平成26年11月13日
東温アルプス・シュッシュポッポほぼ完全縦走記
引地山〜皿ヶ嶺〜上林峠〜陣ヶ森〜善神ヶ森(うなめご)〜井内峠〜梅ヶ谷山〜樽谷山〜根無山〜白猪峠〜法師権現山〜
石墨山(大岩展望所)〜唐岬ノ滝分岐(東温高校小屋)〜黒森峠 約9時間
東温アルプス縦走記
車デポ地 :黒森峠に車をデポ
黒森峠〜引地山登山口:電動アシスト自転車にて引地山登山口(上林)へ約2時間 (途中電池切れの為時間がかかる)
引地山登山口〜黒森峠下山口 約 9時間
黒森峠〜上林にて自転車回収 約 45分
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである
カシミールソフトを使った東温アルプス縦走トラックログ図
東温アルプスと言う呼び名は皿ヶ嶺連峰(皿ヶ嶺〜石墨山を結ぶ標高1200m〜1400mの尾根を地元の人が親しみを持って名付けられた山域
名称である。この稜線は北側の東温市と南側の久万高原町の境界にもなっている。但し主峰の皿ヶ嶺山頂や石墨山は久万高原町に属している。
この縦走尾根は毎年地元の「さくら山行会」によって草刈りなどの登山道整備が行われているお蔭で快適な縦走路になっている。ただこの様に快
適な縦走路なのに全行程を歩いた記録はあまり無い様に思う。
と言う事でやっちゃいましょう! 全行程縦走歩きを !
但し問題は黒森峠(もしくは唐岬ノ滝登山口)と引地山登山口(もしくは皿ヶ嶺登山口)を繋ぐ交通手段である。車が2台あれば問題がないのだが、
一人の場合は自転車を利用と言う事になる。
平成26年11月13日(木)高松の自宅を03時に出る。高速道路川内インターで下りて国道494号線へ入り黒森峠へ。真っ暗く寒い中で電動アシ
スト自転車を引っ張り出し準備をして05時30分に出発する。
天気予報はそんなに悪くなかったのに風が強く小雨か霙(みぞれ)が降り出す始末で余り良いコンディションではなかった。特に国道494号線には
濡れ落ち葉に覆われており自転車では下りでもスピードを出せない。おまけに国道11号線から上林へ行く道が良くわからず手間取る。砥部(とべ)
に向かう県道23号線から県道209号線(通称上林街道)へと入る。ここで突き当りで橋を渡り右から回り込んで皿ヶ嶺方面へ行く訳なのだが、自
転車ではここまで時間がかるので手前で右に曲がると勘違いして時間ロス。更にどういう訳かフル充電した筈の電動自転車のパワー切れランプが
点滅してやがてフツーの自転車になってしまった。電動自転車の電池が切れた時ほど悲惨なものはない。土地勘の無い場所では登山口まで到達
するのに苦労するものだ。
正面が皿ヶ嶺で右手に引地山が見える (県道209号線) 07時20分この場所で自転車をデポする
@引地山登山口(湧水155番鉄塔)〜赤芝峠〜引地山 (07時42分〜09時06分) 約1時間30分
ここは分岐がム〜チョ多いので少し詳しく登山記をまとめる事にした。ただし要所要所に「赤芝峠」への標識があるのでこれに従えば問題ない。
皿ヶ嶺への舗装道路の湧水地区に四国電力中央西幹線155番鉄塔がある。道路はここで左へ急カーブして上っていくが、この舗装道路のコー
ナーに引地山への登山口がある。いわゆる「赤芝峠への登山口」である。この分岐を右手に入り少し狭目の舗装作業道を進む。
5分ほど右手に花柴を植えてある畑を見ながら進むと舗装道路と交差する場所で又分岐に出会う。ここも「赤芝峠」方面へ進めばよい。気持ち
の良い山道を更に5分程進むと又分岐があった。赤芝峠への標識がなければ実にややこしい場所だ。
右下への細道を進むと左側に水路がありこれを突き当ると小さな沢を渡りスズタケの生えた道となり、それを抜けると又「赤芝峠コース」と記さ
れた標識があり広々とした畑に出る。ここを突き当り左手へイノシシ柵を見ながら山手に登っていく。この辺りの道路は農作業の軽トラ用に簡易
舗装されている。
07時55分、又赤芝峠コースの標識がありここで簡易舗装道路を外れて右手の山道に入る。ここに鉄塔154番への鉄塔保線路標識も足元に
