平成26年3月15日  高瀑(たかたる)の滝


四国一の氷瀑 高瀑の滝へ

       
        この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものである
       カシミールソフトを使ったGPSトラック・ログ図 石鎚林道〜高瀑の滝


                   高瀑の滝 (2014年3月15日)

高瀑の滝は自分で図った訳ではないが、落差132mの西日本一の滝らしい。この滝は石鎚山系の西ノ冠岳と二ノ森の間を流れる
高瀑渓谷の上流部に位置し、やがて下流で加茂川となり西条で瀬戸内海に注ぐ。

夏場に見上げるこの滝は水量が乏しく崖に近い印象だが、冬になると標高の高さがこの水量の少なさを武器にして壮大な氷瀑を出現
させる。去年も大氷瀑を見に来たのだが、今年は大雪の為林道が不通となり中々行けない場所となっていた。

3月になり掲示板で以前笹倉(さぞう)湿原でお会いした「とっさん」(西田さん)から甥っ子さんと高瀑へ行かれたと報告があった。
その後思わぬ寒波襲来となり高瀑の氷結が期待され、今年もトライする事にした。

平成26年3月15日 朝新居浜を06時30分に出て西条〜河口(こうぐち)〜虎杖(いたづり)〜諏訪神社を通り石鎚林道を高瀑渓谷へ
と進む。先日おいわさん達が大雪で林道を歩いて結局高瀑(たかたる)登山口まで行って引き返したと聞いている。一体どこまで車で
行けるのだろうか?

 
                             林道から見える稜線は真っ白け                   

林道には心配された雪は比較的少なく、返ってガタガタ道で毎回よくもこんな悪路を走っているもんだと呆れながら運転する。08時15分
前方の林道に左手の斜面から雪が雪崩れており、それが凍結してバリケードになっている。

林道を歩き始めると雪が現れあちこちに雪崩が凍結して斜めのバリケードを作っている。 08時50分手掘りトンネルを抜け雪の林道を
更に歩き09時15分やっと休憩所のある高瀑登山口広場に着いた。

 
         雪崩が凍結したバリケード こんな場所を車で通るのはおじょも雑技団しかおらんわ

 
      次第に雪が林道を覆う                       08時50分 手掘りトンネルを抜ける

 
  林道の右手に並ぶ鞍瀬北方稜線も雪が残る              もう凍結雪で道路は斜めに傾いている

 
        ウサギの足跡を追う                      09時15分 登山口広場に到着

高瀑登山口広場も雪で覆われており、近くの渓谷を覗いた後、正面左の登山道へ入っていく。元々の登山道は沢に向かって左側に
続いていたのだが数年前崩落の為、一旦右手に沢を渡り少し進んだ後再度左側へ渡り返す様に変更されている。その後は暫く沢の
左側(右岸)を進む事になる。

 
    登山道へ入ると「沢を渡る」の標識がある             ロープが張られてある沢を右側へ渡る

 
    暫く進むと今度は左へ沢を渡り返す               その後は沢筋から斜面へとガレた登山道が続く

上流に向かって左側の斜面にほぼ沢に沿って登山道が伸びており、これが滝のある岩場の切り通し道の向こうまで続く。途中09時55分
丸木の梯子が2つ程見らる。この場所が滑落事故が起こった急斜面で今年はこの場所の上側をトラバースして回り込むルートになって
いた。この辺りは特に雪や凍結の恐れがある時期は注意が必要だ。

10時07分尾根を上部に回り込んだ登山道は植林地帯を沢に向かって下りて行く。その後更に沢の左手に沿って細い登山道が伸びて
いく。ザレた斜面に雪が凍結してここにも油断すると沢に向かって滑落しそうな場所が数か所あって気を使った。

10時40分 岩盤を切り通した道があり、右下には特徴のある滝が豊富な水を落としていた。

 
   沢に沿って細い登山道が続く                     所々崩壊地に丸木橋がかかっている

 
旧ルートがこの丸太梯子で上側へ変更されている様だ          その後、植林地帯を沢へ下って行く

 
  更に沢の左手を登山道が続く                      ザレた斜面は雪が凍って滑落しそうな場所が数か所あった

 
   危険個所には橋がかけられている                   新しい橋が架けられている様だ

 
   10時40分お馴染みの滝壺を持った滝を通過                岩盤を切り通した道を進む


10時56分石組がしっかりした橋が架かっておりこれを右側へ渡ると前方の岩壁より比較的大きな滝が落ちている。滝壺まで近づく事が
出来るしこれはこれで立派な滝なのだが、奥に目的のもっとドデカい高瀑の滝が待っているのでここはサラッと流す。

