岩っぽい尾根にシャクナゲが出てくる                     急登を喘ぐイスラム教徒


     13時50分 山頂手前のテラスまで上り詰める   バックに尾根ピークと奥に出発した雲早山

 
      高丸台地が見えるぞ                          あ〜〜  やっと最後の登りだ

 
   えんやこら  エンヤコラ                           あれ〜〜?  まだ先があるわ

 
    アケボノツツジも咲き残っている                    フィナーレはミツバツツジが祝福してくれる

 
   荒れたスズタケを東の山頂へ向かう                 14時15分  着いた〜〜  高丸山


高丸山(たかまるさん) 標高1,438.6m  (三等三角点名「高丸」標高 1,438.83m)

山頂には数組の家族連れがおられたので記念撮影をお願いする。しばらくこの長い縦走路を眺めながら今日のめくるめく
花の登山道を歩いた充実感に浸る。


最年長者を理由に隊長に選任されたおっさんストーンリバーさんが凡そ計画通りの山行であった事を強調する。確かに片
道ここまで7時間はほぼ平均的なペースだと思う。でももしピストンするのであれば最後は悲惨な結果に終わったかも知
れない。



                       最後もシェ〜で締めくくる

14時30分高丸山を下山する。

高丸山の山頂で山マガジンで良く見るジャンプ写真を撮ろうと自動シャッターで何度もトライしたが全て徒労に終わった。
自動シャッターのタイミングはカメラの光から判断するのは不可能だと認識させられた。下山道は南東の尾根筋を利用す
るのと、真南のなだらかな尾根に沿って下りる道の二つがある。

もう見るべき花はほとんど無くみんなすたこらさっさと南へ下る。途中左手に神社への分岐があったが右手の登山道をそ
のまま進むと14時50分「三ツ尾の峠」と呼ばれるコル部に着いた。


正面には尾根が続いているが、ここを左(東側)に折れるきれいな道があったのでそれを下っていった。途中でこの広い
道が南へ振るので不安になりGPSと地図で確認し、分岐で左側へ進んで道路が切れた尾根筋に沿って少し下ると本来の
登山道に下り着いた。

どうも三ツ尾の峠でもう一本左側に登山道があった様だ。ちなみに我々が歩いた広い道は「管理歩道」と呼ばれる道で最
終的には登山道と合流していた。


15時15分高丸山「千年の広場」駐車場に到着。ここにつるぎ今昔乙女さんのワゴン車が置かれており、すぐにトンネ
ル口へ引き返すと思いきやビニールシートが敷かれて「打ち上げ会」が始まった。コーヒーやお菓子、冷たいスイカなど
が次々に振る舞われる。


そこでの話題は花・花・花に囲まれた稜線歩きの素晴らしかった事や、隊長からほぼ計画の時間通りに歩けた事の念押し
とか全員の満足感で充満していた。


 
 自動シャッターで何度もジャンプ・・・ 疲れたわ                東側の尾根筋へ下りる登山道

 
     山頂から20分程で三ッ尾の峠(分岐)に到着                 広い林道を不用意に下る 

 
   尾根をショートカットするハメに                           すぐに登山道に合流

 
    広い林道を下っても登山道に合流していた様だ               高丸山下山口に到着

 
 結局広い林道は「管理歩道」と呼ばれるものだった              反省の全く無い反省会を行う


高丸山登山口から雲早山登山口まで乙女のドライブ

さて、気の緩んだ反省会が終了し15時40分つるぎ乙女さんのワゴン車に乗り込む。運転席に居た隊長ストーンリバー
さんがエンジンをかけた瞬間「あっ 免許証を自分の車に置いたままや〜」と自分は運転不能と叫ぶ。こんな山奥に交通
警察もおらんやろ・・・でも我が隊長はやけにコンプライアンスに忠実だ。

ワゴン車が免許証を所持する本来の持ち主による運転で細く長〜い山道へと出発する。
高丸山から雲早トンネルまでの道
は我がラッシュで運転した事があるが対向車に神経を使う。親父を生前四季美谷温泉に連れて来た時も「もうこんな道こ
りごりじゃ」と言われた。


つるぎの山奥の、ちょっとした都会と言われる場所に住んでいるらしい「つるぎ乙女さん」は、そんな山道、谷道、細道
の運転に慣れているのか対向車をズリズリ下がらせながら一路雲早トンネルを目指す。後部座席で危ない道と効き過ぎた
クーラーでトリハダを立てていると16時35分やっと雲早トンネル口に着いた。


ちょうどその時、つらつら山のろくべえ・かおさんが通りかかった。聞くと何と「菊千代谷」へ入って結構苦労したとの
事。
大釜の滝あたりで沢谷川から分かれた菊千代谷とへんど谷によって山域を雲早山、高丸山、西三子峰山に分かつ。
菊千代谷を詰めると雲早山と高丸山の間に辿り着くのだが支沢があって一体何処に這い上がったのだろう。



 
   小一時間 乙女ドライバーの運転に揺れる            16時35分 雲早山の出発点(トンネル口)に帰り付く

皆さんそれぞれにお礼と挨拶をしてそれぞれの地へ凱旋帰還する。私は来た時同様ダイヤモンド爺ちゃんの運転するラッ
シュ後部座席で楽させてもらった。



いや〜〜 一生分のシャクナゲを見て今回の山行は圧巻でした。四国を代表する花の尾根歩きに誘って下さったつるぎ今
昔乙女さん、ストーンリバーさん、上砂さん、トンちゃん・マー君 本当にありがとうございました



キー交換縦走を行ったおじょもさんの登山記は   ここ   
1週間後に同じ場所を歩いた reiko さんの登山記は  ここ     



           
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