見られた。実に短時間でめまぐるしい程の分岐を繰り返す。標識が無ければ相当時間ロスしそうだ。
植林の中を少し進むと08時04分鉄塔154番に到着。ここから幅が広い未舗装道路が針葉樹と広葉樹の混在する林に続いている。08時08分
ふと足を止める。この未舗装道路が左へ曲がって着いているが、正面にも同じ様な道が続く。しかしここには何の標識も無かった。しばらく考え
て地理的に真っ直ぐ進む事にした。
すると鉄塔保線路標識やグレーチングの電力橋が現れたので間違いの無い事を確認出来た。08時26分このルートで最後の鉄塔153番に到
着し、ここにある標識に従い植林に続く鉄塔保線路を進む。
すこし左側が開けた保線路を進むと08時30分「松中東高OB会」の最終登山道分岐があった。これも後からわかった事なのでその時はこれが
最終分岐だとは思わなかったのだが・・・・
手前に見える鉄塔が四国中央西幹線155番鉄塔 鉄塔近くの道路がカーブする右手に第一登山口がある
道路がここで左へカーブしている 赤芝峠 100分、 水の元 55分と書いてある
07時45分 次の鉄塔近くに又分岐がある この分岐も「赤芝峠」方面へまっすぐ進む
斜め左への細道は水の元方面なので進まない 次の鉄塔方面へ向かいのどかな山道が続く
○女石経由 ? ちょっと読めない
07時50分 又赤柴峠への右下道へと進む クリークの先に小さな沢がありそれを渡る
少しワイルドな道に入るがすぐこれも終わる 07時51分赤芝峠コースの案内板がありホッとする
イノシシ柵が回らされた段々畑の横を山へ向かって進む むむっ 07時55分 又分岐標識だ (ここを右に入る)
いきなり植林道となる 08時04分 鉄塔154番に到着する
154番鉄塔からすこし広い未舗装道路となる 雰囲気が良いけどあまり長続きしないのが残念だ
唯一標識がない場所だった ここは左に曲がらず真っ直ぐ進む 鉄塔153番への鉄標識アングルが現れホッとする
間違いなくこのグレーチング橋は四電の保線路だ 植林の中に続く鉄塔保線路
08時26分 鉄塔153番に到着 ここにも赤芝峠コース標識あり しばらく鉄塔保線路を利用する
08時30分 ここが最終分岐で鉄塔保線路と別れて直進する ここに赤芝峠への標識があり、これが赤芝峠への最終標識となる
最初は頼りない道なのでちょっと不安になる 植林の中をジグザグに上へと進む
09時02分 赤芝峠分岐に到着 赤芝峠 T字路 右は引地山経由六部堂・三坂峠へ
赤芝峠を右に自然林の尾根進む 三等三角点「東明神」 ここが引地山だ
引地山 標高 1,026.8m 三角点名 東明神
09時06分 やっと「引地山」に到着 三角点がなければただの尾根筋だ
A 引地山〜皿ヶ嶺 (09時06分〜10時12分 ) 約1時間と少々
いや〜 引地山までは実に目まぐるしい分岐の連続に神経が磨り減った。ここまで来れば後は尾根筋でルートは簡単なのでひたすら歩けば良い。
先ほど上がってきた赤芝峠に帰り今度は皿ヶ嶺方面に進む この辺りは暫く笹が深いが登山道は整備されている
前方のピークが面白嶽だろうか カラマツが美しい 09時24分 六部堂分岐
09時25分 今度は皿ヶ嶺近道の標識が右手を差す 面白嶽のピークに這い上がる 何が面白いのか良くわからない
ここは真っ直ぐ尾根道を進む
笹が低くなり快適な尾根道となる 皿ヶ嶺へ入って行く湧水あたりだろうか
左は東温市の自然林、右は久万高原町の植林 09時42分 先ほど分岐した皿ヶ嶺近道と合流
09時45分 風穴への分岐が左にある 典型的な左自然林、右植林のパターン
10時(じゅうじ)に十字(じゅうじ)峠を通過 オヤジギャグみたいな〜〜
正面が皿ヶ嶺山頂、左が竜神平、右が六部堂、もちろん手前が引地山だ
反対側に回って十字峠の標識を撮る 10時08分 皿ヶ嶺三角点 点名は二等三角点「行長」
皿ヶ嶺 標高 1,270.5m
10時12分 皿ヶ嶺山頂に到着 ここで初めての休憩を取りおむすびを食べる 引地山登山口から約2時間20分かかった
久しぶりの皿ヶ嶺だ え? 何やて これから黒森峠まで行くの??