ここから右手正面の斜面へ登山道が延びて行くのだが、取りつきはザレ場を這い上がる事になる。ここに雪が積もってさながら滝の様
に扇型に広がっている。この斜面を半分程這い上がって右手の斜面に続く登山道に取りついて行く。11時05分この雪のザレ場を這い上
がり右手の登山道を注意して進むとアルミ梯子が掛けられていた。

ここを上に進むと、今度は登山道が左へ切り替えし上流部へ向かって沢の右側を進む。沢の上部で登山道と沢がほぼ同じ高さになり
最後の沢渡りとなる。11時15分沢を左側へ渡り雪深い沢筋を上流に向かう。もう「高瀑の滝」のすぐ近くまで来ているのだが沢が急角度
で右へ曲がって高度が上がるいるので見えない。11時35分天狗の子育て岩より最後の斜面へ取りつく。

 
   更に凍結気味の細い道を進                      10時56分 橋を対岸に渡る

 
      高瀑の滝へ詰める手前にある滝                このザレ場(雪が積もっているので滝みたいなのだが)を
                                           途中まで這い上がると右手にトラバース路がある

 
      沢の上部を右手に細い登山道が続く                アルミ梯子を上に上がる

 
     この辺りから西ノ冠岳の岩壁が見える             更に沢の上流へ進むと最後の沢渡り場所に到着

 
     正面の中州の様な場所へ渡る                       雪原部を上方へと歩く (テープは散見された)

 
      ツララが張った天狗の子育て岩                 最後の斜面を上流部へと進む


高瀑の滝 (2,014年)

登山口広場から約2時間半かかって11時45分高瀑の滝へ到着〜  過去2度来た時の様に完全凍結とまではいかず、相当水が上
から落ちている。 氷瀑の内側からも水が流れ落ちる音がしているが、ちょっと見には立派な氷結状態である。気温は明日から次第
に上がるので今日が恐らく今季見納めの氷結姿になるだろう。

写真を撮ろうと三脚をセットして滝へ近づくといきない「ドッシャン ガラガラ ドッス〜〜ン」と大きな音と共に沢山の氷が上から落ちて
きて、それがスローモーションの様に私に近づいてくる。ちょっと待って下さい〜〜 あわてて滝口から逃げる。油断禁物である。それ
でも気を取り直して写真を撮る。


 
              表面上は凍結しているが、内部は水が流れて音がしている

 
          くわばら くわばら 早めに写真撮って滝口から離れなければ・・・・・


    滝の上部には太陽の光が差しているが谷全体には陽が差しこまない


                    滝の上部をズームアップしてみる


30分ほど「高瀑の滝」の壮観を楽しんで12時15分引き上げる。帰りも同じように滑りそうな場所では慎重に歩き14時00分駐車場広場
(登山口)へ到着。 朝歩いた時より総じて雪が減っていた。

 
  この青空で谷間を歩くのが勿体ない                    ザレ場を下りた場所にある滝を通過

 
  沢も見た目朝より暖かい色合いになっている          コンクリートの通路も雪が解けていた


                  秋には美しい色合いになる滑床の渓谷

 
 
       渡渉は長靴なのでばしゃバシャと気楽なものだ       みんな霧氷を楽しんでいるだろうなあ

 

 
  登山口から沢を覗く                            登山口の横も滑床となっている

14時に登山口広場に着いて林道を車デポ地まで歩く。30分ほど歩くと手掘りトンネルを潜る。この後は林道からは雪がほとんど消えて
いた。14時40分デポしたラッシュに帰り長靴を脱ぐ。

 
  再び手掘りトンネルを抜ける                    トンネルを抜けた所に架かっている橋の名前が「十ヶ岳橋」だった

 
  三ヶ森(みつがもり)が尖がっている               雪崩た雪が凍っている向こうに置いてあるラッシュに帰り着く


今回使用した道具  通勤用ザック、鋲付き長靴、 タオル 、実家の倉庫にあったセルフビレイ用荒縄


2014年の高瀑は大雪の為林道が不通となりごく僅かの人しか行けなかった。何とか3月になって氷瀑を見る事が出来て満足でした

      

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