B 皿ヶ嶺〜竜神平〜上林峠〜陣ヶ森 (10時20分〜11時26分 ) 約1時間とちょっと
皿ヶ嶺から竜神平の中を続く登山道をお皿の東端まで進む。そこからは長い木製階段を下りて上林峠のコルから電波塔の立つ陣ヶ森へと登って行く。
竜神平へ下りる登山道の風景はいつもながらブナなどもあり美しい。竜神平の広々とした景色も皿ヶ嶺ならではで気持ちがいい。
ブナ林を見ながら竜神平へ下りてゆく
竜神平へ向かう 竜神平にある愛大小屋
秋の竜神平 登山道がこの中を縫って右手に進む
竜神平から北側の縦走路へ出る ブナ林を抜ける
10時48分 風穴と上林峠分岐T字路 お皿の東端に向かって神林峠へと延びる登山道
10時54分 木道階段にさしかかる 木道が終わると尾根道になる
木道から陣ヶ森を見る 道路もアンテナに向かって延びているが、ここは尾根を進む
11時02分 水の元分岐 直ぐに久万林道分岐 ここは当然陣ヶ森方面へ
陣ヶ森に向かっても左が自然林、右が植林のパターン 左へ白糸滝駐車場への分岐 ここは細い尾根道へと進む
陣ヶ森 標高1,206.9m
陣ヶ森のシンボルタワー 陣ヶ森山頂 四等三角点「陣ヶ森」
B 陣ヶ森〜前々司〜善神ヶ森(うなめご)〜井内峠〜梅ヶ谷山〜樽谷山〜根無山〜白猪峠 (11時30分〜14時30分) 約3時間
ここがいわゆる東温アルプスのメイン通りでさくら山行会の皆さんが毎年道整備をしているさくら整備街道である。(桜はあまり咲かないが・・・)
一旦縦走路へ引き換えし上林峠方面へうだる 笹が深いが登山道は快適だ
前方に前々司のピークが見える やはり左自然林、右植林のパターンが続く 前々司が近い
平らなピーク部に上がると前方に標識が 12時01分 「前々司」 1,230m ピーク
「前々司」は善神尾根分岐で東温市が合併される前は重信町・川内町・久万町の町境界だった所だ。
今度のピークは善神ヶ森(うなめご)だ 左手には井内隧道へ続く谷間が見える
12時17分 善神ヶ森 山頂 1,284.1m 本来ならばここから石墨山が見えるのだが・・・・・
この辺りの山頂名は非常にややこしいったらありゃしない。「善神ヶ森」は「うなめご」とも呼ばれているが三角点名ときたら三等三角点「遅越」
ってんだから一体どうなってんのよ
ここも一旦縦走路に戻って井内峠へ進む (井内峠へ5km) 善神ヶ森からは10分程急な下りとなる
12時30分 三界万霊のお地蔵さんが見守る 前方に梅ヶ谷山手前のピークが見える
井内峠 標高 1,088m 上林峠(4.6km)〜白猪峠(4.6km)の縦走尾根中間にある峠
北側・東温市側へは井内方面登山口へ、南側・久万高原町へは直瀬登山口へと続く
12時45分 井内峠を通過する
一つピークを越えると次のピークが待っている 井内峠から2番目のピークが梅ヶ谷山だろう
梅ヶ谷山 標高 1,315.8m 三角点名: 四等三角点「井内」 13時25分通過
反射板が目印だ 梅ヶ谷山にある三角点名: 四等三角点 「井内」
梅ヶ谷山は三角点が無ければただの通りすがり尾根じゃんか〜
竜神平から梅ヶ谷山までひたすら東へ東へと歩いてきたが、ここからの地形は少し複雑になる。梅ヶ谷山から尾根が真北に変わる
石墨山方面は相変わらず低い雲に覆われている 高低差のあまりない快適な登山道
梅ヶ谷山を振り返ると端正な形をしていた 前方に僅かなピークが見える
この辺りは笹藪が結構濃いが笹刈が良く行われている 四等三角点「樽ヶ崎」
樽谷山 標高1,255m 14時00分 四等三角点「樽ヶ崎」
14時00分 樽谷山を通過 ここも三角点がなければただの通りすがりの尾根に等しい
樽谷山から根無山にかけてブナが多くなる やはり尾根道にはブナが良く似合う
根無山 (1,241m) 14時20分通過
根無山 1,241m コメントの仕様がない山 ただ周りのブナ林に特徴があった
根無山付近の大ブナ
左が雑木林、右が植林のパターンを下る 14時30分 白猪峠を通過
白猪峠 標高 1,215m 14時30分通過
白猪峠は白猪ノ滝登山口や途中に右に折れて唐岬(からかい)ノ滝登山口へのショートカット・ルートがある
C 白猪峠〜白猪山〜法師権現山〜石墨の分れ〜石墨大岩展望所〜石墨の分れ (14時30分〜15時52分) 約1時間20分
白猪峠を過ぎると笹藪が現れさくら山行会もここまでは手が回らないようだ 随分ここから標高を上げなければならない
法師権現山のトンガリが見える 四等三角点「白猪」
四等三角点「白猪」 標高 1,201.4m 14時48分
この三角点はうっかりすると見逃すわ 尾根の直ぐ右側に林道(?)が走る
久万高原町の直瀬川沿いから延びているのだろうか
法師権現山は急な岩尾根となる 石墨山は右側へトラバースと標識がある
標識通り右へ虎バスすると尾根に上がる 尾根を左手に進むと法師権現山にすぐ到着する
法師権現山 標高 1,310m 15時10分
法師権現山 (山名は法師山となっている)
縦走してきた皿ヶ嶺方面の尾根 奥の平らな山が皿ヶ嶺
法師権現山から石墨山方j面を見る
細尾根を南東方向へ進む 前方に端正な石墨山の手前ピークが見える
夕暮れが近づいてきたがブナはやっぱり気になるわ 15時26分 石墨の分れ 石墨山まで 1.0km
さて黒森峠への下山道は初めてのルートだし、滑落事故のあった現場を明るい内にこの目で見たかったので石墨山を15時30分に通過出来る
場合には山頂を踏み、そうでなければこの分岐から大人しく下がる予定だった。 既に予定オーバーだったのでせめて大岩展望所まで行って
引き返すことにする。
石墨山は手前にピークが一つある この辺りもブナが見事な場所だ
大岩展望所から霧氷の着く石墨山を眺める 15時40分
ここから往復すると30分ほどかかるので山頂はスキップする
D 石墨の分れ〜東温高校小屋〜割石峠〜黒森峠 ( 15時52分〜 16時45分) 約 1時間弱
石墨分岐へ15時52分帰る 右後ろは法師権現山 話題の急坂を滑りながら落下する
急坂を下りると平坦な植林となる 16時21分 東温高校小屋 分岐
ここを左に行くと唐岬ノ滝登山口
右に進むと黒森峠へ出る
T字路分岐標識 ここを割石峠〜黒森峠方面へ進む
前方に丸っこいピークが一つある 振り返ると石墨山と法師権現山が見える
四等三角点「「割石峠」 16時28分通過
割石峠を越えると細尾根になる 唯一ここが根っこをひっかけて危ない落差がある
細尾根を過ぎると植林の間に広い道が続く 16時45分 黒森峠に到着
朝出発した時は真っ暗で何も見えなかったが綺麗な紅葉に囲まれた車デポ地だった
東温アルプスを通して歩いてみる試みは今回ほぼ達成された。引地山登山口から黒森峠まで歩行時間が9時間だからまあ普通の登山時間だと
言える。車の周回がネックの為随分遠くて大変なイメージがあるがいざ実行してみると非常に楽な尾根歩きである。
仲間がいれば車2台で歩き通す事は比較的容易なので是非完全縦走にトライして欲しいと思う。
2004年に東温アルプスを歩いた記録は ここ